埼玉県寄居町の傷害致死罪で正当防衛

2018-12-31

埼玉県寄居町の傷害致死罪で正当防衛

埼玉県寄居町に住む会社員女性Aさん(24歳)は、帰宅途中の自宅アパートの階段にて、突然、面識のない男性Vに口を塞がれ、衣服を剥がされそうになりました。
Aさんは必死に抵抗し、Vの膝を蹴ったところ、Vは階段から転げ落ちました。
騒ぎを聞きつけた住民が埼玉県警寄居警察署に通報し、Vは搬送先の病院で脳挫傷により死亡が確認されました。
後日、Aさんは傷害致死罪の疑いで埼玉県警寄居警察署に事情聴取を求められたため、刑事責任を負うことになるのか不安となったAさんは、事前に刑事事件に詳しい弁護士に、自分の行為が正当防衛に当たるのか相談をしたいと考えています。
(フィクションです)

一般論として、他人に対して傷害を負わせ結果的に死亡させてしまった場合、仮に殺意はなかった場合であっても、傷害致死罪が成立する可能性があります。
傷害致死罪は、暴行によって被害者が即死した場合や一定時間の経過後に死亡した場合を問わず成立するとされています。

傷害致死罪(刑法205条)の法定刑は、3年以上の有期懲役であるのに対し、殺人罪の法定刑が、死刑または無期もしくは5年以上の懲役であることから、傷害致死罪の法定刑が軽いという印象を持たれるかもしれません。
ただ、刑の執行猶予がされる条件として、懲役3年以下の場合という要件があることから、刑法全体では懲役3年が法定刑の下限である傷害致死罪は、刑の重い罪に分類されています。

上記刑事事件例において、傷害致死罪の被疑者Aさんは、被害者から性的暴行を受けそうになったことを理由に、正当防衛を主張したいと考えています。

正当防衛(刑法36条1項)の規定は、「①急迫不正の侵害に対し、②自己または他人の権利を防衛するために、③やむを得ずした行為は、罰しない。」となっています。

まず、①については、他人の違法な行為が正に存在するという状況と言うことができます。
この要件は、現に身体や財産などが侵害されている場合だけでなく、今にも身体や財産が侵害されようとしている場合にも認められる余地があります。
また、「対し」という文言から、防衛行為の相手方は違法な行為に及ぶ者である必要があります。
仮に無関係の第三者の権利を侵害した場合は、正当防衛ではなく刑法37条の「緊急避難」の成否が問題となります。

次に、②については、あくまでも自己または他人の権利を防衛するという意思が存在しなければならないとされています。
そのため、専ら相手方を侵害する意思しか認められない場合は、正当防衛が適用される余地はなくなる可能性が高いです。

最後に、③については、防衛の目的を達するうえで必要最小限度の行為でなければならないことが定められています。
この要件により、正当防衛を装った明らかに不必要な暴行などを正当防衛の範囲外とすることが可能となっています。
ちなみに、必要最小限度と言えるかどうかの判断対象は、行為であって結果ではありません。
そのため、相当な行為に及んで結果的に重大な権利(たとえば人の生命)を侵害したとしても、そのことから直ちに正当防衛が否定されるわけではありません。

正当防衛は本来違法な行為について、事後的に適法として扱うという例外的な扱いであり、実務上その主張を裁判で認めてもらうことはそう簡単ではありません。
正当防衛の主張のような難しい刑事事件は、やはり刑事事件の経験豊富な弁護士に事件を依頼することが大切です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件に特化した専門性の高い法律事務所です。
そのため、刑事事件に関する豊富な知識と経験を武器に、正当防衛について最適な主張を行うことができます。
もし傷害致死罪を疑われて正当防衛を主張するなら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士にご相談ください。
埼玉県警寄居警察署への初回接見費用:42,560円)

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