【事例解説】認知症高齢者による窃盗事件

【事例解説】認知症高齢者による窃盗事件

埼玉県草加市の認知症高齢者による窃盗事件ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「埼玉県草加市に住むAさん(80代)は、近所のスーパーマーケットで数点の食料品を商品棚から直接自分のカバンに入れ、商品をレジに通さないで店の外に出たところ、店員に見つかって、警察に通報されました。
Aさんは、通報により駆けつけた埼玉県警草加警察署の警察官によって、窃盗罪で現行犯逮捕されました。
Aさんの息子であるBさんは、警察からの連絡でAさんが窃盗で逮捕されていることを知りました。
Bさんは、Aさんが過去に認知症の診断を受けた経験があることから、Aさんのためにいち早く弁護士に対応を依頼したいと考えています。」
(この事例はフィクションです)

【認知症高齢者でも逮捕される?】

万引きは刑法235条に規定されている窃盗罪に該当します。
仮に、スーパーでの万引き行為が窃盗罪として起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。

ところで、事例のAさんは認知症を患っています。
認知症とは、脳の病気や障害などの原因によって、記憶力や思考力、判断力などの認知機能が低下して日常生活に支障をきたす状態のことを言いますが、そのような認知機能が低下した人が窃盗にあたる行為をしたときは、犯罪にならないのだから警察に逮捕されることはないと思われる方がいらっしゃるかもしれません。

たしかに刑法39条1項では、「心神喪失者の行為は、罰しない」と規定し、同条2項では、「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」と規定しています。
「心神喪失者」とは、精神の障害によって、物事の良い悪いを判断する能力や、物事の良い悪いを判断して行動する能力がない状態の人のことをいい、「心神耗弱者」とは、精神の障害によって、物事の良い悪いを判断する能力や、物事の良い悪いを判断して行動する能力が著しく減退した状態のことをいいます。

そのため、認知症の高齢者の方が窃盗をした場合に心神喪失者であると判断されれば、窃盗罪が成立しないことになりますし、心神喪失とまではいかなくても心神耗弱者であると判断されれば、その刑が減刑されることになります。
ただ、警察が通報によって駆け付けた現場で、窃盗をした疑いがある高齢者の方が認知症で心神喪失者や心神耗弱者であると即断することはできませんから、認知症を患っている高齢者の方であっても、逮捕される可能性は十分にあり得ます。

【認知症の方が警察に逮捕されたことを知ったら?】

認知症のご高齢の方が警察に逮捕されたことを知った場合、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらいましょう。
逮捕された認知症のご高齢の方のご家族様にとっては、やはり逮捕された方の健康を一番心配するところだと思います。

いちはやく警察署の留置施設から身柄が解放してもらって自宅で生活することを望まれる場合は、初回接見をきっかけに事件の概要を知ることが出来た弁護士にそのまま依頼して、身柄解放のための弁護活動を取ってもらうことをお勧めします。
ご家族様が、逮捕された認知症のご高齢の方をしっかりと監督できるということを弁護士の交渉によって検察官や裁判官に分かってもらうことができれば、逮捕後早期に身柄を解放してもらうことが可能な場合があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県草加市で認知症のご高齢の方が窃盗の疑いで逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

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