【報道解説】公然わいせつ罪(幇助含む)で逮捕

2022-05-23

【報道解説】公然わいせつ罪(幇助含む)で逮捕

公然わいせつ罪および公然わいせつ罪幇助の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「客の男女に公然わいせつな行為をする場所を提供したとして、警視庁は、東京都渋谷区道玄坂2丁目のハプニングバー『Sleeping Beauty~眠れる森の美女~』の経営者の男(40)と、同店のスタッフで21~42歳の男女9人の計10人を公然わいせつ幇助(ほうじょ)の疑いで現行犯逮捕し、9日発表した。
保安課によると、10人は共謀し、5月7日深夜、同店の利用客の男(34)と女(27)=いずれも公然わいせつ容疑で現行犯逮捕=に個室を提供し、他の客の前でわいせつな行為をするのを手助けした疑いがある。
個室は『プレールーム』と呼ばれ、マジックミラー越しに外から様子が見える状態だった。
経営者の男を含む4人が容疑を否認し、残りの6人は容疑を認めているという。」
(令和4年5月9日に配信された朝日新聞DIGITALより引用)

【ハプニングバーとは】

ハプニングバーとは、会員制のバーの形態でお酒の提供を受けながら、様々な嗜好をもった会員同士がバーの中で交流し、場合によっては「ハプニング」と称して会員同士で性的接触を行うことができるバーのことを意味するようです。
各社報道によると、本件のハプニングバーの中には80人ほどの会員がおり、その多くが、ローション入りの水鉄砲を打ち合うイベントが開催に参加していたとのことです。

【公然わいせつ罪とは】

公然わいせつ罪は、刑法174条に規定されている犯罪で、「公然わいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」とされています。
公然わいせつ罪が成立するためには、①「公然と」②「わいせつな行為をした」という2つの要件を満たす必要があります。
簡単にそれぞれの要件について説明します。

公然わいせつ罪の1つ目の要件である「公然と」とは、不特定又は多数の人が認識することができる状態をいい、実際に不特定又は多数の人が認識する必要はありません。
この公然性の要件については、会員制の形を取って会員以外の外部の人が出入りできないような場所であっても、不特定又は多数の人が認識することができる状態であると考えられています。

報道によると、性行為を行った場所は、バーの中にあるプレールームと呼ばれる個室で、取り付けられたマジックミラーによって個室の様子を外から伺うことができる状態であった様です。
そのような状態の個室で性行為を行うことは、バーの中にいた多数の会員が認識できる状態で性行為を行ったといえますので、「公然と」との要件は満たされることになるでしょう。

公然わいせつ罪の2つ目の要件である「わいせつな行為」の「わいせつ」の意味については、性欲を刺激、興奮又は満足させる行為であり、普通人の性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為のことをいいますが、その判断については、その時代の社会通念を踏まえた価値判断となりますので、「わいせつな行為」に当たるかについては難しい判断が必要になる場合があります。
もっとも、性交渉を見せる行為や、性器を露出する行為は「わいせつな行為」の典型例といえますので、プレールームで性行為を行っていた会員は、「わいせつな行為」をしたといえるでしょう。

【公然わいせつ罪の幇助とは】

報道では、実際に性交渉を行っていた2人が公然わいせつ罪の疑いで、その他の従業員が、公然わいせつ罪幇助の疑いで現行犯逮捕されたとあります。
幇助とは、刑法62条1項に規定されている犯罪類型で、犯罪を行うことを容易にするために手助けする行為のことをいいます。
本件では、外から部屋の内部を伺うことができるマジックミラーを付けた個室を会員に提供することで、不特定又は多数の会員が性行為を認識できるような状態にしたことが、公然わいせつを容易にしたといえますので、そのような個室を提供した従業員が公然わいせつ罪幇助犯として逮捕されたのでしょう。

【公然わいせつ罪、公然わいせつ罪の幇助の疑いで摘発された場合の弁護活動】

今回とりあげた事件の場合、バーの中にいた会員は、ハプニングバーがどのようなコンセプトのバーであるかを理解しており、バー内部で性行為が行われていることについても想定していたと考えられますので、そのような会員を公然わいせつ罪の被害に遭われてしまった方ということは出来ないでしょう。
従って、被害者の方がいない公然わいせつ事件の場合、被害者の方と示談をするという刑事弁護活動は行うことができません。

このような場合、罪を犯したことについて真摯な反省を示すことが非常に重要になります。
反省を示すひとつの方法として、日弁連や弁護士会、犯罪被害者の支援団体、更生保護施設などに贖罪寄付という寄付を行うことがありますが、贖罪寄付を行うにあたっては、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。

贖罪寄付を行う前に、そもそも、贖罪寄付を行うことが有効な事件であるのか法律のプロである弁護士が判断する必要がありますし、また、贖罪寄付は、ただ単に寄付をすれば良いという訳ではないので、どのような寄付先を選べばよいのか、どの程度の額を寄付すれば反省の意思を有効に示すことができるのかといったことについて、弁護士からアドバイスを得る必要があるでしょう。
それに加えて、贖罪寄付はあくまで反省を示すひとつの要素でしかありませんので、真摯に反省しているということを、起訴前であれば検察官に、起訴された後であれば裁判官に理解してもらうためには、贖罪寄付をしたという事実だけでなく、さまざまな方法で伝える必要があります。
そうした検察官や裁判官とのやりとりには、弁護士を付けることが大変効果的です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、被害者の方がいない公然わいせつ事件において贖罪寄付などの刑事弁護活動の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
公然わいせつ事件の摘発を受けてお困りの方、贖罪寄付をお考えになっている方は、まずは一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで御相談ください。

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