埼玉県狭山市の言いがかりの示談で詐欺罪
埼玉県狭山市在住の無職男性Aさんは、狭山市内の路上において、前方からスマホ画面を見ながら歩いている通行人Vさんとぶつかり、もとから準備していた液晶画面の破損していたスマホをVさんに見せて「お前が歩きスマホをしていたせいでぶつかってスマホを落としてしまった。ガラスが破損したから弁償しろ」と言いがかりをつけました。
VさんはAさんのスマホが使い古されたものであったため違和感を覚えたものの、自分が歩きスマホをしていた負い目があるため、Aさんが請求するスマホの買替費用である10万円を最寄りのATMで引き出し、その場でAさんに現金で支払いました。
後日、Vさんが家族に上記の経緯を相談すると、ひょっとすると詐欺の可能性があるのではないかと指摘されたため、Vさんは埼玉県警狭山警察署に相談をしたところ、同様の詐欺の疑いがある示談に関する相談が相次いでいると言われ、間もなく、AさんはVさんその他複数名に対する詐欺罪および詐欺未遂罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)
従来から、被害が無いにも関わらず、あたかも甚大な被害を被ったかのように訴えかけ、不当な示談を迫る等の詐欺行為は行われてきました。
例えば、20年ほど前は、対象の人物が運転する自動車やバイク等に意図的にぶつかり、あたかも運転者の過失により傷害を負ったように見せかけて、損害賠償請求を示唆したり示談を迫る等の行為(いわゆる「当たり屋」)が横行しました。
昨今では、スマホの普及率は日本人口の約95%に達し(平成30年総務省「情報通信機器の世帯保有率の推移」)、特に若者を中心に、スマホによる情報の入力・出力が当たり前の光景となり、その結果、スマホ依存症や歩きスマホによるマナー違反等が社会問題化しています。
このような中、歩きスマホをしてる人に対して、あくまで偶然を装って、故意にぶつかり、怪我をしたとか持ち物が落ちて壊れてしまった等の言いがかりをつけて示談を迫る手口も見受けられるようになりました。
通常、自分の過失により人を怪我させてしまったり、他人の物を壊してしまった場合には、民事上の損害賠償責任を負うことになり(民法第709条)、本来は民事訴訟という手続を経てその損害賠償請求権の有無が認定され、権利として実現していくのが通常ですが、当事者間で権利の有無等に争いがないと合意がある場合(民法上の和解。いわゆる示談)は、この和解(示談)内容は確定判決と同一の効力を有することになります(民事訴訟法第267条)。
よって、当事者間で和解(示談)することは非常に強い拘束力を持つため、詐欺を企む者は、相手の隙や罪悪感に付け込んで、実際には発生していない、または非常に少ないはずの損害額で示談を締結するよう様々な手を尽くして不当な利益を得ようとします。
上記刑事事件例と同様の手口で、詐欺罪で逮捕されたり、詐欺未遂罪で起訴された事例も実際に発生しており、このような詐欺的行為によって刑事事件化または逮捕されてしまった場合には、すぐに刑事事件弁護士に相談して、適切な捜査対応の指導を受け、刑事処分の見込みを知ることが重要です。
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(埼玉県警狭山警察署への初回接見費用:41,200円)