神社でボヤ騒ぎ 建造物侵入罪で逮捕 埼玉県久喜市の刑事事件弁護士
埼玉県在住のAさんは、友人らと共に埼玉県久喜市の鷲宮神社で行われるイベントに参加するため、イベント前日から鷲宮神社へ出かけたものの、折しも厳しい寒さに耐えきれず、神社の社の隅に侵入し、小さな焚火をたいて暖をとろうとしたところ、強風の影響もあり、自分の荷物の一部を燃やしてしまうボヤ騒ぎを起こしてしまいました。
駆けつけた神社関係者によってAさんらは取り押さえられ、埼玉県警久喜警察署はAさんらは建造物侵入罪の疑いで現行犯逮捕しました。
Aさんらは逮捕事実を認め、「ボヤ騒ぎまで起こすつもりはなかった」と供述しています。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、今年12月12日午前7時ごろ、東京都千代田区の靖国神社の神門付近で、紙のようなものが燃えるボヤ騒ぎがあり、警視庁公安部が建造物侵入罪の疑いで中国籍の被疑者2名を逮捕した事案をモデルにしています。
上記事案では、被疑者らは対日抗議の政治活動の一環として、横断幕を掲げたり、段ボールに火を付けるなどし、その様子を動画で撮影していたとのことで、ボヤ騒ぎに気づいた神社関係者が取り押さえたため、火はすぐに消え、境内の建物などに被害はなく、けが人もいなかったようです。
放火行為との関係で言えば、自分の所有する建造物等以外の物であっても、放火によって公共の危険を生じさせた場合には、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科せられますが(刑法第110条第2項)、上記刑事事件では、ボヤ騒ぎによる公共の危険が生じていないことから、放火による抗議活動の前提としての建造物侵入罪のみで逮捕に至ったと考えられます。
他人の住宅や建造物に侵入した上で、別の犯罪を行う前段階で建造物侵入罪が成立することが多く、多くの場合、「犯罪の手段もしくは結果である行為が他の罪名に触れる場合(牽連犯)」として、成立する刑のうち最も重い刑で処断されることが多いですが、他方で、住居侵入罪・建造物侵入罪単独の場合でも、起訴され、懲役1年執行猶予3年や、懲役1年前後の実刑判決が下された例も多く、実刑判決を回避したい場合には、事件化の早い段階で刑事事件に強い弁護士に依頼し、適切な捜査対応の指導を受けることが大切です。
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(埼玉県警久喜警察署への初回接見費用:38,600円)