【報道解説】高校生が集団で強盗致傷罪で逮捕

【報道解説】高校生が集団で強盗致傷罪で逮捕

男子高校生が強盗致傷の疑いで逮捕された場合の法的責任と手続について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

令和5年12月と今年1月に埼玉県さいたま市で2件続いた強盗事件で、18歳の高校生ら少年3人が逮捕されました。
強盗傷害の容疑で逮捕されたのは、埼玉県内に住む男子高校生ら18歳と19歳の少年3人です。
3人は今年1月3日早朝、埼玉県さいたま市にある集合住宅の敷地内で、男性(24)の顔を拳で殴るなどの暴行を加え、着ていたダウンジャケットやスマホなど合計14万6000円相当を奪った疑いが持たれています。
男性は頭や膝に軽傷を負いました。
また、3人のうち18歳の少年2人は去年12月にも、男性(19)をさいたま市内の神社に呼び出し「抵抗したら殺すぞ」と脅して首を絞め、現金8万円などを奪った疑いでも逮捕されています。
調べに対し18歳の少年2人は「遊ぶ金が欲しかった」と容疑を認め、19歳の少年は「何のことか分からない」と、否認しているということです。
警察によりますと、いずれの事件でも少年らはSNSで、女子高校生を装って男性と知り合い、現場に呼び出していたということです。

(令和6年2月20日のABCニュースより引用し、犯行場所等の事実を一部変更したフィクションです。)

【強盗致傷罪とは】

報道では18歳や19歳の男子高校生ら3人が集団で殴る蹴る等の暴行を加え、金品等を奪った強盗致傷罪と紹介されています。

まず、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫を加えた上で現金などの財物を奪う行為は強盗罪(刑法236条)にあたる行為です。
さらに、この強盗の機会に、暴行や脅迫の結果として被害者に傷害を負わせてしまった場合は、強盗致傷罪(刑法240条)が成立します。

この強盗致傷罪は、財物を奪うことに成功していなくとも、暴行・脅迫を加えた上で被害者の方が怪我すれば、成立します。

なお、強盗致傷罪の法定刑は無期または6年以上の懲役となっており、刑法の中でも罪が重い部類の犯罪であると言えるでしょう。

成人が被疑者の場合、強盗致傷罪は裁判員裁判の対象となり、一般人である裁判員も参加する手続きとなるため、非常に厳格に刑事手続きが進められることになり、またマスコミ等のメディアに注目されるリスクも高まります

【高校生が強盗致傷の疑いで逮捕された場合】

犯罪を犯した人が、犯行時に14歳以上20歳未満の場合は、少年法という法律が適用されることになります。
少年法の手続きでは、警察や検察による捜査の後は、通常家庭裁判所に事件が送致され、家庭裁判所が最終的な少年の処遇を決定するという流れが基本になります。

このように少年法が適用される場合は、通常の刑事手続とは異なる流れで事件が進んでいくことになりますが、死刑、懲役又は禁錮に当たる非常に法定刑の重い罪の事件については、調査の結果、その罪質及び情状に照らして刑事処分が相当であると家庭裁判所が認めるときは、事件を検察官に送致(「逆送」といいます)して、通常の刑事事件と同様に取り扱われる場合があります。

強盗致傷罪は懲役刑のみが定められている犯罪で、前述のとおり、成人の被疑者であれば裁判員裁判の対象となる非常に重い犯罪であり、少年らが被疑者であっても、本事件の判断が通常の裁判所へ任される(逆送される)可能性があります。

なお、仮に、強盗致傷事件が検察官に逆送されて起訴となった場合は、成人被疑者の場合と同じく、裁判員裁判の対象になります。

【少年被疑者の強盗事案は少年事件に強い弁護士に相談を】

このように、高校生が強盗致傷の疑いで逮捕された場合は、複雑な手続きで事件が進んでいくことになりますので、早期に弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士に相談されることで、今後の手続きについての説明や、弁護士に依頼した場合に、弁護士がどのような活動を採ることができるのかなどといったことについての説明を受けることが期待できるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
高校生のお子さんが強盗致傷罪の疑いで逮捕されてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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