埼玉県新座市で隣人トラブルで逮捕
<事例1>
埼玉県新座市在住の主婦Aは、同じアパートに住む隣人のVの部屋から、夜ごと大きな音で音楽をかけて隣室に音が漏れていることに悩まされていました。
当初は、「夜に音楽を聴く場合はヘッドホンを使用してください」等の手紙をV宅に差し入れて対応していましたが、Vはまったく態度を改めることなく、アパート共有部分ですれ違い際に「うるさいババア死ね」等と暴言を吐かれたことに怒り心頭に達し、報復のため、「音楽を理解できない馬鹿は音楽を聴くな」「はやくアパートから出ていけ」等、Vを誹謗中傷する文章を書いた手紙を連日V宅のポストに投函するようになりました。
Vは、Aによる連日の誹謗中傷手紙にうんざりして、その手紙を持って埼玉県警新座警察署に被害の相談に行き、警察は埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いでAを逮捕しました。
警察の調べに対し、Aは「そのような手紙を私は出していない」と被疑事実を全面的に否認しています。
<事例2>
埼玉県新座市在住の主婦Aは、同じアパートに住む隣人Vとの確執から、Vに対する嫌がらせとして、毎日大音量の音楽を流して「アパートから出ていけ」「はやく引っ越せ」等の罵倒を浴びせ続けました。
Vは、Aの異常な行動に恐ろしくなり、Aの行動に耐え続けていたものの、執拗につづくAの嫌がらせに対して精神的に消耗し、医者に鬱病と診断され、心療内科に通うようになりました。
この被害により、Vは会社を休職せざるを得なくなったため、被害の重さを鑑みて埼玉県警新座警察署に被害届を提出し、Aは傷害罪の疑いで逮捕されました。
(上記いずの事案もフィクションです。)
近隣住人同士のトラブルの結果、有形無形の嫌がらせを行うことがしばしば見受けられるところ、時に、そのような嫌がらせが刑事事件に発展し、場合によっては逮捕されることもあり得ます。
上記刑事事件例1では、隣人に対する嫌がらせ目的での誹謗中傷文章の差出しによって、(埼玉県)迷惑行為防止条例違反に問われる可能性があることを例示しました。
埼玉県迷惑行為防止条例では、正当な理由がないにも関わらず、特定の者に対して不安や迷惑を覚えさせるような方法で、つきまとい、待ち伏せ、立ち塞がり、住居等の見張り、住居等への押しかけたり、住居等を訪れて面会や義務のないことを強要したり、あるいは、反復して電話やFAX等を送信しつづけたり、羞恥・困惑・嫌悪を覚えさせる文書や図画を送りつけること等を行った場合に、刑事罰を科すことを規定しています。
上記の迷惑行為に対する法定刑は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられ、または常習の場合、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
上記刑事事件例1では、隣人に対する嫌がらせ目的の騒音によって、相手方が精神的な疾患に陥った場合、傷害罪の適用があり得ることを例示しました。
こちらは、報道でも話題となった、2005年のいわゆる「奈良騒音傷害事件」で議論となりましたが、通常、傷害罪は、相手に対して不法で物理的な攻撃を行うことによって傷害を負わせて場合に成立することが大多数であるところ、音等の非接触による圧力によって、相手方に精神的な疾患を生じさせた場合であっても、傷害罪が成立する余地があることが判例で示されました。
もちろん、上記事案は大音量の音である場合に限らず、例えば誹謗中傷の記した文章や極めて不快な図画等を反復して送付することによって、相手方に精神的な疾患を負うまで追い詰めた場合にも適用されることになるでしょう。
このような隣人トラブルの刑事事件では、一般的には、被害者と加害者間で大きな精神的対立が発生しているため、示談交渉が難航する傾向が高いです。
しかし、このような事案では、被害者が、加害者に対して正当な損害賠償や被害弁償を行って、自分の正当性を主張したいと思っているケースも多く、特に、今後の再犯防止のための誓約条項を厳しく設定することによって、示談成立後の心配を和らげることで、被害者が示談の申し出に対して耳を傾ける可能性が高くなることも事実です。
よって、このような隣人トラブルによる刑事事件では、被疑者の釈放を早期に進め、最終的な刑事処分を少しでも軽くするためにも、迅速に示談の経験豊富な刑事事件弁護士に事件を依頼することをおすすめします。
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(埼玉県警新座警察署への初回接見費用:38,700円)