Archive for the ‘刑事事件’ Category

埼玉県鴻巣市で自転車のひき逃げで逮捕

2019-07-07

埼玉県鴻巣市で自転車のひき逃げで逮捕

埼玉県鴻巣市在住の会社員男性Aさんは、毎日自転車で駅まで通勤しているところ、ある日、朝寝坊して家を出る時間が遅れたため、猛スピードで自転車を走らせ駅に向かっていたところ、減速も左右確認もせずに交差点に差し掛かった際に、交差点を歩行していた高齢女性Vさんにぶつかって転倒させました。
しかし、Aさんは出勤を急いでいたためVさんに対する対応を何もせずに自転車で走りだし、Vさんは通行人によって救急車で病院に搬送され、腰の骨を折る重傷と診断されました。
Vさんの家族は埼玉県警鴻巣警察署ひき逃げの被害届を提出し、交差点の防犯カメラ等からAさんの身元を特定できたため、Aさんは道路交通法違反ひき逃げ)の疑いで逮捕されました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、自転車で女性をはねて重傷を負わせたのに現場から立ち去ったとして、今年7月4日、愛知県警が、同県常滑市の会社員男性を道路交通法違反ひき逃げ)の疑いで逮捕した事案をモデルにしています。
警察の調べでは、被疑者は、市内の交差点で自転車に乗っていたところ、横断歩道を渡ろうとした市内の女性(82歳)に衝突し、左肋骨を折る重傷を負わせたのにもかかわらず、女性を助けずにそのまま逃走した疑いがあり、「出勤途中に人にぶつかった」と逮捕事実を認めています。

事件現場は住宅街に片側1車線の道路とセンターラインのない道路が交わる信号のない十字路交差点で、近くに防犯カメラがあり事故の様子が記録されていたことから、被疑者の特徴に合致する人物に事情聴取を求めたところ、事実を認めたとのことです。

道路交通法上では、自転車は「軽車両」として扱われ、ブレーキや前照灯、後部反射器材または尾灯が装備されていることが義務づけられており、これら安全配慮義務に対して反則金などの罰則がある他、自転車の危険な運転による事故についても、通常の自動車等と同じく罰則が定められています。

道路交通法では、交通事故が発生した場合の運転者の義務が規定されており、第72条第1項では、車両等の交通事故があったときは、当該車両等の運転者等は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し(救護義務)、道路における危険を防止する等必要な措置(危険防止義務)を講じなければならず、当該車両等の運転者等は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない(事故報告義務)とされています。

これらの義務に違反した場合、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます(法第117条の5)。

道路交通法上におけるこれらの義務は、日本の交通を安全かつ円滑にするために規定された法律であり、その義務違反による被害者が想定されていないため、道路交通法違反刑事弁護活動では、被害者に対する示談という選択肢はほとんどなく、被疑者の反省状況や再犯防止の取組みや姿勢等の情状面での主張を行うことになります。

また、危険な自転車の運転によって他人を負傷させた場合には、別途、過失傷害罪または重過失傷害罪が成立する可能性が高く、こちらは被害者に対する被害弁償や示談というアプローチが有効になります。

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埼玉県富士見市でタクシー無銭乗車の詐欺罪で逮捕

2019-07-05

埼玉県富士見市でタクシー無銭乗車の詐欺罪で逮捕

埼玉県富士見市在住の会社員男性Aさんは、終電を逃してしまったため、自宅までタクシーを使って帰宅しようと考えましたが、タクシー代金が決して安くはなく、タクシー代金を払うことが惜しくなり、タクシーが自宅付近まで近づいた地点で「トイレに行きたい」と言って、タクシー運転手Vにコンビニに寄らせ、コンビニのトイレ内でスーツから私服に着替えて別人を装い、そのままコンビニから歩いて自宅まで帰宅しました。
コンビニ前で待機していたVはいつまでもAさんが帰ってこないことに不審を覚え、コンビニ店員にAさんを見かけなかったかと聞いたところ、Aさんらしき人物がトイレから出て歩いて帰っていったと事情を知り、翌日、埼玉県警東入間警察署詐欺の被害を訴えました。
警察はコンビニ店の防犯カメラ等を解析し、Aさんを詐欺罪の疑いで逮捕しました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、タクシーでコンビニエンスストアに寄り、店内で変装してタクシー料金を支払わず逃走して無賃乗車をしたとして、今年7月3日、東京都北区の男性が詐欺罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。

警察の調べでは、被疑者は6月上旬、自宅付近から職場に近い駅近くまでタクシーに乗り、駅近くのコンビニに立ち寄るふりをして、タクシーを待たせたまま店内へ入り、店内でパーカを羽織り、それまでのTシャツ姿から変装して逃走して、タクシー料金約7千円を支払わずに逃げた疑いが持たれています。

被疑者は「仕事に遅刻しそうでタクシーを使ったが、お金がなかった」と供述しており概ね事実を認めており、「着ていた服を脱ぐ変装をしたこともある」とも供述していることから、警視庁では6月以降に発生している同様のタクシー無銭乗車詐欺事件との関連を調べています。

刑法第246条は、「人を欺いて財物を交付させた」場合、10年以下の懲役を科しています(第1項)。
そして、直接財物を交付させなくても、人を欺いて財産上不法の利益を得たり、人を欺いて他人に財産上不法の利益を得させたりした場合も、上記と同じ処罰となります(第2項、利益詐欺)。

詐欺罪が、懲役刑と罰金刑の選択刑を定める窃盗罪より重く処罰される根拠として、「人を欺いて(欺罔)」財物を交付させる、または財産上不法の利益を得る点にあると言われており、それゆえ、詐欺罪は人間を欺罔した場合にのみ成立すると理解されています(機械の電子情報を操作して相手を錯誤に陥らせる場合は刑法第246条の2「電子計算機使用詐欺」等が成立する可能性があります)。

それゆえ、詐欺罪刑事事件では、捜査段階では、被害者に対して被害の弁償と示談の申し出を行って処罰感情を宥めることが重要になり、検察官が起訴相当と判断した場合には、執行猶予付き判決となるよう働きかけていくことが重要となります。

このような詐欺罪刑事事件において、少しでも処罰の可能性を低くするためには、適切な知識と経験を持った刑事事件弁護士を介して、被害者との示談締結の可能性を探っていくことが重要です。

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埼玉県久喜市で元交際相手に脅迫メールを送って逮捕

2019-07-03

埼玉県久喜市で元交際相手に脅迫文を送って逮捕

埼玉県久喜市在住の会社員男性Aさんは、交際していた女性Vから一方的に別れを切り出されたことに不満を抱いており、Vのスマートフォンに対して「お前には心がないのか。殺されたいか」「罰があたるぞ。夜道に気をつけろ」等、Vの生命や身体の安全を害する内容の脅迫文を通話アプリを通じて大量に発信しました。
Aさんが脅迫文を送信した翌日、Vが目覚めるとスマートフォンに100件近い脅迫文が残されていることに強い不安を覚え、そのまま埼玉県警久喜警察署脅迫被害の相談に行きました。
後日、Aさんは脅迫罪の疑いで逮捕され、事件がさいたま地方検察庁に送致された後、裁判所は10日間の勾留を決定しました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、無料通話アプリLINEを使って元交際相手の女性を脅したとして、今年7月2日、高知県高知市の会社員男性が脅迫罪の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
警察の調べでは、被疑者は6月30日午前2時頃、高知市在住の元交際相手の被害者女性のスマートフォンにLINEで、「殺したいくらいやき」「死ね」「地獄へ落とす」などという内容を含む約500件のメッセージを送って脅迫した疑いがあり、被害者女性が、30日朝になって大量のメッセージが届いていることに気付き、警察署に相談して刑事事件化に至りました。
被害者は被疑事実を認めている模様です。

脅迫罪を定める刑法第222条は、生命・身体・自由・名誉・財産に対して害を加える告知をして人を脅迫した者に対して、2年以下の懲役または30万円以下の罰金を科しています。

この脅迫行為は、本人だけでなく、本人の親族に対する脅迫でも同様に脅迫罪が成立し(同条第2項)、また、脅迫行為によって必ずしも被害者が畏怖や恐怖の念を抱いたことは必要ないとされています(判例)。

つまり、具体的に脅迫行為とは、告知される害悪の内容が客観的かつ具体的で、一般的に見て畏怖に値するものであることが必要であり、実現可能性が著しく低い害悪の告知では脅迫とは言えないと判断する判例もあります。

ただ、「殺す」や「殴る」等、殺人罪や暴行罪および傷害罪の予告として理解される脅迫行為が行われた場合には、対等な当事者間の口喧嘩等でもない限り脅迫罪の成立を免れることは事実上困難であり、特に上記刑事事件例のように、ストーカー規制法や埼玉県迷惑防止条例違反における「つきまとい」行為と同等と見られる状況における脅迫行為について、より一層、被害者に対する害悪の告知の程度が重いと理解されます。

脅迫罪刑事事件では、被害者が加害者(被疑者)に対して強い恐怖や嫌悪感を抱いている可能性が極めて高く、加害者による被害者への威迫等により罪証(証拠)隠滅が懸念されるため、逮捕に引き続き最大10日間の勾留される可能性が高いと言えます。(さらに勾留期間が最大10日間延長される可能性もあり得ます。)

このような脅迫罪刑事事件において、少しでも処罰の可能性を低くするためには、適切な知識と経験を持った刑事事件弁護士を介して、被害者との示談締結の可能性を探っていくことが重要です。

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埼玉県熊谷市の路上の喧嘩で傷害罪で逮捕

2019-07-01

埼玉県熊谷市の路上の喧嘩で傷害罪で逮捕

埼玉県熊谷市在住の消防士Aさんは、非番の非、市内の居酒屋で仲間3人と酒を飲み帰宅するところ、前方から酒に酔った男性Vさんら4人組の集団と険悪な雰囲気になり、その内一人が相手の胸を突く暴行を行ったことから集団の喧嘩に発展しました。
この喧嘩を目撃した通行人が110番通報し、駆けつけた埼玉県警熊谷警察署の警察官によって、Aさんら、Vさんらは暴行罪および傷害罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんは、喧嘩の最中に、Vさんを押し倒して顔を蹴り、出血させる負傷を負わせたとして傷害罪の疑いがかけられていますが、「負傷はしていないが先に脚を蹴ってきたのはVだ」と主張し、自分がVさんに暴行を振るったことは事実は認めるものの、VさんのAさんに対する暴行に対する対抗措置として行った主張したい考えです。
Aさんが傷害罪逮捕されたと警察から連絡を受けたAさんの妻は、Aさんが一刻でも早く釈放されるよう願い、刑事事件専門の弁護士に事件を依頼するつもりです。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年6月30日、喧嘩でもみ合いとなった相手の顔を蹴ったとして、神戸市の防士長男性が傷害罪の疑いで現行犯逮捕された事案をモデルにしています。

警察のよれば、6月30日午後9時20分頃、被疑者は、神戸市西区の駅付近で会社員男性押し倒して顔を蹴り、出血させるなどの負傷を負わせた疑いがあり、調べに対して「相手にやられたので押さえつけた」と供述している模様です。

喧嘩を目撃した通行人女性が近くの交番に駆け込み、駆けつけた警察官が被疑者を逮捕し、さらに喧嘩相手の会社員男性も、被疑者を鉄柱に押しつけたとして暴行罪の疑いで現行犯逮捕したており、2人は互いに「相手がいちゃもんをつけてきた」と喧嘩の動機を説明しており、会社員男性は「何もしていない」と暴行の事実を否認しているようです。

一般的に、喧嘩によって双方が互いに暴行を行った場合は、双方それぞれについて暴行罪が成立し、その暴行によって相手を負傷させた場合には傷害罪が成立します。

喧嘩といっても、友人や知人同士の喧嘩であれば、お互いが刑事事件化することを回避すべく、自然と当事者間の話し合い(和解、示談)で法律上の責任を問わないことが考えられますが、上記刑事事件のように、相手が見知らぬ人で刑事事件化することに抵抗が少なく、むしろ自分の正当性を主張すべく相手の法的責任を問いたい場合には、双方が相手に対して暴行罪ないし傷害罪の被害を訴えたり、自分には正当防衛が主張するはずだと主張するケースも多く見られます。

なお、発生した暴行について、事後的にその違法性が阻却される法律上の理論として、正当防衛(刑法第36条)や緊急避難(刑法第37条)が挙げられます。

ただし、正当防衛も緊急避難も、その成立にあたっては厳格な要件が規定されており、特に「やむを得ずにした行為(補充性の原則)」については判例は非常に厳格に解しており、正当防衛の場合、急迫不正に対する反撃行為が権利防衛の手段として必要最小限のものであることが必要と判示されており、また、緊急避難の場合、当該避難行為をする以外には他に現在の危難を避ける方法がなく、このような行為に出ることが条理上肯定される場合でなければならない、と判示されています(いずれも最高裁判例)。

一方的な加害行為や侵害行為に対する反撃の場合であれば別にして、上記のように当事者が正当な理由もなく相互に暴行を行う「喧嘩」の場合では、正当防衛や緊急避難が成立することは事実上ほとんどあり得ないため、現実的な刑事弁護としては、適切な知識と経験を持った弁護士が介入し、当事者間の責任の落としどころを探って和解、示談を目指すことになるでしょう。

特に示談の成立は、逮捕された被疑者が釈放されるために非常に有効となりますので、早期に刑事事件に強い弁護士に話をつけてもらうことを強くお勧め致します。

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埼玉県さいたま市で警察に対する虚偽通報で逮捕

2019-06-29

埼玉県さいたま市で警察に対する虚偽通報で逮捕

埼玉県さいたま市在住の会社員Aさんは、日頃のストレスを発散するため、何か大掛かりな悪戯を仕掛けようと思い、警察に110番通報をして「たった今人を殺した。自首したい」と虚偽通報を行いました。
Aさんの虚偽通報に対して、埼玉県警浦和西警察署は、10名以上の警察官と5台のパトカーを配備して通報に基づく現場に駆け付けたところ、予想以上に大騒ぎになったことに不安を覚えたAさんは現場から逃げようとしましたが、捜査を開始した警察官によって職務質問され、先程の通報が自分の虚偽通報であることを認め、軽犯罪法違反の疑いで現行犯逮捕されました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年6月27日、滋賀県大津市で「人を刺した」と110番の虚偽通報をしたとして、会社員男性を軽犯罪法違反の疑い現行犯逮捕した事案をモデルにしています。
逮捕された事実は、大津市の路上から「人が死にそうになっている。俺がやった」と自分が犯罪を犯したと称する虚偽通報を行った疑いで、警察に対し、被疑者は「警察をからかってやろうと思った」と動機を供述しているようです。
被疑者は犯行時、酒に酔った状態で、被疑者の虚偽通報により、警察官20人が一帯を捜索、パトカーなど約10台が駆け付ける騒ぎとなりました。

上記刑事事件では、現行犯逮捕の根拠法令として軽犯罪法が適用されています。

軽犯罪法は、日常生活上で起こり得る不適切行為について列挙し、その違反者に対して拘留または科料という軽い刑罰を科す法律ですが、捜査機関が軽犯罪法を安易に適用して逮捕等による国民の人権侵害行為を安易に行うことを戒めるべく、軽犯罪法の本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならないと、あえて条文を設けています(第4条)。

軽犯罪法第1条第16号では、「虚構の犯罪又は災害の事実を公務員に申し出た者」と規定し、国家機構を運営する公務員を不当に混乱させたり、その業務妨害することを禁止しています。

また、警察に対する虚偽通報という行為に対しては、刑法第233条の偽計業務妨害罪が成立する可能性があり、具体的には、偽計を用いて、人の業務妨害した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます。

公務員の業務に対する不法な妨害行為について、一般的には公務執行妨害罪が適用されることになりますが、判例によれば、「公務」の中でも「強制力を行使する権力的公務」でない公務については「業務」性を認め、威力業務妨害罪偽計業務妨害罪などの成立を認める判例があります。

よって、警察に対する虚偽通報に対して軽犯罪法違反が適用された上記刑事事件について、被疑者が偽計を用いて警察の非権力的公務を妨害する意図によって虚偽通報を行ったことが認定された場合には、軽犯罪法違反と同時に偽計業務妨害罪が成立する可能性があり、刑事手続上、より法定刑の重い偽計業務妨害罪で刑事責任を問われることが考えられます。

上記の警察に対する虚偽通報に似た刑事事件として、覚醒剤に見せかけた白い粉が入った袋を交番前に落とし逃走し、警察官に追跡させたとして偽計業務妨害の罪で起訴された被告人に対して、名古屋高裁金沢支部は罰金40万円の一審判決を維持しています。

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埼玉県吉川市のあおり運転で脅迫罪

2019-06-27

埼玉県吉川市のあおり運転で脅迫罪

ある晩、埼玉県吉川市の道路上を自動車で運転していた会社員Aさんは、ぼーっとしていたため信号が赤から青に変わったことに気付かず、後ろに停止していた自動車Vから大きなクラクションを鳴らされました。
Vによるクラクションの鳴らし方があまりに騒々しく攻撃的であったため、AさんはVに対して怒りを覚え、報復をしようと思い、自動車を発進させた後、急ブレーキを何度も踏んで後ろを走っているVに対して圧力をかける危険な行為(いわゆる「あおり運転」)を行い、Vが身の危険を感じて緊急停止したところ、Aさんは車から降りてV車に近づき、V車の窓を叩いて「出てこい。ふざけた真似しやがって。ぶん殴るぞ」と脅迫しました。
後日、Vが埼玉県警吉川警察署あおり運転の被害に遭ったことを相談し、警察は捜査を開始し、Aさんは不必要な急ブレーキによって後続のV車に対して不法な有形力を行使したとして暴行罪の疑いで逮捕され、その取調べにおいて、Vに対する脅迫行為も警察に発覚したため、脅迫罪の疑いで再逮捕されました。
(※フィクションです)

昨今では「あおり運転」の様子を捉えたドライブレコーダーの画像や動画が頻繁に報道されたり、動画共有サイト等にアップロードされ、あおり運転の悪質性が世間に浸透してきています。
このような状況で、あおり運転を行ったドライバーが、人の生命を簡単に奪うことができる自動車を用いて、あまりにも思慮の無い危険な行為を行っている様子が世間の人々の目に留まり、あおり運転に対する憤りや厳罰感情を高めている原因となっています。

他方で、警察の交通事故捜査や損害保険会社の損害査定部門の実務者によれば、あおり運転を行う者は、何らかの自動車運転上の法令違反やマナー違反をされ、その怒りが収まらなくなったり、行き過ぎた正義感等の感情に突き動かされ、その法令違反やマナー違反の運転を行った者に対して報復するために「あおり運転」へと駆り立てられてしまった状況も存在すると指摘されています。

あおり運転によって何らかの刑事責任となってしまった全国の事件の内、「急な追い越しをされて危険な目に遭い、その報復をしようと思った」や、「あおり運転の被害者が先に加害者の運転する自動車に対して威嚇的行為を行ったため、同様のあおり運転で対抗しようとした」等の事案も見受けられます。

上記刑事事件例は、車を急停止させるあおり運転をしたとして暴行罪の疑いで逮捕された佐賀県の会社員男性の事案をモデルにしています。
起訴状によると、被疑者男性は、佐賀県武雄市内の道路で乗用車を運転中、後続車の男性からパッシングされたことに腹を立て、急ブレーキをかけて男性の車を2度急停止させ、「出てこい」とどなりながら窓ガラスなどを数回たたいたとされており、検察官は今年6月26日に被疑者を脅迫罪で佐賀簡裁に略式起訴し、男性に対して罰金30万円の略式命令を出されました。

たとえ悪質な法令違反やマナー違反、あるいは「あおり運転」の被害を受けた場合であっても、自分と同乗者の生命や安全を守る限度の防衛行為であればともかく、怒りに任せて復讐を行うことは日本の法律では厳に禁じられており、その報復のための「あおり運転」が、暴行罪脅迫罪等の新たな刑事事件に発展して自身の社会人生命を滅ぼしてしまうことにもなりかねません。

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埼玉県深谷市の傷害致死罪事件で裁判員裁判

2019-06-25

埼玉県深谷市の傷害致死罪事件で裁判員裁判

ある朝、埼玉県深谷市の路上において、会社員男性Vさんが顔から血を流して死亡しているのを、通勤途中の会社員が発見して埼玉県警深谷警察署に通報しました。
Vさんには顔や腹を殴られた形跡があり、また、死亡前に大量の酒を飲んだものと見られ、腹を殴られた際に吐き出した吐瀉物がVさんの喉を塞いで窒息させたことが死亡の原因と見られています。
警察は、昨晩、酒に酔ったVさんと喧嘩をしていた男性の身元の特定し、酒に酔ったVさんに殴る蹴る等の傷害を負わせ、もって死亡させた疑いがあるとして、市内に住む会社員Aさんを傷害致死罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、AさんはVさんに殴る蹴る等の暴行を加えた事実を認めてるものの、「死亡をさせるつもりはなかった」と供述しています。
(※フィクションです)

刑法第205条によれば、身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処するとしています(傷害致死罪)。

もともと、傷害罪(刑法第204条)が成立するにあたっては、犯人は被害者に対して暴行を行う故意さえあれた足り、傷害の結果が生ずることの予見可能性は不要であるとされています(最高裁判例)。
ゆえに、刑法学では、「傷害罪暴行罪(刑法第208条)の結果的加重犯」と言われます。

そして同様に、傷害致死罪の成立にあたって、犯人が被害者に暴行を加えることについて故意は必要であるものの、その傷害結果が致死を引き起こすことの予見可能性は不要であるとされています(最高裁判例)。

ゆえに、傷害致死罪が成立するにあたっては、犯人は、被害者に対して暴行を行う故意さえあれば足り、その暴行の結果傷害を引き起こし、その傷害が致死に繋がることのどちらの予見可能性も不要となります。

傷害致死罪の疑いで刑事事件化した場合、人の死を引き起こした重大犯罪であることから、極めて高い確率で被疑者が逮捕や勾留される可能性があり、事件が検察官に送致された後には、検察官は起訴することが見込まれます。

傷害致死罪刑事事件で起訴された場合、傷害致死罪の法定刑の下限は懲役3年であるため、通常、裁判員裁判が認められることになるでしょう。

裁判員裁判では、有権者である市民の中から裁判員が選任され、裁判員は裁判官とともに証拠調べを行い、有罪か有罪でないかの判断と、有罪である場合にどの程度の刑で処断するかを判断します。

従来の裁判ではほぼ同種の犯罪に対してはほぼ同等の刑罰が言い渡される運用となっており、その積み重ねが「量刑相場」として定着して理解されてきました。
しかし、裁判員制度ではこの運用に従う義務はなく、2009年に青森地裁で行われた強盗強姦被告事件では、量刑相場の2倍を超える非常に重い刑が科されたことも記憶に新しいところです。

裁判員裁判制度は、2009年に施行されて運用を開始した歴史の浅い制度であるため、法律学の分野では裁判員裁判対象事件の量刑相場について未だに確定的な「相場感」を予想することは難しいとされており、現在多くの判例の積み重ねによる研究が待たれています。

このように裁判員裁判に対象になりうる傷害致死罪刑事事件では、刑事事件専門の弁護士の力を借りることを強くお勧め致します。

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埼玉県鶴ヶ島市で刃物で脅してわいせつ行為

2019-06-23

埼玉県鶴ヶ島市で刃物で脅してわいせつ行為

ある晩、埼玉県鶴ヶ島市の道路において会社員女性Vさんが一人で夜道を歩いているところ、後ろから来た無職Aさんが走ってきて、後方からVさんの頬に刃物をつきつけ、「大声を出すな。大人しくしていろ」と命令し、Vさんの胸や股間を触る等のわいせつ行為を行いました。
途中で別の通行人が来たため、AさんはVさんを解放して走り去った後、Vさんは110番通報をしたため、埼玉県警西入間警察署が捜査に乗り出しました。
後日、犯行現場付近の防犯カメラら近隣住人の目撃証言等によりAさんの身元の特定に至り、警察は強制わいせつ罪および銃刀法違反の疑いでAさんを逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは被疑事実を認めており、逮捕から2日後、Aさんに対して10日間の勾留が決定しました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年6月17日午後7時半ごろ、横浜市保土ケ谷区内を走行していた路線バス車内で、横浜市の会社員男性が、席に座っていた高校1年の女子生徒の背後から顔付近にカッターナイフを突きつけ、わいせつ行為をしようとしたとして、強制わいせつ未遂罪銃刀法違反の疑いで逮捕された事案をモデルにしています。
被害者である女子生徒が乗客に助けを求め、運転手が110番通報し、駆け付けた警察官が被疑者を警察署に任意同行し、事情を聴いたうえで逮捕に至ったとのことで、被疑者は事実を認めている模様です。

強制わいせつ罪を定める刑法第176条によれば、13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした場合、6月以上10年以下の懲役を科しています。

判例によれば、「暴行」とは、正当な理由なく、他人の意思に反して、その身体に力を加えることを言い、その力の大小強弱は問わないとされています。

具体的には、殴る蹴る等の肉体的な暴力は勿論のこと、被害者が承諾することを予期する事情が無いにも関わらず、相手の感情を無視してキスしたり胸や股間等を触ること自体も「暴行」とされており(判例)、つまり、場合によっては、わいせつ行為自体が「暴行」を含む行為として認定されることがあることに注意が必要です。

また、上記事例のように、暴行または脅迫の手段として、許可が無ければ所持することが許されない刃物を突き付ける場合には、別途、銃刀法違反などの特別法が成立して罪が重くなることもあります。

上記刑事事件のような刃物を使った強制わいせつ罪刑事事件では、犯行態様の違法性が高く、被害者への更なる加害行為や罪証隠滅を強要する恐れが高いと判断され、極めて高い確率で長期間の身体拘束が決定されることが予想されます。
刑事訴訟法上では、逮捕で最大3日間、そして勾留(延長を含めて)によって最大で20日間、被疑者の身体を拘束することが可能であり、約1月も社会から切り離されること自体が被疑者に対する一種の制裁の性質を帯びると言えます。

また、犯行対応の悪質性や法定刑の重さからして、検察官によって起訴される可能性が非常に高く、実刑判決が下される可能性も十分考えられます。

このような事案に対する弁護活動としては、被害者に対する示談の申し出が非常に重要です。
早期の身柄解放や、少しでも予想される刑を軽くしたいのであれば、示談相場よりも多めの示談金を提示したり、被害者に対する再犯防止や接触禁止の誓約やその違約罰を示談に盛り込むなどして、少しでも示談に応じていただけるよう、刑事事件専門の弁護士の力を借りることがとても大切になります。

埼玉県鶴ヶ島市刃物で脅してわいせつ行為をして刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

埼玉県川口市で覚せい剤使用で逮捕

2019-06-19

埼玉県川口市で覚せい剤使用で逮捕

埼玉県川口市をパトロールしていた埼玉県警武南警察署の警察官は、市内で不審な行動をする人物Aさんを見かけたため、職務質問をしたところ、Aさんの応答に一貫性がなく、指先の震えや顔面蒼白などの薬物犯罪の疑いがある症状が見られたため、任意の取調べを要請したところ、Aさんの尿から覚せい剤使用した反応が得られたため、Aさんを覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕しました。
Aさんには以前にも覚せい剤の所持および使用の疑いで起訴された経緯があり、この度の逮捕の後、裁判所はAさんを覚せい剤取締法違反の疑いで10日間勾留する決定を下しました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、以前にも薬物事件で複数回逮捕され、実刑判決を受けたことがある元オリンピック体操選手が、覚せい剤を使ったとして、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕・起訴された事案をモデルにしています。
上記被告人は、2019年4月下旬、落とし物をしたとして東京・杉並区内の警視庁の交番を訪れた際、様子がおかしかったことから、警察官が調べたところ、覚せい剤を使っていたことが発覚したため、緊急逮捕され、起訴され、現在は勾留されているようです。
上記被告人は、これまでに覚せい剤などの薬物事件で複数回逮捕されており、実刑判決を受けていました。

スポーツ選手やミュージシャン、タレント活動等で活躍されていた方が、その人気が落ちてきたことによる不安やストレス解消等で違法薬物の使用に走ってしまうことが昨今たびたび報道されています。

前述の元オリンピック体操選手とのスポーツ関連で言うと、最近では、元マラソン選手やプロレスラー、野球選手等による覚せい剤使用逮捕事例が見受けられます。

覚せい剤には、使用量を増やさないと効果が得られなくなる依存性、一度使用すると快感を脳が覚えてしまいフラッシュバックを起こす日常生活の維持の危険、覚せい剤離脱時の強い倦怠感とうつ状態等の3大症状が現れると言われており、言動や思考が不自然になった結果、警察等によって検挙されるケースが多いとされており、また、尿検査によって過去30日程度の覚せい剤使用を検知することができるため、常習的な覚せい剤使用者の検挙率は高い傾向にあります。

覚せい剤使用により覚せい剤取締法違反刑事事件化した場合、ほぼ例外なく検察官に起訴され、公判(裁判)が開かれることになります。
初犯であれば懲役1年6月の執行猶予3年といった判決が下される傾向が高く、真摯に違法薬物の依存症対策に取り組む方であれば、実質的には刑罰による社会的な制裁を受けることなく社会への更生を果たす人もいるでしょう。

しかし、覚せい剤も含め、他の犯罪類型に比べ、薬物犯罪は再犯性が高いため、上記事案のように過去に実刑判決を受けたにも関わらず、再び薬物犯罪で起訴されてしまう方もおり、このような事案では再び実刑判決が下される可能性が高いと言わざるを得ません。

薬物犯罪による再犯で刑事裁判になった場合には、刑事事件に経験豊富な弁護士に事件の依頼をすることをお勧め致します。

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埼玉県さいたま市で児童養護施設でのわいせつ行為

2019-06-17

埼玉県さいたま市で児童養護施設でのわいせつ行為

埼玉県さいたま市にある児童養護施設に勤務する職員の男性Aさんは、入所児童からの信頼も厚く、周囲から高く評価されていました。
Aさんは入所児童に対して進路指導や健康管理を担当する指導員であるところ、ある日、女性児童V(15歳)が丸1日外泊したまま施設に戻らなかったため、施設は埼玉県警浦和警察署に行方不明届を出していました。
警察がVに事情を聞いたところ、Vはその日、進路指導を担当するAに連れられて市内のビジネスホテルに連れ込み、わいせつな行為をさせられた疑いがあると判断し、Aさんを児童福祉法違反児童淫行させる行為)の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは「進路指導のため熱心に話し込んでいたため深夜になってしまい、その日はそのまま宿泊することとした」と供述し、Vに対してわいせつな行為をさせた事実を否認しています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年6月17日、児童養護施設に入居する男子中学生にわいせつな行為をさせたとして、福岡県警が施設の元職員の男性を児童福祉法違反児童淫行させる行為)の疑いで逮捕した事案をモデルにしています。

警察によると、被疑者は当時13歳の男子生徒が18歳に満たない児童と知りながら、3月8日午後10時半ごろ、県内のビジネスホテルの一室でわいせつ行為をさせた疑いがあるとのことですが、被疑者は「ホテルには行ったが、わいせつ行為はしていない」と被疑事実を否認している模様です。
被疑者は以前は児童養護施設で進路指導や健康管理を担当する児童指導員でしたが、被疑事実の時点では施設を退職していたとのことです。
男子生徒はこの日施設には戻らなかったため、施設が警察に行方不明届を提出し、翌日、男子生徒が戻ったところで、施設側が事情を聴き、その後警察への相談へと繋がりました。
警察は、同被疑者には余罪があるとみて、捜査を進めています。

18歳未満の者との性行為やわいせつ行為を行うことは、複数の法令で刑事責任を問われる可能性があるものの、その趣旨や適用要件、刑罰には相違があります。

まず、18歳未満の者(児童)に対して対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等を行うことは「児童買春」に該当し、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(児童買春、児童ポルノ規制法違反)」により、5年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。

また、18歳未満の者(青少年)に対してみだらな性行為又はわいせつな行為をすることは、各都道府県の定める青少年健全育成条例(名称は各都道府県ごとに異なります)に抵触することがあり、「埼玉県青少年健全育成条例」の場合、青少年に対してみだらな性行為又はわいせつな行為をした場合、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されます。

そして上記刑事事件例で適用された児童福祉法にも類似の規定があり、児童福祉法では、児童淫行をさせる行為をした場合、10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰、又はこれを併科されるとしています。

児童福祉法は、児童の身心の健全な育成と発達のために、児童を有害な環境に置くことを規制したり罰することを目的として成立した法律であり、本来、「児童淫行をさせる」とは、児童に命令・強制して第三者に淫行をさせる行為を指すと解するのが文言解釈として自然ですが、判例はそれに留まらず、「児童淫行を強制する行為のみならず、児童に対し、直接であると間接であると物的であると精神的であるとを問わず、事実上の影響力を及ぼして児童淫行することに原因を与えあるいはこれを助長する行為」を広く罰する趣旨であると解しています。

よって、教師や児童養護施設の指導者等、児童に対して師弟関係・親族関係・契約関係にある者が、その社会的な影響力を行使して児童に対して淫行をさせることも児童福祉法によって処罰されることになり、淫行の対象は、「淫行をさせる」行為者自身も含むとされています。

児童福祉法違反刑事事件化した場合、上記事案のように被疑事実を否認している場合でなくても、児童の安全や福祉を考慮して被疑者の身体を拘束する可能性が比較的高いケースのため、事件が発覚した段階で迅速に刑事事件に強い弁護士に助言を仰ぎ、身体拘束の可能性や刑事手続の展開の見込み、適切な捜査対応の指導を受けることが必要です。

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