盗撮・のぞき事件

1 盗撮・のぞき行為について

盗撮行為については、令和5年の刑法改正に伴って成立した、「性的な姿態を撮影する⾏為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の盗撮罪に問われる可能性があります。

また、盗撮・のぞき行為は、行われる場所によって、迷惑防止条例又は軽犯罪法の処罰対象にもなり得ます。

さらに、盗撮・のぞき目的で、他人の家等の建物や敷地内に立ち入ると、住居侵入罪や建造物侵入罪に問われる可能性があります。

2 盗撮事件

人の性的な部位や、人が身に着けている下着のうち現に性的な部位を覆っている部分をひそかに撮影する行為は、「性的な姿態を撮影する⾏為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の盗撮罪となります。

盗撮罪は、未遂も罰せられます。

また、盗撮行為は、盗撮の場所によっては各都道府県にある迷惑防止条例に違反することにもなります。

埼玉県では埼玉県迷惑行為防止条例に規定があり、①住居、浴場、更衣室、便所等の場所、②公共の場所又は公共の乗物、③学校、事務所、タクシー等の場所又は乗物にいる人の、通常衣服等で覆われている下着や身体を撮影したり、撮影する目的でカメラを向けたり設置する行為が処罰の対象となります。

3 盗撮の罰則

「性的な姿態を撮影する⾏為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」の盗撮罪は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金と定められています。

埼玉県迷惑行為防止条例では,盗撮行為は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金、常習として行った場合は2年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定められています。

4.盗撮についてのQ&A

盗撮をした場合にどのような処分が見込まれますか?

一般的には、初犯で前科がない場合、示談できれば不起訴になる可能性が高いです。ただし、行為の悪質性や、盗撮の件数、前科前歴等の常習性に関する事情次第で、示談ができても起訴されることはあり得ます。その場合であっても、示談することで、略式起訴(罰金)や、執行猶予付判決といった寛大な処分に近付くことはできます。

いずれにせよ、早期の示談解決が有利な処分を導く鍵となります。

盗撮は面識のない相手に対して行われることが多く、そのような場合、加害者側が被害者側の連絡先を知っていることはないでしょう。加害者側が、ご自身で捜査機関に問い合わせをされても、被害者側の連絡先を教えてくもらえることは滅多にありません。仮に、連絡先を知れたか、面識があって知っていたとしても、当事者同士での示談交渉は揉めたりトラブルに発展するリスクがあります。

弁護士に依頼すれば、担当検察官から連絡先を教えてもらえる可能性が高くなり、弁護士に対してであれば示談交渉に応じてくれる被害者も多く、冷静な話し合いを持つことができます。

これにより、双方の意向を組んだ妥当な金額での示談解決が可能となり不起訴処分に大きく近づきます。
仮に起訴されたとしても、有利な処分(例えば、略式起訴・執行猶予)を導く可能性が高まります。

5.のぞき事件について

のぞき行為は、迷惑防止条例違反又は軽犯罪法違反として処罰されます。

埼玉県では埼玉県迷惑行為防止条例に規定があり、①住居、浴場、更衣室、便所等の場所、②公共の場所又は公共の乗物、③学校、事務所、タクシー等の場所又は乗物にいる人の、通常衣服等で覆われている下着や身体をのぞき見たり、衣服等を透かして見ることができる機器を用いて見る行為が処罰の対象となります。

埼玉県迷惑行為防止条例において、のぞき行為は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金と定められており、常習としてのぞき行為をしたら1年以下の懲役又は100万円以下の罰金と定められています。

また、軽犯罪法では、「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣室、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者」は、拘留(刑事施設に1日以上30日未満拘留されること)又は科料(1000円以上1万円未満の範囲内)に処せられます。現に人がいなくても場所をのぞいただけで成立し得るため、軽い刑となっています。

さらに、のぞき行為をするために人の住居に侵入した場合には、住居侵入罪も成立し、この場合、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処されます。

6.~盗撮・のぞき事件における弁護活動~

1.捜査段階における弁護活動

  1. 弁護士が接見に赴き、嘘の自白調書やニュアンスが違った調書が作成されないようアドバイスします。
  2. 早期に示談交渉に着手して、不起訴処分など有利な結果を導けるように活動します。
  3. 早期の身柄開放を目指します。
    逮捕・勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。そこで、弁護士は早期釈放・早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。
  4. 否認事件では、独自に事実調査を行うとともに、不起訴(又は略式起訴)に向けて検察官に働きかけを行います。

2.公判段階における弁護活動

  1. 少しでも有利な処分(執行猶予)がでるように活動します。
  2. 依頼者の方と相談しつつ、必要であれば矯正プログラムの検討とともに証拠提出の上、再犯防止に向けてサポートします(捜査段階から行うこともあります)。

    ⇒性犯罪を起こした方は、自分のした行為を恥じ、深い後悔をされている方がほとんどです。にもかかわらず、犯行を常習的に行ってしまう場合があります。繰り返し性犯罪で捕まった場合、反省や更生がされていないとして、重い処分がなされる可能性が高まります。しかし、そのような常習者のなかにも、犯罪行為を辞めたいと思いながら、自らをコントロールできずに繰り返してしまう方がいます。このような場合には医療機関などの専門機関への受診と治療などを行い、根本からの改善を試みるように促します。

  3. 否認事件では、冤罪を防止すべく被害者の方に記憶違いがないかの検証・弾劾活動及び弁護側独自で有利な証拠を収集・提出できるよう活動します。

盗撮・のぞきの容疑で警察等の捜査機関に取り調べ又は逮捕された方、盗撮・のぞき行為で刑事裁判を受けることになってしまった方は、盗撮・のぞき事件の実績豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部までご相談ください。

さいたま市を中心に埼玉県及び関東地方一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士が,盗撮・のぞき事件における刑事処分の見通しと取り調べ対応、前科回避や減刑に向けた対応方法等をアドバイスいたします。

盗撮・のぞき事件の当事者が逮捕・勾留等による身体拘束を受けている身柄事件の場合、最短即日に、弁護士が留置場や拘置所等の留置施設まで本人に直接面会しに行く「初回接見サービス」もご提供しています。

 

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