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【事例解説】特殊詐欺に加担して詐欺罪の共犯で事件化 

2023-12-13

【事例解説】特殊詐欺に加担して詐欺罪の共犯で事件化 

埼玉県本庄市で特殊詐欺に加担して詐欺罪の共犯の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

埼玉県本庄市内を走るタクシー運転手が、詐欺の被害に遭いそうになっていた被害者乗客の特殊詐欺被害を防ぎ、警察から感謝状が贈られた。
タクシー運転手は令和5年11月28日、乗客の高齢女性が特殊詐欺の電話を受けていることに気付いたという。
ドライブレコーダーには、運転手が被害を食い止めようと高齢女性を説得する様子が残されていた。
このあと、運転手は状況を埼玉県警本庄警察署に説明し、女性の被害を防いだということで感謝状が贈られた。
本庄警察署は、女性の電話履歴から通話先を特定し、詐欺を試みようとした埼玉県在住の無職Aを詐欺未遂の疑いで逮捕しました。
(令和5年12月14日づけFNNプライムオンラインの記事を参考に、一部事実を改変し、かつ、架空の事実を追加したフィクションです。)

【特殊詐欺の概要】

  1. 法的な側面
    特殊詐欺は、詐欺罪に該当する犯罪行為です。
    詐欺罪は、刑法246条に定義されており、「人を欺いて財物を交付させる行為」を犯罪とします。
    特殊詐欺の場合、加害者は巧妙な手口で被害者を騙し、金銭や財物をだまし取ります。

特殊詐欺の法的な特徴は、その計画性と組織性にあります。
加害者は、しばしば複数人で協力し、計画的に詐欺を行います。
このため、刑法上の共同正犯(共犯)の概念が適用されることが多いです。

共同正犯とは、複数の人が共謀して犯罪を行った場合、全員がその犯罪の正犯とみなされることを意味します。
刑法60条により、共同で犯罪を行った者は、他の共犯者の行為についても責任を負うことになります。

特殊詐欺においては、昨今では「ブラックバイト」の名でも認知されるとおり、目先のお金欲しさの若者が知らずに組織的な詐欺行為に加担することもありますが、法的には無知は免罪事由にはなりません。
したがって、詐欺行為に関与した場合、その程度に関わらず共犯者として詐欺罪の刑法上の責任を問われる可能性があります。

【特殊詐欺の手口】

特殊詐欺の加害者は、様々な手口を用いて被害者を騙します。これらの手口は巧妙で、被害者が気付かないうちに詐欺に巻き込まれることが多いです。

  1. 電話による詐欺
    最も一般的な手口の一つが、電話を使った詐欺です。加害者は警察官や銀行員を装い、被害者に不安を煽って金銭を要求します。
  2. インターネットを利用した詐欺
    SNSやメールを通じて、高収入を謳うアルバイトを募集し、実際は違法な活動に関与させる手口もあります。
  3. 身近な人を装う
    被害者の家族や知人を装い、緊急を要する事態を偽装して金銭を要求する手口も見られます。
  4. 金融商品の詐欺
    高いリターンを約束する投資詐欺も特殊詐欺の一形態です。被害者は、実在しない金融商品に投資するよう誘導されます。
  5. 身元不明の第三者を利用
    知らないうちに詐欺の一部となる「ブラックバイト」のように、身元不明の第三者を利用する手口もあります。

【特殊詐欺に対する処罰の傾向】

特殊詐欺に対する法的対策として、昨今では、加害者に対する厳罰化と被害者保護の強化が進んでいます。
特殊詐欺の摘発を強化するため、警察庁は今年12月13日、来年4月に全都道府県警が参加する「連合捜査班」を設置するほか、地方で起きた事件の捜査支援に当たる専従捜査員を首都圏などの7都府県警に計約500人配置すると発表しています。

  1. 詐欺罪の法定刑
    詐欺罪の法定刑は、刑法246条により10年以下の懲役です。
    特殊詐欺は、その巧妙な手口と社会的影響から、昨今では特に重い刑罰が科され傾向が見受けられます。
  2. 共同正犯の適用
    特殊詐欺においては、共同正犯の原則が適用されることが多いです。これにより、詐欺行為に直接関与しなくても、共謀した全員が同等の責任を負うことになります。
  3. 未遂犯の扱い
    詐欺の未遂犯に対しても、法定刑は既遂犯と同様に10年以下の懲役となります。

【特殊詐欺に対する刑事弁護】

ご家族の中に、特殊詐欺に関わってしまったことで警察に詐欺の疑いで逮捕されてしまった方がいる場合には、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
初回接見によって、弁護士が警察の留置場で拘束されているご家族の方から直接事件についてお話を聞くことができますので、事件の見通しや今後の手続の流れ、弁護士が取ることができる刑事弁護活動などについて知ることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県本庄市でご家族が特殊詐欺で警察に捕まってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県熊谷市の保育士が園児に暴行して書類送検

2023-12-09

【報道解説】埼玉県熊谷市の保育士が園児に暴行して書類送検

保育士が園児に暴行を働いた疑いで警察から検察へと書類送検された事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「去年、埼玉県熊谷市の認可保育所で、園児の頭を叩くなどの暴行を加えたとして、当時保育士だった女性2人が書類送検されました。
去年10月、園内で30歳の女性は当時1歳の男の子の頭を手で叩き、31歳の女性は当時2歳の男の子の右手を引っ張り、頭をおもちゃのふたで叩くなどの暴行を加えた疑いがもたれています。
31歳の女性は容疑を認め、30歳の女性は容疑を否認しているということですが、警察は起訴を求める『厳重処分』の意見を付けて書類送検しました。」
(令和5年2月10日にTBSNEWSDIGで配信された報道を元に、事実を一部変更したフィクションです。)

【暴行罪は軽い犯罪?】

今回取り上げた報道は、当時保育士であった女性が園児に対する暴行の疑いで検察に書類送検されたというものです。

刑法208条に規定されている暴行罪が成立するためには、「暴行」をする必要がありますが、「暴行」とは人の身体に対する不法な有形力の行使と定義されています。
分かりづらい定義かと思いますが、人の身体に向けて物理的に攻撃をした場合は「暴行」に当たることになります。
そのため、人の手を引っ張ったり、人の頭を叩くといった行為をした場合は暴行罪として罪に問われる可能性があります。

暴行罪と聞くと大したことのない刑が軽い犯罪だと思われるかもしれませんが、暴行罪の法定刑は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料となっています(「拘留」とは1日以上30日未満の期間、刑事施設に収容する刑罰のことを言い、「科料」とは1000円以上1万円未満の金銭の納付を命じる刑罰のことを言います。)。
法定刑に懲役刑が定められていますので、捜査の段階で暴行の事実について認めている場合でも、事件の具体的な状況次第によっては、検察官によって起訴されて正式な刑事裁判が開かれてしまうということもあり得ます。

【前科が付くと保育士になることができない?】

報道では、事件当時保育士であった被疑者2名が書類送検されたということですが、書類送検とは、警察での捜査の結果をまとめた書類を検察に送ることを意味しています。
捜査書類を受け取った検察官は、被疑者を暴行罪として起訴するかどうかの判断をすることになります。

ところで、保育士資格には、児童福祉法のなかで保育士になることができない一定の場合が定められています。
具体的な条文を挙げて説明しますと、児童福祉法18条の5柱書では、「次の各号のいずれかに該当する者は、保育士となることができない。」と規定して、保育士になることができない場合として、第1号から第5号までの5つの場合を規定してます。

そして、5つの場合のひとつである第2号では「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者」と規定しています。
この児童福祉法18条の5第2号によれば、刑事裁判の結果、執行猶予が付かずに懲役刑や禁固刑となった者であれば刑の満了から2年間は保育士にになることができませんし、また、執行猶予付きの判決であった場合でも執行猶予の期間満了から2年間は保育士になることができないことになります。

【暴行罪で前科を付けたくないとお考えの方は】

先ほども説明した通り、暴行罪の法定刑には懲役刑が定められていますので、事件によっては、暴行罪で起訴されて刑事裁判が開かれた結果として執行猶予付きの有罪判決となった場合、執行猶予の期間が満了してから2年の間は保育士になることができません。

このように、国家資格の中には前科が付くとその効力を失うものがありますから、暴行事件といった刑事事件を起こしたことで前科がついて仕事ができなくなるといったことを避けたいとお考えの方は、いち早く弁護士に刑事弁護活動の依頼をされることをお勧めします。
弁護士に依頼することで、弁護士は、前科が付くことを回避するために検察官に起訴を猶予してもらうように交渉をしたり、仮に起訴されて裁判で有罪となったとしても仕事への影響がないような判決を求めるといったことができるようになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県熊谷市の保育園で、暴行罪で前科が付くことを避けたいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県羽生市のひき逃げ事件を示談で不起訴

2023-12-05

【報道解説】埼玉県羽生市のひき逃げ事件を示談で不起訴

ひき逃げによる刑事事件を示談で不起訴処分となった事案について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件概要】

埼玉県在住の男性A(24)が、過失運転致死傷罪と救護義務違反(ひき逃げ)の疑いで、埼玉県警羽生警察署に逮捕されました。
Aは、埼玉県市羽生市内の交差点で軽乗用車を運転中に横断歩道を渡っていた男性(54)をはねて足を骨折する重傷を負わせたまま逃げた疑いです。
(令和5年1月24日に掲載された「gooニュース」記事の一部事実を変更したフィクションです。)

【ひき逃げの刑罰】

ひき逃げとは、車やバイクなどの自動車を運転中に人身事故を起こしたにも関わらず、運転手が負傷者の救護措置や危険防止措置を怠って現場を逃走する行為を指します。

ひき逃げは、自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)第5条の過失運転致死傷罪と、道路交通法第72条の救護義務違反が成立する可能性が高いです。

過失運転致死傷罪は、自動車運転処罰法第5条に「自動車の運転上必要な注意を怠り、人を死傷させた者」に対し、「7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する」という処罰内容が規定されています。

また、救護義務違反は、「すぐに運転を停止して負傷者を救護し、道路における危険を防止しないといけない行動義務を違反した者」に対し、被害者の死傷が被疑者の運転に起因する場合は、道路交通法第117条で「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する」と規定されています。

【ひき逃げの刑事弁護活動】

ひき逃げ事件を起こしてしまった際の刑事弁護活動は、被害者との示談を締結することが重要になります。
ひき逃げは、被害者が負った怪我の程度にもよりますが、重大な罪であるため検察官から起訴される可能性は高いです。

検察官から起訴されてしまうと、公判(裁判)で懲役刑を言い渡されたり執行猶予が付いたとしても前科として残ったりと、被疑者にとって大きな不利益が生じます。
ですが、弁護人が被害者との示談を締結した旨を検察官に報告すれば、不起訴として判断される可能性も高まります。

示談を締結すれば、被害者から被疑者に対して処罰を求めないといった宥恕内容も含めた示談書を検察官に提出できる可能性もあるので、不起訴処分の判断材料になりやすいです。

弁護士にひき逃げの刑事事件を依頼する際は、過去に似たようなひき逃げ事件で示談締結をして不起訴処分を獲得した実績がある専門の弁護士に依頼することをお勧めします。

【ひき逃げ事件でお困りの方】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ひき逃げ事件による示談締結などの弁護活動を多く経験し、不起訴処分を獲得した実績もあります。
ご家族がひき逃げによる刑事事件で逮捕されてお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご検討ください。

【報道解説】さいたま市浦和区の職場内トラブルの傷害罪で逮捕

2023-12-01

【報道解説】さいたま市浦和区の職場内トラブルの傷害罪で逮捕

職場内トラブルによる傷害罪の刑事事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事件概要】

埼玉県在住の会社員男性A(36歳)は、埼玉県さいたま市浦和区所在の勤務先の同僚会社員男性V(22歳)の頭部を空き瓶で殴って頭部挫創の傷害を負わせたとして、傷害罪の疑いで逮捕されました。
傷害を負ったVが、Aの犯行翌日に浦和警察署に被害届を提出し、捜査がAの逮捕に至りました。
浦和警察の調べでは、AはVが仕事中にミスをしたことに腹を立て暴行に及んだと動機を語っており、Aは逮捕容疑を認めています。
(令和5年1月25日の「HBC北海道放送ニュース」の記事をもとに、一部事実を変更したフィクションです。)

【傷害罪】

傷害罪を規定する刑法第204条は、「人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万以下の罰金に処する。」としています。

刑法において、傷害罪は暴行罪の結果的加重犯と言われています。
結果的加重犯とは、一つの違法な行為を行い、結果が生じなければ軽い方の罪で処罰し、結果が生じた場合には重い方の罪で処罰するものをいいます。

暴行罪は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」に成立します。
他方、暴行行為を加えた結果、被害者が傷害を負った場合は、暴行罪の結果的加重犯として傷害罪が成立します。

上記刑事事件では、AがVの頭部を空き瓶で殴るという暴行行為を行い、その結果、頭部挫創という傷害が生じているため、傷害罪が成立することになります。

【傷害罪の刑事弁護活動】

傷害罪や暴行罪といった暴力犯罪で軽い処罰を求めるためには、示談を締結することが刑事弁護活動で最も重要です。
被疑者が被害者に対し誠意を持って謝罪をして当事者間の問題解決(示談)に至れば、検察官が起訴することなく事件を終わらせる(不起訴)判断をする可能性が高まります。

ただ、被害者の怒りや被害の程度など、様々な事情から、示談が必ずしも円滑に進むとは限りません。
被害者が示談に応じない、あるいは、様々な示談条件を提示してくる等、示談交渉が難航する場合もあり得ますので、刑事事件の示談交渉の経験豊富な刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼することを強くお勧めします。

【傷害罪の刑事弁護活動】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪の示談交渉を数多く経験し、不起訴処分を獲得した実績が多数あります。
ご家族が傷害罪等の暴力事件で逮捕されてお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご検討ください。

【報道解説】女性に抱きついて暴行罪で逮捕

2023-11-27

【報道解説】女性に抱きついて暴行罪で逮捕

面識の無い女性に背後から抱きついたとして暴行罪の疑いで男性が逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「神奈川県茅ケ崎署は2日、暴行の疑いで、住所不定、無職の男(53)を逮捕した。
逮捕容疑は、1日午後2時40分ごろ、茅ケ崎市茅ケ崎3丁目の温浴施設内エレベーターで、同市内に住む従業員の女性(47)に背後から抱きついた、としている。
調べに対し『ハグしただけで暴行はしていない』と供述し、容疑を否認している
署によると、エレベーターには2人しかいなかった。
面識はなかったという。」
(令和4年10月2日にカナコロ:神奈川新聞社で配信された報道より引用)

【抱きつきは暴行罪になる?】

今回取りあげた報道では、逮捕された男性が警察の取り調べにおいて「ハグをしただけで暴行はしていない」と供述しているようです。
刑法208条が規定する暴行罪は、殴る蹴るなどの暴力行為をした場合に成立する犯罪だと思われている方がいるかもしれませんが、後ろから女性に抱きつく(ハグをする)行為は暴行罪に当たる行為になりますので、逮捕された男性には暴行罪が成立する可能性が高いと言えます。
ちなみに、暴行罪の法定刑は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金、又は拘留若しくは科料となっています。

【抱きつきは不同意わいせつ罪になる?】

報道を読んだ方の中には、抱きつく(ハグをする)行為は刑法176条の不同意わいせつ罪ではないのかと思われた方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、見知らぬ女性に抱きつく(ハグをする)という行為は、場合によっては不同意わいせつ罪や、その未遂罪が成立する可能性があります。

令和5年7月13日の刑法改正によって、以前は「強制わいせつ罪」とされていた罪が「不同意わいせつ罪」と改定されました。

不同意わいせつ罪とは、次に掲げる行為や事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をすることを処罰するとしています。
具体的な行為や事由として、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害を生じさせること等」、「アルコールやは薬物を摂取等」、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態の利用」、「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがない」、「予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させること」、「虐待に起因する心理的反応」、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益」の8項目が列挙されています。

不同意わいせつ罪が成立すると、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑が科されます。

そのため、被害者の反抗を著しく困難にする程度に抱きついたという場合は刑法176条の不同意わいせつ罪における「暴行」に当たることになりますので、そうして抱きついた上で、被害者の胸や下半身をまさぐったり、無理やりキスをしたりなどのわいせつな行為をした場合には、不同意わいせつ罪が成立する可能性が高いと考えられます。

このように、抱きつき行為が具体的にどのような態様であったのか、抱きついた後に被害者に対して行った行為がどのようなものであったか、どのような目的で抱きついたのか等の事情によっては、不同意わいせつ罪や未遂罪が成立する可能性があります。

【暴行の疑いで刑事事件化したら】

取り上げた報道では、男性は暴行の疑いで逮捕されていますが、男性が女性に背後から抱きついたという事件ですので、今後の捜査では、男性が女性にわいせつな目的で抱きついたのか、抱きついた際に女性の身体のどこを触ったのかなどの抱きつき行為をしたときの具体的な状況などが詳しく捜査されることが予想されます。
抱きつき行為の目的や、その具体的な状況次第によっては、暴行事件ではなく、不同意わいせつ事件や未遂事件として手続きが進んでいく場合もあり得ます。

先ほど説明した暴行罪と不同意わいせつ罪の法定刑を比べるとわかるように、不同意わいせつ罪の法定刑には罰金が定められていませんので、仮に検察官が事件を不同意わいせつ事件として起訴した場合に必ず正式な裁判が開かれることになります。
従って、暴行罪よりも不同意わいせつ罪のほうが重い犯罪であるといえますので、事件が暴行事件として処理されるのか、不同意わいせつ事件として処理されるのかはその後の手続が大きく異なる可能性があります。

そのため警察の取り調べにおいては、取り調べを担当する警察官の誘導に引っかかって、抱きつき行為が不同意わいせつ罪に当たるようなものであったと虚偽の自白してしまわないよう、取調べには十分注意して臨む必要があります。
警察署の取調室という密室で、取調べのプロである警察官を相手に虚偽の自白を行わないようにするためには、事前に弁護士に相談して警察での取調べ等の対応についてアドバイスを得ておくことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ハグをしたことにより暴行罪や不同意わいせつ罪等の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県上尾市の駅での器物損壊事件で逮捕

2023-11-23

【報道解説】埼玉県上尾市の駅での器物損壊事件で逮捕

器物損壊事件の刑事責任とその弁護活動の中心となる示談活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

埼玉県上尾警察署は、器物損壊罪の疑いで、埼玉県県桶川市に住む自称会社員の男性(37歳)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は、令和4年10月16日午後5時50分頃に、JR上尾駅で、ごみ箱を蹴ってへこませた疑い。
上尾警察署によると、容疑者男性は酒を飲んだ帰りとみられ、駅員に取り押さえられた。
(令和4年10月18日に配信された「千葉日報オンライン」を参考に、事実の一部を改変したフィクションです。)

【器物損壊事件の刑事処罰とは】

他人の物を故意に壊した場合には、その物の所有者(被害者)が警察に被害届を出すことにより、刑法の「器物損壊罪」が成立し、刑事処罰を受ける可能性があります。
器物損壊罪の刑事処罰の法定刑は、「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」とされています。

・刑法 261条
「前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」

器物損壊罪は、わざと意図的に物を壊した場合に成立する犯罪であり、過失によって物を壊してしまった場合には、刑事事件には当たりません。

上記の事例のような、「酒に酔って起こした器物損壊事件」では、容疑者本人が泥酔していて、事件当時の記憶が無いケースが、よくあります。
器物損壊行為の事実を認めて、被害者に謝罪して示談交渉を行い、刑事処罰の軽減を目指すのか、あるいは、「やっていない」と否認の主張をするのかは、事件対応の大きな分岐点となるため、刑事事件に強い弁護士に法律相談して、今後の方針を検討することが重要となります。

【器物損壊事件の示談解決】

器物損壊罪は「親告罪」とされており、被害者が警察に被害届を出さない限りは、刑事事件になることはありません。
したがって、器物損壊罪の刑事事件化を防ぐために、弁護士を通じて被害者側との示談交渉を行い、被害者からの許しを得る示談の成立により、被害届提出を阻止すること、あるいは既に出ている場合の被害届を取り下げてもらうことが、不起訴処分による前科回避に向けて、重要な弁護活動となります。

器物損壊事件では、被害者側が加害者側に恐怖心を持っているケースや、当事者同士の話し合いの際に新たな争いが発生してしまうケースも考えられるため、当事者同士の直接の示談交渉が認められないことも多いです。
そこで、弁護士が仲介して、被害者側との示談交渉を行い、謝罪と慰謝料支払いの意思を伝えることで、スムーズに示談を成立させて、被害届提出の阻止、あるいは被害届の取下げを実現することが重要となります。

上記の事例のように、被害者が個人ではなく、鉄道会社や大手企業などの場合には、示談交渉に一切応じてもらえないケースも考えられます。
被害者に対する被害弁償だけでも済ませることや、警察取調べに対して、事件当時の犯行状況をどのように供述するかを検討する、といった弁護活動が考えられます。

まずは、器物損壊事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

駅などの公共場所での器物損壊事件でお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【事例解説】18歳未満の女性を風俗店で働かせ児童福祉法違反で逮捕

2023-11-19

【事例解説】18歳未満の女性を風俗店で働かせ児童福祉法違反で逮捕

18歳未満の女性を風俗店で雇用して性的なサービスを提供させたとして、児童福祉法違反の疑いで逮捕されたケースを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

「風俗店を経営するAさんは、路上で女性Ⅴさんを誘い、Vさんが生活に困っていることに乗じて、自身が経営する風俗店で働かせようと考えました。
風俗店で勤務するにあたって、AさんはVさんの年齢を尋ねると、Vさんは本当は17歳でしたが、本当の年齢を言ったら働けなくなると思い、19歳と年齢をごまかしました。
Aさんは、Vさんの年齢を確認するため顔写真付き身分証の提示を求めましたが、Vさんは忘れてきたと言い、結果としてAさんはVさんの年齢を確認することをせず、Vさんを雇用しました。
風俗店従業員としてVさんを雇っていましたが、ある日突然Aさんのもとに警察が『この店に18歳未満の子いるよね』と訪ねてきて、そのままAさん児童福祉法違反の疑いで逮捕しました。」

(この事例はフィクションです)

【18歳未満の子を風俗店で働かせると…?】

児童福祉法は児童の健全な育成のために定められている法律です。
そこでは、児童の健全な育成に悪い影響を及ぼす行為は禁止されています。

そのため、自身の立場を利用して18歳未満の児童をソープランドやデリヘルなどの風俗店で働かせて、客に性的なサービスを提供させる行為は、児童福祉法34条1項6号で禁止されている「児童に淫行をさせる行為」にあたる行為として禁止されています。
これに違反すると10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその両方が科される可能性があります(児童福祉法60条1項)。

【18歳未満だと知らなかったという弁解は通るのか?】

児童福祉法60条4項によれば、児童の年齢が18歳未満であることを知らないことを理由として、処罰を免れることができないというのが原則です。
ただし、18歳未満であることを知らなかったことについて過失がないときは、例外的に処罰を免れることができます。

それではどのような場合に、18歳未満であることを知らなかったことについて過失がないといえるかについてですが、これには古い判例で「過失がない」とはいえない、すなわち過失があったとして被告人を児童福祉法違反で有罪とした昭和34年5月11日決定があります。
この判例は、被告人が、18歳未満の女性を接客婦を雇い入れるにあたり、女性の年齢を調査するために女性の実家を訪問して、直接、女性の両親とも接触し、そこで提出された他人の戸籍抄本を女性のものであると簡単に信じた事案について、被告人に「過失がない」とはいえないと判断しました。

この判例を踏まえると、女性の話を漫然と信じたり、女性の身体の発育状況から安易に18歳以上であると判断した場合や、顔写真のない住民票の写しをもって女性を18歳以上であると判断した場合は、「過失がない」とはいえないと判断される可能性が高いでしょう。
また、仮に女性が偽造した顔写真付き証明書を提示したことで18歳以上であると判断した場合も、顔写真付き証明書で年齢を確認したという事実を証明することが出来なければ「過失がない」と判断されることは難しいと考えられます。

【児童福祉法違反の疑いで突然警察に逮捕されてしまったという場合は】

児童福祉法34条1項6号の「児童に淫行をさせる行為」に違反した場合の刑罰は、児童福祉法の中で最も重い刑罰になります。
そのため、ご家族の方が児童福祉法違反の疑いで警察に逮捕された場合はいち早く弁護士に依頼して初回接見を依頼されることをお勧めします。

逮捕直後から、警察による取り調べが開始されますが、そこでは、捜査機関側が思うようなストーリーに沿った調書を作成するため、事実とは異なった供述をするよう誘導される危険性があります。
事実に反する調書が作成されることを防ぎ、不必要な刑事処分を受けることを回避するためには、捜査開始直後に弁護士が事件に介入することが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
風俗店で18歳未満の児童を働かせたことにより、児童福祉法違反の疑いで警察に逮捕されたという方がご家族の中にいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

【報道解説】埼玉県熊谷市の下着窃盗の常習犯を逮捕

2023-11-15

【報道解説】埼玉県熊谷市の下着窃盗の常習犯を逮捕

下着窃盗事件の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道】

派遣社員の男性(47歳)は、令和4年6月5日未明に、埼玉県熊谷市アパート1階の女性宅にガラスを割って侵入し、下着など24点、9,000円相当を盗んだ疑いで、埼玉県警熊谷警察署に逮捕された。
男性の自宅からは、女性の下着や服が100点以上押収された。
同じような被害は、この女性宅でこれまでも2件、近くのアパート1階の女性宅で4件確認されていて、警視庁は、男性の犯行とみて調べている。
男性は、2021年11月に同じような窃盗の罪で服役を終えて、出所していた。
(令和4年6月7日に配信された「FNNプライムオンライン」を参考に、事実を一部変更したフィクションです。)

【下着窃盗事件の刑事処罰とは】

下着窃盗事件を起こした場合には、「他人の財物を盗んだ」として窃盗罪に問われるとともに、「他人の住居に不法侵入した」として住居侵入罪に問われるケースが多いです。
住居や庭に不法侵入した場合には「窃盗罪と住居侵入罪」が成立し、他方で、コインランドリー等に不法侵入して下着窃盗事件を起こした場合には「窃盗罪と建造物侵入罪」が成立すると考えられます。

窃盗罪の刑事処罰の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」とされており、住居侵入罪や建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」とされています。
下着窃盗事件の場合には、窃盗罪と住居侵入罪とは、手段と目的の関係にある「牽連犯」に当たることから、成立する犯罪のうち、最も重い犯罪の刑である窃盗罪の法定刑で、刑事処罰を受ける形になります。

・刑法 第235条(窃盗)
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」
・刑法 第130条(住居侵入等)
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」

【被害者示談交渉による弁護活動】

下着窃盗事件は、被害者の存在する犯罪であるため、弁護士に示談交渉活動を依頼することで、被害者側に対して、謝罪や被害弁償・慰謝料支払いの意思を伝え、被害者からの許しの意思を含む示談を成立させることが、早期釈放や刑事処罰の軽減のための、重要な弁護活動となります。

下着窃盗事件においては、被害者側が加害者に恐怖心を抱いているケースが多く、加害者やその家族が、直接に被害者側との示談交渉を行うことは、原則として認められないことが多いです。
そこで、刑事事件に強い弁護士が示談交渉を仲介することで、弁護士だけに被害者側の連絡先が伝えられる形での示談交渉を進めることを、被害者側に打診することが、下着窃盗事件の示談解決に向けて必要となります。

まずは、下着窃盗事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県熊谷市の下着窃盗事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】埼玉県本庄市の体罰暴行事件で逮捕

2023-11-11

【報道解説】埼玉県本庄市の体罰暴行事件で逮捕

暴行事件の示談解決について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

埼玉県本庄市の私立中学校で、中学生に対して竹刀で突くなどの暴行を加えたとして、教員の男性が、令和4年8月25日に暴行容疑で逮捕された。
男性は剣道部の監督で、去年12月に、稽古中に部員の男子中学生に対し、顔を手で叩き竹刀でのどや脇腹を突く暴行を複数回加えた疑いが持たれている。
警察は、男性の指導日誌やスマートフォンなどを押収していて、部活動で日常的な体罰があったかどうかを調べている。
複数の生徒が暴行を受けたとみられている。
(令和4年8月25日に配信された「読売新聞オンライン」より抜粋)

【体罰暴行事件の刑事処罰とは】

部活の指導中に、物理的な接触等の「人の身体に対する不法な有形力の行使」があった場合には、刑法の「暴行罪」が成立する可能性があります。
また、「有形力の行使」により怪我を負わせた場合には、刑法の「傷害罪」が成立します。

暴行罪の法定刑は、「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」とされており、傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされています。

暴行罪と傷害罪のどちらが成立するかは、被害者側の怪我の病院診断書が、警察に提出されているかどうかが、判断の分かれ目になることが多いです。
弁護士に依頼して、被害者側との示談を成立させることで、被害届を取り下げたり、病院診断書の提出を阻止することが、刑事処罰の軽減のために重要な弁護活動となります。

【体罰暴行事件の示談解決】

暴行傷害事件においては、被害者側との示談が成立しているかの事情や、治療費や慰謝料支払いが済んでいるかの事情や、被害者が加害者を許しているかの事情が、刑事処罰の判断に大きく影響すると考えられます。

刑事事件に強い弁護士に依頼することで、被害者側との示談交渉を行い、被害届の取下げ等の、加害者を許す意思を含む示談を成立させることが、不起訴処分や刑罰軽減に結び付きます。
学校での体罰暴行事件では、被害者が未成年となるため、その保護者との示談交渉となります。
また、被害者が複数人いる場合には、それぞれの被害者との示談交渉をまとめる必要が出てくるケースも想定されます。

まずは、体罰暴行事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県本庄市の体罰暴行事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】埼玉県大宮の電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕

2023-11-07

【報道解説】埼玉県大宮の電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕

電車トラブルによる傷害罪の刑事事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道解説】

埼玉県在住の会社員男性A(25歳)は、会社帰りのJR埼京線の電車内で、同じ車両にいた会社員V(40歳)の顔を殴って鼻骨骨折させたとして、傷害罪の疑いで現行犯逮捕されました。
埼玉県警大宮警察署の調べでは、Aは電車内で座り込んでいたところ、Vに「電車内で座るな、邪魔だ」と言われ逆上し、Vに暴行を加えたとのことで、Aは逮捕容疑を認めている模様です。
(令和4年6月23日の神奈川新聞「カナコロ」の記事をもとに、大幅に事実を変更したフィクションです。)

【傷害罪とは】

傷害罪は刑法第204条に規定されています。
傷害罪は、「人の身体を傷害した」場合に成立し、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科されます。

刑法に規定する暴力犯罪において、傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯と言われています。
つまり、暴行罪は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」に成立し、その結果「人の身体を傷害した」場合に傷害罪が成立することになります。

ここで言う「暴行」とは、「人の身体に対する不法な有形力の行使」とされており、上記刑事事件例のように、人の顔を殴るという行為は、明確に「暴行」に該当し、その結果鼻骨骨折という傷害の結果が生じているため、傷害罪が成立することになります。

【電車トラブルから発展した傷害罪】

本来、犯罪行為が行われたからといって、すべての犯罪を警察が逮捕権を行使する訳ではありません。
警察は、逮捕のような強制処分ではなく任意の方法で捜査を進めることが原則とされており、逮捕が必要な場合には、裁判所が逮捕を必要と判断し、逮捕を許可して逮捕状を発行することが必要とされています(通常逮捕)。

しかし、上記刑事事件例のように、電車トラブルによる傷害罪という事案では、多くの人の目の前で傷害罪という犯罪が行われるため、逮捕状の発行を必要としない「現行犯逮捕」される可能性が非常に高いと言えます。
電車トラブルによる傷害罪で現行犯逮捕されてしまうと、そのまま警察の留置場で身柄を拘束されることになるため、それ以後、会社や学校に行けなくなる等の社会的不利益が生じます。

【傷害罪の刑事弁護活動】

そのため、電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕された場合、まずは早期に身柄を解放してほしいというニーズが考えられます。

被疑者が逮捕されると、警察は事件を検察官に送致します。
検察官は、逮捕に引き続いて被疑者の身柄を最大10日間拘束する「勾留」の必要の有無を判断し、検察官が勾留請求してこれを裁判所が認めると勾留が決定していまいます。
さらに勾留の満期において、さらに最大10日間の勾留延長が可能であるため、被疑者は最大20日間勾留されることもあり得ます。

これだけ長期間身柄が拘束されると、会社を解雇されたり、会社を辞職せざるを得なくなったり、その他重い懲戒処分を受けたり、様々な生活に支障をきたすことになるでしょう。
このような逮捕事案では、逮捕された段階ですぐに刑事事件の経験豊富な弁護士に弁護を依頼し、勾留が決定されることを回避する活動をしてもらうことで、早期に身柄が解放できるよう手を打つことをお勧めします。

【傷害罪の刑事弁護活動】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪等の逮捕事案を数多く受任し、勾留阻止のための活動を数多く経験し、勾留阻止による早期釈放の実績を多数挙げております。
電車トラブルの傷害罪で逮捕されお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。

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