埼玉県久喜市で落下物による業務上過失致傷罪
埼玉県久喜市のマンションにて外壁のタイル張替え作業を行っていた建設作業員のAさんは、不注意によりタイルが作業中の足場からマンション下へ落としてしまい、その落下したタイルがマンション下を走行していた自動車のフロントガラスを突き破り、運転席および助手席にいたVさんら2名に切り傷の負傷を負わせてしまいました。
埼玉県警久喜警察署が事故の現場検証をした結果、Aさんの作業場の不注意によりタイルが落下してVさんらの負傷につながった可能性が高いと判明し、Aさんおよび現場責任者を警察に任意同行を求め事故の状況について説明を聞き、今後再度業務上過失致傷罪の疑いで呼び出す可能性があるとして家に帰されました。
(フィクションです。)
建設業など、特に生命や身体への危険が高く予想される業務において、その業務上のミス(過失)により人を死亡または負傷させてしまう事故が発生することは頻繁にあり、刑事事件化され報道されることがしばしばあります。
業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合、5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金が科されます(業務上過失致死傷罪。刑法第211条)。
上記刑事事件事例で挙げたとおり、建設業者等が業務上の過失により通行人等の第三者を死亡させたり負傷させる事例が典型的ではありますが、逆に、ある建設現場において、現場の衛生環境や安全配慮対策が不十分であったために現場従業員が死亡または負傷してしまった場合においても、建設業者経営者や責任者による、作業従事者に対する業務上の過失(従業員が安全に業務を遂行できる環境を整える義務違反)が認められ、業務上過失致死傷罪が成立する可能性もあり得ます。
その可能性がある事件例として、今年4月3日、栃木県小山市の雑木林で、スギを伐採していた造園業の男性が、倒れてきた木で頭を強く打ち、病院に搬送後まもなく死亡が確認されました。
当該事案では、まだ会社による現場作業者に対する業務上の過失が認定された訳ではありませんが、その可能性も含めて今後警察の調べが進められるでしょう。
業務上過失致死傷罪の刑事事件では、通常想定されうる程度の負傷であり、かつ、被害者との示談が成立していれば、高い確率で不起訴処分となる可能性がありますが、重度の後遺障害や死亡事故については、かりに示談が成立した場合でも、数十万円の罰金命令が科される可能性もあり得ます。
いずれの場合でも、刑事事件を得意とする弁護士が示談を仲介することで、被害弁償だけでも被害者に受け取っていただくことで、少しでも刑事処罰を軽くする余地はありますので、事件の見通しについて刑事事件弁護士に相談することが良いでしょう。
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(埼玉県警久喜警察署への初回接見費用:38,600円)