【報道解説】高校生が児童ポルノ禁止法違反で逮捕

2022-05-29

【報道解説】高校生が児童ポルノ禁止法違反で逮捕

男子高校生が女子高校生みだらな行為の様子をスマートフォンで撮影したことを理由に、児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「兵庫県警明石署は20日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反製造)の疑いで、神戸市西区の男子高校生(16)を逮捕した。
逮捕容疑は2月中旬ごろ、交際していた県内の女子高校生(16)に対し、18歳未満と知りながらわいせつな行為をし、その様子をスマートフォンで撮影した疑い。調べに対し、容疑を認めているという。
女子高校生の保護者が5月12日に同署に相談し、容疑が発覚した。」
(令和4年5月20日に配信された神戸新聞NEXTより引用)

【児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)とは】

報道では、交際相手の16歳の女子高校生とのわいせつな行為をしている様子をスマートフォンで撮影したとありますが、児童買春・児童ポルノ禁止法(以下「児童ポルノ禁止法」とします。)「児童ポルノ」を「製造」する行為に対して罰則を設けています。

本件では、どのような動画が「児童ポルノ」に当たるのでしょうか。
わいせつな行為が具体的にどのような行為であるかについては報道からではわかりませんが、16歳同士の男子高校生と女子高校生との性的行為を撮影したのであれば、以下の2つのうちのいずれかの児童ポルノに当たることになるでしょう。
仮に、女子高校生を相手方とする性交又は性交類似行為の様子を撮影したのであれば児童ポルノ禁止法第2条3項1号が定める児童ポルノに当たることになります。
また、1号が定める児童ポルノに当たらなくても、女子高校生の性器等を触る様子か、又は女子高校生が他人の性器等を触る様子であって、性欲を興奮させ又は刺激させるものであれば、児童ポルノ禁止法第2条3項2号が定める児童ポルノに当たることになります。

次に、「製造」についてですが、児童ポルノ禁止法では、児童ポルノ製造を、
①提供目的での製造(児童ポルノ禁止法7条3項)
②単純な製造(同法7条4項)
盗撮による製造(同法7条5項)
④不特定多数の者への提供又は公然陳列の目的での製造(同法7条7項)
の4つに分けて規定しています。
①②③については、法定刑が3年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科せられることになり、④については、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられることになります。
報道では、男子高校生がどのような目的で児童ポルノ製造したかについては明らかになっていませんが、例えば、後で自分で見返す目的で製造したということであれば、②の単純な製造に当たることになるでしょう。

【同い年の交際相手であっても児童ポルノ禁止法違反になるのか】

報道では、逮捕された16歳の男子高校生と、被害にあった16歳の女子高校生は交際関係にあったとありますが、この事情は児童ポルノ禁止法違反の成立に何か影響があるのでしょうか。

18歳未満の青少年が同じく青少年に対して行った性行為については、罰則が科されない場合があります。
例えば、事件があった兵庫県が定める兵庫県青少年愛護条例第21条1項では、青少年に対してみだらな性行為やわいせつな行為を行うことが禁止されています。
これに違反すると、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科されることが原則となります(同条例第30条1項2号)が、例外として、この罰則規定は青少年には適用されないことになっています(同条例第32条)。
そのため、16歳の男子高校生が16歳の女子高校生に対して行った性行為については、兵庫県青少年愛護条例の適用の対象外になりますので刑罰が科されることはありません。

ただし、児童ポルノ禁止法では、兵庫県愛護条例第32条のような青少年に対して刑罰を問わないとする免責規定はありません。
従って、16歳の男子高校生が交際相手の16歳の女子高校生とのわいせつな行為を撮影した場合には、児童ポルノ禁止法違反に問われることになります。

【高校生のお子さんが逮捕されてお困りの方は】

未成年である16歳の高校生の方が逮捕された場合、成人の場合と同様に最長20日間の勾留、又は最長10日間の勾留に代わる観護措置として、引き続き身柄を拘束する処分が続く場合が多いです。
身柄拘束が長引くと、学校生活や社会生活に与える影響が大きいです。
そのような長期の身柄拘束を回避するためには、いち早く弁護士に依頼して初回接見に行ってもらいましょう。
この初回接見によって、突然逮捕されて不安に思っているお子さんの不安を和らげる効果が期待できますし、また、事件の見通しや今後の流れについて弁護士から説明を受けることもできるでしょう。
そして、この初回接見をきっかけにして弁護士が事件に早期に介入することが出来れば、長期の身柄拘束を回避するための弁護活動を取ることができますので、早期の身柄解放の可能性を上げることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件において、逮捕直後に早期に事件に介入できたことにより、勾留又は勾留に代わる観護措置を回避した経験を持つ弁護士が在籍しております。
児童ポルノ法違反の疑いで、ご家族の中で逮捕された方がいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談下さい。

ページの上部へ戻る