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【報道解説】埼玉県さいたま市大宮の客引き事件で逮捕

2024-05-14

【報道解説】埼玉県さいたま市大宮の客引き事件で逮捕

風俗営業法違反の客引き行為の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

警戒中の私服警察官に客引き行為をしたとして、埼玉県警大宮警察署などは、令和6年4月22日に、風営法違反の疑いで、さいたま市大宮区で風俗店を経営する男性(30歳)を逮捕した。
逮捕容疑は4月3日午後9時半頃に、さいたま市大宮区の歓楽街で、私服姿で警戒していた警察官に「この後、どこか決まってますか?」「よかったら泣きの一軒ないっすか」などと声をかけ、客引きした疑い。
大宮警察署の取調べに対して、男性は容疑を認めているという。
(令和6年4月22日に配信された「神戸新聞NEXT」より、場所等の事実を変更したフィクションです。)

【風俗営業法違反の客引き行為の刑事処罰とは】

風俗営業の客となるように客引きをしたり、客引きのために道路上などで、人の身辺に立ちふさがったり、つきまとったりした場合には、風俗営業法違反の客引き行為に当たるとして、刑事処罰を受けるおそれがあります。
風俗営業法違反の客引き行為の刑事罰は、「6月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は併科」とされています。

・風俗営業法 第22条1項(禁止行為等)
「風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない。
一 当該営業に関し客引きをすること。
二 当該営業に関し客引きをするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、又はつきまとうこと。(三号以下略)」

【略式裁判の罰金刑とは】

刑事処罰の量刑判断は、その人の過去の前科前歴の有無によって、大きく影響されます。
前科前歴が無くて初犯であるような客引き事件のケースでは、略式裁判の罰金刑となる可能性が考えられます。

略式裁判とは、刑事事件において公判を行わず、略式命令という簡易な方法による罰金刑を科す手続のことをいいます。
検察官が公訴提起と同時に略式命令を請求し(略式起訴)、請求を受けた簡易裁判所は、公判が行われる前に略式命令で、100万円以下の罰金又は科料を科すことができます。

略式命令を出すためには、①簡易裁判所の管轄に属する事件であること、②100万円以下の罰金又は科料を科しうる事件であること、③被疑者の異議がないことの確認、が要件となります。

・刑事訴訟法 465条
「略式命令を受けた者又は検察官は、その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる」

略式命令を受けた者は、その起訴事実が真実と異なると感じた場合などには、略式命令の告知を受けた日から14日以内であれば、正式裁判の請求をすることができます。

【罰金が予想される犯罪の刑事弁護】

略式命令に不服がある方からの依頼を受けた弁護士は、もし正式裁判となった場合の事件の見通しについてアドバイスをさせていただくとともに、依頼者が正式裁判を望むのであれば、正式裁判における主張・立証方法を検討し、無罪判決の獲得あるいは量刑の減軽に向けた弁護活動に尽力いたします。

まずは、客引き事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県さいたま市大宮の客引き事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】埼玉県熊谷市の不同意性交等事件で逮捕

2024-05-10

【報道解説】埼玉県熊谷市の不同意性交等事件で逮捕

不同意性交等罪などで逮捕された刑事事件の弁護士面会や家族面会について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

ネットで知り合った女子中高生3人にわいせつな行為をしたり、わいせつな写真や動画を撮影、送信させたりしたとして、埼玉県警少年課と埼玉県熊谷警察署は令和6年4月24日までに、不同意性交や不同意わいせつ、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)などの疑いで、住所不定無職の男性(35歳)を逮捕、送検し、捜査を終えた。
逮捕、送検容疑は、昨年7~10月に、チャットアプリで知り合った埼玉県内の当時中学2年生(13歳)と当時高校2年生(17歳)、当時高校1年生(15歳)に、体を触るなどのわいせつな行為をしたり、わいせつな写真や動画を撮らせて送信させたりした疑い。
男性は、いずれも否認しているという。
熊谷警察署によると、昨年10月14日午後1時20分頃に、通行人の女性から「成人の男が少女を連れてカラオケボックスに入っていった」と熊谷駅近くの交番に届け出があり、同署員が職務質問すると、男が「抱きついた」などと話したため、現行犯逮捕した。
男性のスマートフォンとUSBメモリーからは、数万点のわいせつな写真や動画が見つかったという。
(令和6年4月24日に配信された「神戸新聞NEXT」を参考に、事件場所等の事実を変更したフィクションです。)

【逮捕直後の弁護士接見】

性犯罪などの刑事事件を起こして逮捕された場合には、逮捕されてから2、3日以内に、さらに10日間の身柄拘束(勾留)をするかどうかが判断されます。
逮捕直後に弁護士を依頼することで、弁護士が逮捕されている人と留置場で接見(面会)して、事件のことを相談して、警察取調べの供述対応などを早期に検討することが重要になります。

また、逮捕直後に弁護士を依頼することで、弁護士の側より早期釈放の働きかけをすることも重要となります。
逮捕されている人に、逃亡のおそれが無い事情や、証拠隠滅のおそれがない事情、再犯を起こすおそれがない事情、家族が被疑者本人をしっかり監視監督できる事情などを、弁護士が裁判官、検察官に対して主張することで、身柄解放に向けた弁護活動に尽力いたします。

【ご家族の方との一般面会】

被疑者本人が逮捕されてから、勾留が決まるまでの2、3日間は、弁護士以外のご家族の方が被疑者本人と面会することは、法律上の規定がないことから、困難なものとなります。

逮捕から2、3日後に、被疑者本人が勾留されることが決まれば、勾留中(原則10日間、勾留延長されれば20日間)に、ご家族の方は制限付きで本人と面会することができます。
この場合の制限付き面会というのは、①平日の面会受付時間内に限り、②警察署の係員の立会いのもとで、③20分程度の時間的制限、となります。

もし、逮捕された人に「接見禁止の処分」が付された場合には、弁護士以外のご家族の方は、一切面会ができなくなります。
接見禁止の処分とは、逮捕された人に逃亡または証拠隠滅のおそれがあると判断された場合に、検察官の請求または職権により、裁判所により付されるものです。
逮捕された人が、事件の容疑を否認しているような場合には、接見禁止が付くケースが多くなります。

【弁護士との自由な接見・面会】

逮捕された人にとって、弁護士と連絡を取ることは、その後の訴訟における防御活動を行うために必要であるとして、弁護士との接見交通権が認められています。
弁護士であれば面会の制限はなく、①いつでも、逮捕されてからすぐにでも、②警察署の係員の立会い無しで、③長時間の面会をすることができます。
ご家族の方から本人への伝言を、弁護士を通じて伝えることができますし、本人からの伝言をご家族の方に伝えることも可能です。

まずは、不同意性交等事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

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【報道解説】女性に抱きついて暴行罪で逮捕

2024-05-06

【報道解説】女性に抱きついて暴行罪で逮捕

面識の無い女性に背後から抱きついたとして暴行罪の疑いで男性が逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「埼玉県羽生警察署は2日、暴行の疑いで、住所不定、無職の男を逮捕した。
逮捕容疑は、1日午後2時40分ごろ、埼玉県羽生市のショッピングモール内で従業員の女性Vに背後から抱きついた疑い。
調べに対し『ハグしただけで暴行はしていない』と供述し、容疑を否認している
署によると、エレベーターには2人しかおらず、面識はなかったという。」
(令和4年10月2日にカナコロ:神奈川新聞社で配信された報道より、事実を変更したフィクションです。)

【抱きつきは暴行罪になる?】

今回取りあげた報道では、逮捕された男性が警察の取り調べにおいて「ハグをしただけで暴行はしていない」と供述しているようです。
刑法208条が規定する暴行罪は、殴る蹴るなどの暴力行為をした場合に成立する犯罪だと思われている方がいるかもしれませんが、後ろから女性に抱きつく(ハグをする)行為は暴行罪に当たる行為になりますので、逮捕された男性には暴行罪が成立する可能性が高いと言えます。
ちなみに、暴行罪の法定刑は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金、又は拘留若しくは科料となっています。

【抱きつきは不同意わいせつ罪になる?】

報道を読んだ方の中には、抱きつく(ハグをする)行為は刑法176条の不同意わいせつ罪ではないのかと思われた方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、見知らぬ女性に抱きつく(ハグをする)という行為は、場合によっては不同意わいせつ罪や、その未遂罪が成立する可能性があります。

令和5年7月13日の刑法改正によって、以前は「強制わいせつ罪」とされていた罪が「不同意わいせつ罪」と改定されました。

不同意わいせつ罪とは、次に掲げる行為や事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をすることを処罰するとしています。
具体的な行為や事由として、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害を生じさせること等」、「アルコールやは薬物を摂取等」、「睡眠その他の意識が明瞭でない状態の利用」、「同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがない」、「予想と異なる事態に直面させて恐怖・驚愕させること」、「虐待に起因する心理的反応」、「経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益」の8項目が列挙されています。

不同意わいせつ罪が成立すると、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑が科されます。

そのため、被害者の反抗を著しく困難にする程度に抱きついたという場合は刑法176条の不同意わいせつ罪における「暴行」に当たることになりますので、そうして抱きついた上で、被害者の胸や下半身をまさぐったり、無理やりキスをしたりなどのわいせつな行為をした場合には、不同意わいせつ罪が成立する可能性が高いと考えられます。

このように、抱きつき行為が具体的にどのような態様であったのか、抱きついた後に被害者に対して行った行為がどのようなものであったか、どのような目的で抱きついたのか等の事情によっては、不同意わいせつ罪や未遂罪が成立する可能性があります。

【暴行の疑いで刑事事件化したら】

取り上げた報道では、男性は暴行の疑いで逮捕されていますが、男性が女性に背後から抱きついたという事件ですので、今後の捜査では、男性が女性にわいせつな目的で抱きついたのか、抱きついた際に女性の身体のどこを触ったのかなどの抱きつき行為をしたときの具体的な状況などが詳しく捜査されることが予想されます。
抱きつき行為の目的や、その具体的な状況次第によっては、暴行事件ではなく、不同意わいせつ事件や未遂事件として手続きが進んでいく場合もあり得ます。

先ほど説明した暴行罪と不同意わいせつ罪の法定刑を比べるとわかるように、不同意わいせつ罪の法定刑には罰金が定められていませんので、仮に検察官が事件を不同意わいせつ事件として起訴した場合に必ず正式な裁判が開かれることになります。
従って、暴行罪よりも不同意わいせつ罪のほうが重い犯罪であるといえますので、事件が暴行事件として処理されるのか、不同意わいせつ事件として処理されるのかはその後の手続が大きく異なる可能性があります。

そのため警察の取り調べにおいては、取り調べを担当する警察官の誘導に引っかかって、抱きつき行為が不同意わいせつ罪に当たるようなものであったと虚偽の自白してしまわないよう、取調べには十分注意して臨む必要があります。
警察署の取調室という密室で、取調べのプロである警察官を相手に虚偽の自白を行わないようにするためには、事前に弁護士に相談して警察での取調べ等の対応についてアドバイスを得ておくことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
ハグをしたことにより暴行罪や不同意わいせつ罪等の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県蕨市のデリヘル盗撮事件で示談解決

2024-05-02

【報道解説】埼玉県蕨市のデリヘル盗撮事件で示談解決

デリヘル盗撮事件の示談解決について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

埼玉県さいたま市水道事業管理者と市は、令和6年3月28日に、盗撮行為などをしたとして、地方公務員法に基づき、水道局の男性課長(56歳)を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。
水道局の課長は、1月6日午後3時ごろ、蕨市内のホテルで、派遣型風俗店の女性を呼び出し、ハンディーカメラを設置して隠し撮りした。
女性がカメラに気付いて通報し、埼玉県蕨警察署に性的姿態等撮影容疑で逮捕された。
女性との示談が成立し、同16日に釈放され、翌日に不起訴処分となった。
(令和6年3月29日に配信された「埼玉新聞」より抜粋)

【デリヘル盗撮事件の刑事処罰とは】

派遣型風俗店のサービスを利用中に盗撮事件を起こした場合には、性的姿態撮影等処罰法の「性的姿態等撮影罪」や、各都道府県の迷惑防止条例違反の「盗撮罪」に当たるとして、刑事処罰を受けるケースが考えられます。

性的姿態撮影等処罰法は、令和5年7月に新しく施行され、盗撮行為を処罰する規定が置かれています。
性的姿態等撮影罪の法定刑は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」とされています。

・性的姿態撮影等処罰法 2条1項1号
「正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(略)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(略)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(略)又は人が身に着けている下着(略)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(略)がされている間における人の姿態」

【示談成立による不起訴処分に向けた弁護活動】

不起訴処分を得て前科を回避するためには、検察官が起訴・不起訴の判断をする前の、できるだけ早い段階において、刑事弁護の依頼を受けた弁護士が、警察の取調べ対応や被害者側との示談交渉対応などの弁護活動を開始していることが重要となります。

被疑者が逮捕・勾留されている事件であれば、勾留期間(原則10日間、勾留延長により20日間)が終わった時点で、検察官による起訴・不起訴の判断がなされるため、逮捕前や逮捕直後から弁護士に法律相談をして、不起訴処分の獲得に向けた取り組みを、前もって進めておくことが必要となります。

盗撮事件では、被害者側が加害者に対する恐怖心を持っていることから、警察も当事者間同士の直接の示談交渉を認めないケースが多いです。
示談成立による不起訴処分の獲得を目指すためには、弁護士に依頼をして、弁護士が被害者との間を仲介する形での示談交渉を行う必要があります。

まずは、デリヘル盗撮事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県蕨市のデリヘル盗撮事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】児童買春で公務員を逮捕

2024-04-28

【報道解説】児童買春で公務員を逮捕

女子高生に2万円を渡してわいせつな行為をしたとして消防士の公務員男性が児童買春で逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「女子高生に現金2万円を渡してわいせつな行為をした疑いで、埼玉県さいたま市の消防士の男が逮捕されました。
児童買春の疑いで逮捕されたのは、さいたま市大宮区の消防士・A容疑者(36)です。
大宮警察署によりますと、A容疑者は今年4月、さいたま市内のホテルで17歳の女子高生に現金2万円を渡してわいせつな行為をした疑いが持たれています。
別の児童買春事件をめぐって警察が女子高生の携帯電話を調べたところ、A容疑者の関与が浮上。
2人はSNSを通じて知り合ったということです。
A容疑者は『未成年であることは分かっていた』と容疑を認めています。」

(令和4年11月21日にテレビ西日本で配信された報道より、事実を変更したフィクションです。)

【児童買春の罪】

今回取り上げた報道は、成人男性が17歳の女子高生に対して現金2万円を支払ってわいせつな行為をしたとして児童買春の疑いで警察に逮捕されたというものです。
こうした18歳未満の児童に対して、現金などの対償を渡して性交等をすると「児童買春」に当たることになります(児童買春・児童ポルノ禁止法2条2項参照)。

児童買春にあたるためには、児童に対して「性交等」を行うことが必要になりますが、「等」という文字がついていますので、「性交等」には性交以外にも、口淫や手淫といった性交類似行為をした場合や、自分の性的好奇心を満たす目的で児童の性器・肛門・乳首を触ったり、逆に自分の性器・肛門・乳首を児童に触らせたりした場合も含まれています。

また、児童に対して性交等の対償として渡すものには現金以外にも、児童にアクセサリーなどのプレゼントをしたり、食事をご馳走したりして性交等を行った場合にも児童買春に当たると考えられています。
さらに、このような対償を性交等の相手となる児童本人に渡した場合以外にも、児童との性交等を取り持った(周旋した)人や、児童の保護者、現在児童を支配下に置いている人に渡して児童と性交等をした場合にも児童買春に当たることになります。
なお、性交等の対償は実際に相手に渡していなくても、対償を渡す約束をして性交等に及んだ場合にも児童買春に当たります。

このような児童買春行為をしてしまうと、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科される可能性があります(児童買春・児童ポルノ禁止法4条)。

【歯科医師免許を持つ人に前科がついてしまうと?】

消防官は原則として市町村の職員であり、身分としては地方公務員になります。

地方公務員は、その権利や義務について、地方公務員法の規制を受けます。
地方公務員の場合は、地方公務員法第29条1項で、懲戒処分の対象となる行為が定められています。

地方公務員法第29条では、主に「各種特定の法令に違反した場合」、「職務上の義務に違反したり職務を怠つた場合」、「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」等に、懲戒処分として「戒告」、「減給」、「停職」又は「免職」の処分をすることができるとしています。
処分の程度が軽い順に、「戒告」「減給」「停職」「免職」の4種類となります。

公務員の「職員の懲戒処分等に関する規程」によれば、「18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員」に対しては、その内容を考慮して、「免職」又は「停職」となると規定されています。

つまり、地方公務員である消防士が児童買春や児童淫行を行ったことで前科がついてしまうと、「免職」処分によって仕事を辞めざるを得なくなったり、あるいは「停職」処分によって、現在の社会的立場に非常に大きな不利益を被る可能性があり得ます。
そのため、地方公務員の仕事への影響を抑えるためには、児童買春・児童淫行について起訴を回避する(不起訴となる)ことが必要になるでしょう。

余罪や前科の有無などにもよりますが、不起訴を獲得するためには検察官が起訴の決定をする前に、児童買春の被害者である児童の保護者の方と示談をすることが非常に重要になります。
そのため、児童買春について前科がつくことを避けたいとお考えの方は、弁護士に児童買春の事件について相談して、被害者の保護者の方との示談を依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
児童買春について前科が付くことを避けたいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県さいたま市大宮駅の電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕

2024-04-24

【報道解説】埼玉県さいたま市大宮駅の電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕

電車トラブルによる傷害罪の刑事事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道解説】

埼玉県在住の会社員男性A(25歳)は、会社帰りのJR埼京線の電車内で、同じ車両にいた会社員V(40歳)の顔を殴って鼻骨骨折させたとして、傷害罪の疑いで現行犯逮捕されました。
埼玉県警大宮警察署の調べでは、Aは電車内で座り込んでいたところ、Vに「電車内で座るな、邪魔だ」と言われ逆上し、Vに暴行を加えたとのことで、Aは逮捕容疑を認めている模様です。
(令和4年6月23日の神奈川新聞「カナコロ」の記事をもとに、事実を変更したフィクションです。)

【傷害罪とは】

傷害罪は刑法第204条に規定されています。
傷害罪は、「人の身体を傷害した」場合に成立し、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科されます。

刑法に規定する暴力犯罪において、傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯と言われています。
つまり、暴行罪は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」に成立し、その結果「人の身体を傷害した」場合に傷害罪が成立することになります。

ここで言う「暴行」とは、「人の身体に対する不法な有形力の行使」とされており、上記刑事事件例のように、人の顔を殴るという行為は、明確に「暴行」に該当し、その結果鼻骨骨折という傷害の結果が生じているため、傷害罪が成立することになります。

【電車トラブルから発展した傷害罪】

本来、犯罪行為が行われたからといって、すべての犯罪を警察が逮捕権を行使する訳ではありません。
警察は、逮捕のような強制処分ではなく任意の方法で捜査を進めることが原則とされており、逮捕が必要な場合には、裁判所が逮捕を必要と判断し、逮捕を許可して逮捕状を発行することが必要とされています(通常逮捕)。

しかし、上記刑事事件例のように、電車トラブルによる傷害罪という事案では、多くの人の目の前で傷害罪という犯罪が行われるため、逮捕状の発行を必要としない「現行犯逮捕」される可能性が非常に高いと言えます。
電車トラブルによる傷害罪で現行犯逮捕されてしまうと、そのまま警察の留置場で身柄を拘束されることになるため、それ以後、会社や学校に行けなくなる等の社会的不利益が生じます。

【傷害罪の刑事弁護活動】

そのため、電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕された場合、まずは早期に身柄を解放してほしいというニーズが考えられます。

被疑者が逮捕されると、警察は事件を検察官に送致します。
検察官は、逮捕に引き続いて被疑者の身柄を最大10日間拘束する「勾留」の必要の有無を判断し、検察官が勾留請求してこれを裁判所が認めると勾留が決定していまいます。
さらに勾留の満期において、さらに最大10日間の勾留延長が可能であるため、被疑者は最大20日間勾留されることもあり得ます。

これだけ長期間身柄が拘束されると、会社を解雇されたり、会社を辞職せざるを得なくなったり、その他重い懲戒処分を受けたり、様々な生活に支障をきたすことになるでしょう。
このような逮捕事案では、逮捕された段階ですぐに刑事事件の経験豊富な弁護士に弁護を依頼し、勾留が決定されることを回避する活動をしてもらうことで、早期に身柄が解放できるよう手を打つことをお勧めします。

【傷害罪の刑事弁護活動】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪等の逮捕事案を数多く受任し、勾留阻止のための活動を数多く経験し、勾留阻止による早期釈放の実績を多数挙げております。
電車トラブルの傷害罪で逮捕されお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。

【報道解説】業務上横領罪で事件化する前に 示談交渉に強い弁護士

2024-04-20

【報道解説】業務上横領罪で事件化する前に 示談交渉に強い弁護士

埼玉県で業務上横領の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「会社の口座から自身の口座に振り込み入金し、現金を着服したとして、埼玉県警捜査2課と深谷署は1日、業務上横領の疑いで、麺類製造・販売会社元経理担当で自称パート従業員の男(48)=熊谷市拾六間=を逮捕した。」
(令和5年2月2日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)

【意外に罪が重い業務上横領罪】

今回取り上げた報道では、男性が業務上横領罪の疑いで逮捕されています。

業務上横領罪は刑法253条に規定する犯罪で、「業務上自己の占有する他人の物を横領した」場合に成立する犯罪です。
業務上横領罪が成立する場合としては、会社から割り当てられた業務として会社の備品を管理する業務を担っていた人が管理している会社の備品を転売した場合や、経理として会社の口座を管理している人が会社の口座から自分の口座へと送金して会社の資金を着服した場合などが考えられます。

このような業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役刑となっています。
法定刑に罰金が定められていませんので、仮に検察官が業務上横領罪で起訴するという判断をした場合は、略式起訴することができず正式な裁判が開かれることになります。

【業務上横領罪が会社に発覚したら?】

会社の資金を着服してしまったなどの業務上横領罪に当たる行為をしてしまった場合は、弁護士に今後の対応についてご相談されることをお勧めします。
業務上横領罪については、まず最初に会社内部で調査が行われて、調査の結果、会社が業務上横領罪について刑事告訴をしたところで警察などの捜査機関が捜査に乗り出すという流れで刑事事件化することが多いです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部に寄せられる業務上横領の相談事例についても、まず会社側が業務上横領の事実を認識し、横領が疑われている方と会社側で話し合いを行い、横領した金額を返せば、会社側は被害届や刑事告訴を行わないと申し入れるケースが見受けられます。

そのため、業務上横領罪について会社が被害届や刑事告訴する前に、弁護士を通して会社に対して謝罪や横領金額の返金などの示談交渉をして、会社が謝罪と被害の弁済を受け入れてくれるといった形で会社と示談を締結することができれば、警察が業務上横領罪について捜査に乗り出す前に当事者間で事件を解決することができる場合があります。

また、被害を受けた会社側も、少しでも横領された金額が返金されることを望むことが多いので、横領を疑われている方の段階的な財産処分を通じて被害弁償をすることで、事実上の示談が成立することもあり得ます。

このように業務上横領罪を刑事事件化する前に当事者間で示談ができれば業務上横領罪の前科を付けずに事件を解決することができるでしょう。
そのような解決を目指すには、業務上横領罪が会社に発覚してから、少しでも早く弁護士に相談することが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県で業務上横領罪が会社に発覚してお困りの方や、業務上横領罪の前科を付けたくないとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】公然わいせつ罪の誤認逮捕事件

2024-04-16

【報道解説】公然わいせつ罪の誤認逮捕事件

公然わいせつ罪の誤認逮捕事件の報道を例に、刑事手続きと弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道事例】

埼玉県大宮警察署は、令和6年2月17日に、公然わいせつの疑いで逮捕したさいたま市の自営業の男性(45歳)が誤認逮捕だったと発表した。
大宮警察署によると、今月11日に、さいたま市大宮区の大宮駅付近の商業施設で保安員から「男が下半身を露出しているのを目撃した」と通報があった。
防犯カメラの映像や車の特徴などから45歳の自営業の男性が浮上し、警察は17日朝、公然わいせつの疑いでこの男性を逮捕した。
その後の捜査で、当時男性は埼玉県内の別の場所で仕事をしていて誤認逮捕だったことが分かり、男性は逮捕から約9時間後に釈放された。

(令和6年2月17日に配信された「FBS福岡放送」の記事を元に、犯行場所や管轄捜査機関等の事実を変更したフィクションです。)
(上記日付において埼玉県大宮警察署で誤認逮捕事件は発生しておりませんのでご留意ください。)

【公然わいせつ罪の刑事処罰とは】

公衆の場で裸になる等の露出行為をした場合には、公然わいせつ罪に当たるとして、刑事処罰を受けます。
公然わいせつ罪の法定刑は、「6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」とされています。

・刑法 174条(公然わいせつ)
「公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」

【誤認逮捕事件の弁護活動】

通常の逮捕手続きでは、あらかじめ捜査機関側が、被疑者や被疑事実が書かれた逮捕状を、令状裁判官に請求します。
そして、実際に逮捕する際に必要な手続きとして、逮捕される者に対して、その逮捕状を示さなければなりません。
逮捕される当人は、逮捕状が提示されたときに、自分にどのような容疑がかけられているかを知ることができます。

自分の身に覚えのない容疑で、誤認逮捕されてしまった場合には、逮捕されて取調べを受けている警察署に弁護士を呼び、弁護士に無実であることを伝えて、今後の警察取調べ対応を相談しましょう。
あるいは、逮捕を知ったご家族の方が、弁護士事務所に相談電話をして、逮捕されている警察署での弁護士接見(面会)を依頼することもできます。

弁護士に無実の誤認逮捕である事情を伝えた上で、刑事弁護活動を依頼した場合には、弁護士は被疑者の釈放に向けて、すみやかに裁判所や検察官に対して働きかけるなど、無実主張と早期釈放に向けた適切な弁護活動を行うことになります。

警察の捜査員は取調べのプロであり、被疑者が自分は無実であると主張しても、厳しい取調べの過程において、精神的に追い詰められていく可能性が考えられます。
取調べ中の被疑者が、「一時的に楽になれるなら」と、つい投げやりな気持ちになって、嘘の自白をしてしまわないとも限りません。
そうなる前に、少しでも早く弁護士に依頼をして、警察署での弁護士接見(面会)をご依頼ください。
警察取調べの対処方法や、釈放に向けた事件の見通しなどを、刑事事件に強い弁護士が誠心誠意アドバイスいたします。

まずは、公然わいせつ誤認逮捕事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県内での公然わいせつ等の性犯罪の誤認逮捕事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【事例解説】窃盗罪を複数回行った場合、窃盗の前科・前歴が複数ある場合

2024-04-12

【事例解説】窃盗罪を複数回行った場合、窃盗の前科・前歴が複数ある場合

埼玉県越谷市の窃盗事件を例に、複数回窃盗罪行ったことがあったり、窃盗罪の前科がある場合における刑事手続きの見込みについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「埼玉県越谷市に住むAさん(50代)は、近所のスーパーマーケットで数点の食料品を商品棚から直接自分のカバンに入れ、商品をレジに通さないで店の外に出たところ、店員に見つかって、警察に通報されました。
Aさんは、通報により駆けつけた埼玉県警越谷警察署の警察官によって、窃盗罪で現行犯逮捕されました。
Aさんの母Bさんが身元引受人となることで、Aさんは勾留されることなく釈放されました。
事件がさいたま地方検察庁越谷支部に送致され、検察官調べに出頭した際、Aさんは「過去に複数回の窃盗罪の前科があり、今回は実刑の可能性もある」と言われました。
Aさんは今回の窃盗罪で刑務所行きになる可能性があると聞いて大変不安になり、刑事弁護に強い弁護士に依頼することを検討することにしました。」
(この事例はフィクションです)

【度重なる万引きや前科の有無による窃盗罪の量刑】

万引きは、刑法235条に規定されている窃盗罪に該当します。
仮に、スーパーでの万引き行為が窃盗罪として起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」と非常に幅の広く設定されており、窃盗罪で起訴されて有罪が認められた場合、その犯罪行為の様々な側面を考慮して、その事件に対する刑罰の程度(量刑)が決定することになります。

一概に、万引きという窃盗行為をしたからといって、定型的な量刑が決定される訳ではなく、実際の事件の内容によって大きく変わります。
その犯罪行為の違法性が悪質と判断されれば、罰金刑では済まされず懲役刑が科せられ、場合によっては執行猶予がつくこともなく実刑判決がくだされる可能性もあるでしょう。

そこで考慮される事情としては、窃盗の被害金額の大きさ(被害が大きいほど違法性が高い)、犯行態様の計画性(プロの窃盗団など、組織的計画的な犯行である方が違法性が高い)などが考慮されます。

他方、1つの万引き行為自体が大した被害金額でなくとも、日常的・常習的に万引きを行っていたり、過去数年にわたって複数回の罰金刑が科された前科多数の者による再犯(累犯)の場合も、かつて度重なる刑罰が科されたにも関わらず社会に対する反省や更生の意図が見られないとして、より重い法定刑で処罰されていく傾向があります。

必ずしも前科の数に応じて累進的に決定されるものではありませんが、例えば過去2回程度、窃盗罪で数十万円の罰金刑を科された者が更に窃盗罪を犯した場合、その次からは懲役刑による実刑判決が下される可能性を考慮する必要があります。

【万引きによる窃盗罪の刑事弁護】

万引きによる窃盗罪で刑事事件化した場合、被害者に対する謝罪や被害弁償を行い、被害者と示談を取り付け、被害者の処罰感情を和らげることが最も重要です。

前述のとおり、過去に何度も窃盗罪の前科や前歴がある場合、罪を重ねるほどに情状面での処罰の必要性が重く考慮されてしまう傾向があるため、特に被害者との示談締結によって、客観的な違法性を少しでも和らげることが最も効果的です。

過去に万引き等による窃盗罪で複数の前科や前歴をお持ちの方は、刑事事件の示談交渉の経験豊富な弁護士に弁護を依頼して、少しでも示談締結の可能性を高めることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所、窃盗罪などの示談交渉を多数経験しております。
埼玉県越谷市で複数の万引きによる窃盗罪の疑いでお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県春日部市の学習塾盗撮事件で執行猶予判決

2024-04-08

【報道解説】埼玉県春日部市の学習塾盗撮事件で執行猶予判決

盗撮事件に関する刑事罰とその弁護活動を通じて執行猶予判決を得ることについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

大手学習塾の埼玉県内の教室で生徒10人を盗撮したなどとして、性的姿態等撮影と児童買春・ポルノ禁止法違反の罪に問われた、当時同塾の教室長だった男性(38歳)の判決公判が27日、さいたま地裁で開かれ、裁判官は被告人に懲役3年、保護観察付き執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。
裁判官は判決理由で、被告人が過去に盗撮をしようとした際に声をかけられた男性を振り払いけがを負わせたとして、罰金刑に処されたにもかかわらず犯行を繰り返したと指摘。
被害を受けた生徒の多くが日頃から信頼していた被告人から盗撮されたと知って心理的ショックを受けたとし「動機に酌むべき点は全くない」と非難した。
一方で「全ての罪を認め反省も深まっている」として、保護観察付きの執行猶予判決とした。
判決などによると、被告人は2022年1月ごろから昨年8月ごろまでにかけて、自身のスマートフォンで塾内の女子トイレや授業中に女子生徒10人を盗撮した。
(令和6年3月29日に配信された「埼玉新聞」より抜粋)

【盗撮事件の刑事処罰とは】

女子トイレ等で盗撮行為をした場合には、「性的姿態撮影等処罰法違反」に当たる、あるいは、各都道府県の「迷惑防止条例違反」に当たるとして、刑事処罰を受けます。

性的姿態撮影等処罰法は令和5年7月に施行され、盗撮行為を禁止する新たな処罰法令となっています。
性的姿態等撮影罪の法定刑は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」とされています。
他方で、迷惑防止条例違反の盗撮罪の法定刑は、各都道府県の条例により異なりますが、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされていることが多いです。

また、盗撮行為の被害者が、18歳未満の児童だった場合には、児童ポルノ禁止法違反の「児童ポルノ製造罪」に当たるとして、「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」という法定刑で、刑事処罰を受ける可能性も考えられます。

【執行猶予付きの判決とは】

刑事裁判で判決された罪の量刑が、「3年以下の懲役または禁錮、もしくは50万円以下の罰金」であるときには、被告人の情状等を考慮した上で、執行猶予が付されることがあります。
執行猶予が付されると、1年以上5年以下の指定された期間中は刑罰の執行が猶予され、その間は刑務所に入ることはありません。

その執行猶予期間中に、被告人が再犯を起こす等により執行猶予を取り消されるような事情がなければ、執行猶予の期間の経過とともに刑の言い渡しは効力を失います。
例えば懲役刑の執行猶予であれば、執行猶予期間の経過とともに、懲役刑を受けることはなくなります。
ただし、執行猶予期間中に被告人が再犯を起こす等の事情があれば、執行猶予は取り消され、以前に判決を受けて執行を猶予されている刑罰が執行されることになります。

刑法26条には、執行猶予の必要的取消しについての規定があり、「猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき」等の事情があれば、執行猶予は必ず取り消されるとされています。
他方で、刑法26条の2には、執行猶予の裁量的取消しについての規定があり、「猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき」等の事情がある場合には、裁判官の裁量で、執行猶予が取り消される可能性があります。

まずは、盗撮事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県春日部市の学習塾盗撮事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

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