埼玉県さいたま市で女性の衣服を故意に汚して暴行罪で逮捕
埼玉県さいたま市在住の無職Aさんは、スーツ姿でリクルート活動を行っている女性に対して、手に持っていた食料や飲食物をこぼす振りをしてわざと浴びせかけ、衣服を汚す等の被害を繰り返し行っていました。
被害にあった女性Vさんが犯行現場の管轄である埼玉県警浦和東警察署に被害を訴えたところ、同様の被害の訴えが寄せられていたため、報告のあった犯行現場付近での警戒を強化していたところ、Vさんの報告にあった犯人の人相に似たAさんを発見し、任意の事情聴取を求めたところ、故意に女性に対して食料や飲食物を浴びせかけた事実を認めたため、暴行罪の疑いで逮捕されました。
警察の調べに対し、「Aさんは将来のこと等でストレスや不満が溜まっており、憂さ晴らしのためにやった」と逮捕事実を認めています。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、今年の成人式に出席する振り袖の女性にソースをかけたとして、1月14日、埼玉県蕨市在住の無職男性が暴行罪の疑いで逮捕されたケースをモデルにしています。
被疑者は逮捕事実を認め、「自分の将来に対して不安やストレスがあり、憂さ晴らしとして行った。1件では足りず、数回繰り返した」と供述しているようです。
警察によれば、逮捕事実は、振り袖姿の通行人に対して、小袋に入ったソースをかけた疑いがあり、現場付近では、振り袖姿の女性が同様の被害に遭う事件が3件起きており、警察が余罪を詳しく調べています。
故意に相手の衣服を汚す行為をもって暴行罪を適用することについて疑問に思われる方もいると思いますが、刑法第208条は、「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料を科すとしています。
判例によれば、暴行罪における「暴行」とは、人の身体に対する不法な攻撃方法の一切を言うとされ、必ずしも攻撃が相手の身体に接触する必要はないとされています。
判例で「暴行」と認定された例として、着衣をつかみ引っ張る行為、毛髪の切断、人の数歩手前を狙って投石する行為、人の身辺で太鼓や鐘を鳴らす行為、狭い室内で抜身の日本刀を振り回す行為、他人の身体にお清めと称して塩を振りかける行為等があり、上記のとおりソース、または何らかの液体を人にかける行為も暴行罪の暴行と認定されることは間違いないと考えられます。
なお、相手の衣服のみに対して不法な攻撃を加えて当該衣服を損壊・傷害した場合には、器物損壊罪(刑法第261条)が成立する可能性もありますが、上記事案においては、衣服を身に着けている身体に対する不法な暴行という観点から暴行罪の適用となったと考えらえます。
このような事案では被害者に対する示談をまとめることが刑事弁護上最も重要なポイントとなり、被害者から刑事処罰までは求めない許しの言葉をいただいたり、被害届や刑事告訴の取下げに成功した場合には、不起訴処分を獲得できる見込みが高いと思われます。
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(埼玉県警浦和東警察署への初回接見費用:37,700円)