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【報道解説】携帯電話不正利用防止法違反で逮捕
【報道解説】携帯電話不正利用防止法違反で逮捕
携帯電話不正利用防止法違反の疑いで、埼玉県警サイバー捜査課と大宮署が被疑者を逮捕した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道紹介】
「埼玉県警サイバー捜査課と大宮署は25日、携帯電話不正利用防止法違反(未承諾有償譲り受け)…の疑いで、大阪市北区曽根崎1丁目、会社員の男(26)を再逮捕し…た。
会社員の男の再逮捕容疑は、氏名不詳者らと共謀の上、昨年4月11日から16日の間、交流サイト(SNS)を利用してスマートフォンを有償で譲渡する契約者を募り、募集に応じた3人に対して有償譲渡の目的を隠してスマートフォン9台を契約させ、報酬と引き換えにスマートフォンを譲り受けた疑い。」
(令和5年4月26日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)
【携帯電話不正利用防止法とは?】
報道では、「携帯電話不正利用防止法」という法律名が登場していますが、これは、正式には、「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」という法律名です。
携帯電話不正利用防止法は、オレオレ詐欺といった特殊詐欺の犯罪に匿名で契約された携帯電話が利用されていたことに対処するために、携帯電話の事業者に契約者の本人確認を義務付けるために出来た法律です。
この携帯電話不正利用防止法では、携帯電話の不正な利用の防止を図ることを目的に様々な規定を置いていますが、そのひとつが、携帯電話不正利用防止法7条1項です。
携帯電話不正利用防止法7条1項では、「契約者は、自己が契約者となっている役務提供契約に係る通話可能端末設備等を他人に譲渡しようとする場合には、親族又は生計を同じくしている者に対し譲渡する場合を除き、あらかじめ携帯音声通信事業者の承諾を得なければならない。」と規定しています。
この規定は、要するに、親が契約した携帯電話を子供に使わせるといった場合を除き、自分で契約した携帯電話を他人に譲渡する場合は、自社で通信回路を持った大手通信キャリアや格安SIM会社といった携帯音声通信事業者の承諾を得る必要があるという事を定めています。
携帯電話不正利用防止法7条1項に違反して、自身が契約した携帯電話を、業として(反復継続して)携帯電話事業者に無断で他人に有償で譲渡した人には、携帯電話不正利用防止法20条1項によって、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑がを併せて科される可能性があります。
また、携帯電話不正利用防止法7条1項に違反していることを知った上で、携帯電話不正利用防止法7条1項に違反した未承諾の他人名義の携帯電話を、業として有償で譲り受けた人にも、携帯電話不正利用防止法20条2項によって、先ほどと同じく、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑がを併せて科される可能性があります。
【携帯電話不正利用防止法違反でお困りの方は】
携帯電話不正利用防止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士に相談されることをお勧めします。
「携帯電話不正利用防止法」という法律については聞きなじみがないかと思いますが、弁護士に相談されることで、ご自身が携帯電話不正利用防止法のどう言った規定に違反している可能性があるのか、今後どのような捜査が予想されるのか、事件の見通しがどういったものになるのかといったことなどについて、アドバイスをもらうことが出来るでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県内で携帯電話不正利用防止法違反違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【事例解説】埼玉県朝霞市のチケット不正転売禁止法違反事件
【事例解説】埼玉県朝霞市のチケット不正転売禁止法違反事件
埼玉県朝霞市のチケット不正転売禁止法違反事件ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【事例紹介】
「埼玉県朝霞市に住む会社員Aさんは小遣い稼ぎのために、自身で正式に購入したプロ野球の試合のチケットを定価よりも高い価格で転売するという行為を繰り返していました。
ある日の早朝、Aさんが仕事に行く前に、自宅に埼玉県警朝霞警察署の警察官が訪れて、Aさんは、チケット不正転売禁止法違反の疑いで朝霞警察署の警察官に逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)
【チケット不正転売禁止法とは?】
事例のAさんは、チケット不正転売禁止法違反の疑いで逮捕されています。
プロ野球のチケットを自分で正式に購入した場合、自分が買ったチケットは自分の物なのだから、自分のチケットを転売しようが何しようが自由なのではないかと思われる方がいるかもしれません。
しかし、プロ野球や演劇、コンサートといったチケットの転売を無制限に認めてしまうと、いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる人たちに、チケットが買い占められて高額転売が横行する可能性があります。
しかし、このような事態は興行主や純粋にスポーツの試合観戦やコンサート鑑賞を楽しみたい一般消費者にとって望ましい事態とはいえません。
というのも、興行主の側からすると、転売ヤーが高額転売しても興行主の利益には繋がりませんし、一般消費者の側からすると、高額転売がなされることによってチケットが入手しづらい状況になるからです。
そこで、このような事態に対応するためにチケット不正転売禁止法という法律(正式な名称は「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」と言います)が成立して、2019年から施行されています。
【「特定興行入場券の不正転売」とは?】
チケット不正転売禁止法3条では、「何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。」と規定し、この規定に違反した場合は、チケット不正転売禁止法9条1項によって、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併せて科される可能性があります。
このように刑事罰の対象になる「特定興行入場券の不正転売」については、チケット不正転売禁止法3条4項が、「興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの」と定義しています。
難しく規定されていますが、要するに、プロ野球やコンサートのチケットのような「特定興行入場券」を興行主の事前の同意なく、反復継続して、定価を超える価格で転売する行為を刑事罰の対象にしているということです。
【「特定興行入場券」とは?】
先程から、「特定興行入場券」という言葉が度々登場していますが、チケット不正転売禁止法上においては、「特定興行入場券」を、芸術や芸能、スポーツイベント(まとめて「興行」と言います)などのチケットで、不特定又は多数の者に販売され、次の①~③の全てに該当するチケットととしています。
①チケットの販売に際し、興行の主催者の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、かつ、その旨が券面(電子チケットの場合は映像面)に記載されていること(チケット不正転売禁止法2条3項1号参照)。
②興行が行われる日時・場所・入場資格者か座席が指定されたチケットであること(チケット不正転売禁止法2条3項2号参照)。
③入場資格者が指定されたチケットの場合は(ⅰ)の条件を、座席が指定されたチケットの場合は(ⅱ)の条件を満たす必要があります。
(ⅰ)入場資格者が指定されたチケットの場合は、入場資格者の氏名と電話番号やメールアドレスと言った連絡先を確認する措置が講じられており、その旨がチケットの券面に記載されていること(チケット不正転売禁止法2条3号イ参照)。
(ⅱ)座席が指定されたチケットの場合は、購入者の氏名と連絡先を確認する措置が講じられており、その旨がチケットの券面に記載されていること(チケット不正転売禁止法2条3号ロ参照)。
プロ野球などのプロスポーツの試合や有名なアーティストのコンサートなどのチケットの多くは、上記の①〜③の全てを満たして「特定興行入場券」に該当することが多いと考えられます。
【チケット不正転売禁止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は】
これまで、チケット不正転売禁止法という法律について簡単に説明しました。
施行からまだ数年しかたっていない法律ですので、本当にチケット不正転売禁止法違反で逮捕されたり、前科が付くのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際にチケット不正転売禁止法違反で逮捕・有罪となった事例もあります。
例えば、令和2年8月27日に大阪地方裁判所では、チケット不正転売禁止法と有印私文書偽造・同行使の成立を認めて、懲役1年6月(執行猶予3年)、罰金30万円の有罪判決が出されています。
また、今年の4月にも野球の世界大会のチケットを繰り返し高額転売したとして、チケット不正転売禁止法違反の疑いで警察に逮捕された事例があります。
このように実際にチケット不正転売禁止法違反違反で検挙・有罪とされた事例がありますでので、チケット不正転売禁止法違反違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は、いち早く弁護士に相談して、今後の対応などについてアドバイスをもらうことをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県朝霞市で、チケット不正転売禁止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【事例解説】虚偽の落とし主の詐欺事件
【事例解説】虚偽の落とし主の詐欺事件
埼玉県狭山市の虚偽の落とし主を装った詐欺罪の刑事事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【事例紹介】
「埼玉県狭山市に住むAさんは、埼玉県警狭山警察署で落とし物を管理する業務を担当しているBさんに誘われて、狭山警察署に落とし物として届けられている現金を落とし主を装って受け取ることを計画しました。
Aさんは、計画に沿って、狭山警察署の落とし物の管理窓口に行き、事前にBさんから聞いていた現金が落ちていた状況等を受付に説明することで落とし主であることを装いました。
受付がAさんを現金の落とし主であると判断してしまったため、Aさんは現金を受け取ることができました。
Aさんは、その後、狭山警察署の警察官に詐欺の疑いで逮捕されました、」
(この事例はフィクションです)
【落とし物の現金を落とし主であると装って受けとると?】
先日のニュースで、昨年2022年に、都内で落とし物として届けられた現金の総額が約39億9700万円で、記録上過去最高の額になったとありました。
中には、約3400万円の現金が箱に入った状態で落とし物で届けられたケースもあるようです。
ところで、事例のAさんのように、警察に落とし物として届けられた現金を、現金の落とし主(所有者)でないにもかかわらず、落とし主(所有者)であるかのように装って、現金を受け取ってしまうと刑法246条1項の詐欺罪が成立する可能性が高いです。
仮に詐欺罪として起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役刑が科される可能性があります。
また、詐欺罪は刑法250条によって未遂の場合でも処罰の対象になる犯罪です。
そのため、事例を少し考えて、Aさんが落とし物の管理窓口に行って落とし物の現金を受け取ろうとしたものの、受付に「本当に現金の所有者なのか?」と不審に思われてしまい、現金を受けとることができなかった場合、Aさんは現金を受け取っていないからといって何の罪に問われないということにはなりません。
Aさんは現金を受け取っていなくても、受付に現金を受け取ろうと所有者であるかのように振るまう行為をしたことで、詐欺罪の未遂罪として処罰の対象になり得ます。
詐欺罪の未遂の場合の法定刑は、詐欺罪の既遂の場合と同じで10年以下の懲役刑です(ただし、刑法43条によって刑を減軽することができます)。
【詐欺罪で捜査を受けてお困りの方は】
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役刑しか定められておらず、罰金刑が定められていませんので、詐欺事件が不起訴とならなければ、公開の法廷で裁判を受けることになります。
そのため、詐欺事件について早期解決を目指したい、詐欺罪の前科が付くのを避けたいという方は、いち早く、弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県狭山市で詐欺罪の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方や、ご家族が詐欺罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【報道解説】業務上横領罪で逮捕 示談交渉で軽い処分を
【報道解説】業務上横領罪で逮捕 示談交渉で軽い処分を
埼玉県で業務上横領の疑いで逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道紹介】
「会社の口座から自身の口座に振り込み入金し、現金を着服したとして、埼玉県警捜査2課と深谷署は1日、業務上横領の疑いで、麺類製造・販売会社元経理担当で自称パート従業員の男(48)=熊谷市拾六間=を逮捕した。」
(令和5年2月2日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)
【意外に罪が重い業務上横領罪】
今回取り上げた報道では、男性が業務上横領罪の疑いで逮捕されています。
業務上横領罪は刑法253条に規定する犯罪で、「業務上自己の占有する他人の物を横領した」場合に成立する犯罪です。
業務上横領罪が成立する場合としては、会社から割り当てられた業務として会社の備品を管理する業務を担っていた人が管理している会社の備品を転売した場合や、経理として会社の口座を管理している人が会社の口座から自分の口座へと送金して会社の資金を着服した場合などが考えられます。
このような業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役刑となっています。
法定刑に罰金が定められていませんので、仮に検察官が業務上横領罪で起訴するという判断をした場合は、略式起訴することができず正式な裁判が開かれることになります。
【業務上横領罪が会社に発覚したら?】
会社の資金を着服してしまったなどの業務上横領罪に当たる行為をしてしまった場合は、弁護士に今後の対応についてご相談されることをお勧めします。
業務上横領罪については、まず最初に会社内部で調査が行われて、調査の結果、会社が業務上横領罪について刑事告訴をしたところで警察などの捜査機関が捜査に乗り出すという流れで刑事事件化することが多いです。
そのため、業務上横領罪について会社が刑事告訴する前に弁護士を通して会社と示談交渉をして、会社が謝罪と被害の弁済を受け入れてくれるといった形で会社と示談を締結することができれば、警察が業務上横領罪について捜査に乗り出す前に当事者間で事件を解決することができる場合もあります。
このように業務上横領罪を刑事事件化する前に当事者間で示談ができれば業務上横領罪の前科を付けずに事件を解決することができるでしょう。
そのような解決を目指すには、業務上横領罪が会社に発覚してからいち早く弁護士に相談することが重要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県で業務上横領罪が会社に発覚してお困りの方や、業務上横領罪の前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【事例解説】窃盗罪に近い器物損壊罪の逮捕事案
【事例解説】窃盗罪に近い器物損壊罪の逮捕事案
埼玉県春日部市の窃盗罪に類似した器物損壊事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【事例紹介】
「埼玉県春日部市にある会社で働くAさんは、職場の同僚Vさんから嫌がらせを受けていました。
ある日、仕返しをしようと思ったAさんは、Vさんがデスクの引き出しに保管している私物を自宅に持ち帰ってごみとして捨てました。
その後も何回かVさんの私物を持ち出して処分し続けたため、不審に思ったVさんがデスク周りに小型の隠しカメラを設置すると、Aさんが私物を持っていく様子が記録されていたので、Vさんは埼玉県警春日部署に被害届を提出しました。
その後、Aさんは春日部署の警察官に逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)
【嫌がらせの仕返し目的で相手の私物を持ち去ると窃盗罪?】
相手の物を勝手に持ち去って処分してしまうとどのような罪に問われるのでしょうか。
刑法235条の窃盗罪が成立するのではないかと思われる方が多いかと思いますが、窃盗罪が成立するためには、相手の私物を持っていく際に、その人に「不法領得の意思」という意思があることが必要になります。
不法領得の意思とは、権利者を排除して他人の物を自己の所有物とし、その経済的用法に従って使用し処分する意思のことをいいますが、前者の権利者を排除して他人の物を自己の所有物とする意思のことを権利者排除意思、後者の他人の物を経済的用法に従って使用し処分する意思のことを利用処分意思といいます。
事例のAさんは、持ち去ったVさんの私物を転売して利益を得ようというわけではなく、単に、Vさんの私物がなくなればVさんが困るだろうという嫌がらせ目的でVさんの私物を持ち去っています。
このような場合には、Vさんは不法領得の意思のなかの利用処分意思が欠けているということになって窃盗罪が成立しない可能性が高いです。
【利用処分意思がないと判断した判例】
利用処分意思がないとして窃盗罪が成立しないと判断されることが本当にあるのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際に、利用処分意思がないとして窃盗罪の成立を否定した判例があります。
今回取り上げた事例とは事件内容が異なりますが、学校の校長に恨みを持っていた教員が、校長を失脚させる目的で校長が管理していた教育勅語を持ち出して隠した事件で、大審院(現在の最高裁判所に相当します)は教員には利用処分意思がないとして窃盗罪は成立しないと判断しました(大審院大正4年5月21日判決)。
この判例は大正時代の判例ではありますが、現在でも利用処分意思を否定した判例として意義のある判例と考えられています。
【嫌がらせの仕返し目的で相手の私物を持ち去って捨てるとどのような罪になる?】
Aさんに窃盗罪が成立しないと考えられる場合に、Aさんは何の罪にも問われることがないのかというと、そうではありません。
Aさんは、Vさんの私物を持ち出して最終的にごみとして処分していますので、刑法261条の器物損壊罪が成立する可能性があります。
器物損壊罪の法定刑は3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっています。
なお、事例ではAさんが持ち出して処分したものはVさんの「私物」となっていますが、Aさんが持ち出して捨てたものが書類であった場合は、その書類の種類次第で、器物損壊罪ではなく、刑法258条が規定する公用文書等毀棄罪や、刑法259条が規定する私用文書等毀棄罪が成立する可能性もあります。
公用文書等毀棄罪の法定刑は3か月以上7年以下の懲役刑となっており、私用文書等毀棄罪の法定刑は5年以下の懲役刑となっています。
【ご家族が逮捕されてお困りの方は】
ご家族が逮捕されてお困りの方は、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
突然、警察に身柄を拘束されて自由に家族と話すこともできない状況になったご本人様にとっては、弁護士によるサポートが必要になるでしょう。
弁護士が接見に行くことで、ご本人様に事件の見通しや今後の手続きの流れ等の説明をすることができますので、ご本人様の不安に思う気持ちを和らげることが期待できるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ご家族が逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【事例解説】認知症高齢者による窃盗事件
【事例解説】認知症高齢者による窃盗事件
埼玉県草加市の認知症高齢者による窃盗事件ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【事例紹介】
「埼玉県草加市に住むAさん(80代)は、近所のスーパーマーケットで数点の食料品を商品棚から直接自分のカバンに入れ、商品をレジに通さないで店の外に出たところ、店員に見つかって、警察に通報されました。
Aさんは、通報により駆けつけた埼玉県警草加警察署の警察官によって、窃盗罪で現行犯逮捕されました。
Aさんの息子であるBさんは、警察からの連絡でAさんが窃盗で逮捕されていることを知りました。
Bさんは、Aさんが過去に認知症の診断を受けた経験があることから、Aさんのためにいち早く弁護士に対応を依頼したいと考えています。」
(この事例はフィクションです)
【認知症高齢者でも逮捕される?】
万引きは刑法235条に規定されている窃盗罪に該当します。
仮に、スーパーでの万引き行為が窃盗罪として起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。
ところで、事例のAさんは認知症を患っています。
認知症とは、脳の病気や障害などの原因によって、記憶力や思考力、判断力などの認知機能が低下して日常生活に支障をきたす状態のことを言いますが、そのような認知機能が低下した人が窃盗にあたる行為をしたときは、犯罪にならないのだから警察に逮捕されることはないと思われる方がいらっしゃるかもしれません。
たしかに刑法39条1項では、「心神喪失者の行為は、罰しない」と規定し、同条2項では、「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」と規定しています。
「心神喪失者」とは、精神の障害によって、物事の良い悪いを判断する能力や、物事の良い悪いを判断して行動する能力がない状態の人のことをいい、「心神耗弱者」とは、精神の障害によって、物事の良い悪いを判断する能力や、物事の良い悪いを判断して行動する能力が著しく減退した状態のことをいいます。
そのため、認知症の高齢者の方が窃盗をした場合に心神喪失者であると判断されれば、窃盗罪が成立しないことになりますし、心神喪失とまではいかなくても心神耗弱者であると判断されれば、その刑が減刑されることになります。
ただ、警察が通報によって駆け付けた現場で、窃盗をした疑いがある高齢者の方が認知症で心神喪失者や心神耗弱者であると即断することはできませんから、認知症を患っている高齢者の方であっても、逮捕される可能性は十分にあり得ます。
【認知症の方が警察に逮捕されたことを知ったら?】
認知症のご高齢の方が警察に逮捕されたことを知った場合、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらいましょう。
逮捕された認知症のご高齢の方のご家族様にとっては、やはり逮捕された方の健康を一番心配するところだと思います。
いちはやく警察署の留置施設から身柄が解放してもらって自宅で生活することを望まれる場合は、初回接見をきっかけに事件の概要を知ることが出来た弁護士にそのまま依頼して、身柄解放のための弁護活動を取ってもらうことをお勧めします。
ご家族様が、逮捕された認知症のご高齢の方をしっかりと監督できるということを弁護士の交渉によって検察官や裁判官に分かってもらうことができれば、逮捕後早期に身柄を解放してもらうことが可能な場合があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県草加市で認知症のご高齢の方が窃盗の疑いで逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【報道解説】ひったくりの窃盗事件で逮捕
【報道解説】ひったくりの窃盗事件で逮捕
埼玉県さいたま市浦和区で起きたひったくり事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道紹介】
「埼玉県警浦和署は11日、窃盗の疑いで住居不定無職の男(48)を逮捕した。
逮捕容疑は8日午後4時11分ごろ、さいたま市南区文蔵3丁目の路上で、徒歩で通行中の女性(54)の後方から自転車で近づき、追い抜きざまに現金2万円などが入った女性の手提げバッグを奪った疑い。
女性にけがはなかった。」
(令和5年2月15日で埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)
【ひったくりはどのような罪に問われる?】
隙をついて被害者の方が持っているバッグや財布と言った金目の物を奪い去る行為を「ひったくり」と言います。
ひったくりをすると、基本的に刑法235条の窃盗罪が成立ますが、被害者の方からバッグなどを持ち去る際に、暴力を用いたり、被害者の方に怪我を負わせてしまったりした場合は、窃盗罪に加えて刑法208条の暴行罪や刑法204条の傷害罪が併せて成立する場合もあります。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金で、暴行罪の法定刑は2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料、傷害罪の法定刑は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。
ただ、具体的な状況によっては、ひったくり行為が更に重い罪が成立する場合があります。
例えば、路上にいた被害者の方が持っていたバッグを後ろからスクーターで近付いて奪い去るというひったくり行為の際に、被害者の方がバッグを奪われまいと抵抗した場合にバッグごと被害者の肩を引きずった上でバッグを奪い去ったというようなひったくりの場合は、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行を加えてバッグを奪ったとして刑法236条1項の強盗罪が成立する可能性が高いです。
また、強盗の際に相手に怪我を負わせた場合には刑法240条の強盗致傷罪が、死亡させた場合には同じく刑法240条の強盗致死罪が成立することになります。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役で、強盗致傷罪の法定刑は無期又は6年以上の懲役で、強盗致死罪の法定刑は死刑又は無期懲役となっています。
【ひったくりの疑いでご家族が警察に逮捕されてお困りの方は】
ご家族がひったくり事件の容疑者として浦和署に逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
ひったくり事件の場合、先ほど説明したように、具体的にどのようなひったくり行為をしたのかということで成立する犯罪が異なります。
また、仮に、ひったくり行為が強盗致傷罪や強盗致死罪として起訴された場合は、その裁判は裁判員裁判の対象になりますし、裁判員裁判の公判が開かれる前には公判前整理手続という手続が開かれることになりますので、通常の刑事裁判とは異なる流れで裁判が開かれることになります。
初回接見を依頼されることで、初回接見に向かった弁護士から直接、浦和署に逮捕されたご家族がどのような罪に問われる可能性があるのか、今後どのような手続きで事件が処理されていくのかといったことについて説明を受けることができますので、今後の見通しを立てることができるようになります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県さいたま市浦和区で、ご家族がひったくり事件を起こして浦和署に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【報道解説】17歳少年の特殊詐欺の逮捕事件
【報道解説】17歳少年の特殊詐欺の逮捕事件
埼玉県深谷市で起きた特殊詐欺事件の刑事手続等ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道紹介】
「埼玉県警深谷署は7日、詐欺の疑いで、東松山市に住む高校3年の少年(17)を逮捕した。
逮捕容疑は、氏名不詳の者と共謀し、7日午後0時10分ごろから数回にわたり、深谷市に住む女性(82)方に市役所職員などを名乗り、『後期高齢者保険の還付金がある』『今から職員がキャッシュカードを取りに行く』と電話し、同日午後1時10分ごろ、女性宅でキャッシュカード1枚をだまし取った疑い。
女性の長女が同署に連絡した。
同署によると、市内警戒中に、目撃情報と似ている少年を見つけた。少年は容疑を認めているという。キャッシュカードから現金100万円の引き出しが確認された。」
(令和5年2月9日に埼玉新聞で配信された報道より引用)
【高校生が特殊詐欺で逮捕された場合の身柄拘束】
SNS上では「書類を受け取るだけの簡単なバイト」や「指定された口座から現金を引き出すだけの楽なバイト」などの言葉と共に特殊詐欺の受け子・出し子役の勧誘がなされています。
高校生のお子さんが、簡単にお金が稼げるならと、受け子や出し子として実際に特殊詐欺に関わってしまったがために警察に逮捕されるということは全く珍しいことではありません。
高校生のお子さんが、特殊詐欺の受け子や出し子として、刑法246条1項の詐欺罪や刑法235条の窃盗罪に当たり得る行為をしてしまうと、警察に逮捕されて身柄が拘束されてしまうことになるでしょう。
警察に逮捕されると48時間以内に一度警察から検察へと事件が送致されることになり、事件の送致を受けた検察官は24時間以内に勾留請求をするかどうかの判断を下すことになります。
逮捕した高校生のお子さんの身柄を更に拘束しておくためになされた勾留請求が認められて勾留が決まってしまうと、原則として10日間身柄が拘束されることになりますし、また、勾留期間は最長で10日間延長することができます。
こうした逮捕・勾留は事件ごとに行われることになりますから、特殊詐欺の受け子や出し子を複数件やってしまうと、2回、3回と逮捕・勾留がなされてしまう場合もあり得ます。
こうした逮捕・勾留を経て捜査機関による捜査が終了すると、事件は検察から家庭裁判所へと送られることになります。
家庭裁判所では少年審判を開いて、特殊詐欺の受け子や出し子をした少年の最終的な処遇を決めることになるのですが、少年審判を開く前に、家庭裁判所は観護措置として、事件を起こした少年の身柄を少年鑑別所で収容することができます。
観護措置の期間は原則としては2週間ですが、一度に限って2週間の更新をすることが認められていますので、実務上は、観護措置の期間として4週間がなされることが多いです。
ですので、高校生のお子さんが、特殊詐欺の受け子や出し子として警察に逮捕されると、その後の勾留や観護措置の期間と合わせて2か月間に満たないぐらいの期間にわたって身柄が拘束されてしまう可能性があることになります。
【弁護士に依頼するとどのようなメリットがある?】
高校生のお子さんが、特殊詐欺の受け子や出し子として警察に逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に事件について依頼することをお勧めします。
弁護士が逮捕直後に事件に介入することができれば、身柄開放に向けた弁護活動について早期に取り組むことが可能になります。
また、最終的に少年の処遇が決定される少年審判において少年院送致といった重い処遇を回避するためにも、早いタイミングから弁護士が対応をとることが非常に重要になるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県深谷市で未成年のお子様が詐欺の疑いで深谷警察署に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください
【報道解説】建造物侵入と窃盗で逮捕
【報道解説】建造物侵入と窃盗で逮捕
【報道紹介】
埼玉県鴻巣市で家具・インテリア販売店に侵入して窃盗をした疑いで警察に建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
「警備の仕事に乗じ、家具・インテリア販売店から調理器具などを窃取したとして、埼玉県警捜査3課と鴻巣署の合同捜査班は24日、建造物侵入と窃盗の疑いで、熊谷市曙町4丁目、アルバイトの男(47)を逮捕した。
逮捕容疑は1月11日午後8時51分~同9時36分ごろの間、鴻巣市八幡田の『ニトリ鴻巣店』に侵入し、調理器具セットやマットレスなど8点(販売価格計3万8130円相当)を盗んだ疑い。
捜査3課によると、男は閉店後の店内を設備点検する際に不審者などが店内に入ってこないように見張る警備の仕事をしていて犯行当日も勤務日だった。
点検作業員が退店後に商品を盗み出していた。
商品はインターネットのフリマサイトで出品していたとみられる。
1月18日にニトリの関係者が鴻巣署に相談し、県警が防犯カメラの精査などから男を特定した。」
(令和5年1月25日に埼玉新聞オンラインで配信された報道より一部抜粋して引用)
【建造物侵入罪と窃盗罪を犯すとどのような罰になるのか】
窃盗をする目的で閉店後の家具用品店に侵入する行為は、刑法130条前段の建造物侵入罪が成立することになります。
報道を読まれた方の中には、警備の仕事のためにお店に入ることが認められている人は、自由に閉店後のお店に入ることができるから建造物侵入罪にならないのではないのかと思われる方がいるかもしれません。
しかし、お店の責任者が、閉店後にお店の立ち入りを認めているのは警備の仕事に関する限りで認めているにすぎないですから、そのような警備の仕事に関係しない窃盗目的で閉店後のお店の中に立ち入るという行為は、立ち入った日が仮に警備の仕事の勤務日であっても、建造物侵入罪が成立することになると考えられます。
そして、そのように侵入したお店の中から商品を持ち去っていく行為は刑法235条の窃盗罪が成立することになります。
建造物侵入罪の法定刑は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金刑となっていて、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。
【盗品をフリマサイトで購入したら罪になる?】
逮捕された男性は店から盗んだ商品(盗品)をフリマサイトで販売していたようですが、フリマサイトで盗品を購入した人は何かしらの罪に問われるのでしょうか。
第三者が盗品に何らかの形で関わってしまった場合、刑法256条が定める盗品等に関する罪が成立する可能性があります。
盗品等に関する罪には、盗品等を無償で譲り受けた場合(刑法256条1項)、盗品等を運搬、保管、有償譲り受け、有償処分のあっせんをした場合(刑法256条2項)がありますので、盗品をフリマサイトで購入する行為は、この中の盗品の有償譲受けに当たり得る行為ということができます。
ただ、盗品等有償譲受け罪の成立が認められるためには、盗品をフリマサイトで購入した際に、その商品が盗品であることを知っていたということが必要になりますので、盗品であることを全く知らずにフリマサイトで購入した場合には、盗品等有譲受け罪は成立しないことになります。
【建造物侵入罪や窃盗罪で前科を付けたくない】
建造物侵入罪と窃盗罪で前科をつけたくないとお考えの方は、弁護士に依頼して被害者の方との示談をすることが重要になります。
過去の犯罪歴の有無や、窃盗の被害額がいくらなのかなどの事情にもよりますが、弁護士を通して被害者の方と示談することができれば、不起訴となって前科が付くことを回避する可能性を高めることができるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県鴻巣市で建造物侵入罪と窃盗罪で前科を付けたくないとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【報道解説】住居侵入、強盗致傷罪で逮捕
【報道解説】住居侵入、強盗致傷罪で逮捕
埼玉県川口市で起きた住居侵入、強盗致傷事件で逮捕者が出た刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道紹介】
「埼玉県川口市の住宅で昨年11月、住人の男性を粘着テープで縛り現金を奪ったなどとして、埼玉県警は25日、住居侵入と強盗致傷の疑いで、茨城県日立市相田町の職業不詳、北A容疑者(21)といずれも同市に住む職業不詳の19歳の男と17歳の男を逮捕した。
認否を明らかにしていない。
逮捕容疑は、共謀して11月15日、川口市前上町の住宅に侵入し、室内にいた住人の20代男性に粘着テープで縛るなどの暴行を加え、現金約500万円と通帳などを奪って頸椎(けいつい)捻挫などの軽傷を負わせたとしている。
19歳の男が指示役で他の2人は実行役とみられる。」
(令和5年1月25日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)
【住居侵入や強盗致傷はどのような罪に問われるのか?】
最近のニュースでは、関東圏内で多発していた3人組による強盗事件について警察が被疑者を続々と逮捕しているというニュースを目にすることが多くなっていると思います。
警察は組織的な強盗事件の可能性も含めて捜査を進めているようですが、今回取り上げた報道も、埼玉県川口市で起きた強盗事件について、強盗事件に関わった被疑者を3人逮捕したというものです。
被害者の家の中に入って被害者を縛り上げて現金などを無理やり奪い去ったという事件の場合は、家の中に侵入した行為について刑法130条前段の住居侵入罪が、現金を無理やり奪い去った行為については刑法236条1項の強盗罪が成立する可能性が高いと言えます。
また、強盗を行う際に被害者を怪我させたり死亡させたりした場合は刑法240条の強盗致死傷罪という犯罪が成立する可能性もあります。
強盗が人を負傷させた場合を強盗致傷罪と呼び、強盗が人を死亡させた場合を強盗致死罪と呼んで、この2つは単なる強盗罪の場合よりも重く処罰されることになります。
これらの犯罪に対する処罰について、住居侵入罪は3年以下の懲役又は10万円以下の罰金が、強盗罪は5年以上の有期懲役が、強盗致傷罪は無期又は6年以上の懲役が、強盗致死罪は死刑又は無期懲役が科される可能性があります。
【実行犯でなくても責任を負う可能性がある】
複数人で強盗の計画を立てて、その計画に基づいて強盗事件を起こしたという場合は、強盗事件に関わった人たちに刑法60条の共同正犯が成立する可能性があります。
仮に、強盗罪の共同正犯が認められた場合、自分がやっていない行為についても自分がやったものとして責任を負わなければいけなくなります。
そのため、取り上げた報道のように、自分は強盗を指示しただけで強盗を実行したのが他の人であるという場合において強盗事件の参加者の間で共同正犯関係が認められるのであれば、実際に強盗をしていない指示役の人にも実際に強盗を担当した場合と同様に、強盗罪あるいは強盗致傷罪が成立することになります。
【ご家族が強盗や強盗致傷の疑いで警察に逮捕されてしまった場合】
埼玉県でご家族が強盗や強盗致傷の疑いで警察に逮捕されてしまって、何をどうしたら良いのかが分からずにお困りの方は、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
初回接見を通して、弁護士が逮捕されたご家族の方から事件ついてしっかりとお話を聞くことができますので、事件の見通しや今後の事件の流れといったことを知ることができるでしょう。
特に、今回の埼玉県川口市の強盗致傷事件のように、逮捕された被疑者の年齢が19歳、17歳の場合は少年法という法律も適用されることになりますので、事件の手続が通常の刑事事件の場合とは異なりますので、逮捕されたご家
族の年齢が20歳に満たない場合は、より一層弁護士によるサポートが有益になると言えるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県川口市でご家族が強盗や強盗致傷の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。