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【報道解説】コンビニのセルフコーヒーの不正利用の窃盗罪から逃走して強盗殺人未遂で逮捕

2022-11-28

【報道解説】

コンビニのセルフコーヒーの不正利用の窃盗罪から逃走して強盗殺人未遂で逮捕 コンビニ店でのセルフコーヒーの不正利用を指摘して追ってきたオーナーを車から振り落としたとして強盗殺人未遂の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「群馬県内のコンビニ店でコーヒー用のカップにカフェラテを注ぎ、注意した店のオーナーを車から振り落としたとして逮捕された男が注意された際、『トイレに行きたい』と言って逃げようとしたことが分かりました。 A容疑者(60)は太田市のコンビニ店で、オーナーの男性がしがみついているのに車を250メートルほど蛇行運転し、振り落とした強盗殺人未遂の疑いで送検されました。 男性は、外傷性くも膜下出血の重傷です。 警察によりますと、増倉容疑者はSサイズのコーヒーを110円で購入しましたが、180円のMサイズのカフェラテを注いだところを見つけられ、男性に注意されました。 その際、A容疑者は『トイレに行きたい』と嘘をつき、車に乗り込んで逃走を図ったということです。 A容疑者は『違います』と容疑を否認しています。」

(令和4年10月27日にテレ朝NEWSで配信された報道より引用)

【コンビニのセルフコーヒーの不正利用の罪】

最近のコンビニでは、それぞれの商品に対応したカップをレジで購入した後に購入者自身がコーヒーマシンにカップを置き、代金を支払ったカップに対応する商品のボタンを押すという形態でコーヒーなどの飲み物が販売されています。 コーヒーマシンでボタンを押す際はコンビニ店員ではなくて購入者自身がボタンを押す形となっているために、購入者がレジで購入した代金よりも高い商品のボタンを押して、警察に通報されたり、場合によっては警察に逮捕されるという事件が近年多く発生しているようです。

では、カップを購入した代金よりも高額の商品のボタンを押して飲み物を注いだ場合にどのような犯罪行為が成立するでしょうか。 まず、レジで店員からカップを購入する時点で既にカップの代金よりも高額の商品のボタンを押そうと考えていた場合には詐欺罪が成立すると考えられます。 また、レジで店員からカップを購入する時点では購入したカップに対応する商品のボタンを押そうと思っていたが、コーヒーマシンの前でボタンを押すときになって初めて購入したカップの代金よりも高額の商品のボタンを押そうと思った場合は、窃盗罪が成立すると考えられます。 実際には、どの時点でカップの代金よりも高額の商品のボタンを押そうと思ったのかという判断が困難なため、より適用可能性の広い窃盗罪で検挙されているケースが非常に多いです。

窃盗罪で検挙されるというのは、事件を起こした被疑者にとっては詐欺罪で検挙されるよりも有利であるといえます。 というのも、詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役しか定められていない一方で、窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又はは50万円以下の罰金となっていますので、詐欺罪で検挙されて起訴されると必ず正式な裁判が開かれることになりますが、窃盗罪で検挙されて起訴された場合には、法定刑に罰金刑が定められていることから略式手続による起訴を行うことができるからです。

【セルフコーヒーの不正利用を指摘されて逃走した場合の加重犯罪】

刑法238条では事後強盗罪を規定しており、窃盗を犯した犯人が、一定の場合に暴行または脅迫を行った場合には、窃盗の犯人を強盗として扱うと定めています。 この一定の場合には、①盗んだ財物を取り返されることを防止する目的、②逮捕を免れる目的、③罪跡を隠滅する目的の3つが定められています。

取り上げた報道では、逮捕された男性は、110円で購入したカップに180円のカフェラテを注ぐというかたちで窃盗をした後に、追いかけて車にしがみついてきたコンビニオーナーから逃れるために、車を250メートルほど蛇行運転して振り落とすという暴行を加えていることから、窃盗の犯人が、②の逮捕を免れる目的あるいは③の罪跡を隠滅する目的で暴行を加えたといえるでしょうから、事後強盗罪が成立すると考えられます。

こうして、窃盗を犯した人が事後強盗罪に該当すると強盗として扱われることになりますので、この上更に、人に怪我を負わせたり、死亡させた場合には刑法240条の強盗致死傷罪が適用されることになります。 強盗致死傷罪には、故意に人を死亡させた場合の強盗殺人、故意に人を怪我させた場合の強盗傷人、故意によらずに人を死亡させた場合の強盗致死、故意によらずに人を怪我させた場合の強盗致傷の4つのパターンが含まれています。

取り上げた報道では、被害に遭われたコンビニのオーナーは外傷性くも膜下出血の重傷を負っているとのことですが、今回行われた暴行が、250メートルほど蛇行運転して車から振り落とすという人を死に至らしめる危険が極めて高い行為であると判断されたために、強盗傷人ではなく、強盗殺人未遂として逮捕されたのだと考えられます。

【強盗殺人未遂で刑事事件化したら】

強盗殺人罪の法定刑は、死刑又は無期懲役のみとなっており非常に刑が重い犯罪です。 強盗殺人未遂を犯した場合には、「その刑を減軽することができる」(刑法43条)こととなっていますが、強盗殺人未遂の法定刑も強盗殺人罪と同じく死刑又は無期懲役のみとなっていますので、強盗殺人未遂も刑が重い犯罪であるといってよいでしょう。

また、強盗殺人未遂として起訴されて刑事裁判となった場合、その刑事裁判は裁判員裁判となりますので、通常の刑事裁判よりも異なる手続となります。 そのため、ご家族が強盗殺人未遂の疑いで警察に逮捕された場合は、まずは弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。 この初回接見によって、弁護士が逮捕されたご家族の方より直接事件についてお話を伺うことができますので、事件の見通しや、今後の手続の流れといったことについて弁護士から説明を受けることが期待できます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。 ご家族が強盗殺人未遂の疑いで逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】盗撮したSDカードを飲み込んで証拠隠滅

2022-11-24

【報道解説】

盗撮したSDカードを飲み込んで証拠隠滅 盗撮に気がつかれて盗撮したSDカードを飲み込んで証拠隠滅を図った刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

埼玉県さいたま市大宮区のスーパーにおいて、で小型カメラを女性のスカートの下に差し入れたとして、埼玉県迷惑行為防止条例違反の疑いで66歳の男性が逮捕されました。 警察にると、被疑者男性は、スーパーで買い物に来ていた被害者女性の背後から、靴に仕込んだ小型カメラをスカートの下に差し入れた疑いで、男性の不審な動きを見た別の買物客が警察に通報しました。 駆け付けた大宮警察署の警察官が職務質問をしたところ、男はカメラからマイクロSDカードを抜き、かみ砕いて飲み込んだということです。 警察の調べに対し、男は盗撮の事実を認めています。

(令和4年10月27日にテレ朝NEWSで配信された報道より、事実を一部変更して引用)

【スーパーマーケットでスカートの中を盗撮した場合の罪―愛知県の場合】

埼玉県迷惑行為防止条例第2条の2では、「何人も、正当な理由がないのに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為」をしてはならないとし、その第1条第1項で「人の通常衣服等で覆われている下着又は身体を写真機等を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を向け、若しくは設置すること。 」を禁止しています。 また、同項2号では、実際に盗撮していなくても、下着等を撮影するために、撮影器機を衣服等で覆われている人の身体や下着に差し向けて覗き見る行為も禁止しています。

取り上げた報道では、逮捕された男性は、スーパーマーケットという公共の場所において、女性のスカートの下に小型カメラを差し入れたとのことです。 報道記事に記載されている事実関係からでは、実際にスカートの中を盗撮したかどうかが明らかではありません。 ただ、前述したように、埼玉県迷惑行為防止条例では、盗撮の前の段階である撮影器機を下着に差し向ける行為も禁止していますので、スーパーマーケットで女性のスカートの下に小型カメラを差し入れたのであれば、埼玉県迷惑行為防止条例2条の2第1項2号に違反することになると考えられます。

この場合、埼玉県迷惑行為防止条例12条第2条によって、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科される可能性があります。 また、このような行為を常習的に行っていた場合、同条第15条第4項によって、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科される可能性があります。

【盗撮したSDカードを飲で証拠隠滅すると】

逮捕された男性は、通報により駆け付けた警察官から職務質問を受けている最中に、カメラからマイクロSDカードを抜いてかみ砕いて飲み込んだとのことです。 仮に、かみ砕いて飲み込んだマイクロSDカードの中に盗撮のデータが入っていた場合そのようなマイクロSDカードをかみ砕いて飲み込んでしまうと、証拠隠滅罪が成立するのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。 確かに、刑法104条には証拠隠滅罪を規定しています。 しかし、証拠隠滅罪が成立するためには、「他人の」刑事事件の証拠を隠滅する必要がありますので、「自分の」刑事事件の証拠を隠滅した場合は、証拠隠滅罪は成立しないことになります。

なぜ、自分の刑事事件に関する証拠を自分で隠滅した場合には証拠隠滅罪が成立しないかというと、犯人が自分の犯罪の証拠を隠滅しないように犯人自身に期待することがおよそ困難であると考えられているからです。 そのため、今回逮捕された男性が、かみ砕いて飲み込んだマイクロSDカードの中に盗撮のデータが入っていた場合、男性は自分の刑事事件の証拠を隠滅したことになると考えられますので、証拠隠滅罪は成立しないといえるでしょう。

もっとも、犯人が、自分の刑事事件に関する証拠を第三者に隠滅するよう依頼して、第三者が証拠を隠滅した場合は、証拠を隠滅した第三者には証拠隠滅罪が成立しますし、証拠隠滅を依頼した犯人にも証拠隠滅罪の教唆犯(刑法61条1項)が成立することになります。 なお、証拠隠滅罪の法定刑は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金となっています。

【家族が盗撮に逮捕されたら】

警察から、ご家族の方を盗撮の疑いで逮捕したという連絡を受けた場合、まずは弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。 この初回接見によって、弁護士が警察の留置場に留置されているご家族の元に面会して、逮捕されたご家族から直接事件についてお話を伺うことができますので、事件の概要や今後の見通しについて知ることができます。 また、逮捕されたご家族の方に、今後の手続きの流れについての説明や取調べでのアドバイスを行います。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。 ご家族が盗撮の疑いで警察に逮捕されてしまいお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】駅での器物損壊事件で逮捕

2022-11-16

【報道解説】

駅での器物損壊事件で逮捕 器物損壊事件の刑事責任とその弁護活動の中心となる示談活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

千葉県船橋警察署は、器物損壊罪の疑いで、千葉県八千代市に住む自称会社員の男性(37歳)を現行犯逮捕した。 逮捕容疑は、令和4年10月16日午後5時50分頃に、JR西船橋駅で、ごみ箱を蹴ってへこませた疑い。 船橋警察署によると、容疑者男性は酒を飲んだ帰りとみられ、駅員に取り押さえられた。

(令和4年10月18日に配信された「千葉日報オンライン」より抜粋)

【器物損壊事件の刑事処罰とは】

他人の物を故意に壊した場合には、その物の所有者(被害者)が警察に被害届を出すことにより、刑法の「器物損壊罪」が成立し、刑事処罰を受ける可能性があります。 器物損壊罪の刑事処罰の法定刑は、「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」とされています。

・刑法261条

「前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。」

器物損壊罪は、わざと意図的に物を壊した場合に成立する犯罪であり、過失によって物を壊してしまった場合には、刑事事件には当たりません。 上記の事例のような、「酒に酔って起こした器物損壊事件」では、容疑者本人が泥酔していて、事件当時の記憶が無いケースが、よくあります。

器物損壊行為の事実を認めて、被害者に謝罪して示談交渉を行い、刑事処罰の軽減を目指すのか、あるいは、「やっていない」と否認の主張をするのかは、事件対応の大きな分岐点となるため、刑事事件に強い弁護士に法律相談して、今後の方針を検討することが重要となります。

【器物損壊事件の示談解決】

器物損壊罪は「親告罪」とされており、被害者が警察に被害届を出さない限りは、刑事事件になることはありません。 したがって、器物損壊罪の刑事事件化を防ぐために、弁護士を通じて被害者側との示談交渉を行い、被害者からの許しを得る示談の成立により、被害届提出を阻止すること、あるいは既に出ている場合の被害届を取り下げてもらうことが、不起訴処分による前科回避に向けて、重要な弁護活動となります。

器物損壊事件では、被害者側が加害者側に恐怖心を持っているケースや、当事者同士の話し合いの際に新たな争いが発生してしまうケースも考えられるため、当事者同士の直接の示談交渉が認められないことも多いです。 そこで、弁護士が仲介して、被害者側との示談交渉を行い、謝罪と慰謝料支払いの意思を伝えることで、スムーズに示談を成立させて、被害届提出の阻止、あるいは被害届の取下げを実現することが重要となります。

上記の事例のように、被害者が個人ではなく、鉄道会社や大手企業などの場合には、示談交渉に一切応じてもらえないケースも考えられます。 被害者に対する被害弁償だけでも済ませることや、警察取調べに対して、事件当時の犯行状況をどのように供述するかを検討する、といった弁護活動が考えられます。 まずは、器物損壊事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。 駅などの公共場所での器物損壊事件でお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】中学生淫行で入浴姿を盗撮して逮捕

2022-11-12

【報道解説】

中学生淫行で入浴姿を盗撮して逮捕 12歳の女子中学生が入浴している様子を盗撮したとして、児童買春・児童ポルノ規制法違反の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「札幌市のホテルで、女子中学生2人が入浴する様子をカメラで撮影したとして、埼玉県の51歳の男Aが逮捕されました。 A容疑者は、去年8月11日、インスタグラムを通じて知り合った札幌市豊平区の当時12歳の女子中学生2人と、札幌市内のホテルに入り、2人が入浴する様子をカメラで盗撮した児童ポルノ禁止法違反の疑いが持たれています。

警察によりますとA容疑者は『ホテルでシャワーを浴びてくれたらお金をあげる』などと言って女子中学生を誘い、1人あたり約3万5000円を支払っていました。 事件の3日後に女子中学生の母親が、娘が多額の現金を持っていることに気付いて問いただし、警察に相談。

その後、警察がA容疑者を特定して自宅を家宅捜索したところ、盗撮に使われたカメラや映像が押収されました。 調べに対し、A容疑者は『若い子の裸が見たかった』などと話し、容疑を認めているということです。 A容疑者のスマートフォンなどからは、他にも複数の女児とみられるポルノ動画が見つかっていて、警察は、余罪についても調べを進めています。」

(令和4年10月25日にHBCニュース北海道で配信された報道より一部匿名にして引用)

【女子中学生が入浴中の様子を盗撮すると?】

入浴中の様子を被害者の同意なくひそかに撮影する行為は、盗撮行為として、各都道府県が定める迷惑行為防止条例違反として罰則を受ける可能性があります。 例えば、北海道迷惑行為防止条例2条の2第3号では、浴場や更衣室において、衣服の全部又は一部を着けない状態でいる人の姿を撮影することを禁止しており、これに違反した場合は同条例11条1項により、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

ただ、今回取り上げた報道のように、盗撮の被害者が18歳未満の児童である場合は迷惑行為防止条例違反ではなく、児童ポルノを製造したとして児童買春・児童ポルノ規制法違反となる可能性があります。 まず、18歳未満の児童の入浴中の様子というのは、「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの」として、児童買春・児童ポルノ規制法2条3項3号が定める「児童ポルノ」に当たる可能性が高いです。 そして、そのような児童ポルノを製造した場合の罰則について、児童買春・児童ポルノ規制法では複数の規定を置いています。

仮に、児童が入浴中の様子の撮影について同意していた場合は、7条4項の児童ポルノ製造罪になる可能性がありますが、そうではなく、児童に無断でひそかに入浴中の様子を撮影したということあれば、7条5項の盗撮による児童ポルノ製造罪が成立することになるでしょう。

今回取り上げた報道では、詳しい事実関係については明らかではありませんが、被害に遭った女子中学生はホテルでシャワーを浴びたら現金をもらえるという約束をしているようですので、入浴中の様子を撮影することについては女子中学生の同意がないと思われます。 そのため、本件では、7条5項の盗撮による児童ポルノ製造罪の疑いで逮捕されたと考えられます。 なお、児童買春・児童ポルノ規制法7条4項、5項に違反した場合の法定刑は、いずれも、3年以下の懲役又は300万円以下の罰金となっています。

【児童ポルノ製造について出頭をお考えの方は】

児童ポルノ製造に関する事件については、被害者が18歳未満の児童であるということもあり、児童本人ではなく児童の保護者からが警察に相談したことをきっかけに、立件されるということが珍しくありません。 そのため、例えば、児童ポルノの製造にあたって児童本人が同意していた場合や、児童本人にお金を渡していて児童本人と警察には言わないと約束した場合であっても、児童の保護者からの相談をきっかけに、ある日突然、警察が自宅に訪れて逮捕していくという場合が十分にありえます。

児童ポルノを製造したことで警察に逮捕される前に、警察への出頭を考えているという方は、まずは弁護士に相談されることをお勧めします。 弁護士に相談することで、事件の見通しや今後の手続きの流れ、出頭前に弁護士を選任することのメリットなどについて説明を受けることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。 児童ポルノ製造について警察に逮捕されるかご不安な方や警察への出頭をお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】女性に抱きついて暴行で逮捕

2022-11-08

【報道解説】

女性に抱きついて暴行で逮捕 面識の無い女性に背後から抱きついたとして暴行の疑いで男性が逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「神奈川県茅ケ崎署は2日、暴行の疑いで、住所不定、無職の男(53)を逮捕した。 逮捕容疑は、1日午後2時40分ごろ、茅ケ崎市茅ケ崎3丁目の温浴施設内エレベーターで、同市内に住む従業員の女性(47)に背後から抱きついた、としている。 調べに対し『ハグしただけで暴行はしていない』と供述し、容疑を否認している 署によると、エレベーターには2人しかいなかった。 面識はなかったという。」

(令和4年10月2日にカナコロ:神奈川新聞社で配信された報道より引用)

【抱きつきは暴行罪になる?】

今回取りあげた報道では、逮捕された男性が警察の取り調べにおいて「ハグをしただけで暴行はしていない」と供述しているようです。 刑法208条が規定する暴行罪は、殴る蹴るなどの暴力行為をした場合に成立する犯罪だと思われている方がいるかもしれませんが、後ろから女性に抱きつく(ハグをする)行為は暴行罪に当たる行為になりますので、逮捕された男性には暴行罪が成立する可能性が高いと言えます。 ちなみに、暴行罪の法定刑は、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金、又は拘留若しくは科料となっています。

【抱きつきは強制わいせつ罪になる?】

報道を読んだ方の中には、抱きつく(ハグをする)行為は刑法176条の強制わいせつ罪ではないのかと思われた方がいらっしゃるかもしれません。 確かに、見知らぬ女性に抱きつく(ハグをする)という行為は、場合によっては強制わいせつ罪や、その未遂罪が成立する可能性があります。 刑法176条では、13歳以上の者に対しては、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした場合に強制わいせつ罪が成立するとしています。 そのため、被害者の反抗を著しく困難にする程度に抱きついたという場合は刑法176条の強制わいせつ罪における「暴行」に当たることになりますので、そうして抱きついた上で、被害者の胸や下半身をまさぐったり、無理やりキスをしたりなどのわいせつな行為をした場合には、強制わいせつ罪が成立する可能性が高いと考えられます。

他にも、たとえば、後ろから抱きつくと同時に被害者の胸を揉んだというような暴行とわいせつ行為が一緒に行われた場合にも強制わいせつ罪が成立する可能性が高いと言えます。 また、わいせつな行為を実際には行わなかったものの、わいせつな行為を行う目的で抱きついたのであれば、強制わいせつ罪の未遂罪が成立する可能性もあります。

以上のように、抱きつき行為が具体的にどのような態様であったのか、抱きついた後に被害者に対して行った行為がどのようなものであったか、どのような目的で抱きついたのか等の事情によっては、強制わいせつ罪や強制わいせつ罪の未遂罪が成立する可能性があります。 このような強制わいせつ罪の法定刑は、6か月以上10年以下の懲役となっています。

【暴行の疑いで刑事事件化したら】

取り上げた報道では、男性は暴行の疑いで逮捕されていますが、男性が女性に背後から抱きついたという事件ですので、今後の捜査では、男性が女性にわいせつな目的で抱きついたのか、抱きついた際に女性の身体のどこを触ったのかなどの抱きつき行為をしたときの具体的な状況などが詳しく捜査されることが予想されます。 抱きつき行為の目的や、その具体的な状況次第によっては、暴行事件ではなく、強制わいせつ事件や強制わいせつ罪の未遂事件として手続きが進んでいく場合もあり得ます。

先ほど説明した暴行罪と強制わいせつ罪の法定刑を比べるとわかるように、強制わいせつ罪の法定刑には罰金が定められていませんので、仮に検察官が事件を強制わいせつ事件として起訴した場合に必ず正式な裁判が開かれることになります。

従って、暴行罪よりも強制わいせつ罪のほうが重い犯罪であるといえますので、事件が暴行事件として処理されるのか、強制わいせつ事件として処理されるのかはその後の手続が大きく異なる可能性があります。そのため警察の取り調べにおいては、取り調べを担当する警察官の誘導に引っかかって、抱きつき行為が強制わいせつ罪に当たるようなものであったと虚偽の自白してしまわないよう、取調べには十分注意して臨む必要があります。 警察署の取調室という密室で、取調べのプロである警察官を相手に虚偽の自白を行わないようにするためには、事前に弁護士に相談して警察での取調べ等の対応についてアドバイスを得ておくことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。 ハグをしたことにより暴行の疑いで警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】体罰暴行事件で逮捕

2022-11-04

【報道解説】

体罰暴行事件で逮捕 暴行事件の示談解決について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

埼玉県本庄市の私立中学校で、中学生に対して竹刀で突くなどの暴行を加えたとして、教員の男性が、令和4年8月25日に暴行容疑で逮捕された。 男性は剣道部の監督で、去年12月に、稽古中に部員の男子中学生に対し、顔を手で叩き竹刀でのどや脇腹を突く暴行を複数回加えた疑いが持たれている。 警察は、男性の指導日誌やスマートフォンなどを押収していて、部活動で日常的な体罰があったかどうかを調べている。 複数の生徒が暴行を受けたとみられている。

(令和4年8月25日に配信された「読売新聞オンライン」より抜粋)

【体罰暴行事件の刑事処罰とは】

部活の指導中に、物理的な接触等の「人の身体に対する不法な有形力の行使」があった場合には、刑法の「暴行罪」が成立する可能性があります。 また、「有形力の行使」により怪我を負わせた場合には、刑法の「傷害罪」が成立します。 暴行罪の法定刑は、「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」とされており、傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされています。

暴行罪と傷害罪のどちらが成立するかは、被害者側の怪我の病院診断書が、警察に提出されているかどうかが、判断の分かれ目になることが多いです。 弁護士に依頼して、被害者側との示談を成立させることで、被害届を取り下げたり、病院診断書の提出を阻止することが、刑事処罰の軽減のために重要な弁護活動となります。

【体罰暴行事件の示談解決】

暴行傷害事件においては、被害者側との示談が成立しているかの事情や、治療費や慰謝料支払いが済んでいるかの事情や、被害者が加害者を許しているかの事情が、刑事処罰の判断に大きく影響すると考えられます。 刑事事件に強い弁護士に依頼することで、被害者側との示談交渉を行い、被害届の取下げ等の、加害者を許す意思を含む示談を成立させることが、不起訴処分や刑罰軽減に結び付きます。 学校での体罰暴行事件では、被害者が未成年となるため、その保護者との示談交渉となります。

また、被害者が複数人いる場合には、それぞれの被害者との示談交渉をまとめる必要が出てくるケースも想定されます。 まずは、体罰暴行事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。 体罰暴行事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】女児に対する強制わいせつで逮捕

2022-10-31

【報道解説】

女児に対する強制わいせつで逮捕 6歳女児の下半身を触るなどの行為をしたとして強制わいせつの疑いで逮捕されたケースを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「神奈川県警港北署は16日、強制わいせつの疑いで、自称横浜市港北区新横浜1丁目、会社員の男(57)を逮捕した。 逮捕容疑は、15日午後5時35分ごろ、同市港北区新横浜2丁目の商業施設で、同区の小学1年女児(6)の下半身を触るなどわいせつな行為をした、としている。 容疑を認めている。 署によると、女児は家族と離れて商品を見ていた時に被害に遭った。」

(令和4年10月16日にカナコロ(神奈川新聞)で配信された報道より引用)

【13歳未満の子供に対する強制わいせつ罪】

刑法176条では強制わいせつ罪を規定しています。 刑法176条は、被害者の年齢が13歳以上のときと13歳未満のときで強制わいせつ罪が成立する場合を分けて規定しています。 被害者の年齢が13歳以上のときは、被害者の反抗を著しく困難にする程度の暴行・脅迫を用いてわいせつな行為をした場合に強制わいせつ罪が成立します。これに対して被害者の年齢が13歳未満のときは、暴行・脅迫を用いた場合はもちろんのこと、そのような暴行・脅迫を用いずにわいせつな行為をした場合は強制わいせつ罪が成立します。

取り上げた報道では具体的な事実関係が明らかではありませんが、商業施設を家族と一緒に訪れた6歳女児の下半身を触るといったわいせつな行為を行ったとあります。 そのため、下半身を触るまでに暴行・脅迫を用いたのか、誘惑的な手段を用いたのか明らかではありませんが、どのような手段を用いたにせよ、女児の下半身を触ったことで強制わいせつ罪が成立することになると考えられます。

なお、強制わいせつ罪の法定刑は、6カ月以上10年以下の懲役となっており、罰金刑が定められていない点で、比較的重い法定刑であると言えるでしょう。

【強制わいせつ罪で被害者の方との示談をしたい】

強制わいせつ事件を起こした際に、前科が付くことを避けたい場合は、検察官に事件を起訴される前に被害者の方と示談を締結することが重要になります。 というのも、起訴前に被害者の方と示談を締結したという事実は、検察官が起訴をするかどうかの判断に当たって起訴を回避する判断に傾く考慮要素となるからです。

示談交渉は通常、被害者本人と行うのですが、被害者の方が未成年である場合の示談交渉は被害者本人と行うのではなく、被害者の保護者の方と行うことになります。 保護者の方は自分の子供にわいせつな行為をされたということで、犯人を許せないという処罰感情が強く、示談については最初は断られる場合がありますが、粘り強く示談の条件などを交渉することで、最終的に示談を締結するということも全く不可能という訳でもありません。 示談交渉というものは必ずしも決まった方法があるというわけではなく、それぞれの弁護士の腕によるところがありますから、示談をお考えの方は示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所で、示談交渉の経験が豊富な弁護士が在籍しております。 強制わいせつ事件で被害者の方との示談を考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

【報道解説】12歳女児に乱暴して強制性交罪で逮捕

2022-10-27

【報道解説】12歳女児に乱暴して強制性交罪で逮捕

SNSで知り合った12歳の女児にホテルで乱暴したとして強制性交罪の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「12歳の女児にホテルで乱暴したとして、兵庫県警福崎署は19日、強制性交の疑いで、大阪市東淀川区の無職の男(31)を逮捕した。
逮捕容疑は8月19日午後1時~6時半ごろ、女児が13歳未満と知りながら、大阪市内のホテルで乱暴した疑い。
調べに『間違いありません』と容疑を認めている。
同署によると、2人は交流サイト(SNS)で知り合ったという。
後日、女児が被害を訴えたことから、保護者が同署に被害を届け出た。」

(令和4年10月19日に神戸新聞NEXTで配信された報道より引用))

【18歳未満の未成年と性行為をした際に成立する可能性がある犯罪】

18歳未満の未成年と同意の元、性行為をした場合は各都道府県が定める青少年保護育成条例に規定されている淫行条例に違反する可能性があります。
淫行条例に違反した場合にどのような罰が科されるかは、各都道府県によって異なります。
例えば大阪では、大阪府青少年健全育成条例39条が、18歳未満の青少年と性行為を禁止する淫行条例となっていますが、これに違反すると、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(同条例52条)。

また、18歳未満の児童とお金を渡して性行為をした場合には、児童買春行為として、児童買春・児童ポルノ規制法に違反する可能性があります。
児童買春をした場合、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性があります(児童買春・児童ポルノ規制法4条)。

これとは別に、今回取り上げた報道のように、18歳未満の未成年者の同意なく無理矢理に性行為をした場合には、刑法177条が定める強制性交等罪が成立する可能性があります。
強制性交等罪は被害者の年齢が何歳かということで、犯罪が成立するための条件が異なります。

被害者の方が13歳以上のときは、暴行又は脅迫を用いて性交等(性交、肛門性交、口腔性交のいずれか)をした場合に強制性交等罪が成立します。
これに対して、被害者の方が13歳未満のときは、単に性交等をした場合に強制性交等罪が成立することになります。

取り上げた報道では、逮捕された男性がホテルで12歳の女児に乱暴したとのことですが、被害者の方の年齢が12歳ということであれば、暴行又は脅迫を性交のための手段として用いても用いてなくても、性交等をしたという事実があれば強制性交等が成立することになります。
なお、強制性交等の法定刑は、5年以上の有期懲役となっています。

【家族が18歳未満の未成年者と性行為をしたことで逮捕されてしまったら】

家族が未成年者と性行為をしたことで逮捕されてしまった場合、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
この初回接見によって、事件の見通しや今後の手続きの流れを知ることができますし、また、逮捕された方に今後の取調べについてのアドバイスをすることもできます。

未成年者と性行為をした場合には、性行為時に相手の年齢がいくつであるかを認識していたのかといったことが非常に重要になりますので、逮捕後はこの点の認識について取調べを受けることになるでしょう。
例えば、今回取り上げた報道のように13歳未満の子供に対する強制性交等罪が事件になっている場合、性行為時に被害者の年齢が13歳未満であることの認識がなければ強制性交等罪が成立しないことになりますので、警察は強制性交等罪が成立させるために「相手が13歳未満であることを知っていたんだろう」と供述を誘導してくるおそれがあります。

仮に、13歳未満であることを認識していなかった場合にこのような誘導に乗ってしまうと、本来問われることのない強制性交等罪としての処罰を受けることにもなりかねません。
取調べ室という密室において、取調べのプロである警察の誘導に乗らずに、自身の言い分をしっかりと供述するためには、弁護士によるアドバイスが大事になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
家族が18歳未満の未成年者と性行為をしたことで警察に逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

【報道解説】性風俗店営業の風営法違反事件で逮捕

2022-10-23

【報道解説】

性風俗店の禁止地域営業による風俗営業法違反事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道事例】

営業禁止地域で性風俗店を営んだとして、埼玉県警繁華街・歓楽街総合対策推進本部と埼玉県大宮警察署は、令和4年10月12日に、風営法違反(禁止地域営業)の疑いで、中国籍で風俗店経営者(41歳女性)と、風俗店従業員(36歳女性)を再逮捕した。

再逮捕容疑は、共謀の上で、店舗型性風俗店の営業が禁止されている、さいたま市大宮区の雑居ビル一室で男性客に対し、6月3日と7月23日に性的マッサージを行った疑い。 県警は今年3月頃に、大宮駅東口の歓楽街で客引きしている経営者らを目撃し、事案を認知し、10月3日に、禁止されている不当な客引きをしたとして、埼玉県迷惑防止条例違反容疑で逮捕していた。

(令和4年10月13日に配信された「埼玉新聞」より抜粋)

【性風俗店の禁止地域営業による風営法違反とは】

性風俗店が規制を受ける際に、「性風俗店の営業が禁止されている地域での営業」を行ったとして、捜査機関の取締りの対象となるケースが多く見られます。 風俗営業法では、性風俗店は「官公庁施設、学校、図書館、児童福祉施設の周囲200メートルの区域内」での営業が禁止されており、また、都道府県の制定する条例により、性風俗店の営業禁止地域を定めることができるとされています。

・風俗営業法

28条 1項「店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(略)、学校(略)、図書館(略)若しくは児童福祉施設(略)の周囲二百メートルの区域内においては、これを営んではならない。」

2項「前項に定めるもののほか、都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、地域を定めて、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止することができる。」

性風俗店の禁止地域営業をした場合の、風俗営業法違反の刑事処罰の法定刑は、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金、又は併科」とされています。

【客引きによる埼玉県迷惑防止条例違反とは】

各都道府県の制定する迷惑防止条例では、客の性的好奇心をそそるような不当な客引きを禁止しています。 不当な客引きによる埼玉県迷惑防止条例違反の刑事処罰の法定刑は、「50万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」とされています。

・埼玉県迷惑行為防止条例

7条 1項「何人も、公共の場所において、次の各号に掲げる行為をしてはならない。」

1号「次に掲げる行為について、客引き(略)をすること。」

イ「人の性的好奇心をそそる見せ物、物品若しくは行為又はこれらを仮装したものの観覧、販売又は提供」

ロ「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる行為又はこれを仮装したものの提供」

ハ「人の性的好奇心をそそる行為を提供する営業又は歓楽的雰囲気を醸し出す方法により異性の客をもてなして飲食させる営業に関する情報の提供」

まずは、風俗営業法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。 さいたま市大宮区の風俗営業法違反事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】下着窃盗の常習犯を逮捕

2022-10-11

【報道解説】

下着窃盗の常習犯を逮捕 下着窃盗事件の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道】

派遣社員の男性(47歳)は、令和4年6月5日未明に、東京都江戸川区のアパート1階の女性宅にガラスを割って侵入し、下着など24点、9,000円相当を盗んだ疑いで、警視庁葛西警察署に逮捕された。 男性の自宅からは、女性の下着や服が100点以上押収された。 同じような被害は、この女性宅でこれまでも2件、近くのアパート1階の女性宅で4件確認されていて、警視庁は、男性の犯行とみて調べている。 男性は、2021年11月に同じような窃盗の罪で服役を終えて、出所していた。

(令和4年6月7日に配信された「FNNプライムオンライン」より抜粋)

【下着窃盗事件の刑事処罰とは】

下着窃盗事件を起こした場合には、「他人の財物を盗んだ」として窃盗罪に問われるとともに、「他人の住居に不法侵入した」として住居侵入罪に問われるケースが多いです。 住居や庭に不法侵入した場合には「窃盗罪と住居侵入罪」が成立し、他方で、コインランドリー等に不法侵入して下着窃盗事件を起こした場合には「窃盗罪と建造物侵入罪」が成立すると考えられます。

窃盗罪の刑事処罰の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」とされており、住居侵入罪や建造物侵入罪の法定刑は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」とされています。

下着窃盗事件の場合には、窃盗罪と住居侵入罪とは、手段と目的の関係にある「牽連犯」に当たることから、成立する犯罪のうち、最も重い犯罪の刑である窃盗罪の法定刑で、刑事処罰を受ける形になります。

・刑法 第235条(窃盗)

「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。」

・刑法 第130条(住居侵入等)

「正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。」

【被害者示談交渉による弁護活動】

下着窃盗事件は、被害者の存在する犯罪であるため、弁護士に示談交渉活動を依頼することで、被害者側に対して、謝罪や被害弁償・慰謝料支払いの意思を伝え、被害者からの許しの意思を含む示談を成立させることが、早期釈放や刑事処罰の軽減のための、重要な弁護活動となります。

下着窃盗事件においては、被害者側が加害者に恐怖心を抱いているケースが多く、加害者やその家族が、直接に被害者側との示談交渉を行うことは、原則として認められないことが多いです。 そこで、刑事事件に強い弁護士が示談交渉を仲介することで、弁護士だけに被害者側の連絡先が伝えられる形での示談交渉を進めることを、被害者側に打診することが、下着窃盗事件の示談解決に向けて必要となります。 まずは、下着窃盗事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。 東京都江戸川区の下着窃盗事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

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