・痴漢とはどのような犯罪か
痴漢行為は,後述する不同意わいせつ罪が成立することもありますが、一般的に,各都道府県に規定されている迷惑防止条例に違反することになります。
埼玉県の場合,「埼玉県迷惑行為防止条例」の第2条4項に規定があります。
法定刑として,6月以下の懲役又は50万円以下の罰金、常習として行為をした者は1年以下の懲役又は100万円以下の罰金が規定されています。
・ 公共の場所
迷惑防止条例における公共の場所とは、社会一般に開放され、不特定多数の人が自由に出入りし、利用できる場所を意味します。
迷惑防止条例における公共の場所に当たるかどうかの判断は、痴漢現場の構造や犯行時の状況によって変わりますが、一般的には会社内のトイレや個人の家などは含まれません。
痴漢についてのQ&A
・ 痴漢をした場合にどのような処分がみこまれますか?
行為の悪質性にもよりますが、一般的には初犯で前科がない場合には、示談できれば不起訴になる可能性が高いです。一方、前科前歴がある場合、起訴される可能性が高くなります(但し、示談が成立すると罰金を支払うことによって手続きから解放される略式罰金に落ち着く可能性があります)。
早期の示談解決が有利な処分を導く鍵となります。
痴漢は通常面識のない相手に対して行われるため、相手の連絡先を知っていることはまずありません。被害者(又は被害者のご家族)の方が、ご自身で捜査機関に問い合わせをされても連絡先を教えてくもらえることは少ないです。
もし、連絡先を知ることができても被害者が会ってくれない、または示談交渉で揉めてしまうことがほとんどいっても過言ではありません。
一方、弁護士にご依頼いただけますと、担当検察官から連絡先を教えてもらえる可能性が高くなり、弁護士に対してであれば示談交渉に応じてくれる被害者も多く、冷静な話し合いをすることができます。
これにより、双方の意向を組んだ妥当な金額での示談解決が可能となり不起訴処分に大きく近づきます。
仮に起訴されたとしても、有利な処分(例えば、略式罰金・執行猶予)を導く可能性が高まります。
・痴漢をして不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)が成立することがありますか?
痴漢をしたときの状況や行為の態様により、不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)が成立することがあります。
不同意わいせつ罪には、迷惑防止条例違反より重い法定刑が規定されています。
下着の中に手を入れて性器の外側を触るなど、痴漢の態様が重ければ重いほど、不同意わいせつ罪が成立する可能性が高くなります。
膣や肛門の中に指を入れたり入れようとしたら、さらに重い法定刑の不同意性交等罪やその未遂罪が成立することも考えられます。
一方、衣服の上から性的な部位に触れる行為は、迷惑防止条例違反にとどまることが多いです。
~痴漢事件における弁護活動~
1.捜査段階における弁護活動
- 弁護士が接見に赴き、嘘の自白調書やニュアンスが違った調書が作成されないようアドバイスします。
- 早期に示談交渉に着手して、不起訴処分など有利な結果を導けるように活動します。
- 早期の身柄開放を目指します。
逮捕・勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。そこで、弁護士は早期釈放・早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。 - 否認事件では、独自に事実調査を行うとともに、不起訴(又は略式起訴)に向けて検察官に働きかけを行います。
2.公判段階における弁護活動
- 少しでも有利な判決がでるように活動します。
- 依頼者の方と相談しつつ、必要であれば矯正プログラムの検討とともに証拠提出の上、再犯防止に向けてサポートします(捜査段階から行うこともあります)。
⇒性犯罪を起こした方は、自分のした行為を恥じ、深い後悔をされている方がほとんどです。にもかかわらず、犯行を常習的に行ってしまう場合があります。繰り返し性犯罪で捕まった場合、反省や更生がされていないとして、重い処分がなされる可能性が高まります。しかし、そのような常習者のなかにも、犯罪行為を辞めたいと思いながら、自らをコントロールできずに繰り返してしまう方がいます。このような場合には医療機関などの専門機関への受診と治療などを行い、根本からの改善を試みるように促します。
- 否認事件では、冤罪を防止すべく被害者の方に記憶違いがないかの検証・弾劾活動及び弁護側独自で有利な証拠を収集・提出できるよう活動します。
痴漢の容疑で警察等の捜査機関に取り調べ又は逮捕された方、痴漢事件で刑事裁判を受けることになってしまった方は、痴漢事件の実績豊富な弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部までご相談ください。
さいたま市を中心に埼玉県及び関東地方一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う弁護士が,痴漢事件における刑事処分の見通しと取り調べ対応、前科回避や減刑に向けた対応方法等をアドバイスいたします。
当事者が痴漢の容疑で逮捕・勾留等による身体拘束を受けている身柄事件の場合、最短即日に、弁護士が留置場や拘置所等の留置施設まで本人に直接面会しに行く「初回接見サービス」もご提供しています。