埼玉県飯能市の放火・失火で逮捕

埼玉県飯能市の放火の故意と失火

<事例1>
埼玉県飯能市在住の会社員Aさんは、市内に住む友人Vさん宅アパートに泊まった際、寝タバコをしてしまってカーペットを焦がしてしまったため、急用ができたと嘘をついて急いで帰宅しました。
間もなく、Vさん宅のカーペットから出火し、Vさんの部屋を焼損したところで、駆け付けた消防により火は消し止められました。
埼玉県警飯能警察署は、出火の原因はAさんのタバコにあると見て、Aさんに対して現住建造物等放火罪の疑いがあるとして警察署で詳しい事情を聞くことにしました。

<事例2>
埼玉県飯能市在住の会社員Aさんが買い物のため外出している間、Aさん宅のタコ足配線されたコンセントから出火し、Aさんの住むアパートが半焼する火事に発展しました。
この火事により、同アパートの住人3名が手や足に火傷を負いましたが、幸い死者は出ませんでした。
埼玉県警飯能警察署は、出火の発生場所がAさんの部屋のタコ足配線のコンセントにあると見て、Aさんに対して失火罪および過失致傷罪の疑いがあるとして任意の取調べのため出頭を要請しました。
(フィクションです。)

刑法第9章は、「放火及び失火の罪」を定めています。

放火」とは、故意をもって、自分が点じた火が燃焼の目的である建造物等に燃え移り、独立して燃焼し続けることを意味します(判例)。

一方、「失火」とは、過失によって(放火の故意がなく)所定の対象物を焼損させた場合を言います。

刑法は、被疑者・被告人の責任(犯罪の故意等の内面的要素)を重要視し、罪を犯す意思(故意)がない行為は罰しない(刑法第38条第1項)としていることから、現住建造物等放火罪(刑法第108条)については、死刑または無期もしくは5年以上の懲役を科しているのに対して、失火罪(刑法第116条)については、50万円以下の罰金を科すことで大きく差をつけています。

ただし、失火罪では、放火故意なく火を生じさせて刑法所定の建造物等焼損してしまった場合のみを規定しており、失火により他人に傷害を与えたり、他人を死亡させてしまった場合は含まれていないため、別途、過失致傷罪(刑法第209条)、過失致死罪(第210条)、重過失致死傷罪または業務上過失致死傷罪(刑法第211条)が成立して処罰される可能性は残ります。

さらに、放火および失火の認定で気を付けるべき点として、過失で火を生じさせてしまいながら、火の発生を恐れて消火活動を行わずに逃げてしまった場合には、不作為(義務を行わないことによる責任違反)の「放火」が認められる場合があるという点です(最高裁判例)。

具体的に言えば、たとえ放火故意が無い場合でも、「火災を予防、消化するための積極的措置を講ずべき立場にいる人間が、火災発見の現実的危険性を認識し、それに対する措置を講ずることが容易かつ可能であったのに、これをせず漫然と放置した」場合には、失火ではなく放火罪が認定される可能性があることに注意が必要です。

この季節、放火罪関連の刑事事件が多く発生し、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の法律相談を利用なさる方も多くなる傾向にありますので、どのような刑事責任が発生し、それに対してどのような対処が必要なのか知るためにも、放火失火刑事事件に詳しい弁護士に相談することが大切です。

埼玉県飯能市で、放火失火に関して刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料の法律相談または初回接見サービスをご利用ください。
埼玉県警飯能警察署への初回接見費用:42,800円)

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