運動ジムで熱中症が発生して業務上過失致傷罪? 埼玉県越谷市の刑事事件弁護士
埼玉県越谷市内で、サウナ状態の高温の部屋で発汗を促しながら運動を行うホットヨガを経営しているAさんは、相次いで熱中症で倒れたり、気分が悪くなった会員が続発しました。
熱中症で倒れて病院に運ばれたVさんは、Aさんにはホットヨガ教室を運営する上で会員の健康に配慮する義務があるはずであり、その義務を怠っているとして、Aさんに対して民事上の損害賠償請求を行うとともに、埼玉県警越谷警察署に対して業務上過失致傷罪の被害を訴えました。
後日、Aさんは警察から業務上過失傷害罪の疑いで任意の取調べを要請されました。
(フィクションです。)
【監督者に課せられた健康配慮義務の違反と刑事責任】
今年は例年にないほどの猛暑と言われており、総務省消防庁によれば、今年4月末から9月初期の間で熱中症によって倒れたり病院に搬送された方は、過去最多の約9万2千人を記録したとされています。
岐阜県美濃加茂市では、高校の硬式野球部のコーチが、100メートル走を100本走らせる練習中、適切な水分補給をさせなかったため、野球部員の生徒が呼吸困難を起こして倒れ、意識がもうろうとした状態で救急搬送され、集中治療室で5日間治療を受けるなど1週間入院したとの報道がありました。
刑法第211条は、業務上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた場合(業務上過失致死傷罪)、または重大な過失により人を死傷させた場合(重過失致死傷罪)、5年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金を科すとしています。
業務上過失致死傷罪における「業務」とは、単に主な仕事の内容を意味するに留まらず、人の生命や身体に対する危険を防止する義務(安全管理義務)も含まれると解されています(最高裁判例)。
同様に、判例によれば、「業務」とは、人が社会生活上の地位に基づき反復・継続して行う行為で、他人の生命や身体に危害を加える可能性があるものを言うとされています。
特に上記刑事事件例のように、ビジネスとして運動ジムやヨガ等を経営している場合、反復性・継続性は当然のこと、運動に伴う安全管理義務を負いますので、業務上過失致死傷罪の認定がされる可能性は高いと言えるでしょう。
埼玉県越谷市で、運動ジム等における熱中症により業務上過失致死傷罪で刑事事件化のおそれがある方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご検討ください。
(埼玉県警越谷警察署への初回接見費用:40,200円)