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【報道紹介】死亡事故でひき逃げ 過失運転致死罪と道路交通法違反の弁護活動
【報道紹介】死亡事故でひき逃げ 過失運転致死罪と道路交通法違反の弁護活動
ひき逃げにより、過失運転致傷罪および道路交通法違反となった場合の責任とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【事例】
埼玉県警交通捜査課と所沢署は17日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、入間市の建設作業員の男(22)を逮捕した。
逮捕容疑は16日、所沢市の国道463号で乗用車を運転中、軽乗用車に衝突し、運転していた狭山市の男性(71)を死亡させ、そのまま逃走した疑い。
同課によると、男は17日、家族に連れられて所沢警察署に出頭した。
調べに対し、「白い車に追突した。速度を出し過ぎた。逃げてしまった」と供述している。
(令和4年9月19日の埼玉新聞の記事を元に、事実を一部変更したフィクションです。)
【ひき逃げの罪】
交通事故を起こした場合、直ちに車両の運転を停止して、負傷者の救護等を行う義務(救護義務)があります(道路交通法第72条第1項)。
事故を起こし負傷者がいるにも関わらず、救護義務を怠り逃走することを一般的にひき逃げと呼び、ひき逃げ(救護義務違反)で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。
上記刑事事件例において、Aは、人身事故の認識はなかったと供述していますが、物との接触であっても交通事故であり、その認識がある以上は、現場を確認せず走り去ったこと(「当て逃げ」と呼ばれることもあります)で救護義務違反と認定される可能性はあります。
また、救護義務違反とは別に、Vの負傷が、Aが運転上必要な注意を怠ったことによるものと立証されれば、過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)が成立します。
過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金であり、ひき逃げと同程度に重い罪です。
なお、両罪とも有罪となった場合、併合罪として、最大15年以下の懲役又は150万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
【ひき逃げの弁護活動】
このようなひき逃げ事案では、被害者の負傷の程度にもよりますが、何の弁護活動も行わなければ、検察官から起訴され、実刑となる可能性があります。
ひき逃げ事案に対する弁護活動としては、被疑者の加入する自動車保険会社とも連携しながら、被害者との円滑な示談交渉に努めます。
保険金で完全な賠償を行える場合でも、謝罪とともに被疑者個人からの見舞金や謝罪金等を申し出る等で誠意を示し、示談書等に「寛大な処罰を求める」「重い処分を求めない」旨の宥恕条項を入れてもらうことで、検察官の処分や裁判官の判断に有利な影響を及ぼす可能性を高めることができます。
刑事弁護活動の一般的傾向を言えば、ひき逃げをした被害者の方の傷害の程度が軽く、示談が成立している場合には、検察官が不起訴処分とする事例が多くみられます。
しかし、傷害の程度が重く後遺症が残ってしまったり、あるいは死亡してしまった場合(過失運転致死罪)には、高い確率で公判請求(起訴)されてしまい、有罪となることが見込まれます。
この場合でも、少なくとも謝罪や被害弁償等の弁護活動を進め、精一杯の情状を酌んでもらうことで、執行猶予付き判決を獲得して実刑を回避する余地が残されています。
【ひき逃げでお悩みの方は】
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故関係の刑事事件を多数取り扱い、ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反の刑事事件で示談成立による不起訴処分を獲得した実績も数多くあります。
ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反で自身やご家族が警察の取り調べを受け不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部へご相談ください。
【報道解説】チケット転売で逮捕 チケット不正転売禁止法違反の弁護活動
【報道解説】チケット転売で逮捕 チケット不正転売禁止法違反の弁護活動
埼玉県のチケット不正転売禁止法違反事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道紹介】
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本戦の観戦チケットを定価の4倍の高値で転売したとして、埼玉県警は、無職の男(25)と会社員の女(24)をチケット不正転売禁止法違反容疑で逮捕したと発表した。
埼玉県警の発表によると、2人は昨年11月、今年3月にいずれも東京ドームで行われた豪州戦の外野指定席(6000円)3枚と、イタリア戦の外野指定席(7000円)2枚の計5枚を転売サイトを通じて都内の30~40歳代の男女2人に計13万円で不正に転売した疑い。
調べに2人とも容疑を認め、男は「自分は野球ファンで、全国に観戦に行く際の宿泊費などに充てるためだった」と供述している。
(令和5年4月21日の「読売新聞オンライン」の記事を元に、事実を一部変更したフィクションです。)
【チケット不正転売禁止法の立法趣旨】
市場価値のある商品の転売については、自由市場経済の側面から、転売は市場の需要に合致した価格に調整する機能があるとして、「転売」を肯定する意見も一部で存在します。
しかし、いわゆる「転売ヤー(転売屋)」と呼ばれる業者は、希少価値の高いチケットを転売目的で大量に購入し、オークションサイトなどを利用して高額で販売しても、興行主や出演者などにとって何の利益もありません。
また、本当にチケットを必要としている消費者にとって、定価を超えた高額な代金を払うことは、大きな負担となります。
定価の価格でチケットを購入していたら、何度もコンサートやイベントなどへ行ったり、会場で販売されているタオルやTシャツなどのグッズを買ったりできたかもしれません。
これまでチケットの転売は、「ダフ屋行為」として各都道府県の迷惑防止条例で取り締られてきました。
しかし迷惑行為防止条例では、インターネット上での売買には適用できないため、そういった「ダフ屋行為」に加え、インターネット上でのチケットの不当な高額転売等を禁止するため、「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律」(通称「チケット不正転売禁止法」)が、2019年6月14日に施行されました。
(政府広報オンラインより一部引用)
【「特定興行入場券の不正転売」とは?】
チケット不正転売禁止法3条では、「何人も、特定興行入場券の不正転売をしてはならない。」と規定しています。
この規定に違反すると、チケット不正転売禁止法9条1項によって、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又は両方の刑が併せて科される可能性があります。
チケット不正転売禁止法で処罰対象となる「特定興行入場券の不正転売」は、「興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をその販売価格とするもの(チケット不正転売禁止法3条4項)」となっています。
つまり、プロ野球やコンサートのチケットのような「特定興行入場券」を興行主の事前の同意なく、反復継続して、定価を超える価格で転売する行為を刑事罰の対象にしているということです。
【チケット不正転売禁止法違反のでお悩みの方は】
施行からまだ数年しかたっていない法律ですが、大型イベント等で国内需要が高まった時期には、チケット不正転売禁止法違反で逮捕者が出たと報道されるようになりつつあります。
例えば、令和2年8月27日に大阪地方裁判所では、チケット不正転売禁止法と有印私文書偽造・同行使の成立を認めて、懲役1年6月(執行猶予3年)、罰金30万円の有罪判決が出されています。
このように実際にチケット不正転売禁止法違反違反で検挙・有罪とされた事例がありますでので、チケット不正転売禁止法違反違反の疑いで警察の捜査を受けられている方は、いち早く弁護士に相談して、今後の対応などについてアドバイスをもらうことをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県内でチケット不正転売禁止法違反の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。
【報道解説】性的撮影処罰法違反で逮捕
【報道解説】性的撮影処罰法違反で逮捕
埼玉県久喜市で生じた性的撮影処罰法違反の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
スマートフォンを使って女性のスカートの中を撮影した、「性的姿態撮影等処罰法違反の疑い」で埼玉県久喜市の無職の男が逮捕されました。
性的姿態撮影等処罰法は今年7月13日から新たに施行された法律で、この法律による逮捕は県内初です。
警察によりますと久喜市在住の20歳の無職の男は、8月16日午後ごろ、久喜市内の駅構内でスマートフォンを使い後ろから20代女性のスカート内を盗撮した「性的姿態撮影等処罰法違反の疑い」が持たれています。
被害者本人が盗撮に気づき、駅員に警察への通報を依頼。駆けつけた警察官により現行犯逮捕されました。
男は「スカート内を撮ったことは間違いありません」と容疑を認めていて、警察は余罪を含め、常習的に犯行に及んでいたかなど、詳しい調べを進めています。
(令和5年8月17日に配信された「UX新潟テレビ21」の記事を基に、事実を一部改変したフィクションです。)
【性的撮影処罰法違反の刑事処罰】
性的姿態撮影等処罰法は、令和5年7月13日に、刑法の不同意性交等罪の改定に合わせて、新しく施行された法律です。
従来、盗撮に関しては、各都道府県の定める迷惑行為防止条例違反の中で処罰されていましたが、処罰の適用範囲に相違や不十分な点があると従前してきされており、このたびの改正により、全国一律に適用される盗撮を処罰する法令として施行されるに至りました。
性的姿態撮影等処罰法では、大まかに以下の行為が処罰されることになります。
1.正当な理由がないのに、ひそかに、対象性的姿態等を撮影する行為
2.同意なく人の対象性的姿態等を撮影する行為
3.行為の性質が性的なものではないと誤信させたり、特定の者以外の者が閲覧しないと誤信させ、人の対象性的姿態等を撮影する行
4.正当な理由がないのに、13歳未満の者の性的姿態等を撮影し、または13歳以上16歳未満の者に対して、当該者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
性的姿態撮影等処罰法の罰則は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金となります。
法改正前(7月13日以前)は各都道府県の迷惑行為防止条例で罰則が定められており、埼玉県では「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、上記報道の盗撮が発生した新潟県では「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」であったため、大幅な厳罰化と言えるでしょう。
【性的撮影処罰法違反の弁護活動】
上記の事例のように、性的姿態撮影について容疑を認めるケースでは、警察取調べの供述対応を検討するとともに、被害者やその親族との示談交渉活動を、弁護士を仲介して行うことで、被害者側からの許しを得られるような示談成立を目指すことが、刑罰軽減に向けた重要な弁護活動となります。
まずは、盗撮によって性的撮影処罰法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
埼玉県久喜市の盗撮による性的撮影処罰法違反事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【報道解説】不同意性交等罪と自首の検討
【報道解説】不同意性交等罪と自首の検討
令和5年7月13日施行の改正刑法において新設された「不同意性交等罪」の逮捕事案に伴う弁護活動と自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道事例】
埼玉県上尾市内の公園で16歳未満の少女に性的暴行をしたとして19歳のアルバイト店員が逮捕されました。
警察によりますと令和5年7月22日夜、埼玉県上尾市内の公園の多目的トイレで、オンラインゲームで知り合った16歳未満の少女に対し、性的暴行をした疑いが持たれています。
当日、少女の帰宅が遅いことを不審に思った親が本人に確認したところ被害が発覚し、その後、男が警察に自首して逮捕されたということです。
(令和5年7月26日に配信された「高知 NEWS WEB」の記事を基に、一部事実を変更したフィクションです。)
【刑法改定:不同意性交等罪の新設】
令和5年7月13日をもって、「不同意性交等罪」が施行されました。
不同意性交等罪の新設の背景には、近年における性犯罪をめぐる状況に鑑み、構成要件の明確化と細分化を進め、以てこの種の性犯罪に適切に対処する必要があるとの理由に基づいています。
このたびの刑法改正により、旧刑法の「強制わいせつ罪」「準強制わいせつ罪」を統合して「不同意わいせつ罪」、旧刑法の「強制性交等罪」「準強制性交等罪」を統合して「不同意性交等罪」を規定することになりました。
あわせて、性犯罪についての公訴時効期間の延長や、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則の新設なども盛り込まれています。
【不同意性交等罪とは】
刑法改定後の不同意性交等罪では、「次のような行為」等により、被害者の真の同意を得ることなく性交等を行った場合に、婚姻関係の有無にかかわらず処罰されることになります(刑法第177条第1項)。
「次のような行為」として、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害(おそれも含む)」、「アルコール若しくは薬物の摂取」、「睡眠その他の意識不明瞭状態」、「不同意を形成・表明するいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖・驚愕」「虐待に起因する心理的反応」、「経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」の8項目が列挙されています。
上記報道事例の記事によれば、「性的暴行」つまり「暴行・脅迫」による不同意の性交であると思われます。
この点、「暴行・脅迫」による不同意の性交は、事実上は、法改正前の「強制性交等罪」とほぼ同じ犯罪であり、「強制性交等罪」における「暴行・脅迫」は、被害者の犯行を著しく困難にする程度のもので足り、犯行を抑圧する程度に達する必要は無い(最高裁判例)と広く解釈・運用されていました。
このような「暴行・脅迫」による不同意の性交では、被害者との同意の有無を争ったり、同意があったと錯誤したと不同意性の否認を主張することは、非常に難しいと思われます。
【刑事弁護の自首】
自首を定める刑法第42条では、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したとき」、自首が成立し、その刑を軽減することができるとしています。
つまり、報道記事において、被害者(またはその保護者)が警察に対して被害届を出した後に、被疑者が警察に出頭して犯行を自白したとしても、それは刑法上の「自首」が成立したことにはなりません。
とはいえ、自発的に犯罪事実を申告した場合には、その後の刑事手続きにおいて被疑者の反省や後悔を示す情状資料の一つとして評価され、検察官の起訴・不起訴の判断、そしてどの程度の罪の刑事責任を問うのかの判断材料になる可能性は否定できません。
このように、すべて自分の犯行を供述すれば自首が成立するとは限らず、とはいえ、犯行の自己申告がまったく無意味なものでは無いという事情もあることから、刑法上の「自首」の成立可否に関わらず、広い意味で犯行を自己申告したいとお悩みの方は、刑事事件に詳しい弁護士に事前に法律相談を行い、刑事手続きにおける自分の立ち位置を選択することが非常に重要となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所で、示談交渉の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
不同意性交等罪の性犯罪でお悩みの方、自首を考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談や初回接見サービスをご利用ください。
【事例解説】埼玉県で集団窃盗で逮捕
【事例解説】埼玉県で集団窃盗で逮捕
埼玉県や関東全域で広く集団窃盗を繰り返した疑いで、窃盗罪等で逮捕された事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【事例紹介】
寺院を狙った盗みを繰り返したとして、埼玉県警は25日までに、窃盗罪などの疑いで自称埼玉県熊谷市、無職のA男(26)ら男3人を逮捕した。
他の逮捕者はブラジル国籍の群馬県太田市生まれ、住所不定、無職のB男(22)、前橋市生まれ、住所不定、無職のC男(28)の両容疑者。
県警は3人が広域窃盗団の実行役とみており組織の全容解明を進める。
3人の逮捕容疑は、2月24日、埼玉県さいたま市内の寺院に忍び込んで現金約21万円などを盗んだのをはじめ、単独または複数で犯行を重ねて6月下旬までに関東全域で計9カ所の寺院に侵入、計約38万円と軽乗用車(30万円相当)などを盗んだ疑い。
認否を明らかにしていない。
被害届を受けた埼玉県警が防犯カメラの映像などから3人の容疑を固めた。
埼玉県警によると、寺院での被害は今年2月以降、県内の3件を含め、関東地方を中心に計33件確認されており、余罪の可能性で捜査を進めている。
(令和5年8月25日の山陽新聞DIGITALの記事を元に、事実を一部変更したフィクションです)
【集団窃盗の罪の重さ】
上記刑事事件では、複数の財産犯罪が成立していたことが示唆されていますが、第一に窃盗罪の疑いで逮捕に至ったとされています。
刑法第235条によれば、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する」とされています。
窃盗罪のような財産犯罪は、犯罪の成立がすなわち犯罪者の経済的利益につながるため、犯行を重ねる可能性が高く、同種余罪が多数立件されることがしばしば見受けられます。
もちろん、窃盗罪による損失が大きければ大きいほど捜査機関は悪質な犯行であると考え、法定刑の中でもより罪が重くなる可能性が高まります。
また、犯行態様についていえば、一人で犯行を行うことに比べ、複数名で組織的に窃盗を行うことは、役割分担を定め、より機能的に窃盗行為を円滑に行うためであることから、通常の単独の窃盗犯に比べて、非常に悪質な犯行とみなされます。
【集団窃盗の逮捕・勾留手続き】
集団窃盗のように通常の窃盗罪の中でも悪質で、特に余罪が多数見込まれる組織的な犯行グループについては、捜査機関は逮捕に向けて組織的かつ精力的に刑事責任を追及すべく捜査を進めます。
そのため、被疑者らが逮捕された場合、きわめて高い確率で勾留(逮捕に引き続き最大10日間の身体拘束をすること)手続きに移り、裁判所もこのような悪質な組織的犯罪については勾留を広く認める傾向が強いです。
また、勾留には最大10日間の延長もあるため、1つの罪について、最大20日間の身体拘束がなされることが実務上多いです。
また、その後、別の窃盗事実が立件されるたびに、別件逮捕(再逮捕)、そして勾留(再勾留)が繰り返される結果、余罪が発覚するたびに約20日の身体拘束が延々と繰り返されることも珍しくありません。
さらに、このような集団犯罪では、留置所内での口裏合わせ等による証拠隠滅(罪証隠滅)防止の観点から、共犯者らは別々の留置所に収容されたり、家族の方を含む一般の方との面会(接見)が禁止されること(接見禁止命令)も極めて多いです。
【集団窃盗の刑事弁護】
事例のように、もしご家族やご友人が集団窃盗に加わって逮捕された場合は、いち早く弁護士に依頼して、被疑者の方が逮捕されて留置されている警察署に接見に行ってもらうことが重要です。
上記のとおり、集団窃盗で逮捕・勾留された場合、裁判所が接見禁止命令を下した結果、家族の方の面会が許されなくなることが予想されますので、弁護士を介さなければ被疑者の方との意思疎通を取ることは原則不可能となります。
疑われている被疑事実に対して、被疑者の方がどのように認識し、事実を認めるのか否認するのか、あるいは一部を認めるのか、謝罪と被害弁償を進めたいのか等の意思確認を行わなければ、弁護活動の第一歩を進めることはできません。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、埼玉県や北関東のみならず、日本全国に展開する、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県内で発生した集団窃盗罪で家族が逮捕されて、どうしたら良いか分からずお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部のご利用をご検討ください。
【報道解説】強制性交等罪で不起訴を目指すための弁護活動
【報道解説】強制性交等罪で不起訴を目指すための弁護活動
令和5年7月13日施行の改正刑法において新設された「不同意性交等罪」の逮捕事案と弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道事例】
女子中学生に性的暴行をした疑いで、不同意性交等の疑いで39歳の男が逮捕されました。
警察によりますと、容疑者の男は8月6日午後0時ごろ、埼玉県内の運動施設で、女子中学生の体を触るなどのみだらな行為をした疑いが持たれています。
容疑者の男は、容疑の一部を否認しています。警察は被害者保護の観点から、犯行場所や関係性を明らかにしていませんが、2人は面識があったということです。
(令和5年8月8日に配信された「ABAニュース(ABA青森朝日放送) 県内ニュース」の記事を基に、一部事実を変更したフィクションです。)
【刑法改定:不同意性交等罪の新設】
令和5年7月13日をもって、「不同意性交等罪」が施行されました。
不同意性交等罪の新設の背景には、近年における性犯罪をめぐる状況に鑑み、構成要件の明確化と細分化を進め、以てこの種の性犯罪に適切に対処する必要があるとの理由に基づいています。
このたびの刑法改正により、旧刑法の「強制わいせつ罪」「準強制わいせつ罪」を統合して「不同意わいせつ罪」、旧刑法の「強制性交等罪」「準強制性交等罪」を統合して「不同意性交等罪」を規定することになりました。
あわせて、性犯罪についての公訴時効期間の延長や、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則の新設なども盛り込まれています。
【不同意性交等罪とは】
刑法改定後の不同意性交等罪では、「次のような行為」等により、被害者の真の同意を得ることなく性交等を行った場合に、婚姻関係の有無にかかわらず処罰されることになります(刑法第177条第1項)。
「次のような行為」として、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害(おそれも含む)」、「アルコール若しくは薬物の摂取」、「睡眠その他の意識不明瞭状態」、「不同意を形成・表明するいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖・驚愕」「虐待に起因する心理的反応」、「経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」の8項目が列挙されています。
今回の刑法改正では、加害者と被害者との年齢についても変更が規定されています。
【不同意強制性交等罪の刑事弁護】
今回の刑法改正によって不同意性交等罪が新設されましたが、従来の性犯罪に対する刑事弁護の原則どおり、前科が付くことを避けたい場合は、検察官が事件を起訴するか否かの判断前に、被害者の方と示談を締結し、検察官が起訴を猶予するよう方向づけることが最も重要です。
示談交渉は通常、被害者が成人であれば被害者本人と交渉を進めますが、被害者が未成年である場合は、被害者の保護者の方と示談交渉を行うことになります。
性犯罪全般の傾向として、被害者の方は、不安や恐怖に怯え、傷つけられた自尊心から犯人を許せないという処罰感情が強く、示談が難航することは珍しいことではありません。
しかし、刑事弁護の経験豊富な弁護士が、粘り強く謝罪や示談の条件を提示し、二度とこのような犯罪を起こさないと制約すること等を通じて、最終的に示談の締結に至る実績も多数ございます。
示談交渉は必ずしも決まった方法があるわけではなく、被害者の方が何を望んでいるのかを汲み取り、それに対して最適な問題解決案を提示することが最も重要ですので、示談締結の確率を少しでも上げたいと希望する方は、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所で、示談交渉の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
不同意性交等罪の性犯罪で被害者の方との示談を考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談や初回接見サービスをご利用ください。
【報道解説】不同意性交と性的撮影処罰法違反事件
【報道解説】不同意性交と性的撮影処罰法違反事件
埼玉県所沢市で生じた性的撮影処罰法違反の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
埼玉県所沢市在住の男性(46歳、無職)が、令和7月19日未明に、埼玉県所沢市内のアパートで、被害者女性(33歳)に対して同意がないにもかかわらず性的暴行を加えたうえ、その様子をスマートフォンで撮影したとして、不同意性交等罪と性的撮影処罰法違反の疑いで、埼玉県所沢警察署で逮捕された。
男性は、警察取調べに対して、「性交と撮影はしたが嫌がっていないと思った」と容疑を一部否認している。
同意のない性的撮影が性的撮影処罰法違反で検挙されるのは、県内初の事例。
(令和5年8月4日に配信された「FBS福岡放送」を基に、事実を一部改変したフィクションです。)
【性的撮影処罰法違反の刑事処罰とは】
「不同意わいせつ罪」や「不同意性交等罪」が成立するような状況において、被害者が撮影について同意しない意思を表明することが困難な状態にさせて、性的姿態を撮影した場合には、性的姿態撮影等処罰法違反の「性的姿態等撮影罪」に当たるとして、刑事処罰を受けます。
性的姿態撮影等処罰法は、令和5年7月13日に、新しく施行されました
性的姿態等撮影罪の刑事処罰の法定刑は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」とされています。
・性的姿態撮影等処罰法 2条1項2号(性的姿態等撮影)
「刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為」
【性的撮影処罰法違反の弁護活動】
上記の事例のように、「性的姿態撮影について、相手方の同意があった」として容疑を否認するようなケースでは、警察取調べにおいて、どのように否認の供述や、事件当時の事情説明をしていくかにつき、弁護士とともに弁護方針を綿密に検討する必要があります。
他方で、同意なく性的姿態等撮影行為をしたことを認めるケースでは、警察取調べの供述対応を検討するとともに、被害者やその親族との示談交渉活動を、弁護士を仲介して行うことで、被害者側からの許しを得られるような示談成立を目指すことが、刑罰軽減に向けた重要な弁護活動となります。
まずは、不同意性交と性的撮影処罰法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
埼玉県所沢市の不同意性交と性的撮影処罰法違反事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。
【報道解説】強制性交等罪と刑法改正後の不同意性交等罪の被害者年齢
【報道解説】強制性交等罪と刑法改正後の不同意性交等罪の被害者年齢
令和5年7月13日施行の改正刑法において新設された「不同意性交等罪」の逮捕事案を紹介しつつ、特に被害者年齢の観点の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道事例】
東京・世田谷区のホテルで女子中学生にみだらな行為をしたとして、強制性交等罪の疑いで大学4年生の男(21)が逮捕されました。
被疑者は去年11月、世田谷区のホテルで女子中学生(12)にみだらな行為をした疑い。
警視庁にると、被疑者は女子中学生に横浜市の商業施設の近くの路上で声をかけ、その後、ホテルに移動して犯行に及んだ。
女子中学生の母親が「娘がわいせつなことをされている」と警視庁に相談したことから事件が発覚した。
取り調べに対し、被疑者は「性交したことは間違いないが13歳未満とは知らなかった」と被疑事実を否認している。
(令和5年7月29日に配信された「TBS NEWS DIG」の記事を基に、一部事実を変更したフィクションです。)
【刑法改定:不同意性交等罪の新設】
令和5年7月13日をもって、「不同意性交等罪」が施行されました。
不同意性交等罪の新設の背景には、近年における性犯罪をめぐる状況に鑑み、構成要件の明確化と細分化を進め、以てこの種の性犯罪に適切に対処する必要があるとの理由に基づいています。
このたびの刑法改正により、旧刑法の「強制わいせつ罪」「準強制わいせつ罪」「強制性交等罪」「準強制性交等罪」を統合し、新法における「不同意わいせつ罪」および「不同意性交等罪」を規定することになりました。
あわせて、性犯罪についての公訴時効期間の延長や、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則の新設なども盛り込まれています。
【改正前の強制性交等罪】
上記刑事事件は、昨年11月発生の行為のため、刑法改正前の強制性交等罪が適用されています。
強制性交等罪では、「暴行・脅迫」を用いて13歳以上の者に対して性交や肛門性交、口腔性交(以下「性交等」)を行うことが犯罪の構成要件となっており、13歳未満の者に対しては、「暴行・脅迫」がなくても性交等のみで処罰されるという規定でした。
上記事例では被害者少女が12歳であるため、「暴行・脅迫」の事実が無くても強制性交等罪で処罰されることになります。
【不同意性交等罪とは】
刑法改定後の不同意性交等罪では、「次のような行為」等により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず処罰されることになります(刑法第177条第1項)。
「次のような行為」等を簡潔にまとめると、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害(おそれも含む)」、「アルコール若しくは薬物の摂取」、「睡眠その他の意識不明瞭状態」、「不同意を形成・表明するいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖・驚愕」「虐待に起因する心理的反応」、「経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」の8項目が列挙されています。
今回の刑法改正では、加害者と被害者との年齢についても変更が規定されています。
不同意性交等罪では、「十六歳未満の者に対し、性交等をした者」にも不同意性交等罪が成立するとしつつ(原則)、「当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者」に限って(例外)不同意性交等罪が成立すると規定しています。
これは、被害者より5年以上年上の者であれば、年少者の性的保護の規範違反によって処罰をする必要があるのに対して、ほぼ同年齢の中学生・高校生同士の性行為等については不同意性交等罪の処罰範囲から除外するためと理解されています。
上記刑事事件においては、刑法改正の前後を問わず、12歳に対する性行為はいずれも処罰されることに変わりはありません。
【不同意強制性交等罪の刑事弁護】
今回の刑法改正によって不同意性交等罪が新設されましたが、従来の性犯罪に対する刑事弁護の原則どおり、前科が付くことを避けたい場合は、検察官に事件を起訴される前に被害者の方と示談を締結することが重要になります。
というのも、起訴前に被害者の方と示談を締結したという事実は、検察官が起訴をするかどうかの判断に当たって起訴を回避する判断に傾く考慮要素となるからです。
示談交渉は通常、被害者が成人であれば被害者本人と交渉を進めますが、被害者が未成年である場合は、被害者の保護者の方と示談交渉を行うことになります。
性犯罪全般の傾向として、被害者の方は、不安や恐怖に怯え、傷つけられた自尊心から犯人を許せないという処罰感情が強く、示談が難航することは珍しいことではありません。
しかし、刑事弁護の経験豊富な弁護士が、粘り強く謝罪や示談の条件を提示し、二度とこのような犯罪を起こさないと制約すること等を通じて、最終的に示談の締結に至る実績も多数ございます。
示談交渉は必ずしも決まった方法があるわけではなく、被害者の方が何を望んでいるのかを汲み取り、それに対して最適な問題解決案を提示することが最も重要ですので、示談締結の確率を少しでも上げたいと希望する方は、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所で、示談交渉の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
不同意性交等罪の性犯罪で被害者の方との示談を考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談や初回接見サービスをご利用ください。
【報道解説】刑法改正の性的姿態撮影等処罰法の逮捕事案
【報道解説】刑法改正の性的姿態撮影等処罰法の逮捕事案
令和5年7月13日の刑法改定前後における、性的姿態撮影等処罰法について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道紹介】
埼玉県上尾市内の宿泊施設で、20代女性の性的な姿を盗撮したとして埼玉県に住む会社員の男性(39)が「性的姿態撮影等処罰法」違反の疑いで逮捕されました。
逮捕容疑は、7月25日午後9時半頃、小型カメラを使って滞在していた上尾市内のホテルの部屋を訪れた女性(20代)の性的な姿を盗撮したというものです。
警察によると、小型カメラは一見するとカメラとわからない状態で室内に置かれていたが、不審に思った女性が知人に連絡し、駆けつけた知人が男を問い詰めたところ盗撮の事実を認めたため通報したということです。
(令和5年7月26日に配信された「Yahooニュース テレビ静岡」の記事の事実の一部を改変したフィクションです。)
【性的姿態撮影等処罰法違反の刑事処罰とは】
令和5年7月13日、性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(いわゆる「性的姿態撮影等処罰法」)が施行されました。
これまでは、違法な盗撮行為は、各都道府県の制定する「迷惑防止条例」により、刑事処罰の対象とされてきました。
今後は、違法な盗撮行為が、性的姿態撮影等処罰法違反の「性的姿態等撮影罪」として、刑事処罰の対象となります。
・性的姿態撮影等処罰法 第2条(性的姿態等撮影)要約
正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(以下「性的姿態等」という。)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(以下「対象性的姿態等」という。)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部をいう。以下このイにおいて同じ。)又は人が身に着けている下着(通常衣服で覆われており、かつ、性的な部位を覆うのに用いられるものに限る。)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十七条第一項に規定する性交等をいう。)がされている間における人の姿態
二 刑法第百七十六条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
三 行為の性質が性的なものではないとの誤信をさせ、若しくは特定の者以外の者が閲覧しないとの誤信をさせ、又はそれらの誤信をしていることに乗じて、人の対象性的姿態等を撮影する行為
四 正当な理由がないのに、十三歳未満の者を対象として、その性的姿態等を撮影し、又は十三歳以上十六歳未満の者を対象として、当該者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為
【迷惑行為防止条例との比較】
例えば埼玉県迷惑行為防止条例違反では、盗撮行為は要約すると次のとおり処罰が定められていました。
正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させたり、不安を覚えさせるような行為であつて、(略)「衣服等」で覆われている下着又は身体を「写真機等」を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置することをしてはならない(第2条の2第1項第1号)。
これに違反した場合、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科されることになります。
都道府県の迷惑行為防止条例違反では、盗撮行為が行われる場所の要件として、「公共の場所又は公共の乗物」等が規定されており、公共の場所ではないが人が裸でいることが想定される場所等での盗撮行為について処罰の可否が問題となる例がありましたが、性的姿態等撮影罪ではこの盗撮場所を広く定義することで処罰範囲を不当に狭くしないよう配慮が図られています。
また、「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」と同じく、被害者の同意が無いであろう場面を類型化して処罰範囲に加えることで、性犯罪被害者の救済を図る意図も伺うことができます。
また、法定刑が引き上げられたことで、今後盗撮行為を厳正に処罰されることになります。
【性的姿態等撮影罪の弁護活動】
性的姿態等撮影罪の疑いで逮捕や警察取調べを受けた場合には、まずは弁護士に法律相談をして、事件当日の経緯などの事情を整理することで、警察取調べの供述対応を、弁護士とともに検討することが重要となります。
また、被害者やその保護者との示談交渉を、弁護士が仲介して進めることで、被害者側の許しが得られるような示談が成立すれば、刑事処罰の軽減や、不起訴処分の獲得の可能性を高めることが期待されます。
まずは、性的姿態等撮影罪が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
埼玉県の性的姿態等撮影罪の盗撮事件でお困りの方は、性犯罪等の刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件に経験豊富な弁護士にご相談ください。
【報道解説】刑法改正前の強制性交等罪と改正後の不同意性交等罪を逮捕事案で解説
【報道解説】刑法改正前の強制性交等罪と改正後の不同意性交等罪を逮捕事案で解説
令和5年7月13日の刑法改定前後における、旧強制性交等罪と改定後の不同意性交等罪事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【報道紹介】
法改正で名称が変わった「不同意性交」の容疑で、埼玉県戸田市に住む22歳の男が逮捕されました。
令和5年7月16日の深夜、容疑者は同市内に住む22歳の女性の自宅で女性に暴行を加え、同意なく性行為をした不同意性交の疑いが持たれています。
埼玉県警蕨警察署によれば、容疑者は「そんなことしていない」と容疑を否認している模様です。
(令和5年7月19日に配信された「NEWS ONE」の事実の一部を改変したフィクションです。)
【改定前の強制性交等罪】
令和5年7月13日の刑法改定前においては、強制性交等罪は以下のとおり規定されていました。
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛こう門性交又は口腔こう性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。
つまり、13歳以上の人を被害者として強制性交等罪が成立するためには、「暴行」か「脅迫」の上での性交等が構成要件となっており、13歳未満であれば「暴行」か「脅迫」がなくても、性交等の行為のみで処罰するという規定です。
ただ、強制性交等罪における「暴行」や「脅迫」は、「相手方の抗拒を著しく困難ならしめる程度のものであることを以て足りる。」や「加害者と被害者の年令、性別、素行、経歴等や犯行がなされた時間、場所の四囲の環境その他具体的事情の如何と相伴つて、相手方の抗拒を不能にし又はこれを著しく困難ならしめるものであれば足りると解すべきである。」等と判例で示されており、実務上柔軟に解釈・運用されてきた経緯がありました。
【不同意性交等罪とは】
令和5年7月13日に施行された刑法改正により、「強制性交等罪」や「準強制性交等罪」が、「不同意性交等罪」へと罪名が変わり、犯罪が成立する要件などが見直されました。
(本ブログでは「不同意わいせつ罪」については解説しません。)
不同意性交等罪では、以下に列挙する8項目に該当する行為により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず処罰されることになります(刑法第177条第1項)。
・暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
・心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
・アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
・睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
・同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
・予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
・虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
・経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
今回の刑法改正は、改正前の強制性交等罪で運用されていた柔軟な総合的判断を見直し、より具体的な構成要件を8項目提示することで処罰範囲の明確化を図るべく改定されたものと思われます。
なお、不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑となっています。
【不同意性交等罪の弁護活動】
不同意性交等事件を起こして、逮捕や警察取調べを受けた場合には、まずは弁護士に法律相談をして、事件当日の経緯などの事情を整理することで、警察取調べの供述対応を、弁護士とともに検討することが重要となります。
また、被害者やその保護者との示談交渉を、弁護士が仲介して進めることで、被害者側の許しが得られるような示談が成立すれば、刑事処罰の軽減や、不起訴処分の獲得の可能性を高めることが期待されます。
まずは、不同意性交等事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
埼玉県の不同意性交等事件でお困りの方は、性犯罪等の刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件に経験豊富な弁護士にご相談ください。
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