遺体の放置で刑事責任発生? 行田市の刑事事件は弁護士に相談を
ある朝、埼玉県行田市在住の年金受給者Aさんが起床すると、その隣でAさんの奥さんが睡眠中に死亡していました。
Aさんは悲しみとやるせなさと、そして高齢ゆえの無気力もあって奥さんの葬儀を手配する気がおきず、しばらく奥さんの遺体を放置していたところ、高齢者の生活支援のボランティアが奥さんの死体を発見し、警察に通報しました。
Aさんは、駆け付けた埼玉県警行田警察署の警察官に事情聴取され、死体遺棄として事件が検察庁へ書類送検される可能性があると聞かされ困惑しました。
(※フィクションです)
【遺体の適切な処置と死体損壊等罪】
刑法190条は死体損壊等罪を規定し、「死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、3年以下の懲役に処する。」としています。
上記条文を読む限り、遺体を放置しただけでは「遺棄」、すなわち遺体を捨てることには該当しないと考えてしまうかもしれません。
しかし、判例では、死体遺棄罪は、死体を他の場所に移して遺棄する場合の他、葬祭をする責務を有する者が、葬祭の意思なく死体を放置して立ち去ることも遺棄に該当する、と判示しています。
具体的には、母親が新生児を砂に埋めて死亡させ、遺体をそのままにして立ち去った事件、および乳幼児の監護をその親から頼まれながら、必要な医療行為をすることなく祈祷等を行っていた者が、その死体を親に引き渡すことなく遺体を確保し続けた事件について、死体遺棄罪の成立を認めています。
上記事案のように夫婦であるとか同居の親族、高齢者向け施設等の民事上の契約関係にある者については葬祭をする責務があると考えられており、この葬祭義務を怠って遺体を放置した場合には、死体遺棄罪が成立すると考えられます。
高齢化社会においては、高齢ゆえの運動能力の低下や無気力ゆえに、家事や外出を思うようにできなくなり「ごみ屋敷」化する事例が社会問題となっていたり、逆に年金を不正に受給するために死亡した高齢者の死亡を申告しない事例も問題視されています。
今後、人口動態において高齢者の比率がますます高まる中、死体遺棄罪の刑事事件が増加する可能性があるといえます。
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(埼玉県警行田警察署への初回接見費用:41,860円)