【報道解説】埼玉県さいたま市の組織内の暴力行為により傷害罪で逮捕 示談交渉による弁護活動
埼玉県さいたま市の傷害事件で逮捕された事件を例に、示談交渉のメリット・デメリットについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】
埼玉県さいたま市にある陸上自衛隊駐屯地の22歳の自衛隊員が、30代の同僚を殴る蹴るなどしけがをさせたとして傷害などの疑いで逮捕されました。
陸上自衛隊の調べに対し、容疑を一部否認しているということです。
陸上自衛隊によりますと、去年11月、同じ教育のコースを受講していた30代の同僚の隊員に対し、教室や廊下で「死ね、殺すぞ」などと脅迫してコースの受講をやめるよう要求し、全身を殴ったり蹴ったりしたほか木の棒で叩くなどしておよそ1週間のけがをさせたとして、傷害や強要未遂などの疑いがもたれています。
数日後、30代の隊員から報告を受けた教育隊長が陸上自衛隊の警務隊に通報し、調べを進めていたということです。
これまでの調べに対し、「木の棒を使って叩いてはいない」という主旨の供述をし、容疑を一部否認しているということで、動機や詳しい経緯などについて調べを進めています。
(令和7年7月22日に配信された「福岡NEWS WEB」の記事を参考に、場所等の一部事実を変更したフィクションです。)
【傷害罪の刑事処罰】
人に対して暴行を行い、結果として負傷させた場合、刑法第204条の傷害罪が適用され処罰されます。
傷害罪の法定刑は、「15年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」とされています。
暴力犯罪では、暴力行為の悪質性や狂暴さ、犯行の計画性、犯行に至った経緯、結果としての被害者の負傷の程度等を総合的に判断して量刑が決定されます。
同じ傷害罪でも、例えば加療1、2週間程度の比較的軽微なものから、後遺障害が残る重大な負傷と幅広く処罰範囲が想定されるため、傷害罪の法定刑も拘禁刑と罰金刑との選択刑を採用しています。
【示談交渉のメリット】
刑事事件を起こした加害者側は、弁護士を通じて、被害者側と示談交渉を進めることにより、加害者を許す旨を含むような内容の示談を成立させることができれば、刑事処罰を軽くしたり、不起訴処分を獲得できるといったメリットがあります。
前述のとおり、傷害罪では比較的軽微な負傷の事案も見受けられ、基本的には、違法性の比較的小さい事件であればあるほど、被害者に対する示談の成立によって不起訴処分を獲得できる確率が高くなる傾向にあります。
では、示談交渉の被害者側は、示談に応じることに、どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。
刑事事件の被害者が、示談交渉の申し込みを受け入れる場合に、示談内容の重要視すべき項目として、「治療費や慰謝料等を含めて十分な被害弁償を受け取ること」や、「どの程度まで加害者を許すのかといった処罰感情の有無を明確に示談内容中に示すこと」、「加害者の活動範囲を制限し被害者との接触を禁ずること」などが考えられます。
被害者が示談申し込みを承諾するメリットとしては、①早期に、治療費や慰謝料等の被害弁償を受けられること、②示談の条件として「加害者は被害者との接触を禁じる」といったような接触禁止の遵守事項を設けられること、などが考えられます。
もし犯罪被害について民事訴訟を提起し、民事裁判で被害弁償を受ける判決を得ようとすると、早くても数か月はかかり、手間と時間がかかります。
他方で、刑事事件の示談であれば、示談成立と同時に金銭の受け取りが可能です。
【示談交渉のデメリット】
被害者が示談申し込みを承諾するデメリットとしては、①加害者の刑事処罰の量刑が軽くなる可能性があること、②示談金を総額として受領した場合に、後日に、さらなる追加の被害額が判明しても、示談の際の金額以上を請求できないこと、などが考えられます。
示談金等の被害弁償を受け取ると「被った損害が少しでも回復した」と評価されることになり、加害者の刑事処罰の軽減に繋がります。
さらには、示談内容として「加害者を宥恕する(許す)意思」を含めることもできます。
傷害罪などの暴力事件の加害者と被害者が直接の示談交渉を行うことは、被害者やその保護者にとって恐怖心があることから、困難なケースが多いです。
加害者側が弁護士を依頼して、刑事事件に強い弁護士が仲介する形で、示談の成立を目指して、被害者と弁護士との間で示談交渉を進めることが、事件の早期解決のためには、重要となります。
まずは、傷害罪などの暴力事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
埼玉県さいたま市の傷害事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本で数少ない刑事事件・少年事件を全国規模で取り扱う弁護士事務所であり、当法律事務所さいたま支部は、大宮駅近くに事務所を構え、さいたま市を中心に埼玉県及び関東地方一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
刑事事件・少年事件を専門とする弁護経験が豊富な弁護士が、初回の法律相談や接見から事件解決まで一貫して、適切な対応を致します。
当事務所では土日祝日を含め、24時間体制で、無料相談や接見(面会)・同行サービスを受け付けております。弁護士のスケジュール次第では、電話口で事情をお伺いしてから直ちに相談・接見サービスを提供することも可能です。相談したいけれど遠方、障害、発熱などの事情で事務所まで行けないという方には、オンライン相談や電話相談も行っています。
ご不明な点やお悩みがある方は、ぜひお早めにご相談ください。