埼玉県さいたま市で希少動物をネットに出品

埼玉県さいたま市で希少動物をネットに出品

持ち込み、持ち出し、売買などが法律上禁じられている希少動物などの売買等によって生じる刑事責任と刑事手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

<事件例>

埼玉県さいたま市ネット売買の自営業を営むAさんは、埼玉県内でリサイクルショップを経営している友人の店主に出品を依頼され、ある哺乳類動物の剥製をインターネットオークションに出品しました。
このオークションサイトを閲覧した者が、この剥製は絶滅危惧種に指定されているものではないかとサイバーポリスに通報し、連絡を受けた埼玉県警浦和西警察署種の保存法違反(陳列または広告の禁止)の疑いでAさんを取調べ、検察官送致(書類送検)しました。
警察の調べに対し、Aさんは事実を認めています。
(フィクションです)

上記刑事事件例は、希少動物のトウキョウサンショウウオを違法に売買したなどとして、令和2年4月20日、千葉県警が、同県佐倉市の無職男性と、購入客の会社員男性2名を種の保存法違反の疑いで書類送検したと発表した事実をモデルにしています。

トウキョウサンショウウオは、種の保存法にもとづく「特定第二種国内希少野生動植物種」に指定されており、販売や販売目的の捕獲などが禁じられている中、今回のように摘発されて刑事事件化したのは全国で初めてとのことです。

千葉県警によると、被害者ら3名は今年2~3月、トウキョウサンショウウオの卵や幼生を売買するなどした疑いがあり、被疑者は事実を認めているものの、トウキョウサンショウウオが今年2月に種の保存法希少動物に指定された事実については「知らなかった」と話している模様です。

【希少動物等の保護と法的規制】

条約等において絶滅危惧種に指定されてい動植物(希少動物)は、その商取引に各国共通の規制をかけることが多く、日本では「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」という法律を設けて条約を国内法化し、希少動物に関わる保護に関する義務や罰則を日本国内で徹底させています。

種の保存法第12条では、希少野生動植物種の個体等は、譲渡し・譲受け・引渡し・引取りをしてはならないとしつつ、ただし特別の許可や取扱業者としての登録がある場合にはこの限りではない、としています。

この希少野生動植物種の取引に関する義務に反して、これらを譲渡し・譲受け・引渡し・引取りした場合、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金または併科が科されることになります。
また、法人の代表者や代理人、従業員等が、その業務に関してこのような義務違反を行った場合には、行為者個人に対する上記罰則とは別に、法人に対して1億円以下の罰金刑が科されることもあります。

このような登録制度や届出制度の義務違反に関する刑事事件では、業として義務違反を行っていた、その頻度や期間、その義務違反の認識等について、捜査機関から厳しい追及を受けることになり、その悪質性によっては、懲役刑の言渡しや法人に対する高額な罰金刑の言渡しへと繋がることがあり得ます。

このような事案では、捜査の初期段階から、刑事事件を専門とする弁護士に綿密な捜査対応の指導を仰ぎ、不相当に自分に不利な内容の調書が取られないよう、被疑者としての防御権をしっかりと行使することが大切です。

埼玉県さいたま市で法律上保護されている希少動物等をネットに出品して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

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