【報道解説】ストーカー規制法違反で逮捕

2022-04-17

【報道解説】ストーカー規制法違反で逮捕

ストーカー規制法違反刑事事件化した場合における刑事手続と刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「令和4年4月7日、兵庫県警伊丹署は同僚女性(46)の携帯電話に行動を監視しているようなメッセージを送ったとして、伊丹市交通局職員の男(60)を、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕した。」
「発表によると、男は同年4月5から7日、無料通信アプリ「LINE」で、仕事中の同僚女性を撮影した写真とともに「俺は見ているぞ」などのメッセージを送った疑い。令和3年1月頃からメッセージが増え始め、多い日には昼夜を問わず50件届いたという。」
(令和4年4月8日に読売新聞より配信されたニュースより引用)

【ストーカー規制法で逮捕されるケースとは】
 
ストーカー規制法では、大きく「ストーカー行為」をしたことにより逮捕されるケースと、「禁止命令等」に違反したことにより逮捕されるケースがあると考えられます。

まず、「ストーカー行為」に当たる場合についてですが、「ストーカー行為」とは、同一の者に対して、「つきまとい等」の行為を反復してすることを言います(2条4項)。
なお、「その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知りうる状態に置くこと」(2条1項2号)や「拒まれたにもかかわらず、連続して、電子メールの送信等をする」(2条1項5号)といった一定の場合には、「ストーカー行為」が成立するためには「身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に」という限定が付きます

それでは、どのような行為が「つきまとい等」に当たるのでしょうか。
ストーカー規制法では「つきまとい等」に当たる行為として大きく8つの行為を定めていますが、ここでは、冒頭でとりあげたニュースの内容に関わる限りで「つきまとい等」について説明します。
ニュースでは、3月5日から7日にかけて、同僚女性に対して、仕事中に撮影した女性の写真と一緒にLINEで「俺は見ているぞ」などのメッセージを送り、このようなメッセージを昨年1月ごろから、多い日には昼夜を問わず50件送ったとの記載があります。

ストーカー規制法では、「その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置く」行為(2条1項2号)を、「特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し」で行った場合には、「つきまとい等」に当たるとしています。
「俺は見ているぞ」というメッセージは、監視していると告げる行為そのものですから、2条1項2号によって「つきまとい等」に当たることになるでしょう。

そして、同僚の女性に対して仕事中の女性の姿を撮影した写真と一緒に「俺は見ているぞ」というメッセージを多い日には昼夜を問わず50件もLINEで送った場合、そのようなメッセージを受け取った側からすれば、「自分は常に監視されている」と思い、「いつか何かされるのではないか」「家に突然押し掛けるのではないか」などど「身体の安全」や「住居等の平穏」が害されるような不安を感じたり、あるいは、「自分が行く場所が全て把握されているのはないか」と「行動の自由」が著しく害される不安を覚えさせるような「つきまとい等」として、「ストーカー行為」に当たる可能性が十分にあります。

ストーカー行為」をした者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられることになります(18条)。

【刑事事件の解決のために】
 
今回は、ニュースの内容に沿って、監視していると告げる行為によってストーカー規制法違反になり得る場合について説明しました。
監視していると告げるメッセージでなくても、LINEでしつこく「会いたい」「忘れられない」などのメッセージを送った場合にも、「つきまとい等」に当たる場合があります(2条2項1号、2条1項5号)。

また、昨年令和3年にはストーカー規制法が改正され、相手方の承諾を得ないでGPS機器などを用いて位置情報を取得する行為や、相手方の所持する物にGPS機器などを装着する行為などについては、「位置情報無承諾取得等」として新しく規制の対象になりました(2条3項)。
「位置情報無承諾取得等」を同一の者に対して反復して行った場合には「ストーカー行為」に当たることになりますし、一定の場合には「禁止命令等」が出され、これに違反すると罰則が科されることになります。
 
このようにストーカー規制法違反といっても様々な場合があり得ます。
そのため、警察からご家族の方をストーカー規制法違反逮捕されたという連絡があった場合、まずは弁護士にご相談して、現状を把握されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、ストーカー規制法違反をはじめとした刑事事件弁護経験が在籍しております。
ご家族の方がストーカー規制法違反逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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