埼玉県草加市で逆ギレ運転で殺人未遂罪
埼玉県草加市在住の会社員Aさんは、自分が契約していないにも関わらず、市内の月極駐車場に無断で自分の自動車を駐車していたところ、管理人男性VさんがAさん車の窓をノックし、違法駐車であることを厳しく追及してきました。
Aさんは、Vさんの厳しい口調に立腹し(逆ギレ)、VさんがAさん車の窓枠に手をかけている状態にも関わらず自動車を急発進させ、Vさんを引きずったまま30メートルほど走行しました。
途中で振り落とされたVさんは、すぐに110番通報し、駆けつけた埼玉県警草加警察署の警察官は、Aさんを殺人未遂罪の疑いで逮捕しました。
警察の調べに対し、Aさんは「Vさんはすぐに車から手を離したので、引きずって走行はしていない」と被疑事実を否認しています。
(フィクションです。)
上記刑事事件例のように、人が自分の自動車にしがみついたまま自動車を発進させて、人を引きずったまま走行してしまい、殺人未遂罪で刑事事件化または逮捕することがしばしば見受けられます。
具体的なケースとしては、警察官の車越しの事情聴取から逃れるために車を急発進させた場合や、友人・恋人・夫婦間で、ドライブの別れ際に口論となり、かっとなった相手が車にしがみついたまま自動車を走行させてしまった場合等が見受けられます。
このような事案は、殺人という言葉から想像するような、意図的に人を死に至らしめる行為とはかけ離れているように思われます。
しかし、殺人罪における故意とは、明確に人を殺すという意思は勿論のこと、当該行為により人を殺してしまうかもしれないという可能性の認識があれば足りると解されており(判例)、故に、人を引きずったまま自動車を走行させてしまえば、人を轢いてしまい死亡させてしまう可能性があると認識しながら、それでも構わずに自動車を発信させた場合、行為者は殺人の可能性を認識していた(未必の故意)と判断され、殺人未遂罪が成立すると考えられています。
上記刑事事件例のモデルとなった最新の事案として、今年3月12日、兵庫県警は、殺人未遂の疑いで、同県加古川市のリサイクル業の男性を逮捕しています。
逮捕事実として、被疑者は被害者男性が契約していた月極め駐車場の区画に乗用車を無断で駐車していたところ、被害者男性から注意を受けて口論になった際、急発進して車のドアノブをつかんだ会社員男性を約20~30メートル引きずり、道路に転倒させて殺害しようとした疑いが持たれています。
目撃者の証言などから、市内で被疑者男性が逮捕され、警察の調べに対し「被害者男性と口論にはなったが、引きずった認識はなかった」と逮捕事実を否認しているようです。
殺人罪は、死刑または無期懲役もしくは5年以上の有期懲役と極めて重い犯罪であり、さらに、上記のように被疑事実を否認している場合には、逮捕に引き続き、延長も含めて最大20日間の勾留が決定することも容易に予想され、起訴後の身体拘束も続くであろうと予想されます。
このような殺人未遂罪の刑事事件では、被害者に対する示談の申し出を行いつつ、捜査機関に対する捜査に適切に対処し、不当に不利な供述調書を取られないよう、被疑者としての防御権を行使することが重要であり、刑事事件を専門とする弁護士に任せることでご安心いただけます。
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(埼玉県警草加警察署への初回接見費用:40,500円)