入札情報の漏洩で逮捕 埼玉県草加市の刑事事件に詳しい弁護士
埼玉県草加市の市役所職員Aさんは、市内の公共工事について複数の建設業者から入札を取りまとめる業務の責任者でしたが、工事の入札情報を特定の業者に漏洩して入札の公正を害したとして、埼玉県警草加警察署によって、公契約関係競売等妨害罪の疑いで逮捕されました。
さらに、その後の捜査により、入札情報を漏洩する見返りに現金計250万円を受け取った疑いがあると発覚し、Aさんは単純収賄罪の疑いで再逮捕されました。
(平成30年6月29日朝日新聞の記事を元に、場所等の一部事実を変更しています。)
【公共工事に関する複雑な刑罰規定】
上記刑事事件は、大阪府枚方市の公共工事の入札に関する公契約関係競売入札妨害罪の逮捕事案および収賄罪の再逮捕事案をモデルにしています。
刑法第96条の6第1項は、偽計または威力を用いて、公の競売または入札の公正を害すべき行為をした者に対し、3年以下の懲役もしくは250万円以下の罰金、または併科を科しています。
また、公正な価格を害し、または不正な利益を得る目的で談合をした者も、上記と同様に処罰されます。
最高裁判例では、特定の入札者にのみ情報を内報して入札させる行為は「偽計」に該当するとし、また、他の業者に圧力をかけて談合に応じるよう要求する行為は「威力」に該当するとしています。
また、刑法第197条第1項は、公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、またはその要求もしくは約束をしたときは、5年以下の懲役を科しています。
収賄に関する罪は、公務員の職務に関して一定の行為を行う依頼(請託)があった場合や、実際に不正な行為を行った場合には、より罪が重くなったり、別の罪が成立することがあります。
さらに、公務員側ではなく、不正な入札を依頼したり賄賂をおくった業者側にも、別の犯罪が成立する可能性がありまるで、刑事事件化の場合には、刑事事件に詳しい弁護士に相談し、成立する罪の重さや事件の見通しを得ることが大切です。
埼玉県草加市で、公共工事の入札等に関して刑事事件化してお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
(埼玉県警草加警察署への初回接見費用:40,500円)