Archive for the ‘刑事事件’ Category

【お客様アンケート】スカート盗撮の少年事件で保護観察処分

2023-06-24

【お客様アンケート】スカート盗撮の少年事件で保護観察処分

本件は、当時高校生の少年が、埼玉県内の電車内で女性のスカートを盗撮したとして埼玉県迷惑行為防止条例違反で立件された性犯罪事件でした。
(弁護士契約の守秘義務の観点から、事実の詳細は省略します。)

【捜査段階:示談交渉】

未成年の者であっても、家庭裁判所に送致される前は「被疑者」として取り扱われます。

この事件では、被疑者は逮捕されるには至らず、在宅での呼出し捜査が進められました。

そのため、弁護活動の初動として身柄解放をする必要はなかったため、弁護人は検察官を通じて被害者に謝罪と被害弁償を行いたい旨と伝え、被害者の承諾を得た後、被害者との示談交渉を丁寧に進めました。

本件では、弁護士を通じた謝罪にとどまらず、被疑者の少年自身も深く反省を示すため謝罪文を作成し、被害者にお届けさせていただきました。

結果、被害者に謝罪と被害弁償を受け取っていただき、少年の責任を問わず今後の更生に期待するとの宥恕の文言をいただくことに成功しました。

【家庭裁判所送致後の付添人活動】

その後、本件は、家庭裁判所に送致され、審判が開かれることになりました。

弁護人は、少年や少年の保護者が家庭裁判所に呼び出されたり調査官と面談する際には、電話や対面で丁寧に打ち合わせを行い、少年事件手続を円滑に進めるよう綿密に支援しました。

また、家庭裁判所で法律記録や少年の身上経歴等の記載された社会記録を読み込み、被害者と一定の合意に達したことや、少年が深く反省を深めている情状資料をまとめ、来る審判期日に臨みました。

【結果】

最終的に、本件は家庭裁判所によって保護観察処分が言い渡されることになりました。

少年自身はもちろん、少年の保護者様も初めての少年事件手続で非常に不安になっており、前田弁護士が丁寧に少年手続を支えたことや、結果として保護観察処分で済むよう決着したことに対して高く評価していただき、弊所の弁護活動・付添人活動に非常にご満足いただける結果となりました。

【お客様アンケート】複数の強制わいせつ等の性犯罪事件で執行猶予判決を獲得

2023-06-20

【お客様アンケート】複数の強制わいせつ等の性犯罪事件で執行猶予判決を獲得

本件は、成人男性の被告人が、埼玉県内の未成年女子(女性児童)に対してわいせつな行為をしたという複数の罪の性犯罪事件でした。
(弁護士契約の守秘義務の観点から、犯行の概要のみお伝えします。)

【捜査段階:逮捕と勾留中の示談交渉】

被疑者は、まず、埼玉県内の女性児童に対して、路上でわいせつな行為をしたとして逮捕され、勾留が決定しました。

また、同被疑者は、同じく埼玉県内の公園にて、女性児童に対してわいせつな行為をしたとして再逮捕され、再度勾留が決定しました。

さらに、同被疑者は、同じく埼玉県内の公園にて、自分の陰部を露出する等の公然わいせつ行為を行い、女性児童にわいせつな行為をしたとして再逮捕され、再度勾留が決定しました。

上記それぞれの勾留について、勾留満期に勾留延長が決定したため、被疑者はかなり長期にわたって身体拘束されることになりました。

本件はかなり犯情の重い性犯罪事案であったため、弁護人は、勾留阻止や早期釈放の身柄解放活動ではなく、被害者の保護者に対する謝罪と被害弁償に注力して活動を進めました。

未成年の児童に対する性犯罪ということもあり、被害者の保護者から相当厳しい対応をされることは予想できたため、辛抱強く被害弁償の申し出と、示談を求める交渉を重ねました。
示談交渉は比較的長期にわたり、起訴された後も示談の申し出を辛抱強く行いました。

結果、すべての被害者に対して被害弁償を受け取っていただけたものの、示談は1件成立したにとどまりました。
ただし、成立した示談については、「加害者の反省に期待し、刑事処罰を求めない」等の宥恕条項を入れ込むことに成功しました。

【起訴後の公判活動:示談交渉、保釈請求、情状主張】

上記すべての強制わいせつ罪について、検察官が起訴および追起訴を行い、公開の刑事裁判となりました。

追起訴後、弁護人が保釈請求を行いましたが、裁判所は保釈請求を却下しました。
これを受けて、弁護人は検察官求意見を閲覧し、検察官からどのような反対を受けて保釈請求が却下されたのかを分析し、理論を補強したうえで、保釈却下決定に対する不服申立て(準抗告)を提出しましたが、この準抗告も棄却されました。

上記のとおり、被害弁償の申し出や示談交渉は起訴後も続きましたが、すべての結果が出た後、弁護人は再度保釈請求を行いました。
この結果、保釈決定が許可され、保釈保証金を納付したことにより、被告人が釈放されました。

その後、弁護士は、謄写した法律記録を読み込み、起訴事実はほぼ全面に認めたうえで、被害者の保護者と一定の合意に達したことや、被告人の反省等を示す情状資料をまとめ、来る判決言い渡しに臨みました。

【結果】

最終的に、本件は裁判所によって執行猶予付きの懲役刑が言い渡され、被告人が刑務所へ行くことは免れる結果となりました。

事件の大きさ等から非常に不安になっていた本人や、同じく不安を抱えていたご家族である契約者様から、粘り強い交渉を進めて被害者側に一定の被害弁償を受け取っていただくことに成功合意を引き出し、保釈決定を獲得し、また、執行猶予付き判決を獲得したことに対して高く評価していただき、弊所の弁護活動に非常にご満足いただける結果となりました。

【お客様アンケート】未成年児童に対する強制わいせつ等の性犯罪事件で執行猶予判決を獲得

2023-06-16

【お客様アンケート】未成年児童に対する強制わいせつ等の性犯罪事件で執行猶予判決を獲得

本件は、成人男性の被疑者が、公園内で遊んでいた児童に対してわいせつな行為をしたという複数の罪の性犯罪事件でした。
(弁護士契約の守秘義務の観点から、犯行の概要のみお伝えします。)

【捜査段階:逮捕と勾留中の示談交渉】

本件は、逮捕された後に勾留が決定し、その後、勾留延長が決定しました。

本件はかなり犯情の重い性犯罪事案であったため、弁護人は、勾留阻止や早期釈放の身柄解放活動ではなく、被害者の保護者に対する謝罪と被害弁償に注力して活動を進めました。
未成年の児童に対する性犯罪ということもあり、被害者の保護者から厳しいお言葉をいただきつつ、何度か交渉を重ねた結果、「処罰を求めない」等の宥恕条項を入れ込むことは固く拒否されたものの、被害者に対する損害賠償金のお支払いと犯行場所へ二度と以下づかない旨の誓約およびその違約罰等を盛り込んだ合意書を締結することに成功しました。

【起訴後の公判活動:保釈請求と情状主張】

勾留延長の満期後、検察官が起訴し、公開の刑事裁判となりました。

起訴後、すぐに弁護人が保釈請求を行いましたが、裁判所は保釈請求を却下しました。
これを受けて、弁護人は検察官求意見を閲覧し、検察官からどのような反対を受けて保釈請求が却下されたのかを分析し、理論を補強したうえで、保釈却下決定に対する不服申立て(準抗告)を提出しました。
この結果、保釈決定が許可され、保釈保証金を納付したことにより、被告人が釈放されました。

その後、弁護士は、謄写した法律記録を読み込み、起訴事実はほぼ全面に認めたうえで、被害者の保護者と一定の合意に達したことや、被告人の反省等を示す情状資料をまとめ、来る判決言い渡しに臨みました。

【結果】

最終的に、本件は裁判所によって執行猶予付きの懲役刑が言い渡され、被告人が刑務所へ行くことは免れる結果となりました。

事件の大きさ等から非常に不安になっていた本人や、同じく不安を抱えていたご家族である契約者様から、粘り強い交渉を進めて被害者側の合意を引き出し、保釈決定を獲得し、また、執行猶予付き判決を獲得したことに対して高く評価していただき、弊所の弁護活動に非常にご満足いただける結果となりました。

【依頼者様からのお手紙】

【事例紹介】ひき逃げで過失運転致傷罪と道路交通法違反

2023-06-12

【事例紹介】ひき逃げで過失運転致傷罪と道路交通法違反

ひき逃げにより、過失運転致傷罪および道路交通法違反となった場合の責任とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例】

埼玉県所沢市在住の会社員男性A(28歳)が夜間に市内を乗用車で帰宅中、自動車側方に軽い衝撃を感じましたがガードレールに接触しただけだと思い、そのまま走り去りました。
後日、埼玉県警所沢警察署からAに呼び出しがあり、「人を轢いた」容疑で取り調べを受けました。
警察によれば、Aの乗用車が接触したのは自転車に乗った同市内在住の女性Vであり、Vは転倒し全治3週間の打撲を負ったとのことです。
警察の調べに対し、Aは、人身事故の認識はなかったが、何かと接触したことは感じながらも現場を確認せず走り去ったことは供述しました。
警察から次回取り調べ日時を予告されたAは、今後の対応について刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(事例は弊所に寄せられた法律相談をもとに事実を一部変更したフィクションです。)

【ひき逃げの罪】

交通事故を起こした場合、直ちに車両の運転を停止して、負傷者の救護等を行う義務(救護義務)があります(道路交通法第72条第1項)。
事故を起こし負傷者がいるにも関わらず、救護義務を怠り逃走することを一般的にひき逃げと呼び、ひき逃げ(救護義務違反)で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。

上記刑事事件例において、Aは、人身事故の認識はなかったと供述していますが、物との接触であっても交通事故であり、その認識がある以上は、現場を確認せず走り去ったこと(「当て逃げ」と呼ばれることもあります)で救護義務違反と認定される可能性はあります。

また、救護義務違反とは別に、Vの負傷が、Aが運転上必要な注意を怠ったことによるものと立証されれば、過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)が成立します。
過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金であり、ひき逃げと同程度に重い罪です。

なお、両罪とも有罪となった場合、併合罪として、最大15年以下の懲役又は150万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

【ひき逃げの弁護活動】

このようなひき逃げ事案では、被害者の負傷の程度にもよりますが、何の弁護活動も行わなければ、検察官から起訴され、実刑となる可能性があります。

ひき逃げ事案に対する弁護活動としては、被疑者の加入する自動車保険会社とも連携しながら、被害者との円滑な示談交渉に努めます。
保険金で完全な賠償を行える場合でも、謝罪とともに被疑者個人からの見舞金や謝罪金等を申し出る等で誠意を示し、示談書等に「寛大な処罰を求める」「重い処分を求めない」旨の宥恕条項を入れてもらうことで、検察官の処分や裁判官の判断に有利な影響を及ぼす可能性を高めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故関係の刑事事件を多数取り扱い、ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反の刑事事件で示談成立による不起訴処分を獲得した実績も数多くあります。

ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反で自身やご家族が警察の取り調べを受け不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部へご相談ください。

【報道解説】携帯電話不正利用防止法違反で逮捕

2023-06-07

【報道解説】携帯電話不正利用防止法違反で逮捕

携帯電話不正利用防止法違反の疑いで、埼玉県警サイバー捜査課と大宮署が被疑者を逮捕した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「埼玉県警サイバー捜査課と大宮署は25日、携帯電話不正利用防止法違反(未承諾有償譲り受け)…の疑いで、大阪市北区曽根崎1丁目、会社員の男(26)を再逮捕し…た。
会社員の男の再逮捕容疑は、氏名不詳者らと共謀の上、昨年4月11日から16日の間、交流サイト(SNS)を利用してスマートフォンを有償で譲渡する契約者を募り、募集に応じた3人に対して有償譲渡の目的を隠してスマートフォン9台を契約させ、報酬と引き換えにスマートフォンを譲り受けた疑い。」
(令和5年4月26日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)

【携帯電話不正利用防止法とは?】

報道では、「携帯電話不正利用防止法」という法律名が登場していますが、これは、正式には、「携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律」という法律名です。
携帯電話不正利用防止法は、オレオレ詐欺といった特殊詐欺の犯罪に匿名で契約された携帯電話が利用されていたことに対処するために、携帯電話の事業者に契約者の本人確認を義務付けるために出来た法律です。

この携帯電話不正利用防止法では、携帯電話の不正な利用の防止を図ることを目的に様々な規定を置いていますが、そのひとつが、携帯電話不正利用防止法7条1項です。

携帯電話不正利用防止法7条1項では、「契約者は、自己が契約者となっている役務提供契約に係る通話可能端末設備等を他人に譲渡しようとする場合には、親族又は生計を同じくしている者に対し譲渡する場合を除き、あらかじめ携帯音声通信事業者の承諾を得なければならない。」と規定しています。

この規定は、要するに、親が契約した携帯電話を子供に使わせるといった場合を除き、自分で契約した携帯電話を他人に譲渡する場合は、自社で通信回路を持った大手通信キャリアや格安SIM会社といった携帯音声通信事業者の承諾を得る必要があるという事を定めています。

携帯電話不正利用防止法7条1項に違反して、自身が契約した携帯電話を、業として(反復継続して)携帯電話事業者に無断で他人に有償で譲渡した人には、携帯電話不正利用防止法20条1項によって、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑がを併せて科される可能性があります。

また、携帯電話不正利用防止法7条1項に違反していることを知った上で、携帯電話不正利用防止法7条1項に違反した未承諾の他人名義の携帯電話を、業として有償で譲り受けた人にも、携帯電話不正利用防止法20条2項によって、先ほどと同じく、2年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑がを併せて科される可能性があります。

【携帯電話不正利用防止法違反でお困りの方は】

携帯電話不正利用防止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士に相談されることをお勧めします。
「携帯電話不正利用防止法」という法律については聞きなじみがないかと思いますが、弁護士に相談されることで、ご自身が携帯電話不正利用防止法のどう言った規定に違反している可能性があるのか、今後どのような捜査が予想されるのか、事件の見通しがどういったものになるのかといったことなどについて、アドバイスをもらうことが出来るでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県内で携帯電話不正利用防止法違反違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【事例解説】埼玉県朝霞市のチケット不正転売禁止法違反事件

2023-06-04

【事例解説】埼玉県朝霞市のチケット不正転売禁止法違反事件

埼玉県朝霞市のチケット不正転売禁止法違反事件ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「埼玉県朝霞市に住む会社員Aさんは小遣い稼ぎのために、自身で正式に購入したプロ野球の試合のチケットを定価よりも高い価格で転売するという行為を繰り返していました。
ある日の早朝、Aさんが仕事に行く前に、自宅に埼玉県警朝霞警察署の警察官が訪れて、Aさんは、チケット不正転売禁止法違反の疑いで朝霞警察署の警察官に逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)

【チケット不正転売禁止法とは?】

事例のAさんは、チケット不正転売禁止法違反の疑いで逮捕されています。

プロ野球のチケットを自分で正式に購入した場合、自分が買ったチケットは自分の物なのだから、自分のチケットを転売しようが何しようが自由なのではないかと思われる方がいるかもしれません。
しかし、プロ野球や演劇、コンサートといったチケットの転売を無制限に認めてしまうと、いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる人たちに、チケットが買い占められて高額転売が横行する可能性があります。
しかし、このような事態は興行主や純粋にスポーツの試合観戦やコンサート鑑賞を楽しみたい一般消費者にとって望ましい事態とはいえません。
というのも、興行主の側からすると、転売ヤーが高額転売しても興行主の利益には繋がりませんし、一般消費者の側からすると、高額転売がなされることによってチケットが入手しづらい状況になるからです。

そこで、このような事態に対応するためにチケット不正転売禁止法という法律(正式な名称は「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」と言います)が成立して、2019年から施行されています。

【「特定興行入場券の不正転売」とは?】

チケット不正転売禁止法3条では、「何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。」と規定し、この規定に違反した場合は、チケット不正転売禁止法9条1項によって、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金が科されるか、又はこの懲役刑と罰金刑が併せて科される可能性があります。

このように刑事罰の対象になる「特定興行入場券の不正転売」については、チケット不正転売禁止法3条4項が、「興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの」と定義しています。
難しく規定されていますが、要するに、プロ野球やコンサートのチケットのような「特定興行入場券」を興行主の事前の同意なく、反復継続して、定価を超える価格で転売する行為を刑事罰の対象にしているということです。

【「特定興行入場券」とは?】

先程から、「特定興行入場券」という言葉が度々登場していますが、チケット不正転売禁止法上においては、「特定興行入場券」を、芸術や芸能、スポーツイベント(まとめて「興行」と言います)などのチケットで、不特定又は多数の者に販売され、次の①~③の全てに該当するチケットととしています。

①チケットの販売に際し、興行の主催者の同意のない有償譲渡を禁止する旨を明示し、かつ、その旨が券面(電子チケットの場合は映像面)に記載されていること(チケット不正転売禁止法2条3項1号参照)。
②興行が行われる日時・場所・入場資格者か座席が指定されたチケットであること(チケット不正転売禁止法2条3項2号参照)。
③入場資格者が指定されたチケットの場合は(ⅰ)の条件を、座席が指定されたチケットの場合は(ⅱ)の条件を満たす必要があります。
(ⅰ)入場資格者が指定されたチケットの場合は、入場資格者の氏名と電話番号やメールアドレスと言った連絡先を確認する措置が講じられており、その旨がチケットの券面に記載されていること(チケット不正転売禁止法2条3号イ参照)。
(ⅱ)座席が指定されたチケットの場合は、購入者の氏名と連絡先を確認する措置が講じられており、その旨がチケットの券面に記載されていること(チケット不正転売禁止法2条3号ロ参照)。

プロ野球などのプロスポーツの試合や有名なアーティストのコンサートなどのチケットの多くは、上記の①〜③の全てを満たして「特定興行入場券」に該当することが多いと考えられます。

【チケット不正転売禁止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は】

これまで、チケット不正転売禁止法という法律について簡単に説明しました。
施行からまだ数年しかたっていない法律ですので、本当にチケット不正転売禁止法違反で逮捕されたり、前科が付くのかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際にチケット不正転売禁止法違反で逮捕・有罪となった事例もあります。
例えば、令和2年8月27日に大阪地方裁判所では、チケット不正転売禁止法と有印私文書偽造・同行使の成立を認めて、懲役1年6月(執行猶予3年)、罰金30万円の有罪判決が出されています。
また、今年の4月にも野球の世界大会のチケットを繰り返し高額転売したとして、チケット不正転売禁止法違反の疑いで警察に逮捕された事例があります。

このように実際にチケット不正転売禁止法違反違反で検挙・有罪とされた事例がありますでので、チケット不正転売禁止法違反違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は、いち早く弁護士に相談して、今後の対応などについてアドバイスをもらうことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県朝霞市で、チケット不正転売禁止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】自動車ひきずり殺人未遂事件

2023-05-31

【報道解説】自動車ひきずり殺人未遂事件

埼玉県上尾市で自動車事故と傷害事件、殺人未遂事件の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道事例】

埼玉県上尾市の消防士の男性(43歳)が、知人女性(43歳)を車でひきずり殺害しようとしたとして、殺人未遂罪の疑いで、警察署に逮捕された。
女性は病院へ搬送されたが、右ひざをケガしているとのこと。
事件当時、男性は知人女性と口論になり、車へ乗り込み立ち去ろうとしたところ、女性が車にしがみついた状態で車を急発進させ、約10m引きずった。
警察の取調べに対して、男性は「殺してやろうという思いはなかったが、早く立ち去りたいという思いでアクセルを踏み込んだ」と、容疑を一部否認している。
(令和5年5月7日に配信された「MBS NEWS」の記事を基に、事実を一部変更したフィクションです。)

【自動車事故と殺人未遂事件の違い】

自動車を運転していて、過失により人をひいてしまった人身事故のケースでは、自動車運転処罰法の「過失運転致死傷罪」が成立し、「7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金」という法定刑で、刑事処罰を受ける可能性が考えられます。

他方で、故意に被害者に怪我をさせようとして自動車でひいた場合や、「被害者が怪我をするかもしれないけれども、それでも構わない」と考えて自動車でひいた場合には、「傷害罪」が成立する可能性があります。
刑法の「傷害罪」の法定刑は、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされています。

また、故意に被害者を殺害しようとして自動車でひいた場合や、「被害者が死亡するかもしれないけれども、それでも構わない」と考えて自動車でひいた場合には、「殺人罪」(殺人未遂罪)が成立する可能性があります。
刑法の「殺人罪」(殺人未遂罪)の法定刑は、「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」とされています。

事件捜査の初期段階での警察取調べにおいて、事件当時の状況や心境を、容疑者がどのように供述するかが、その後の刑事処罰の判断に大きく影響することとなります。
まずは、自動車ひきずり事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。

【逮捕後の身柄拘束の流れ】

人身事故を起こして逮捕された後は、2、3日以内に「さらに10日間の身柄拘束(勾留)を続けるかどうか」という勾留判断がなされます。
逮捕・勾留されれば、逮捕後12、3日程度(勾留期間が延長されれば最長22、3日程度)で、担当の検察官により、刑事処罰の起訴・不起訴の判断がなされる流れとなります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

自動車ひきずり事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【事例解説】16歳高校生が特殊詐欺で逮捕

2023-05-23

【事例解説】16歳高校生が特殊詐欺で逮捕

埼玉県久喜市で16歳の高校生が特殊詐欺の受け子をした疑いで警察に逮捕された事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「16歳の高校生のAさんは兵庫県神戸市で両親と一緒に暮らしていますが、SNSで見つけた書類の受け取りのアルバイトに応募して採用されました。
Aさんは、関西地方で数回、書類の受け取りのアルバイトをした後、指示役の人に、埼玉県久喜市にある家に書類を受け取りに行くように指示されました。
Aさんは、指示に従って埼玉県久喜市にある家に、金融機関の職員を装って書類を受け取りに行ったところ、家で待っていた埼玉県警久喜警察署の警察官に現行犯逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)

【特殊詐欺の受け子をするとどのような罪に問われる?】

書類の受け取りのアルバイトと思って応募して採用されてアルバイトが特殊詐欺の受け子だったという場合があります。
このような特殊詐欺の受け子として事件に関わってしまうと、刑法235条の窃盗罪や刑法246条1項の詐欺罪に問われる可能性があります。
仮に窃盗罪で起訴されて有罪となると10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性がありますし、詐欺罪で起訴されて有罪となると10年以下の懲役刑が科される可能性があります。

【16歳の高校生が家から離れた場所で警察に現行犯逮捕されるとどうなる?】

事例のAさんは16歳の高校生ですが、Aさんのように特殊詐欺の受け子をした人が20歳未満の場合は、少年法という法律が適用されることになりますので、こうした事件のことを少年事件と言います。
少年事件の場合は通常の刑事手続きとは異なり、警察や検察による捜査が進められた後は、事件を家庭裁判所に送致することになります。
そして、事件の送致を受けた家庭裁判所でも、少年の調査が進められることになり、家庭裁判所が事件を起こした少年の更生という観点から、少年に刑事罰を科す代わりに、少年の最終的な処遇を決定することになります。

このように少年事件の場合の手続きは、事件が家庭裁判所に送致されるまでの警察や検察による捜査の段階と、事件が家庭裁判所に送致された後の段階で大きく分けることができます。
警察や検察による捜査が行われている場合は、事件を起こした場所を管轄する警察や検察が対応することになりますが、事件を家庭裁判所に送致した後は、事件を起こした少年の住所(基本的には保護者の方がいる場所)を管轄する家庭裁判所が対応することになる場合が多いです。

取り上げた事例でいうと、Aさんは埼玉県久喜市で特殊詐欺の受け子をしていますから、埼玉県久喜市を管轄する久喜警察署やさいたま地方検察庁(さいたま市浦和区)が捜査を進めることになります。
そして、捜査が進み、事件を家庭裁判所に送致するとなった場合、送致先の家庭裁判所は、Aさんが現在両親と暮らしている兵庫県神戸市を管轄する神戸家庭裁判所になり、神戸家庭裁判所がAさんの最終的な処遇を決定することになる可能性が高いと言えるでしょう。

【警察から高校生のお子さんを逮捕したと連絡が来たら?】

事例のように、高校生のお子さんが、現在住んでいる場所とは離れた場所で逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に依頼して、弁護士にお子さんが逮捕されて留置されている警察署に接見に行ってもらうことが重要になるでしょう。
その際は、先ほども説明した通り、警察や検察による捜査の段階と事件が家庭裁判所に送致された段階で、事件を担当する警察や検察、家庭裁判所の場所が異なる可能性がありますから、逮捕直後の捜査段階から家庭裁判所による判断がなされるまで一貫した弁護活動をするために、全国に支部がある法律事務所に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、札幌、仙台、千葉、さいたま、新宿、八王子、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡という全国各都市に事務所がある、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県外に住んでいるお子さんが、埼玉県内の警察に逮捕されたということを知ったものの、何をどうしたら良いか分からずお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【事例解説】虚偽の落とし主の詐欺事件

2023-05-11

【事例解説】虚偽の落とし主の詐欺事件

埼玉県狭山市の虚偽の落とし主を装った詐欺罪の刑事事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「埼玉県狭山市に住むAさんは、埼玉県警狭山警察署で落とし物を管理する業務を担当しているBさんに誘われて、狭山警察署に落とし物として届けられている現金を落とし主を装って受け取ることを計画しました。
Aさんは、計画に沿って、狭山警察署の落とし物の管理窓口に行き、事前にBさんから聞いていた現金が落ちていた状況等を受付に説明することで落とし主であることを装いました。
受付がAさんを現金の落とし主であると判断してしまったため、Aさんは現金を受け取ることができました。
Aさんは、その後、狭山警察署の警察官に詐欺の疑いで逮捕されました、」
(この事例はフィクションです)

【落とし物の現金を落とし主であると装って受けとると?】

先日のニュースで、昨年2022年に、都内で落とし物として届けられた現金の総額が約39億9700万円で、記録上過去最高の額になったとありました。
中には、約3400万円の現金が箱に入った状態で落とし物で届けられたケースもあるようです。

ところで、事例のAさんのように、警察に落とし物として届けられた現金を、現金の落とし主(所有者)でないにもかかわらず、落とし主(所有者)であるかのように装って、現金を受け取ってしまうと刑法246条1項の詐欺罪が成立する可能性が高いです。
仮に詐欺罪として起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役刑が科される可能性があります。

また、詐欺罪は刑法250条によって未遂の場合でも処罰の対象になる犯罪です。
そのため、事例を少し考えて、Aさんが落とし物の管理窓口に行って落とし物の現金を受け取ろうとしたものの、受付に「本当に現金の所有者なのか?」と不審に思われてしまい、現金を受けとることができなかった場合、Aさんは現金を受け取っていないからといって何の罪に問われないということにはなりません。

Aさんは現金を受け取っていなくても、受付に現金を受け取ろうと所有者であるかのように振るまう行為をしたことで、詐欺罪の未遂罪として処罰の対象になり得ます。
詐欺罪の未遂の場合の法定刑は、詐欺罪の既遂の場合と同じで10年以下の懲役刑です(ただし、刑法43条によって刑を減軽することができます)。

【詐欺罪で捜査を受けてお困りの方は】

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役刑しか定められておらず、罰金刑が定められていませんので、詐欺事件が不起訴とならなければ、公開の法廷で裁判を受けることになります。
そのため、詐欺事件について早期解決を目指したい、詐欺罪の前科が付くのを避けたいという方は、いち早く、弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県狭山市で詐欺罪の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方や、ご家族が詐欺罪の疑いで逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】業務上横領罪で逮捕 示談交渉で軽い処分を

2023-05-07

【報道解説】業務上横領罪で逮捕 示談交渉で軽い処分を

埼玉県で業務上横領の疑いで逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「会社の口座から自身の口座に振り込み入金し、現金を着服したとして、埼玉県警捜査2課と深谷署は1日、業務上横領の疑いで、麺類製造・販売会社元経理担当で自称パート従業員の男(48)=熊谷市拾六間=を逮捕した。」
(令和5年2月2日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)

【意外に罪が重い業務上横領罪】

今回取り上げた報道では、男性が業務上横領罪の疑いで逮捕されています。

業務上横領罪は刑法253条に規定する犯罪で、「業務上自己の占有する他人の物を横領した」場合に成立する犯罪です。
業務上横領罪が成立する場合としては、会社から割り当てられた業務として会社の備品を管理する業務を担っていた人が管理している会社の備品を転売した場合や、経理として会社の口座を管理している人が会社の口座から自分の口座へと送金して会社の資金を着服した場合などが考えられます。

このような業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役刑となっています。
法定刑に罰金が定められていませんので、仮に検察官が業務上横領罪で起訴するという判断をした場合は、略式起訴することができず正式な裁判が開かれることになります。

【業務上横領罪が会社に発覚したら?】

会社の資金を着服してしまったなどの業務上横領罪に当たる行為をしてしまった場合は、弁護士に今後の対応についてご相談されることをお勧めします。
業務上横領罪については、まず最初に会社内部で調査が行われて、調査の結果、会社が業務上横領罪について刑事告訴をしたところで警察などの捜査機関が捜査に乗り出すという流れで刑事事件化することが多いです。

そのため、業務上横領罪について会社が刑事告訴する前に弁護士を通して会社と示談交渉をして、会社が謝罪と被害の弁済を受け入れてくれるといった形で会社と示談を締結することができれば、警察が業務上横領罪について捜査に乗り出す前に当事者間で事件を解決することができる場合もあります。

このように業務上横領罪を刑事事件化する前に当事者間で示談ができれば業務上横領罪の前科を付けずに事件を解決することができるでしょう。
そのような解決を目指すには、業務上横領罪が会社に発覚してからいち早く弁護士に相談することが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県で業務上横領罪が会社に発覚してお困りの方や、業務上横領罪の前科を付けたくないとお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

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