埼玉県富士見市で被疑者が放火して行方不明に

2019-05-30

埼玉県富士見市で被疑者が放火して行方不明に

運送業の会社に勤務するAさんは、埼玉県富士見市にある会社の社員寮に暮らしていましたが、過酷な勤務実態に嫌気がさし、もうこれ以上働きたくないと思いつめていました。
ある日、その社員寮のAさんの部屋から出火し、火は社員寮全体に燃え広がり、駆けつけた消防員によって消し止められた頃には、社員寮は全焼していました。
幸い、火事による死亡者はおらず、2名ほどが軽い火傷をした程度でしたが、埼玉県警東入間警察署と消防の調べでは、Aさんが行方不明となる前後でAさんの部屋から出火した可能性が高いと判断し、Aさんが故意に放火した可能性を含めてAさんの行方を追っています。(※フィクションです)

刑法第9章は、「放火及び失火の罪」を定めています。

放火」とは、故意をもって、自分が点じた火が燃焼の目的である建造物等に燃え移り、独立して燃焼し続けることを意味します(判例)。

一方、「失火」とは、過失によって(放火の故意がなく)所定の対象物を焼損させた場合を言います。

刑法は、被疑者・被告人の責任(犯罪の故意等の主観的要素)を重要視し、罪を犯す意思(故意)がない行為は罰しない(刑法第38条第1項)としていることから、現住建造物等放火罪(刑法第108条)については、死刑または無期もしくは5年以上の懲役を科しているのに対して、失火罪(刑法第116条)については、50万円以下の罰金を科して法定刑に大きな差をつけています。

現住建造物等放火罪における「現住建造物」とは、建造物が人の住居に使用し、または人の現在するものであることであれば足りると解されており、その建造物使用の主な目的は問わないとされています(判例)。
そして、人が一時的に不在であることを知っており、結果として人の不在であった建造物を放火した場合であっても、その建造物に住んでいた者が戻ってくれば居住を継続するものと認識していた場合には、その建造物現住建造物に該当すると判断されています(最高裁判例)。

ただし、失火罪では、放火の故意なく火を生じさせて刑法所定の建造物等を焼損してしまった場合のみを規定しており、失火により他人に傷害を与えたり、他人を死亡させてしまった場合は含まれていないため、別途、過失致傷罪(刑法第209条)、過失致死罪(第210条)、重過失致死傷罪または業務上過失致死傷罪(刑法第211条)が成立して処罰される可能性は残ります。

さらに、放火および失火の認定で気を付けるべき点として、過失で火を生じさせてしまいながら、火の発生を恐れて消火活動を行わずに逃げてしまった場合には、不作為(義務を行わないことによる責任違反)の「放火」が認められる場合があるという点です(最高裁判例)。

具体的に言えば、たとえ放火の故意が無い場合でも、「火災を予防、消化するための積極的措置を講ずべき立場にいる人間が、火災発見の現実的危険性を認識し、それに対する措置を講ずることが容易かつ可能であったのに、これをせず漫然と放置した」場合には、失火ではなく放火罪が認定される可能性があることに注意が必要です。

放火に関する刑事事件で、現住建造物等放火罪が成立する可能性がある事案では、科される法定刑が非常に重く、自分が関わった行為について適切に捜査機関に主張していくことが極めて重要となりますので、自分が不当に重い刑事責任を負わないためにも、放火・失火の刑事事件に詳しい弁護士に相談することが大切です。

埼玉県富士見市で、被疑者の方が放火して行方不明、または放火が疑われて刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。
(埼玉県警東入間警察署への初回接見費用:38,900円)

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