埼玉県熊谷市の賽銭泥棒を現行犯逮捕
埼玉県熊谷市の神社管理者であるVさんは、神社の境内から不審な人影と物音がすると埼玉県警熊谷警察署に通報しました。
熊谷警察署の警察官が駆け付けると、中年男性Aさんがバール状の器具で神社の賽銭箱を開こうとしており、Aさんを窃盗未遂罪の疑いで現行犯逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは事実を全面的に認め、「家計が苦しく借金もあるためどうにかして金を得ようとした」と供述しています。
(フィクションです。)
長期のデフレ、少子高齢化の進行、企業間の国際競争の激化等を原因に、日本が不況と呼ばれて久しく、生活保護受給者数は年々上昇しており、平成30年4月時点では、生活保護受給者数は約210.3万人(約163.5万世帯)に達しました。
また、経済的に困窮している者が消費者金融や銀行のカードローンを頼った結果、個人の自己破産件数も直近2年で増加傾向にあり、平成29年時点で6万8791件(前年比6.4%増)に達します。
犯罪は必ずしも経済的弱者が引き起こすものとは限りませんが、昨今のコンビニ強盗や路上強盗、そして上記刑事事件例の賽銭泥棒のようなケースでは、無職やフリーター、生活保護受給者等の経済的弱者が起こす傾向が強いとされています。
窃盗罪は10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられますが、上記刑事事件例のように、窃盗の犯行途中で現行犯逮捕された場合には、犯罪が既遂となったのか未遂なのか判断が難しい場面があります。
判例によれば、窃盗罪の既遂時期は、財物を自己の事実上の支配下に移した時(大審院判例)、他人の実力支配内にある物を自己の実力支配内に移し、排他的にこれを自由に処分しうべき状態に置いた時(東京高裁判例)とされており、財物を窃取するために障害を排除しなければ自己の支配下に置くことができない状況において、その障害を取り除いていない段階においては窃盗未遂罪に留まるとした判例があることから、上記刑事事件例のように、賽銭箱の固定具を外そうとしている段階では窃盗未遂に留まり、賽銭箱の中身の金銭を手に取って自由に持ち出せる段階に至って既遂となると解することができます。
賽銭泥棒による窃盗罪の事案では、被害者(神社等)との示談交渉は非常に難航すると思われるため、真摯な反省を示したり、贖罪寄附を行う等の効果的な情状主張を行い、少しでも軽い処分となるよう働きかけることが重要です。
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(埼玉県警熊谷警察署への初回接見費用:40,060円)