Archive for the ‘刑事事件’ Category

埼玉県飯能市であて逃げで刑事事件化

2020-01-04

埼玉県飯能市で当て逃げで刑事事件化

自動車運転して物損事故を起こしてしまったものの、警察等へ報告することなく当て逃げしてしまった場合に生ずる刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】

ある夜、埼玉県飯能市在住の会社員Aさんは、会社帰りに自動車運転して帰路へついていたものの、眠気のあまりうとうとしてしまい、自動車を店舗の看板にぶつけて看板を破壊してしまいました。
Aさんは事故が発覚して運転免許が取り消されたりするのではないか不安になり、また警察へ報告するのも気後れしてしまい、周囲に目撃者がいないことを幸いに、そのまま自動車事故現場から走り去ってしまいました(当て逃げ)。
後日、看板が被害にあった店舗が埼玉県警飯能警察署に被害届を提出し、警察が防犯カメラら事故現場付近の目撃者情報を集めていると知ったAさんは、自分がどのような刑事責任を負うことになるのか、警察へ出頭するべきなのか不安になり、刑事事件に詳しい弁護士に法律相談することにしました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月上旬、山形県東根市にある陸上自衛隊神町駐屯地の男性隊員の運転するが、同市内の神社の鳥居を壊す事故を起こし、警察に申告せずに立ち去ったことについて、山形県警が道路交通法違反事故報告事務違反)の疑いで捜査を開始した事実をモデルにしています。

被害現場の神社周辺の住民らによると、今年12月4日午後10時ごろ、神社の境内に進入した車が木造の鳥居に衝突して、鳥居の柱を折ったとのことですが、運転していた第6施設大隊所属の男性隊員は、警察に事故を申告せず、でその場を離れた可能性があると言います

翌5日早朝、鳥居が壊れて倒れかけているのを近くの住民が発見し、110番通報して刑事事件化し、その後、運転していたとみられる男性隊員が上司に付き添われ、地区の住民宅に謝罪に訪れた模様です。

駐屯地関係者によると、事故の疑いのある男性隊員らは事故直前に懇親会に参加していたとのことで、隊員らの飲酒の有無など、事故を起こした状況やその後の経緯の更なる捜査が待たれています。

【当て逃げの刑事責任】

一般に、交通事故を起こして人を負傷させたにも関わらず、運転手としての法的責任を果たさずに逃げることを「ひき逃げ」と言い、交通事故を起こして他人の物や公共の物を破損させたにも関わらず、運転手としての法的責任を果たさずに逃げること「当て逃げ」と言います。

当て逃げは、道路交通法によって刑事罰が定められているところ、具体的な法的責任の義務違反の内容によって異なる罰則が適用され、適用される刑罰の内容が異なります。

まず、自動車の運転手が物損事故を起こした場合には、すぐに自動車運転を停止して、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければなりません(道路交通法第72条第1項前段)。

このような道路上の危険防止措置等の責任を果たさなかった場合(当て逃げ)、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金が科されます(道路交通法第117条の5)。

また、事故を起こした運転手は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署の警察官に対して、当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければなりません(道路交通法第72条第1項後段)。

このような事故報告義務を果たさずに逃げてしまった場合(当て逃げ)、3月以下の懲役又は5万円以下の罰金が科されます(道路交通法第119条)。

当て逃げによる道路交通法違反単体の刑事事件であれば、逮捕や勾留されることは少なく、在宅のまま捜査が進行し、前科や被疑者の反省状況、被害の回復状況等に応じて刑罰が決まってくることになります。

ただし、当て逃げ刑事事件の場合、同時に、酒酔い運転、酒気帯び運転、無免許運転などの他の道路交通法違反と合わせて問題となるケースも多く、このように複数の罪が成立する場合、逮捕・勾留の可能性が大きくなっていきます。

後に自分が想像していたより大きな刑事責任を負うことにならないためにも、当て逃げのような交通犯罪に心当たりがありご不安の方は、刑事事件を専門とする経験豊富な弁護士に早めに相談することを強くお勧め致します。

埼玉県飯能市当て逃げ、その他の交通犯罪刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

埼玉県幸手市で万引き(窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪

2020-01-02

埼玉県幸手市で万引き(窃盗)から暴行ふるって事後強盗罪

万引き窃盗罪)などの犯罪が発覚して逃走するために暴行を振るった場合、非常に重大な事後強盗罪へ発展する可能性とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】

埼玉県幸手市在住の無職Aさん(66歳)が、夜遅くに市内のス―パーで食料品等を万引き窃盗)したところ、店員Vが万引き窃盗)に気付いてAさんに指摘し、Aさんを取り押さえようとしたところ、Aさんはポケットから折りたたみナイフを取り出して、Vさんの腕を浅く切りつけ、Vさんが身を引いたことに乗じて駐車場に止めてある自動車で逃走しました。
Vさんは、すぐに埼玉県警幸手警察署に被害を訴え、警察は事後強盗致傷罪の疑いでAさんの行方を追っています。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月15日、千葉県四街道市のコンビニエンスストアで、万引きをして逃げた男が、追いかけてきた店員の男性を刃物のようなもので刺した事件をモデルにしています。
警察によると、15日午後4時すぎ、四街道市のコンビニの女性店員から「万引きの犯人が逃げようとしている」と110番通報があり、被疑者は、商品を盗んで逃げ、追いかけた男性店員が店の外で捕まえようとしたところ、突然、被疑者が店員の上半身を刃物のようなもので刺したとのことでうが、幸い、刺された店員は、病院に搬送されたが命に別条はないとのことです。
逃げた被疑者の男は60代から70代くらいで、警察は防犯カメラの映像などをもとに、逃げた男の行方を追っています。

【強盗と事後強盗】

通常、「強盗」とは、暴行または脅迫を用いて他人が反抗することができない状態にさせ、その反抗抑圧中に財物を奪うことを意味します。

強盗における暴行または脅迫は、社会通念上、客観的に被害者の反抗を抑圧するに足りる程度のものである必要があるとされており、逆に、個々具体的事案における被害者の主観を基準とするものではないとされています(判例)。

上記刑事事件例は、通常の強盗とは異なり、万引き窃盗)犯が、店員や・警備員・保安員などの追及を逃れるために暴行を加えて財物を奪ったという事案であり、これは刑法第238条の事後強盗に該当します。

具体的には、窃盗を行った者が、財物を得た後で取り返されることを防いだり、逮捕を免れたり、罪跡(証拠)を隠滅するために、暴行又は脅迫を加えた場合、通常の強盗と同じ罪となります(事後強盗、刑法第238条)。

判例によれば、窃盗罪の犯人が、犯行を目的して追跡してきた者による逮捕を免れるために暴行を加えた時、事後強盗罪が成立するとされており、窃盗の既遂後、窃盗現場から1キロほど離れた場所において、窃盗から30分ほど経過した後に、犯人を追いかけてきた被害者に対して、盗品を取り戻されまいと暴行を加えた場合にも、全体から見て、窃盗の機会の延長線上で行われた暴行と言えると判断し、事後強盗罪の成立を認めた判例もあります。

さらに、事後強盗の特徴として、特に店員、警備員や保安員に対する事後強盗のように、財物の所有者という窃盗罪の被害者と、暴行または脅迫を受けた被害者が異なるケースがあります。

当初は強盗罪事後強盗)の疑いで刑事事件化または逮捕されていた場合でも、例えば暴行被害者に対する示談が成立して、被害届の取下げや刑事処罰を求めない旨の合意を得た場合には、検察官は罪状を窃盗罪に切り替えるケースも見受けられるため、重大犯罪である事後強盗刑事事件化または逮捕された場合には、刑事事件の経験豊富な弁護士に速やかに弁護活動を開始してもらうことが何よりも大切です。

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埼玉県北葛飾郡の車から振り落として殺人未遂罪

2019-12-31

埼玉県北葛飾郡の車から振り落として殺人未遂罪

口論等がヒートアップして自動車にしがみつく事態に発展した場合に、思いがけず殺人未遂罪の重大な刑事事件に発展する可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】

埼玉県在住の会社員Aさんは、埼玉県北葛飾郡に住む交際相手の女性Vさんのアパートへ自動車で行き、映画をみたり夕食を食べたりして過ごしていたところ、ふとしたきっかけで口論となってしまいました。
口論は次第にエスカレートし、うんざりしたAさんが帰ろうとすると、Vさんは話を聞くよう何度も引き留めました。
それでもその場からすぐに帰りたくなったAさんが、Vさんの制止を無視して駐車場に止めてある自動車に乗り込むと、Vさんは発進しはじめたAさんの車にしがみついて無理に車を止めようとしました。
Vさんのあまりの剣幕にAさんは恐怖を感じ、少し自動車のスピードを上げればVさんは怖くなって手を放すだろうと思い、Vさんは自動車のスピードを上げたところ、十数メートルほどVさんをしがみついたまま自動車を運転させた結果、Vさんは振り落ちて足などに擦過傷の傷害を負いました。
感情的になっていたVさんは、埼玉県警杉戸警察署に対して、Aさんの車から振り落とされたと被害を訴え、Aさんは殺人未遂罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、今年12月20日午前0時頃、名古屋市南区曽池町の駐車場で、同区の看護師女性(28歳)が知人とみられる男性と口論となり、立ち去ろうとする男の軽自動車にしがみついた際に振り落とされたとして殺人未遂罪の刑事事件をモデルにしています。

警察の発表によると、現場は住宅街の一角で、「『やめて』という女性の声がした」との110番があり、駆けつけた警察官が、駐車場から東に約100メートル離れた路上に女性が倒れているのを発見し、事情を聞いたところ、女性は男性との口論の末に自動車にしがみついたところ、男性が運転を続けて女性を振り落としにかかり、その結果、女性は右足首骨折の重傷を負ったが、命に別条はないとのことです。

男はそのまま逃走したため、愛知県警南警察署が殺人未遂罪の疑いで男性の行方を追っています。

【感情的な喧嘩から思わぬ重大刑事事件に発展】

上記刑事事件例では、自動車にしがみついた人を振り落とす等の目的で車を運転することによって殺人未遂罪が成立するとしています。

このような事案では、自動車を運転する者は、明確に人を殺す意図で車を運転していた訳ではないのですが、殺人罪における故意(殺意)は、自分の行った危険な行為によって他人が死んでしまう可能性があるにも関わらず、あえてその危険な行動を行ったという意思(未必の故意)であっても足りるとするのが判例・実務であり、自動車の運転を一歩誤れば他人を轢いて死亡させてしまう危険は誰でも予測できたにも関わらず、あえて人を引き離す、振り落とすために自動車を発信させたことで殺人未遂罪が認定されることは実務上珍しくありません。

このような経緯の殺人未遂罪は、例えば道路交通法違反に心当たりがある運転手が警察官から事情聴取を振り切る際や、ドライブにおける夫婦・恋人・友人間の口論の際に発生することが多く、運転手はとにかくその場から逃げたい一心で自動車を走らせたつもりであっても、他人に死の危険を与えたことによって、殺人未遂罪という思わぬ重大な刑事責任を負うことになる可能性があります。

犯行に至った経緯において汲むべき情状があったとしても、殺人罪未遂であっても重罪であり、また、不合理な弁解や事実の否認により身体拘束が長期化してしまう可能性が強く懸念されるため、刑事事件に詳しい弁護士によるサポートが有益なのは言うまでもありません。

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埼玉県川口市の死亡事故で殺人の故意を否認したい

2019-12-27

埼玉県川口市の死亡事故で殺人の故意を否認したい

死亡事故を起こしてしまったものの、殺人故意否認するケース等について紹介し、その刑事責任について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

<事件例1>

ある日、埼玉県川口市のラブホテルにて、女性Vさんの死体が発見されました。
埼玉県警武南警察署は、殺人罪の疑いで捜査を進めたところ、Vさんと一緒にラブホテルに入り、一人で出て行った男Aを割り出し、間もなくAを殺人罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aは、「風俗店でVと知り合い、ホテルで性交をした。Vとの同意のもとで暴力的なプレイに興じたが、事故によりVが死亡してしまった。自分がVを故意に殺したわけではないが、Vが死亡してしまた恐くなって逃げてしまった」と供述し、殺人罪故意否認しています。

<事件例2>

ある日、埼玉県川口市のラブホテルにて、女性Vさんの死体が発見されました。
埼玉県警武南警察署の調べによれば、Vの死因は、違法薬物の過剰摂取によるものと鑑定され、Vさんと一緒にラブホテルに入り、一人で出て行った男Aについて、殺人罪または保護責任者遺棄致死罪、および麻薬取締法違反の疑いで行方を負っています。

(上記いずれの刑事事件例もフィクションです。)

上記刑事事件例は、今年12月19日午後6時半ごろ、埼玉県川越市脇田本町のラブホテルの店長から、「ベッドの上で女性が倒れていて意識がない」と110番通報があった事案をモデルにしています。
埼玉県警川越警察署の警察官が駆けつけると、ベッドの上で女性が衣服を着けていない状態で死亡しており、警察は女性の遺体を司法解剖して死因を調べるとともに、事件に巻き込まれた可能性もあるとみて捜査を開始しました。
※この刑事事件については弊所が受任した案件ではございません。

一般に、ホテルや宿泊所などで死体が発見された場合、捜査機関は死者が生前に一人であったのか他の者と一緒であったのかを防犯カメラや目撃情報から割り出し、一人であった場合には自殺による死亡と判断されることが多いものの、少しでも他の者の関係が疑われる場合には、殺人罪などの可能性を含めて慎重に捜査を開始します。

被害者の死亡が他者による影響を受けた場合であっても、上記2つの刑事事件例のように、殺人の行為や故意否認するケースが稀に報道されることがあります。

一つが、SMプレイのように、被害者との同意のもとでプレイをしている最中に、行為をやり過ぎてしまったゆえに意図せず死亡事故につながってしまった例であり、もう一つが、性行為の感度を高める違法薬物等を使用した結果、その違法薬物の効果で過剰に反応(オーバードーズ)し、使用者が死亡してしまう例であります。

殺人罪の場合、死刑または無期懲役もしくは5年以上の懲役が科されることになります(刑法第199条)。

しかし、殺人罪が成立するには殺人故意が必要とされており(刑法第38条1項)、上記刑事事件例のように、死亡事故に至った経緯や、殺人故意の適切な否認を行った場合、保護責任者遺棄致死罪(刑法第219条)や、傷害致死罪(刑法第205条)あるいは過失致死罪(刑法第210条)等のより軽い罪状へ変更される可能性が残されています。

このような死亡事故に関わる重大な刑事事件では、自分の主張を適切に刑事手続きに反映してもらうためにも、刑事事件の経験豊富な刑事弁護士弁護を依頼することが望ましいと言えます。

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埼玉県寄居町の少年による不正アクセス禁止法違反

2019-12-25

埼玉県寄居町の少年によるゲーム会社への不正アクセス禁止法違反

未成年者(少年法上の少年)が安易な気持ちでサービス業の会社HPや、他人のSNS、オンラインゲームの他人のアカウント等に不正アクセスして刑事事件化する例とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】

埼玉県寄居町在住の高校生A(18歳)さんは、スマートフォンのソーシャルゲームに没頭し、一日の大半をゲームに費やしています。
Aさんは、ゲーム内のレアアイテムをどうしても入手したくなり、ネットの知識を頼りに運営会社のサーバーに侵入し、データを書き換えようと試みました。
後日、埼玉県警寄居警察署の警察官がAさんの家を訪れ、不正アクセス禁止法の疑いでAさんに任意の取調べを要請しました。
Aさんの家族は警察沙汰になったことに大変なショックを受け、少年事件に詳しい弁護士にどのような刑事責任が生ずるのか、今後の手続きでどのようにすべきか相談することにしました。
(※フィクションです)

【実際の刑事事件例】

インターネットの急速な普及や、その携帯端末としてスマートフォンが高性能化するにつれ、未成年者の間でもスマホを所有することが大多数となり、それに伴い、ネット上で行われる他人のデータに不正アクセスを試み、刑事事件化してしまう例が後を絶ちません。

今年12月4日、新潟県長岡市の中学3年の男子生徒が、通っている中学校のサーバーへ不正アクセスして自分の成績データを書き換えたとして、不正アクセス禁止法違反などの疑いで書類送検されました。

警察の発表によれば、被疑者少年は、まず、学校に置いてある教育用タブレット端末に遠隔操作アプリをダウンロードし、自宅からスマホでそのタブレット端末をリモート操作して、事前に教師のパソコンから盗んでいたパスワードを使い、教師用のサーバーに不正アクセスし、そこに保管されていた成績表のデータなどに対して、自分の成績を書き換え、その偽造成績表をスマホに保存してこれを印刷し、親に見せたという手法で犯罪を行いました。
その動機について、被疑者少年は、「良い成績表を親に見せたかった」と供述しており、事実を認めている模様です。

【不正アクセスの実態】

上記実際の刑事事件例で取り上げた不正アクセス事例は、幼稚な犯行動機による非常に稀有な事例と言えますが、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に寄せられる不正アクセス禁止法違反の相談についていえば、その被疑者は20代以下の若者が圧倒的に多く、未成年者(少年法上の少年)も珍しくありません。

その中で、彼らが不正アクセスする対象としても多いのが、オンラインゲームやソーシャルゲーム、あるいは友人・知人のSNSアカウントであります。

例えば、スマートフォンの普及とともにソーシャルゲームは若者を中心に広く人気を集めるようになり、消費者庁の調べでは、2014年時点での市場規模は7154億円で、毎年、対前年比30%プラス程の成長を遂げています。

その反面、ネットユーザーが一日のうちソーシャルゲームに費やす時間の多さも社会問題化しつつあり、ユーザーの約7割が毎日ゲームをしており、その背景として、ゲームを長時間やりこめばやりこむほど、ゲーム内におけるレアなキャラクターやアイテムを入手することができ、同じゲームユーザー内で尊敬や羨望の対象となることが挙げられます。

若者は可処分所得が相対的に低いため、実際にお金を払ってアイテムを購入したり、電子くじ(ガチャ)を引いてゲームデータを強くしていく等の正規の方法には限界があり、ゲーム会社のサーバーに侵入して情報に不正な操作を加えたり、他人のアカウントに不正アクセスして情報を入手したりする事件が発生するようになりました。

不正アクセス禁止法では、不正アクセス行為に対して、3年以下の懲役または100万円以下の罰金、不正アクセスのために他人のアカウントを取得・保管することに対して、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を規定しています。

ソーシャルゲームのユーザー層において、未成年の学生は3割ほどを占めますが、少年による不正アクセス禁止法違反の事件例として、中学生や高校生が、運営サーバーへの不正アクセスを行ったり、他人になりすまして不正ログインをしたりして、それぞれ書類送検されています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不正アクセス禁止法違反のような最新の刑事事件にも詳しい弁護士が多く在籍しています。

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埼玉県深谷市でオンラインゲームに不正投稿で業務妨害

2019-12-23

埼玉県深谷市でオンラインゲームに不正投稿で業務妨害

オンラインゲームゲームアプリ等について、不正なアカウントを作成してゲームを利用し、不適切なメッセージ等を広めて業務妨害したことに関する刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】

埼玉県深谷市在住の大学生Aさんは、人気オンラインゲームに夢中になっていたものの、違法に改造されたゲームデータを利用(チート)していたことがゲーム運営会社に発覚し、アカウントを停止されてしまいました。
しかし、Aさんは別のパソコンにて架空の人物のアカウントで再度ゲームを開始し、ゲーム運営やゲームの人気プレイヤーを妨害する目的で、卑猥なメッセージや誹謗中傷メッセージを大量に投稿したため、ゲーム運営会社が警察に業務妨害の被害を訴え、Aさんは偽計業務妨害罪および電磁的記録不正作出・同供用罪の疑いで事情聴取を求められ、その後検察庁へ送致(書類送検)されました。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、今年12月11日、オンラインゲームのチャット機能に大量の投稿をして運営会社の業務妨害し、虚偽の情報を使ってアカウントを作成したとして、仙台北警察署が、千葉県の男子高校生(18歳)を偽計業務妨害罪電磁的記録不正作出・同供用罪の疑いで仙台地方検察庁に書類送検した事案をモデルにしています。

送検容疑は、今年4月、オンラインゲームのチャット機能に他のプレーヤーを妨害するような投稿を数万回繰り返し、さらに7から9月、運営会社から停止されたアカウントの代わりに、虚偽の情報を使って新しいアカウントを作成したというものです。

被疑者少年は、ゲーム参加者同士のコミュニケーションに使われるチャット機能に大量のスタンプや卑わいな言葉を書き込むなどして業務妨害を図ったといい、その動機について「ゲームに勝てず腹いせにやった」と事実を認めている模様です。

【解説】

まず、刑法第233条によれば、虚偽の風説を流布したり、偽計を用いて、人の信用を毀損したり、または人の業務妨害した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。

判例によれば、「虚偽の風説を流布し」とは、虚偽の事項を内容とする風説を世上に伝播することを意味し、その風説は、被疑者(被告人)によって創作されたものかどうかは問わないとされており、また、当所虚偽の風説を流布した対象が数名の少人数だったとしても、その者から順次多数の者に伝播する恐れがある以上、「流布」ということができると判断しています。

また、刑法第161条の2によれば、人の事務処理を誤らせる目的で、その事務処理の用に供する権利、義務または事実証明に関する電磁的記録不正に作った場合、5年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます(電磁的記録不正作出罪)。
さらに、不正に作られた権利、義務または事実証明に関する電磁的記録を、上記目的で人の事務処理に用に供した場合した場合にも、上記と同じ刑罰が科されます(同供用罪)。

ここでは、ゲーム運営会社からアカウント停止処分を受けたにも関わらず、別人名義で新規アカウントを作成することが、公正なルールに則って運営されるゲームに対して、不正電磁的記録(虚偽のアカウント)を作成し、それを使用したため、電磁的記録不正作出・同供用罪に該当すると考えられます。

このような公開のゲームやアプリ等に対する偽計業務妨害罪電磁的記録不正作出・同供用罪刑事事件の場合、被害者であるゲーム会社やアプリ製作会社に対する電磁的不正の痕跡が残っていることが多く、被疑者は不合理な被疑事実の否認や弁解を行うことが少ない傾向にあり、そのため、被疑事実を素直に認めて謝罪し、被疑者を監督する環境が整っている場合には、逮捕には至らず在宅のままで捜査が行われることが多く見受けられます。

在宅捜査となった場合、その後は警察や検察庁から数度呼び出されて取調べ調書が作成されるなどの手続きとなるため、刑事事件に詳しい弁護士の助言を受けながら、適切な捜査対応を行って行くことが重要です。
また、少年事件の場合には、上記の手続きに加えて、その後に家庭裁判所に送致され、少年の非行事実に関する綿密な調査が行われることになりますので、少年事件の経験豊富な付添人弁護士に立ち会ってもらうと非常に手続きが円滑に進み、ご安心いただけます。

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埼玉県小川町でSNS上の個人間融資の詐欺罪

2019-12-21

埼玉県小川町でSNS上の個人間融資の詐欺罪

昨今、SNSなどを通じて個人間融資を呼び掛けるやりとりが多く見られ、そこから詐欺罪などへ刑事事件化するケースとその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】
埼玉県小川町に住む大学生Aさん(21歳)は、遊行費欲しさのため、SNS個人融資を広く呼びかけ、その際、「融資のためには前金として3万円のご入金をいただきます。前金はご返済後に返金いたします」と虚偽の説明文章を加え、複数の融資希望者から合計100万円を超える振込を受けました。
このたび、Aさんが振込先に利用していた友人の銀行口座が凍結されるに至り、違法な個人融資詐欺の実態が明らかになり、Aさんは埼玉県警小川警察署によって詐欺罪の疑いで逮捕され、勾留が決定しました。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、お金を貸すという虚偽の融資話をSNSで持ちかけ、面識のない20代の女性から保証金名目で現金をだまし取ったとして、19歳の少女が詐欺罪の疑いで警視庁に逮捕された事案をモデルにしています。

被疑者少女は、今年4月から11月にかけて、小学6年の女児(12歳)を含む30都道府県の115人から、計207万円の送金を受けていたとして、警察は余罪の可能性が高いと関連を調べています。

警視庁少年事件課によると、被疑者少女は今年8月6から8日、14万円を借りたいと希望した千葉県富津市のアルバイト女性(20歳)に、融資をうたっていたのとは別のSNSで「1割を前金で頂きます。全額返済後にお返し致します」などと伝え、1万4千円を指定した口座に振り込ませ、だまし取った疑いがあります。

警察の調べに対して、少女自身が同様の手口で過去に5万円をだまし取られたといい、「お金を取り返すためと、生活費や遊ぶお金がほしかった」と詐欺の動機を供述しているとのことです。

被害者らに振り込ませる口座は、被疑者自身の名義のほか、友人や親族から借りた預金口座などを利用しており、11月15日に友人が貸していた口座を使おうとしたところ、凍結されていたことから詐欺の事実が発覚した模様です。

【SNS上で広がる個人融資の罠】

SNS上で見知らぬ個人同士が金の貸し借りを持ちかける「個人間融資」をめぐっては、トラブルが相次いでいるようで、国民生活センターによると、「個人間融資」に関する相談は昨年度から増加し、保証金をだまし取られる被害のほか、違法な高金利での貸し付けや、金を借りた相手から性的な関係を要求される被害などが報告されているということです。

金融機関から融資を受けられない多重債務者だけでなく、SNSが身近な若い世代からの相談も目立っているということで、国民生活センターや金融庁などは、こうした「個人間融資」を利用しないよう呼びかけています。

貸金業の登録をせずにSNS上などで無許可の融資を行うことは法令に抵触する疑いがあり、詐欺の手口のほか高金利のヤミ金融にも悪用されています。

金融庁も対策に乗り出していて、先月からツイッター上で公式のアカウントを開設し、「個人間融資」を持ちかけるツイートに対して、「違法な疑いがある」などと公開の形式で、直接、返信しています。

返信を受けたツイートは、これまでの1か月ほどでおよそ40件に上り、削除されたものもあったということです。

【詐欺罪の刑事弁護】

頭書刑事事件例のように融資の前金を振り込ませるタイプの手口について、詐欺罪(刑法第246条)は、人を欺いて財物を交付させることが要件となっているため、前金を振り込んでくれれば本当に融資をするつもりだったと、詐欺の意思を否認する主張をする者も出てくるかもしれません(この場合でも、無許可の融資が銀行業法や貸金業法などの他の規制法令に抵触し刑事罰が適用される可能性は免れません)。

しかし、融資詐欺の捜査にあたっては、その融資の計画性や長期的な運用の妥当性について捜査機関によって極めて厳しい追及を受けるため、詐欺目的を客観的に否定することは実際には非常に困難であることが多いとされています。

このように、厳しい弁護活動が予想される詐欺罪刑事事件では、刑事事件の捜査対応や裁判の経験豊富な弁護士に依頼するとご安心いただけます。

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埼玉県川口市で高額被害額の万引き(窃盗)で逮捕

2019-12-19

埼玉県川口市で高額被害額の万引き(窃盗)で逮捕

財産犯罪で最も検挙件数が多く、一般的とも言える万引き窃盗罪)の刑事事件について、余罪多数などにより被害高額になるケースの刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】
埼玉県川口市に住むフィリピン国籍の主婦Aさん(26歳)は、埼玉県内のフィリピン人ネットワークを通じた大規模な万引き窃盗罪)の協力体制に参加し、過去に何度も万引き窃盗)を行っては、仲間に盗品を譲渡する代わりに報酬を得るなどしていました。
このたび、Aさんが埼玉県川口市のドラッグストアで高額の化粧品を万引き窃盗)したところ、店の警備員に取り押さえられ、埼玉県警川口警察署によって窃盗罪の疑いで現行犯逮捕されました。
警察の調べにより、Aさんは同じドラッグストアで過去に100件以上の万引き窃盗)を繰り返していたことが判明し、概算で被害額は500万円を超えると見られています。
また、Aさんの携帯電話からは、盗品と譲渡したり売買するフィリピン人同士のメッセージが複数発見されたことから、窃盗罪の共犯者や盗品譲受け等罪の被疑者が存在するとみて、捜査網を拡大しています。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、今年12月17日、静岡県警富士宮警察署が、窃盗罪の疑いで今年9月に逮捕され、現在公判中のベトナム国籍の女性被告人(21歳)が、昨年10月以降、関東地方を中心とする1都9県のドラッグストアで万引き窃盗)を繰り返していたことが判明した事実をモデルにしています。
警察では、合計161件の万引き窃盗罪)の余罪を摘発し、被害は化粧品など計約8300点で、総額約2800万円に上ると見られています。

富士宮警察署によると、被告人女性は東京都葛飾区の無職のベトナム人で、他にも複数の共犯者がいるとみて調べを進めています。

【法定刑の幅広い窃盗罪】

他人の財物を窃取することを窃盗罪と言い、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されます(刑法第235条)。

個人の財産所有が認められた近代以降、個人の財産に対する適切な支配権や占有権を認めることは、個人の生活や経済的基盤を保護するうえで非常に重要となりました。

他方、ひとくちに「財産」と言っても、非常に高額な物から非常に安価なものまで幅広く存在するため、窃盗罪の法定刑については、その犯行態様の悪質性や被害額の程度、前科の有無や回数などによって柔軟に刑事罰の変化させられるよう、比較的幅の広い法定刑が定められるようになったと考えられています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部にも、様々な万引き窃盗罪)の法律相談が寄せられており、例えば、スーパーなどで数百円程度のお惣菜を万引き窃盗)してしまった高齢者の方や、本や音楽等の嗜好品(数千円程度)を万引き窃盗)してしまった未成年者(少年法適用の「少年」)の方がいる一方、会社の金庫の現金数百万円を建造物侵入のうえで窃盗してしまった方や、複数の共犯者による中古車の計画的な窃盗や、どちらかと言うと「置き引き」ともいうべき計画的な窃盗罪などの悪質な態様の法律相談もしばしば寄せられています。

前者の比較的軽い万引き窃盗罪)の場合、示談の成立などの刑事弁護上の好材料があれば不起訴処分となる可能性が見込まれる反面、そのような材料がない場合には、罰金20~30万円程度が略式命令(被疑者が被疑事実を認めている場合に、公開の刑事裁判を開かず迅速に刑罰を言い渡す手続き)で言い渡されることが多く見受けられます。
少年事件の場合、よほど余罪が多数ある等の悪質なケースでない限り、事件が家庭裁判所に送致された場合でも、少年審判が不開始であったり、不処分と決定されることが多く見受けられます。

他方、後者の被害総額が高額窃盗罪や、犯行態様の悪質な窃盗罪などの場合、そもそも被害弁償や示談が困難であることも相まって、高い確率で検察官が起訴し、公開の刑事裁判となることが見込まれます。
量刑としては、執行猶予付き判決がつく場合もある反面、初犯でも1~3年ほどの実刑判決が下るケースも見受けられるため、刑事事件化の早い段階から、刑事事件に詳しい弁護士の助言を受け、適切な捜査対応の指導を受けたり、公判(裁判)を見据えた対応を考えておく必要があるでしょう。

埼玉県川口市高額被害額の万引き窃盗)で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

埼玉県和光市の少年による故意の死亡事件

2019-12-17

埼玉県和光市の少年による故意の死亡事件

未成年者(少年)が殺人や傷害致死などのように、故意死亡事件を起こした場合の少年事件手続と刑事責任の可能性について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】

埼玉県和光市在住の無職Aさん(19歳)は、18から19歳の同年代の友人らと共謀して、対立関係にあったグループのVさん(20歳)を集団で暴行を加え、その結果、Vさんは搬送先の病院で死亡してしまいました。
埼玉県警朝霞警察署は、Aさんら暴行を加えた少年らを殺人罪の疑いで逮捕し、少年らは検察官によって家庭裁判所へ送致されました。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、今年10月、福井県坂井市の東尋坊の海で、滋賀県東近江市の20歳の男性の遺体が見つかった事件で、被害者が知人7人から、ハンマーで歯を折られたり、火の付いたたばこを鼻に入れられたり、執拗な暴行を受け、その後、東尋坊の崖で少年らに「はよ落ちろ」と迫られ、飛び降り死亡した事件をモデルにしています。
これらを行った7名は、殺人罪の疑い等で逮捕され、その内成人の1名は、大津地方検察庁が殺人罪の疑いで起訴し、他の6名の17~19歳の少年6人については、被害者を極度に追い込んで飛び降りさせたとして、殺人などの非行事実を理由に大津家庭裁判所に送致されました。
家庭裁判所は、少年6人について2週間の観護措置(少年審判を円滑に進めたり、少年の処分を適切に決めるための検査を行う等の措置が必要な場合に、少年少年鑑別所に送致し、一定期間そこに収容すること)を決定し、今後、少年審判を経て処分を決めていく模様です。

成人の被告人の起訴状によると、7人による被害者への暴行は、10月16日夜から18日朝の27時間余りにわたって断続的に行われ、被害者は脚を車でひかれたほか、木製バットやフライパンで殴打されたり、ハンマーを口に入れられて引っ張られる等の陰惨な暴行を受け、骨折や全身挫傷などの重傷を負ったとのことです。
その後、被害者は18日午後、高さ約20メートルの東尋坊の崖の縁に立たされ、後方に立った少年らに、飛び降りるよう命じられたとされています。

【少年の故意の死亡事件は一般の刑事裁判へ】

原則として、少年(20歳未満の者)に対しては、非行的性格の矯正や環境の調整による健全な育成の観点から、家庭裁判所の審判に付すことになります(少年法3条)。

しかし、少年が死刑、懲役または禁錮にあたる事件を起こした場合は、家庭裁判所が調査や審判を通じて罪質や情状を検討し、刑事処分が相当かを判断することになり(同20条1項、同23条1項)、また、犯罪行為時点で16歳以上の少年が、故意の犯罪行為により人を死亡させた場合(殺人罪、傷害致死罪、強盗致死罪など)には、原則として、家庭裁判所は事件を検察官へ送致(逆送)しなければならないとされています(同20条第2項)。

近年で言えば、平成29年3月の名古屋地方裁判所における、殺人罪や殺人未遂罪で起訴された元少女の裁判員裁判が逆送された事件として挙げられます。
この事件は、第一審で無期懲役判決が下され、現在は名古屋高等裁判所で控訴審の公判が行われています。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件および少年事件のみを取り扱う専門性の高い法律事務所ですので、少年事件殺人罪その他重大な事件の逆送事案も安心してお任せください。

埼玉県和光市少年による故意死亡事件刑事事件化または逮捕・勾留・観護措置を受けてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

埼玉県羽生市の自転車運転で重過失致死傷罪の少年事件

2019-12-15

埼玉県羽生市の自転車運転で重過失致死傷罪の少年事件

自転車のスピードの出しすぎ等による死亡事故の少年事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】

埼玉県羽生市在住の高校生Aさんが、朝寝坊をしたために猛スピードでスポーツタイプの自転車で歩道を走行していたところ、十字路に差し掛かる際に左右の確認を怠り、歩道を渡ろうとしたVさん(72歳)と衝突しました。
VさんはAさんとの衝突により車道に倒れこみ、倒れる際にブロック塀に頭を強く打ち付けたために、病院へ搬送されたものの間もなく死亡してしまいました。
Aさんからの事情聴取を終えた埼玉県警羽生警察署は、Aさんのスピードの出しすぎや前方や左右への確認が不十分であったことを認め、重過失致死罪の疑いで在宅のまま事件を検察庁に送致(書類送検)しました。
(フィクションです。)

上記刑事事件例は、今年5月、大分市の県道の歩道を歩いていた女性(当時61歳)が自転車にはねられて死亡した事故について、今年12月9日、大分中央警察署が自転車で走行していた市内の男子高校生を重過失致死罪の疑いで大分地方検察庁に書類送検した事案をモデルにしています。

警察によると、事故は5月29日午後8時45分頃、大分市小池原の県道沿いの幅約3・5メートルの歩道で発生し、高校生は自転車も走行可能な歩道をスポーツタイプの自転車で帰宅途中に、友人と2人でウォーキングをしていた女性に正面からぶつかり、女性は頭を強く打ち、翌日亡くなった模様です。

数年前からロードバイクやスポーツタイプの自転車の人気が高まっており、自転車産業振興協会の調査によれば、自転車販売店1店あたりの年間総販売台数は過去15年ほどに間に約26%ほど減少してしまった反面、車種別内訳を見るとスポーツタイプの自転車の販売台数は、同じ期間の間で約5倍の伸びを見せているそうです。
総販売台数に占める構成比は1.6%から11.8%と、約7倍も拡大し、自動車産業における存在感を増しているようです。

このようなスポーツタイプの自転車は、軽量で、道路の整備された市街地では従来の家庭用自転車に比べてかなりのスピードが出せることから、昨今ではこのような自転車が歩道を走らないよう呼びかける啓発運動や、車道に自転車専用レーンを整備した道路も増えてきています。

このような、スポーツタイプ自転車による事故の報道や歩行者や自動車に対するマナー違反等の批判の声も高まっており、社会問題化しつつあります。

上記刑事事件例は、大阪市の歩道をスポーツタイプの自転車で走行中、前方の確認などを怠り急な進路変更を行い、対向してきた女性が運転する自転車と衝突し、弾みで車道上に転倒した女性がトラックにひかれて死亡する事故を起こしたとして、重過失致死罪で書類送検された男性の事例をモデルにしています。

自転車運転における重大な過失によって他人を死傷させた場合には、重過失致死傷罪(刑法第211条後段)が適用される可能性があります。

自転車運転において重過失致死傷罪が適用された例としては、スマホ見ながらの運転やイヤホン着用、飲み物を片手に持った不注意運転、遅刻して送れそうになったとの理由による危険な猛スピード運転等が挙げられ、過失の悪質さによっては検察官によって起訴されて公開の刑事裁判となり、実刑判決が求刑された例が見受けられます。

少年事件の場合、事件は家庭裁判所に送られ、予想される処分としては保護観察処分の決定が下されることが考えられます。
ただし、交通事案の死亡事故の場合で、特に重過失致死罪のように、罪質や情状に照らして刑事処分が相当と判断される場合、家庭裁判所は事件を地方裁判所に逆送し、少年は成人の刑事事件と同じく刑事裁判を受けることになる可能性も否定できません。

このような自転車運転による重過失致死傷罪刑事事件では、被疑者・被告人側が否認する例はほとんど見られず、過失の事実を争うことは実際にはほとんどありません。
よって、被害者やご遺族に対する真摯な謝罪、損害の賠償、そして謝罪金やお見舞金、場合によっては贖罪寄附等を検討し、様々な点から効果的な情状主張を行い、より軽い処分・処遇を求めることが効果的ですので、このような場合は刑事事件および少年事件の両面に経験豊富な弁護士に依頼することをお勧めいたします。

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