【報道解説】詐欺罪で警察に再逮捕

【報道解説】詐欺罪で警察に再逮捕

埼玉県の岩槻警察署に詐欺罪で再逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「埼玉県警岩槻署は18日、詐欺の疑いで、住居不定、無職少年(15)を再逮捕した。逮捕は3度目。
再逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀して昨年11月30日午前8時半ごろから数回、徳島市の会社役員女性(74)方に、おいを名乗り『仕事の契約書類の郵送先を間違えて送ってしまった』などと電話をかけ、同日午後4時半ごろ、女性方近くの路上で、現金130万円をだまし取った疑い。
同署によると、少年は『特殊詐欺の受け子をやっていた』などと容疑を認めている。
指示役から領収書があれば後で支払うと言われ、徳島までの交通費を自費で支払い、領収書を所持していたという。
署はだまし取った現金の行方や余罪を調べる。
少年は2件の特殊詐欺の受け子をしていたとして、詐欺容疑で2度逮捕されていた。
(令和5年1月19日に埼玉新聞で配信された報道より引用)

【「再逮捕」とは?】

逮捕とは、捜査の対象になった被疑者の身体を一定期間にわたって拘束して被疑者の行動の自由を拘束する処分のことを言います。
逮捕には通常逮捕、現行犯逮捕、緊急逮捕の3つの逮捕がありますが、裁判所が発付した逮捕状に基づいて逮捕される通常逮捕が原則的な逮捕手続きになります。

よく事件を起こした場合に必ず警察に逮捕されると思ってらっしゃる方がいますが、通常逮捕は、①被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由(逮捕の理由)があり、②被疑者が逃亡したり罪証を隠滅するおそれがあるなどの被疑者の身柄を拘束しなければならない事情(逮捕の必要)があるという2つの要件を満たさないと行うことができません。

要件が満たされて警察が自宅に逮捕状を持ってきて被疑者を通常逮捕するとなった場合、冒頭でも説明した通り、被疑者の身柄が警察の留置場などに拘束されて自由が拘束されることになりますが、こうした逮捕による身柄拘束の効果は逮捕状に記載された被疑事実との関係でしか生じません(「事件単位の原則」といいます)。

どういうことかといいますと、例えばAさんが、①1月1日にさいたま市大宮区で詐欺事件を、②1月10日にさいたま市浦和区で詐欺事件を起こした際に、逮捕状に記載されている被疑事実が①のさいたま市大宮区の詐欺事件のものである場合は、Aさんの身柄拘束は①のさいたま市大宮区の詐欺事件を根拠になされているということになります。

Aさんの身柄拘束が①のさいたま市大宮区の詐欺事件を根拠になされているということは、①に関して認められた逮捕・勾留期間が満了して被疑者を釈放するか起訴するか決定しなければならない場面になったとき、今度は②のさいたま市浦和区の詐欺事件についても要件を満たすのであれば再度Aさんを逮捕・勾留することができるということになります。
こうしたある被疑事実で逮捕・勾留したAさんを、別の被疑事実で引き続いて逮捕・勾留することを、メディアでは「再逮捕・再勾留」と呼んでいます。

【ご家族が警察に詐欺の疑いで再逮捕されてお困りの方は】

組織的な特殊詐欺事件に受け子などの役割で複数回関わってしまった場合、関わった詐欺事件ごとに再逮捕・再勾留が繰り返される可能性があります。
再逮捕・再勾留が繰り返されると身柄拘束の期間が長期化することになりますので、逮捕されたご本人さまはもちろんのこと、そのご家族さまにとっても非常に負担が大きくなることが予想されます。
そのため、ご家族が警察に逮捕あるいは再逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に依頼して、弁護士によるサポートを受けられることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県でご家族が詐欺の疑いなどで警察に再逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

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