埼玉県本庄市で危険運転で同乗者死亡
埼玉県在住の会社員Aさん(25歳)は、週末に友人らと1泊の旅行に行くため自動車を走らせていたところ、大騒ぎしてハメを外した助手席のVが、窓を全開にして窓枠に腰かけて身体を大きく車外にはみ出し、それをAさんは面白がって、スピードを加速したり不要な蛇行運転をする等の危険運転を行い、スピードを出しすぎてカーブを曲がりきれず、道路左側の電柱や防護壁に衝突してしまい、助手席の車体側面に乗っていたVを死亡させてしまいました。
事故の現場検証をした埼玉県警本庄警察署は、アスファルトのタイヤ痕や電柱等の破壊状況かだ、Aが相当なスピードを出していたためカーブを曲がり切れなかったと判断し、自動車運転処罰法違反(危険運転致死罪)の疑いでAさんを逮捕しました。
警察の調べに対し、Aは事実を認めています。
(フィクションです。)
上記刑事事件は、令和元年5月20日、運転していた自動車を道路の防護壁に衝突させ、車体側面にしがみついていた友人の男性を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死)などの疑いで、愛知県豊田市の会社員男性(当時23歳)が逮捕された事案をモデルにしています。
被疑事実は、同年5月19日午後11時半ごろ、被疑者らは愛知県豊田市の国道で酒気を帯びた状態で運転しており、スピードを出しすぎてカーブを曲がりきれず、道路左側の電柱や防護壁に衝突、助手席側の車体側面に乗っていた会社員男性を転落させ、多発外傷で死亡させた疑いが持たれており、警察の調べに対し「悪ふざけで外に乗せたまま運転し、事故を起こした」と事実を認めています。
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法違反)において、第2条において、「危険運転」に該当する具体的な行動を列挙しています。。
例えば、「アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」、「その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為」、「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」、「人または車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に侵入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」、「赤信号またはこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為」等が列挙されています。
これらの危険運転によって、人を負傷させた場合は15年以下の懲役、人を死亡させた場合は1年以下の有期懲役が科せられます(実務では自動車運転処罰法違反第2条を「危険運転致死傷罪」と呼んでいます)。
昨今では、いわゆる「あおり運転」等の急な幅寄せや猛スピードを出す行為に対して自動車運転処罰法違反を根拠に重い懲役刑を科す裁判例も出てきていますが、この危険運転による負傷や死亡の対象となるのは、事故相手の同乗者に限らず、自分の自動車の同乗者も含まれることに注意が必要です。
上記刑事事件例のように、旅行やドライブ等の浮かれた気分の中、自動車の同乗者が自分からハメを外して危険な行為に出た場合でも、それを漫然と見過ごして、同乗者の負傷や死亡を招きかねない危険運転を行った場合、人生を棒に振ってしまう重大な刑事処罰が下されることもあり得ます。
ただ、危険運転致死傷罪の刑事事件であっても、被害者に対する被害弁償や見舞金の支払いを行う等して示談が成立する見込みが残されていることを鑑みれば、少しでも科される罪を軽くするためにも、刑事事件専門の弁護士に活動してもらい、最善の弁護活動を進めてもらうことが大切です。
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