埼玉県寄居町のあおり運転に対して過剰な報復

2019-02-11

埼玉県寄居町のあおり運転に対して過剰な復讐

埼玉県在住の会社員Aさんが、埼玉県寄居町の道路を自動車で走っていると、後ろを走っていた軽自動車を運転するVが、Aさんに対してクラクションを乱暴に鳴らしたり急に車間距離を詰める等のあおり運転を行ってきたため、Aさんは減速して路肩に自動車を止め、Vに道を譲りました。
AさんはVによる悪質なあおり運転に対して激しい怒りを覚え、後からVの車の後を追いかけ、Vがコンビニに駐車して買物して帰ってきたところを待ち伏せし、持っていたナイフでVの腹を刺して、Vに対して全治1か月の重傷を負わせました。
埼玉県警寄居警察署はAさんを殺人未遂罪の疑いで逮捕し、Aさんは警察の調べに対し、「Vがあおり運転をしてきたので復讐しようと思った」「刺したのは間違いありませんが、殺すつもりはなかった」と殺人未遂罪の事実を一部否認しています。

【たとえ相手に非があっても過剰な報復で重大犯罪に】

昨今では「あおり運転」の様子を捉えたドライブレコーダーの画像や動画が頻繁に報道またはアップロードされ、あおり運転の悪質性が世間に浸透してきています。
確かに、あおり運転は極めて悪質で、周囲のドライバーを不愉快にさせるだけでなく、あおり運転の対象とされたドライバーおよび同乗者の生命や安全をも脅かすことにもなりかねず、実際に悪質なあおり運転が悲惨な死亡事故に発展した事件では、大いに世間の被害者に対する同情と加害者に対する怒りを掻き立て、加害者は危険運転致死罪や殺人罪等の罪により非常に重い実刑判決が下されています。

しかし、たとえ悪質なあおり運転を受けた場合であっても、自分と同乗者の生命や安全を守る限度の防衛行為であればともかく、怒りに任せて復讐を行うことは日本の法律では厳に禁じられており、その復讐行為が新たな刑事事件に発展して自分の身を滅ぼしてしまうことにもなりかねません。

上記刑事事件例では、悪質なあおり運転に対する復讐として、ナイフで相手の腹を刺してしまった場合において殺人未遂罪が成立する可能性を取り上げました。

まず、確かに事の発端として被害者があおり行為を行ったことが原因であったことは間違いないのですが、相手のあおり運転が終わったにも関わらず、自分の復讐心を遂げるために相手に復讐行為として暴行を加えることが、正当防衛(刑法第36条)や緊急避難(刑法第37条)に該当することはありません。

あおり運転が「急迫不正の侵害」であることは間違いないにしても、その侵害が終了した、あるいはやり過ごした段階では、自分や他人の権利を防衛する機会を失っているのであり、防衛や避難の要件を満たすことにはなりません。

次に、復讐心に駆られて相手を怪我させるつもりで刃物で相手の腹を指す行為について、上記事案では殺人罪の故意(殺意)はなく、傷害罪の故意をもって傷害の結果を発生させたと主張したいようです。
しかし、殺人罪における故意(殺意)とは、自分の暴行によって相手を死に至らしめてしまう可能性があると認識しながら、あえてその行為を行ったという場合にも殺人の可能性を承知していた(未必の故意)ことも含むと解されており、殺人未遂罪が成立すると解されています。

このような事例では、自分の暴行自体を認めているのであれば、むしろ効果的な情状主張により、想定される刑事処分を軽くする方向へ促すことが有効と考えられ、刑事事件の経験豊富な弁護士に依頼して主張すべきことを主張することが望ましいでしょう。

埼玉県寄居町あおり運転等に対する復讐行為で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
埼玉県警寄居警察署への初回接見費用:42,560円)

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