Archive for the ‘財産事件’ Category

【事例解説】特殊詐欺に加担して詐欺罪の共犯で事件化 

2023-12-13

【事例解説】特殊詐欺に加担して詐欺罪の共犯で事件化 

埼玉県本庄市で特殊詐欺に加担して詐欺罪の共犯の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

埼玉県本庄市内を走るタクシー運転手が、詐欺の被害に遭いそうになっていた被害者乗客の特殊詐欺被害を防ぎ、警察から感謝状が贈られた。
タクシー運転手は令和5年11月28日、乗客の高齢女性が特殊詐欺の電話を受けていることに気付いたという。
ドライブレコーダーには、運転手が被害を食い止めようと高齢女性を説得する様子が残されていた。
このあと、運転手は状況を埼玉県警本庄警察署に説明し、女性の被害を防いだということで感謝状が贈られた。
本庄警察署は、女性の電話履歴から通話先を特定し、詐欺を試みようとした埼玉県在住の無職Aを詐欺未遂の疑いで逮捕しました。
(令和5年12月14日づけFNNプライムオンラインの記事を参考に、一部事実を改変し、かつ、架空の事実を追加したフィクションです。)

【特殊詐欺の概要】

  1. 法的な側面
    特殊詐欺は、詐欺罪に該当する犯罪行為です。
    詐欺罪は、刑法246条に定義されており、「人を欺いて財物を交付させる行為」を犯罪とします。
    特殊詐欺の場合、加害者は巧妙な手口で被害者を騙し、金銭や財物をだまし取ります。

特殊詐欺の法的な特徴は、その計画性と組織性にあります。
加害者は、しばしば複数人で協力し、計画的に詐欺を行います。
このため、刑法上の共同正犯(共犯)の概念が適用されることが多いです。

共同正犯とは、複数の人が共謀して犯罪を行った場合、全員がその犯罪の正犯とみなされることを意味します。
刑法60条により、共同で犯罪を行った者は、他の共犯者の行為についても責任を負うことになります。

特殊詐欺においては、昨今では「ブラックバイト」の名でも認知されるとおり、目先のお金欲しさの若者が知らずに組織的な詐欺行為に加担することもありますが、法的には無知は免罪事由にはなりません。
したがって、詐欺行為に関与した場合、その程度に関わらず共犯者として詐欺罪の刑法上の責任を問われる可能性があります。

【特殊詐欺の手口】

特殊詐欺の加害者は、様々な手口を用いて被害者を騙します。これらの手口は巧妙で、被害者が気付かないうちに詐欺に巻き込まれることが多いです。

  1. 電話による詐欺
    最も一般的な手口の一つが、電話を使った詐欺です。加害者は警察官や銀行員を装い、被害者に不安を煽って金銭を要求します。
  2. インターネットを利用した詐欺
    SNSやメールを通じて、高収入を謳うアルバイトを募集し、実際は違法な活動に関与させる手口もあります。
  3. 身近な人を装う
    被害者の家族や知人を装い、緊急を要する事態を偽装して金銭を要求する手口も見られます。
  4. 金融商品の詐欺
    高いリターンを約束する投資詐欺も特殊詐欺の一形態です。被害者は、実在しない金融商品に投資するよう誘導されます。
  5. 身元不明の第三者を利用
    知らないうちに詐欺の一部となる「ブラックバイト」のように、身元不明の第三者を利用する手口もあります。

【特殊詐欺に対する処罰の傾向】

特殊詐欺に対する法的対策として、昨今では、加害者に対する厳罰化と被害者保護の強化が進んでいます。
特殊詐欺の摘発を強化するため、警察庁は今年12月13日、来年4月に全都道府県警が参加する「連合捜査班」を設置するほか、地方で起きた事件の捜査支援に当たる専従捜査員を首都圏などの7都府県警に計約500人配置すると発表しています。

  1. 詐欺罪の法定刑
    詐欺罪の法定刑は、刑法246条により10年以下の懲役です。
    特殊詐欺は、その巧妙な手口と社会的影響から、昨今では特に重い刑罰が科され傾向が見受けられます。
  2. 共同正犯の適用
    特殊詐欺においては、共同正犯の原則が適用されることが多いです。これにより、詐欺行為に直接関与しなくても、共謀した全員が同等の責任を負うことになります。
  3. 未遂犯の扱い
    詐欺の未遂犯に対しても、法定刑は既遂犯と同様に10年以下の懲役となります。

【特殊詐欺に対する刑事弁護】

ご家族の中に、特殊詐欺に関わってしまったことで警察に詐欺の疑いで逮捕されてしまった方がいる場合には、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
初回接見によって、弁護士が警察の留置場で拘束されているご家族の方から直接事件についてお話を聞くことができますので、事件の見通しや今後の手続の流れ、弁護士が取ることができる刑事弁護活動などについて知ることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県本庄市でご家族が特殊詐欺で警察に捕まってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県熊谷市の下着窃盗の常習犯を逮捕

2023-11-15

【報道解説】埼玉県熊谷市の下着窃盗の常習犯を逮捕

下着窃盗事件の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道】

派遣社員の男性(47歳)は、令和4年6月5日未明に、埼玉県熊谷市アパート1階の女性宅にガラスを割って侵入し、下着など24点、9,000円相当を盗んだ疑いで、埼玉県警熊谷警察署に逮捕された。
男性の自宅からは、女性の下着や服が100点以上押収された。
同じような被害は、この女性宅でこれまでも2件、近くのアパート1階の女性宅で4件確認されていて、警視庁は、男性の犯行とみて調べている。
男性は、2021年11月に同じような窃盗の罪で服役を終えて、出所していた。
(令和4年6月7日に配信された「FNNプライムオンライン」を参考に、事実を一部変更したフィクションです。)

【下着窃盗事件の刑事処罰とは】

下着窃盗事件を起こした場合には、「他人の財物を盗んだ」として窃盗罪に問われるとともに、「他人の住居に不法侵入した」として住居侵入罪に問われるケースが多いです。
住居や庭に不法侵入した場合には「窃盗罪と住居侵入罪」が成立し、他方で、コインランドリー等に不法侵入して下着窃盗事件を起こした場合には「窃盗罪と建造物侵入罪」が成立すると考えられます。

窃盗罪の刑事処罰の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」とされており、住居侵入罪や建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」とされています。
下着窃盗事件の場合には、窃盗罪と住居侵入罪とは、手段と目的の関係にある「牽連犯」に当たることから、成立する犯罪のうち、最も重い犯罪の刑である窃盗罪の法定刑で、刑事処罰を受ける形になります。

・刑法 第235条(窃盗)
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」
・刑法 第130条(住居侵入等)
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」

【被害者示談交渉による弁護活動】

下着窃盗事件は、被害者の存在する犯罪であるため、弁護士に示談交渉活動を依頼することで、被害者側に対して、謝罪や被害弁償・慰謝料支払いの意思を伝え、被害者からの許しの意思を含む示談を成立させることが、早期釈放や刑事処罰の軽減のための、重要な弁護活動となります。

下着窃盗事件においては、被害者側が加害者に恐怖心を抱いているケースが多く、加害者やその家族が、直接に被害者側との示談交渉を行うことは、原則として認められないことが多いです。
そこで、刑事事件に強い弁護士が示談交渉を仲介することで、弁護士だけに被害者側の連絡先が伝えられる形での示談交渉を進めることを、被害者側に打診することが、下着窃盗事件の示談解決に向けて必要となります。

まずは、下着窃盗事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県熊谷市の下着窃盗事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】携帯電話を奪って器物損壊罪で逮捕

2023-10-30

【報道解説】携帯電話を奪って器物損壊罪で逮捕

警察に通報されることを避けるために相手の携帯電話を奪い去ったとして器物損壊罪の疑いで逮捕されたケースについて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「警察によると、A容疑者は予約していたタクシーが乗り場にいなかったため、受付カウンターで運転手の男性と口論になり、運転手が警察に通報しようとしたところ、スマートフォンを奪ってそのまま立ち去ったということです。」

(令和4年12月20日に関西テレビで配信され報道より一部抜粋して引用)

【相手の携帯電話を奪い去ったのに窃盗罪ではないのか?】

今回取り上げた報道のAさんは器物損壊罪の疑いで逮捕されています。
Aさんはタクシー運転手の方の携帯電話を奪い去っていますが、このように相手の物を勝手に奪い去るというのは窃盗罪が成立するのではないかと思う方がいらっしゃるかもしれません。

窃盗罪は刑法235条に規定されている犯罪で、仮に窃盗罪で起訴されて有罪となると、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。
このような窃盗罪が成立するためには、相手の物を奪った際の犯人の心の中に「権利者を排除して他人の物を自己の所有物とし、その経済的用法に従って使用し処分する意思」という意思が存在する必要があります。
この意思のことを不法領得の意思といいます。

盗んだ物を転売して利益を得ようとするために相手の物を勝手に持ち去った場合には、不法領得の意思が認められることになりますが、今回のAさんは、奪い去った携帯電話をそのまま使用する目的であったり、転売しようとする目的があった訳ではありません。
Aさんは、あくまで、タクシー運転手の方が警察に通報しないように電話をさせない目的で携帯電話を奪い去っていますので、このような目的は不法領得の意思があるとは言えない可能性が高いです。
そのため、Aさんには窃盗罪が成立する可能性が低いと言えるでしょう。

なお、記事中ではAさんが携帯電話を奪った旨の記載がありますので、強盗罪が成立するのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、強盗罪の成立に当たっても不法領得の意思が要求されますので、不法領得の意思がない場合は強盗罪は成立しません。
また、そもそも強盗罪が成立するためには、被害者の反抗を抑圧するに足りる程度の暴行・脅迫を加えたことによって相手の物を奪い去る必要がありますが、このような暴行・脅迫を加えたのでければ強盗罪は成立しません。

【相手の携帯電話を奪い去ったのに器物損壊罪?】

それでは、どうして携帯電話を壊した訳でもないのに器物損壊罪の疑いで逮捕されたのでしょうか。
器物損壊罪は刑法261条に規定されている犯罪で、「他人の物を損壊」した場合に成立する犯罪です。

器物損壊罪が成立する典型的なケースは相手の持ち物を物理的に破壊することですが、実は器物損壊罪の成立に当たって必要とされる「損壊」というのは、その物を本来の目的で使用することができない状態にすることを意味します。
そのため、相手の持ち物を物理的に破壊したときはもちろん、相手の持ち物を持ち去って持ち物を使用できなくさせる行為も「損壊」に当たることになります。

連絡手段である携帯電話を奪い去る行為は、携帯電話の本来的な用法である連絡手段としての使い方を害しているといえるでしょうから、Aさんには器物損壊罪が成立する可能性が高いと言えるでしょう。
器物損壊罪の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料となっています。

【器物損壊の場合の刑事弁護活動】

器物損壊罪は刑法264条によって親告罪という犯罪に当たりますので、器物損壊罪については、被害者の方の告訴がないと検察官は起訴することができません。
そのため、器物損壊罪の場合の刑事弁護活動としては、弁護士を通して被害者の方との示談をして被害者の方に告訴を取り下げてもらうことが非常に重要になるでしょう。

示談締結によって告訴を取り下げてもらうことができれば、検察官は器物損壊罪について起訴をすることができませんから、器物損壊罪について前科が付くことはありません。
このような示談交渉は、刑事事件の弁護活動の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
器物損壊の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方、被害者の方との示談をお考えの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】強盗致傷罪で逮捕 裁判員裁判対象の重大犯罪

2023-10-22

【報道解説】強盗致傷罪で逮捕 裁判員裁判対象の重大犯罪

金銭を奪うために加えた暴行によって相手方を怪我をさせたことにより、強盗罪の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「女性になりすましてSNSで呼び出した高校生に暴行を加え、金を奪おうとした疑いで、21歳の男ら2人が逮捕された。
A容疑者(21)らは2022年3月、埼玉県川越市の路上で、男子高校生に『金を出せ』と脅して暴行を加え、けがをさせた疑いが持たれている。
A容疑者らは、SNSで若い女性になりすまし、高校生を呼び出していたという。」
(令和4年5月24日にFNNプライムオンラインにて配信された報道より引用)

【強盗致傷罪とは】

刑法240条は、強盗致傷罪について規定しています。
強盗致傷罪が成立するためには、「強盗が」、強盗の機会に、「人を負傷させた」という要件を充たす必要があります。
引用した報道では詳しい事実関係については明らかとなっていませんが、Aさんが高校生から金銭を奪うために加えた暴行が、高校生の反抗を抑圧する程度の暴行であれば、Aさんは「強盗」に当たることになるでしょう。
そして、そのような強盗の手段として用いられた暴行によって高校生が怪我をしていますので、Aさんは強盗の機会に「人を負傷させた」として強盗致傷罪の疑いで逮捕されたと考えられます。
なお、報道では「金を奪おうとした」との記載にとどまり、実際にAさんが金銭を高校生から奪ったかについては定かではありませんが、仮にAさんが金銭を奪っていなくとも、金銭を奪うために用いた暴行によって相手方を怪我をさせたのであれば、刑法243条が定める未遂罪は成立することはなく、強盗致傷罪の既遂が成立することになります。

強盗致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役刑で、罰金刑が定められておらず、最も軽い刑で6年の懲役刑となっていますので、様々な犯罪について規定する刑法の中において、科される刑罰が大変重い犯罪です。

【強盗致傷罪で起訴された場合】

強盗致傷罪が起訴されると次に示すように通常の公判手続とは異なる点があります。

まず、強盗致傷罪のように法定刑で無期懲役が定められている事件が起訴された場合、その事件は、裁判員裁判の対象になります。
裁判員裁判制度は、職業裁判官と一緒に、国民の中から抽選で選ばれた人が裁判員として裁判に参加して、有罪・無罪の判断、有罪の場合の量刑をどうするかを決める裁判制度です。
裁判員裁判制度においては、量刑を判断にあたっては国民感情が反映されることになりますので、職業裁判官のみによって行われる通常の裁判に比べて、量刑が重くなる傾向があると言われています。

また、裁判員裁判の対象となる事件については、公判が開かれる前に公判前整理手続と呼ばれる手続が行われることになります。
公判前整理手続は、第1回公判期日の前に、裁判所、検察官、弁護人が事件の争点を明確にして、証拠の整理を行い、これからどのように審理を進めていくかという審理計画を作成することを目的とする手続ですが、審理計画の作成に時間がかかってしまい、結果として公判が長引いてしまうおそれがあります。

【強盗致傷罪の弁護活動】

このように強盗致傷罪は法定刑が重く重大な犯罪ですが、被害者に対する示談の有無によって、刑事処罰の可能性を低くする可能性が残されています。
事件を起訴するか否かを決定する権限は検察官にあり、検察官が事件を起訴するか否かの判断をするにあたっては、被害に遭われてしまった方の処罰感情を重視する傾向にあります。
そのため、検察官が起訴不起訴の判断を下すまでに、被害に遭われてしまった方に対して謝罪と被害の回復を行い、示談を締結することができれば、軽い処分となる可能性を高めることができます。

【軽い処分を目指したい方は】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱っている事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、被害者の方との示談交渉により、示談を締結することができ、強盗致傷罪から窃盗罪と傷害罪の2罪に分離させた結果、不起訴処分を獲得した経験のある弁護士が在籍しております。
強盗致傷罪を起こしてしまいお困りの方、強盗致傷罪について少しでも軽い処分を目指したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度御相談下さい。

【報道解説】下着窃盗の常習犯を逮捕

2023-10-18

【報道解説】下着窃盗の常習犯を逮捕

下着窃盗事件の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道】

派遣社員の男性(47歳)は、令和4年6月5日未明に、東京都江戸川区のアパート1階の女性宅にガラスを割って侵入し、下着など24点、9,000円相当を盗んだ疑いで、警視庁葛西警察署に逮捕された。
男性の自宅からは、女性の下着や服が100点以上押収された。
同じような被害は、この女性宅でこれまでも2件、近くのアパート1階の女性宅で4件確認されていて、警視庁は、男性の犯行とみて調べている。
男性は、2021年11月に同じような窃盗の罪で服役を終えて、出所していた。
(令和4年6月7日に配信された「FNNプライムオンライン」より抜粋)

【下着窃盗事件の刑事処罰とは】

下着窃盗事件を起こした場合には、「他人の財物を盗んだ」として窃盗罪に問われるとともに、「他人の住居に不法侵入した」として住居侵入罪に問われるケースが多いです。
住居や庭に不法侵入した場合には「窃盗罪と住居侵入罪」が成立し、他方で、コインランドリー等に不法侵入して下着窃盗事件を起こした場合には「窃盗罪と建造物侵入罪」が成立すると考えられます。

窃盗罪の刑事処罰の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」とされており、住居侵入罪や建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」とされています。
下着窃盗事件の場合には、窃盗罪と住居侵入罪とは、手段と目的の関係にある「牽連犯」に当たることから、成立する犯罪のうち、最も重い犯罪の刑である窃盗罪の法定刑で、刑事処罰を受ける形になります。

・刑法 第235条(窃盗)
「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」
・刑法 第130条(住居侵入等)
「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」

【被害者示談交渉による弁護活動】

下着窃盗事件は、被害者の存在する犯罪であるため、弁護士に示談交渉活動を依頼することで、被害者側に対して、謝罪や被害弁償・慰謝料支払いの意思を伝え、被害者からの許しの意思を含む示談を成立させることが、早期釈放や刑事処罰の軽減のための、重要な弁護活動となります。

下着窃盗事件においては、被害者側が加害者に恐怖心を抱いているケースが多く、加害者やその家族が、直接に被害者側との示談交渉を行うことは、原則として認められないことが多いです。
そこで、刑事事件に強い弁護士が示談交渉を仲介することで、弁護士だけに被害者側の連絡先が伝えられる形での示談交渉を進めることを、被害者側に打診することが、下着窃盗事件の示談解決に向けて必要となります。

まずは、下着窃盗事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

東京都江戸川区の下着窃盗事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【事例解説】ブラックバイトに参加 特殊詐欺未遂で逮捕 

2023-10-14

【事例解説】ブラックバイトに参加 特殊詐欺未遂で逮捕 

埼玉県志木市でブラックバイトに参加して詐欺未遂の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「Aさんは、手軽にできて時給の高いアルバイトをしようと思いSNSで検索したところ、書類の配達のバイトを見つけたので、応募して採用されました。
Aさんは、早速、電話で埼玉県熊谷市にある家に行って偽名を名乗って書類を受け取り、受け取った書類を所定の場所にいる担当者に渡すように指示されました。
Aさんは、この仕事はいわゆる「ブラックバイト」という違法な仕事ではないかと不安になりましたが、仕事を指示者から強く圧力をかけられました。
Aさんは、埼玉県志木市にある家に向かい、呼び鈴を押して偽名を名乗ったところ、家から出てきた埼玉県警朝霞署の警察官に詐欺未遂の現行犯で逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

【気づかない内に特殊詐欺に関わってしまうことがある!】

事例のAさんのように書類の配送・配達のアルバイトだと思ってバイトを始めたころ、書類の受け取りが特殊詐欺などの違法行為(いわゆるブラックバイト)であったため、書類を受け取りに行ったら突然警察に逮捕されたという事件が珍しくありません。
このような特殊詐欺では、被害者の方から書類を受け取る場面が、被害者の方と実際に対面することもあって、警察に逮捕されるリスクが一番高い場面であるといえます。

そのため、特殊詐欺を計画している大元の犯行グループは、書類の受け取り役をグループとは全く関係ないSNSでアルバイトとして募集してきた人物に担わせて、仮に書類の受け取り役が警察に逮捕されても、警察が大元の犯行グループまでたどり着かないように対策を立てています。
こうしたことに気が付かず、簡単にお金を稼ぐことができるアルバイトだと思って書類の受け取りをしてしまうと、詐欺の疑いで警察に逮捕されてしまう場合があります。

【書類を受け取っただけだから罪は軽い?】

刑法60条には「2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。」という規定があります。
これは、2人以上の人が共同して犯罪を実行した人を共同正犯として、他の人が行った行為についても、自分が行ったものとしてその責任を負うということを意味しています。
そのため、詐欺罪の共同正犯になってしまうと、たとえ書類の受け取りしかやっていなくても、他の人が行った嘘の電話をかける行為や最終的に金目の物を受け取る行為といった行為についても自分がやったものとして責任を負うことになります。

書類を受け取ったことで詐欺罪の共同正犯が成立するかは、実際にそのときにどういった認識があったかといった事情も非常に重要になりますので、書類の受け取り役が必ずしも詐欺罪の共同正犯になるという訳ではありません。
ただ、自宅訪問時に偽名を名乗るよう指示されたりと「これってもしかして詐欺じゃないのかな」と思うような事情があれば、詐欺罪の共同正犯が認められやすくなってしまうでしょう。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役刑となっていますので、詐欺罪の共同正犯になると、書類の受け取りしかしていなくても、10年以下の懲役刑が科される場合があります。

なお、事例のAさんは書類を受け取る前に埼玉県警朝霞署の警察官に現行犯逮捕されていますから、実際に書類を受け取ってはいません。
そのため、Aさんには詐欺罪の既遂の共同正犯が成立する可能性はなく、詐欺罪の未遂の共同正犯が成立する可能性があるのみですが、詐欺罪の未遂といっても、法定刑は詐欺罪の既遂の場合と同じで10年以下の懲役刑となっています(ただし、刑法43条によって刑を減軽することができます)。

【ご家族が特殊詐欺で警察に捕まってお困りの方は】

ご家族の中に、特殊詐欺に関わってしまったことで警察に詐欺の疑いで逮捕されてしまった方がいる場合には、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
初回接見によって、弁護士が警察の留置場で拘束されているご家族の方から直接事件についてお話を聞くことができますので、事件の見通しや今後の手続の流れ、弁護士が取ることができる刑事弁護活動などについて知ることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県志木市でご家族が特殊詐欺で警察に捕まってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】業務上横領罪で事件化する前に 示談交渉に強い弁護士

2023-10-10

【報道解説】業務上横領罪で事件化する前に 示談交渉に強い弁護士

埼玉県で業務上横領の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「会社の口座から自身の口座に振り込み入金し、現金を着服したとして、埼玉県警捜査2課と深谷署は1日、業務上横領の疑いで、麺類製造・販売会社元経理担当で自称パート従業員の男(48)=熊谷市拾六間=を逮捕した。」
(令和5年2月2日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)

【意外に罪が重い業務上横領罪】

今回取り上げた報道では、男性が業務上横領罪の疑いで逮捕されています。

業務上横領罪は刑法253条に規定する犯罪で、「業務上自己の占有する他人の物を横領した」場合に成立する犯罪です。
業務上横領罪が成立する場合としては、会社から割り当てられた業務として会社の備品を管理する業務を担っていた人が管理している会社の備品を転売した場合や、経理として会社の口座を管理している人が会社の口座から自分の口座へと送金して会社の資金を着服した場合などが考えられます。

このような業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役刑となっています。
法定刑に罰金が定められていませんので、仮に検察官が業務上横領罪で起訴するという判断をした場合は、略式起訴することができず正式な裁判が開かれることになります。

【業務上横領罪が会社に発覚したら?】

会社の資金を着服してしまったなどの業務上横領罪に当たる行為をしてしまった場合は、弁護士に今後の対応についてご相談されることをお勧めします。
業務上横領罪については、まず最初に会社内部で調査が行われて、調査の結果、会社が業務上横領罪について刑事告訴をしたところで警察などの捜査機関が捜査に乗り出すという流れで刑事事件化することが多いです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部に寄せられる業務上横領の相談事例についても、まず会社側が業務上横領の事実を認識し、横領が疑われている方と会社側で話し合いを行い、横領した金額を返せば、会社側は被害届や刑事告訴を行わないと申し入れるケースが見受けられます。

そのため、業務上横領罪について会社が被害届や刑事告訴する前に、弁護士を通して会社に対して謝罪や横領金額の返金などの示談交渉をして、会社が謝罪と被害の弁済を受け入れてくれるといった形で会社と示談を締結することができれば、警察が業務上横領罪について捜査に乗り出す前に当事者間で事件を解決することができる場合があります。

また、被害を受けた会社側も、少しでも横領された金額が返金されることを望むことが多いので、横領を疑われている方の段階的な財産処分を通じて被害弁償をすることで、事実上の示談が成立することもあり得ます。

このように業務上横領罪を刑事事件化する前に当事者間で示談ができれば業務上横領罪の前科を付けずに事件を解決することができるでしょう。
そのような解決を目指すには、業務上横領罪が会社に発覚してから、少しでも早く弁護士に相談することが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県で業務上横領罪が会社に発覚してお困りの方や、業務上横領罪の前科を付けたくないとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】強盗致傷罪で逮捕 裁判員裁判の手続き

2023-10-06

【報道解説】強盗致傷罪で逮捕 裁判員裁判の手続き

金銭を奪うために加えた暴行によって相手方を怪我をさせたことにより、強盗罪の疑いで逮捕された刑事事件例と裁判員裁判の概要について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「女性になりすましてSNSで呼び出した高校生に暴行を加え、金を奪おうとした疑いで、21歳の男ら2人が逮捕された。
A容疑者(21)らは2022年3月、埼玉県川越市の路上で、男子高校生に『金を出せ』と脅して暴行を加え、けがをさせた疑いが持たれている。
A容疑者らは、SNSで若い女性になりすまし、高校生を呼び出していたという。」
(令和4年5月24日にFNNプライムオンラインにて配信された報道より引用)

【強盗致傷罪とは】

刑法240条は、強盗致傷罪について規定しています。
強盗致傷罪が成立するためには、「強盗が」、強盗の機会に、「人を負傷させた」という要件を充たす必要があります。
引用した報道では詳しい事実関係については明らかとなっていませんが、Aさんが高校生から金銭を奪うために加えた暴行が、高校生の反抗を抑圧する程度の暴行であれば、Aさんは「強盗」に当たることになるでしょう。
そして、そのような強盗の手段として用いられた暴行によって高校生が怪我をしていますので、Aさんは強盗の機会に「人を負傷させた」として強盗致傷罪の疑いで逮捕されたと考えられます。
なお、報道では「金を奪おうとした」との記載にとどまり、実際にAさんが金銭を高校生から奪ったかについては定かではありませんが、仮にAさんが金銭を奪っていなくとも、金銭を奪うために用いた暴行によって相手方を怪我をさせたのであれば、刑法243条が定める未遂罪は成立することはなく、強盗致傷罪の既遂が成立することになります。

強盗致傷罪の法定刑は、無期又は6年以上の懲役刑で、罰金刑が定められておらず、最も軽い刑で6年の懲役刑となっていますので、様々な犯罪について規定する刑法の中において、科される刑罰が大変重い犯罪です。

【強盗致傷罪で起訴された場合】

強盗致傷罪が起訴されると次に示すように通常の公判手続とは異なる点があります。

まず、強盗致傷罪のように法定刑で無期懲役が定められている事件が起訴された場合、その事件は、裁判員裁判の対象になります。
裁判員裁判制度は、職業裁判官と一緒に、国民の中から抽選で選ばれた人が裁判員として裁判に参加して、有罪・無罪の判断、有罪の場合の量刑をどうするかを決める裁判制度です。
裁判員裁判制度においては、量刑を判断にあたっては国民感情が反映されることになりますので、職業裁判官のみによって行われる通常の裁判に比べて、量刑が重くなる傾向があると言われています。

また、裁判員裁判の対象となる事件については、公判が開かれる前に公判前整理手続と呼ばれる手続が行われることになります。
公判前整理手続は、第1回公判期日の前に、裁判所、検察官、弁護人が事件の争点を明確にして、証拠の整理を行い、これからどのように審理を進めていくかという審理計画を作成することを目的とする手続ですが、審理計画の作成に時間がかかってしまい、結果として公判が長引いてしまうおそれがあります。

【強盗致傷罪の弁護活動】

このように強盗致傷罪は法定刑が重く重大な犯罪ですが、被害者に対する示談の有無によって、刑事処罰の可能性を低くする可能性が残されています。
事件を起訴するか否かを決定する権限は検察官にあり、検察官が事件を起訴するか否かの判断をするにあたっては、被害に遭われてしまった方の処罰感情を重視する傾向にあります。
そのため、検察官が起訴不起訴の判断を下すまでに、被害に遭われてしまった方に対して謝罪と被害の回復を行い、示談を締結することができれば、軽い処分となる可能性を高めることができます。

【軽い処分を目指したい方は】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱っている事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、被害者の方との示談交渉により、示談を締結することができ、強盗致傷罪から窃盗罪と傷害罪の2罪に分離させた結果、不起訴処分を獲得した経験のある弁護士が在籍しております。
強盗致傷罪を起こしてしまいお困りの方、強盗致傷罪について少しでも軽い処分を目指したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度御相談下さい。

【報道解説】チケット転売で逮捕 チケット不正転売禁止法違反の弁護活動

2023-09-12

【報道解説】チケット転売で逮捕 チケット不正転売禁止法違反の弁護活動

埼玉県のチケット不正転売禁止法違反事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本戦の観戦チケットを定価の4倍の高値で転売したとして、埼玉県警は、無職の男(25)と会社員の女(24)をチケット不正転売禁止法違反容疑で逮捕したと発表した。
埼玉県警の発表によると、2人は昨年11月、今年3月にいずれも東京ドームで行われた豪州戦の外野指定席(6000円)3枚と、イタリア戦の外野指定席(7000円)2枚の計5枚を転売サイトを通じて都内の30~40歳代の男女2人に計13万円で不正に転売した疑い。
調べに2人とも容疑を認め、男は「自分は野球ファンで、全国に観戦に行く際の宿泊費などに充てるためだった」と供述している。
(令和5年4月21日の「読売新聞オンライン」の記事を元に、事実を一部変更したフィクションです。)

【チケット不正転売禁止法の立法趣旨】

市場価値のある商品の転売については、自由市場経済の側面から、転売は市場の需要に合致した価格に調整する機能があるとして、「転売」を肯定する意見も一部で存在します。

しかし、いわゆる「転売ヤー(転売屋)」と呼ばれる業者は、希少価値の高いチケットを転売目的で大量に購入し、オークションサイトなどを利用して高額で販売しても、興行主や出演者などにとって何の利益もありません。

また、本当にチケットを必要としている消費者にとって、定価を超えた高額な代金を払うことは、大きな負担となります。
定価の価格でチケットを購入していたら、何度もコンサートやイベントなどへ行ったり、会場で販売されているタオルやTシャツなどのグッズを買ったりできたかもしれません。

これまでチケットの転売は、「ダフ屋行為」として各都道府県の迷惑防止条例で取り締られてきました。
しかし迷惑行為防止条例では、インターネット上での売買には適用できないため、そういった「ダフ屋行為」に加え、インターネット上でのチケットの不当な高額転売等を禁止するため、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(通称「チケット不正転売禁止法」)が、2019年6月14日に施行されました。
(政府広報オンラインより一部引用)

【「特定興行入場券の不正転売」とは?】

チケット不正転売禁止法3条では、「何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。」と規定しています。
この規定に違反すると、チケット不正転売禁止法9条1項によって、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は両方の刑が併せて科される可能性があります。

チケット不正転売禁止法で処罰対象となる「特定興行入場券の不正転売」は、「興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの(チケット不正転売禁止法3条4項)」となっています。
つまり、プロ野球やコンサートのチケットのような「特定興行入場券」を興行主の事前の同意なく、反復継続して、定価を超える価格で転売する行為を刑事罰の対象にしているということです。

【チケット不正転売禁止法違反のでお悩みの方は】

施行からまだ数年しかたっていない法律ですが、大型イベント等で国内需要が高まった時期には、チケット不正転売禁止法違反で逮捕者が出たと報道されるようになりつつあります。
例えば、令和2年8月27日に大阪地方裁判所では、チケット不正転売禁止法と有印私文書偽造・同行使の成立を認めて、懲役1年6月(執行猶予3年)、罰金30万円の有罪判決が出されています。

このように実際にチケット不正転売禁止法違反違反で検挙・有罪とされた事例がありますでので、チケット不正転売禁止法違反違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は、いち早く弁護士に相談して、今後の対応などについてアドバイスをもらうことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県内でチケット不正転売禁止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【事例解説】埼玉県で集団窃盗で逮捕

2023-08-31

【事例解説】埼玉県で集団窃盗で逮捕

埼玉県や関東全域で広く集団窃盗を繰り返した疑いで、窃盗罪等で逮捕された事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

寺院を狙った盗みを繰り返したとして、埼玉県警は25日までに、窃盗罪などの疑いで自称埼玉県熊谷市、無職のA男(26)ら男3人を逮捕した。
他の逮捕者はブラジル国籍の群馬県太田市生まれ、住所不定、無職のB男(22)、前橋市生まれ、住所不定、無職のC男(28)の両容疑者。
県警は3人が広域窃盗団の実行役とみており組織の全容解明を進める。
3人の逮捕容疑は、2月24日、埼玉県さいたま市内の寺院に忍び込んで現金約21万円などを盗んだのをはじめ、単独または複数で犯行を重ねて6月下旬までに関東全域で計9カ所の寺院に侵入、計約38万円と軽乗用車(30万円相当)などを盗んだ疑い。
認否を明らかにしていない。
被害届を受けた埼玉県警が防犯カメラの映像などから3人の容疑を固めた。
埼玉県警によると、寺院での被害は今年2月以降、県内の3件を含め、関東地方を中心に計33件確認されており、余罪の可能性で捜査を進めている。
(令和5年8月25日の山陽新聞DIGITALの記事を元に、事実を一部変更したフィクションです)

【集団窃盗の罪の重さ】

上記刑事事件では、複数の財産犯罪が成立していたことが示唆されていますが、第一に窃盗罪の疑いで逮捕に至ったとされています。

刑法第235条によれば、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」とされています。

窃盗罪のような財産犯罪は、犯罪の成立がすなわち犯罪者の経済的利益につながるため、犯行を重ねる可能性が高く、同種余罪が多数立件されることがしばしば見受けられます。
もちろん、窃盗罪による損失が大きければ大きいほど捜査機関は悪質な犯行であると考え、法定刑の中でもより罪が重くなる可能性が高まります。

また、犯行態様についていえば、一人で犯行を行うことに比べ、複数名で組織的に窃盗を行うことは、役割分担を定め、より機能的に窃盗行為を円滑に行うためであることから、通常の単独の窃盗犯に比べて、非常に悪質な犯行とみなされます。

【集団窃盗の逮捕・勾留手続き】

集団窃盗のように通常の窃盗罪の中でも悪質で、特に余罪が多数見込まれる組織的な犯行グループについては、捜査機関は逮捕に向けて組織的かつ精力的に刑事責任を追及すべく捜査を進めます。

そのため、被疑者らが逮捕された場合、きわめて高い確率で勾留(逮捕に引き続き最大10日間の身体拘束をすること)手続きに移り、裁判所もこのような悪質な組織的犯罪については勾留を広く認める傾向が強いです。
また、勾留には最大10日間の延長もあるため、1つの罪について、最大20日間の身体拘束がなされることが実務上多いです。
また、その後、別の窃盗事実が立件されるたびに、別件逮捕(再逮捕)、そして勾留(再勾留)が繰り返される結果、余罪が発覚するたびに約20日の身体拘束が延々と繰り返されることも珍しくありません。

さらに、このような集団犯罪では、留置所内での口裏合わせ等による証拠隠滅(罪証隠滅)防止の観点から、共犯者らは別々の留置所に収容されたり、家族の方を含む一般の方との面会(接見)が禁止されること(接見禁止命令)も極めて多いです。

【集団窃盗の刑事弁護】

事例のように、もしご家族やご友人が集団窃盗に加わって逮捕された場合は、いち早く弁護士に依頼して、被疑者の方が逮捕されて留置されている警察署に接見に行ってもらうことが重要です。

上記のとおり、集団窃盗で逮捕・勾留された場合、裁判所が接見禁止命令を下した結果、家族の方の面会が許されなくなることが予想されますので、弁護士を介さなければ被疑者の方との意思疎通を取ることは原則不可能となります。
疑われている被疑事実に対して、被疑者の方がどのように認識し、事実を認めるのか否認するのか、あるいは一部を認めるのか、謝罪と被害弁償を進めたいのか等の意思確認を行わなければ、弁護活動の第一歩を進めることはできません。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、埼玉県や北関東のみならず、日本全国に展開する、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県内で発生した集団窃盗罪で家族が逮捕されて、どうしたら良いか分からずお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部のご利用をご検討ください。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 無料相談予約はこちら LINE予約はこちら