埼玉県所沢市で実名の差別的ツイートで名誉毀損罪
埼玉県所沢市の県職員Aさんは、市政に反対する特定アジア団体に対する不満の発露として、自身のツイッターアカウントにおいて、デモ活動のリーダーである男性Vさんの実名を挙げたうえで、Vさんの国籍に絡めてVさんの悪性格を指摘する差別的ツイートを行いました。
県職員としてツイッターを行っているAさんのアカウントにおいて、Vさんに対する差別的ツイートがなされたことがフォロワーの間で強い反発を受け、リツイートが拡大した結果、Aさんのツイートはメディアで取り上げられるまでに至り、差別的ツイートを受けたVさんは、Aさんに対する民事上の損害賠償請求や刑事上の名誉棄損罪で埼玉県警所沢警察署に刑事告訴をすることも検討すると発表しています。
自身の差別的ツイートが予想以上に拡散し、刑事事件化の可能性に不安を感じたAさんは、刑事事件化を回避する手段や可能性があるのか、名誉毀損罪で刑事告訴された場合どのような刑事責任を負うことになるかを知るべく、埼玉県で刑事事件を専門とする弁護士に相談することにしました。
(フィクションです。)
ブログやSNSが流行・定着し、誰もが自分の発言を個人のアカウントから全世界に発信することができるようになりましたが、その反面、自分と意見の合わない者に対する異論・反論の書き込み、有名人や成功者に対する羨望や嫉妬、または外交上問題を抱える他国に対する悪意ある誹謗中傷や虚偽の名誉毀損等が書き込まれて刑事事件化する事例も増えてきました。
最近でも、今年3月25日、日本年金機構はツイッターで差別的ツイートをしたとして、東京都世田谷年金事務所の男性所長を本部人事部付へ異動し、更迭したと発表しており、その具体的な理由として、当該男性が、匿名のツイッターアカウントで、特定の国会議員の実名を挙げ、「国賊」「鬼畜」「非日本人」といった投稿を繰り返すなど、外国人に対する差別的ツイートをしたとされており、男性自身も自身のツイートが自身の発言がいわゆる「ヘイト発言」であることを認めて、発言に対する謝罪と二度と行わない旨の誓約をしているそうです。
上記の事例ではまだ刑事事件化しておらず、ツイッターアカウントから差別的ツイートをした男性の身元が判明していますが、仮にネット上で差別的発言をした者の身元が特定できない場合であっても、差別的発言を受けて権利の侵害を受けた者は、「プロバイダ責任制限法」によって、権利を侵害する情報が送信されたとき、侵害された人は「送信防止措置請求」と「発信者情報開示請求」という手続きを取ることができる法制度も整っています。
このような民事の損害賠償訴訟も年々判例を積み重ねており、中には誹謗中傷の書き込みの削除依頼に応じなかったサイト管理者に対して数百万円の損害賠償請求を認める判決もくだされたケースもあり、不当な名誉毀損・誹謗中傷の書き込みに対する情報発信者の開示は広く行われるようになってきました。
このような手続きを経て悪意ある誹謗中傷の書き込みをした者が特定された場合、極めて高い確率で刑事上の法的責任の追及に移ることが多く、多くの場合、名誉棄損罪(刑法第230条)や侮辱罪(刑法第231条)での被害届や刑事告訴を行うことになります。
名誉棄損罪は、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損した場合、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金が科されます。
名誉棄損罪の刑事事件では、被害者の処罰感情が強く、決して示談には応じずに被疑者の刑事処罰を求めるケースも多く、たとえ罰金で事件が終了したとしても、前科がつくことによる社会的損失等も考慮した場合、まずは被害者に対する謝罪や示談の申し出を行い、刑事告訴を取り下げてもらうことが最善の解決策であることは間違いないでしょう。
埼玉県所沢市で実名の差別的ツイートで名誉棄損罪で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。
(埼玉県警所沢警察署への初回接見費用:40,800円)