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【報道解説】埼玉県蕨市のデリヘル盗撮事件で示談解決

2024-05-02

【報道解説】埼玉県蕨市のデリヘル盗撮事件で示談解決

デリヘル盗撮事件の示談解決について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

埼玉県さいたま市水道事業管理者と市は、令和6年3月28日に、盗撮行為などをしたとして、地方公務員法に基づき、水道局の男性課長(56歳)を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。
水道局の課長は、1月6日午後3時ごろ、蕨市内のホテルで、派遣型風俗店の女性を呼び出し、ハンディーカメラを設置して隠し撮りした。
女性がカメラに気付いて通報し、埼玉県蕨警察署に性的姿態等撮影容疑で逮捕された。
女性との示談が成立し、同16日に釈放され、翌日に不起訴処分となった。
(令和6年3月29日に配信された「埼玉新聞」より抜粋)

【デリヘル盗撮事件の刑事処罰とは】

派遣型風俗店のサービスを利用中に盗撮事件を起こした場合には、性的姿態撮影等処罰法の「性的姿態等撮影罪」や、各都道府県の迷惑防止条例違反の「盗撮罪」に当たるとして、刑事処罰を受けるケースが考えられます。

性的姿態撮影等処罰法は、令和5年7月に新しく施行され、盗撮行為を処罰する規定が置かれています。
性的姿態等撮影罪の法定刑は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」とされています。

・性的姿態撮影等処罰法 2条1項1号
「正当な理由がないのに、ひそかに、次に掲げる姿態等(略)のうち、人が通常衣服を着けている場所において不特定又は多数の者の目に触れることを認識しながら自ら露出し又はとっているものを除いたもの(略)を撮影する行為
イ 人の性的な部位(略)又は人が身に着けている下着(略)のうち現に性的な部位を直接若しくは間接に覆っている部分
ロ イに掲げるもののほか、わいせつな行為又は性交等(略)がされている間における人の姿態」

【示談成立による不起訴処分に向けた弁護活動】

不起訴処分を得て前科を回避するためには、検察官が起訴・不起訴の判断をする前の、できるだけ早い段階において、刑事弁護の依頼を受けた弁護士が、警察の取調べ対応や被害者側との示談交渉対応などの弁護活動を開始していることが重要となります。

被疑者が逮捕・勾留されている事件であれば、勾留期間(原則10日間、勾留延長により20日間)が終わった時点で、検察官による起訴・不起訴の判断がなされるため、逮捕前や逮捕直後から弁護士に法律相談をして、不起訴処分の獲得に向けた取り組みを、前もって進めておくことが必要となります。

盗撮事件では、被害者側が加害者に対する恐怖心を持っていることから、警察も当事者間同士の直接の示談交渉を認めないケースが多いです。
示談成立による不起訴処分の獲得を目指すためには、弁護士に依頼をして、弁護士が被害者との間を仲介する形での示談交渉を行う必要があります。

まずは、デリヘル盗撮事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県蕨市のデリヘル盗撮事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】児童買春で公務員を逮捕

2024-04-28

【報道解説】児童買春で公務員を逮捕

女子高生に2万円を渡してわいせつな行為をしたとして消防士の公務員男性が児童買春で逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「女子高生に現金2万円を渡してわいせつな行為をした疑いで、埼玉県さいたま市の消防士の男が逮捕されました。
児童買春の疑いで逮捕されたのは、さいたま市大宮区の消防士・A容疑者(36)です。
大宮警察署によりますと、A容疑者は今年4月、さいたま市内のホテルで17歳の女子高生に現金2万円を渡してわいせつな行為をした疑いが持たれています。
別の児童買春事件をめぐって警察が女子高生の携帯電話を調べたところ、A容疑者の関与が浮上。
2人はSNSを通じて知り合ったということです。
A容疑者は『未成年であることは分かっていた』と容疑を認めています。」

(令和4年11月21日にテレビ西日本で配信された報道より、事実を変更したフィクションです。)

【児童買春の罪】

今回取り上げた報道は、成人男性が17歳の女子高生に対して現金2万円を支払ってわいせつな行為をしたとして児童買春の疑いで警察に逮捕されたというものです。
こうした18歳未満の児童に対して、現金などの対償を渡して性交等をすると「児童買春」に当たることになります(児童買春・児童ポルノ禁止法2条2項参照)。

児童買春にあたるためには、児童に対して「性交等」を行うことが必要になりますが、「等」という文字がついていますので、「性交等」には性交以外にも、口淫や手淫といった性交類似行為をした場合や、自分の性的好奇心を満たす目的で児童の性器・肛門・乳首を触ったり、逆に自分の性器・肛門・乳首を児童に触らせたりした場合も含まれています。

また、児童に対して性交等の対償として渡すものには現金以外にも、児童にアクセサリーなどのプレゼントをしたり、食事をご馳走したりして性交等を行った場合にも児童買春に当たると考えられています。
さらに、このような対償を性交等の相手となる児童本人に渡した場合以外にも、児童との性交等を取り持った(周旋した)人や、児童の保護者、現在児童を支配下に置いている人に渡して児童と性交等をした場合にも児童買春に当たることになります。
なお、性交等の対償は実際に相手に渡していなくても、対償を渡す約束をして性交等に及んだ場合にも児童買春に当たります。

このような児童買春行為をしてしまうと、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金が科される可能性があります(児童買春・児童ポルノ禁止法4条)。

【歯科医師免許を持つ人に前科がついてしまうと?】

消防官は原則として市町村の職員であり、身分としては地方公務員になります。

地方公務員は、その権利や義務について、地方公務員法の規制を受けます。
地方公務員の場合は、地方公務員法第29条1項で、懲戒処分の対象となる行為が定められています。

地方公務員法第29条では、主に「各種特定の法令に違反した場合」、「職務上の義務に違反したり職務を怠つた場合」、「全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」等に、懲戒処分として「戒告」、「減給」、「停職」又は「免職」の処分をすることができるとしています。
処分の程度が軽い順に、「戒告」「減給」「停職」「免職」の4種類となります。

公務員の「職員の懲戒処分等に関する規程」によれば、「18歳未満の者に対して、金品その他財産上の利益を対償として供与し、又は供与することを約束して淫行をした職員」に対しては、その内容を考慮して、「免職」又は「停職」となると規定されています。

つまり、地方公務員である消防士が児童買春や児童淫行を行ったことで前科がついてしまうと、「免職」処分によって仕事を辞めざるを得なくなったり、あるいは「停職」処分によって、現在の社会的立場に非常に大きな不利益を被る可能性があり得ます。
そのため、地方公務員の仕事への影響を抑えるためには、児童買春・児童淫行について起訴を回避する(不起訴となる)ことが必要になるでしょう。

余罪や前科の有無などにもよりますが、不起訴を獲得するためには検察官が起訴の決定をする前に、児童買春の被害者である児童の保護者の方と示談をすることが非常に重要になります。
そのため、児童買春について前科がつくことを避けたいとお考えの方は、弁護士に児童買春の事件について相談して、被害者の保護者の方との示談を依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
児童買春について前科が付くことを避けたいとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県さいたま市大宮駅の電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕

2024-04-24

【報道解説】埼玉県さいたま市大宮駅の電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕

電車トラブルによる傷害罪の刑事事件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道解説】

埼玉県在住の会社員男性A(25歳)は、会社帰りのJR埼京線の電車内で、同じ車両にいた会社員V(40歳)の顔を殴って鼻骨骨折させたとして、傷害罪の疑いで現行犯逮捕されました。
埼玉県警大宮警察署の調べでは、Aは電車内で座り込んでいたところ、Vに「電車内で座るな、邪魔だ」と言われ逆上し、Vに暴行を加えたとのことで、Aは逮捕容疑を認めている模様です。
(令和4年6月23日の神奈川新聞「カナコロ」の記事をもとに、事実を変更したフィクションです。)

【傷害罪とは】

傷害罪は刑法第204条に規定されています。
傷害罪は、「人の身体を傷害した」場合に成立し、「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」が科されます。

刑法に規定する暴力犯罪において、傷害罪は、暴行罪の結果的加重犯と言われています。
つまり、暴行罪は「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったとき」に成立し、その結果「人の身体を傷害した」場合に傷害罪が成立することになります。

ここで言う「暴行」とは、「人の身体に対する不法な有形力の行使」とされており、上記刑事事件例のように、人の顔を殴るという行為は、明確に「暴行」に該当し、その結果鼻骨骨折という傷害の結果が生じているため、傷害罪が成立することになります。

【電車トラブルから発展した傷害罪】

本来、犯罪行為が行われたからといって、すべての犯罪を警察が逮捕権を行使する訳ではありません。
警察は、逮捕のような強制処分ではなく任意の方法で捜査を進めることが原則とされており、逮捕が必要な場合には、裁判所が逮捕を必要と判断し、逮捕を許可して逮捕状を発行することが必要とされています(通常逮捕)。

しかし、上記刑事事件例のように、電車トラブルによる傷害罪という事案では、多くの人の目の前で傷害罪という犯罪が行われるため、逮捕状の発行を必要としない「現行犯逮捕」される可能性が非常に高いと言えます。
電車トラブルによる傷害罪で現行犯逮捕されてしまうと、そのまま警察の留置場で身柄を拘束されることになるため、それ以後、会社や学校に行けなくなる等の社会的不利益が生じます。

【傷害罪の刑事弁護活動】

そのため、電車トラブルの傷害罪で現行犯逮捕された場合、まずは早期に身柄を解放してほしいというニーズが考えられます。

被疑者が逮捕されると、警察は事件を検察官に送致します。
検察官は、逮捕に引き続いて被疑者の身柄を最大10日間拘束する「勾留」の必要の有無を判断し、検察官が勾留請求してこれを裁判所が認めると勾留が決定していまいます。
さらに勾留の満期において、さらに最大10日間の勾留延長が可能であるため、被疑者は最大20日間勾留されることもあり得ます。

これだけ長期間身柄が拘束されると、会社を解雇されたり、会社を辞職せざるを得なくなったり、その他重い懲戒処分を受けたり、様々な生活に支障をきたすことになるでしょう。
このような逮捕事案では、逮捕された段階ですぐに刑事事件の経験豊富な弁護士に弁護を依頼し、勾留が決定されることを回避する活動をしてもらうことで、早期に身柄が解放できるよう手を打つことをお勧めします。

【傷害罪の刑事弁護活動】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、傷害罪等の逮捕事案を数多く受任し、勾留阻止のための活動を数多く経験し、勾留阻止による早期釈放の実績を多数挙げております。
電車トラブルの傷害罪で逮捕されお困りの方は、刑事事件に強い弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回接見サービスをご利用ください。

【報道解説】業務上横領罪で事件化する前に 示談交渉に強い弁護士

2024-04-20

【報道解説】業務上横領罪で事件化する前に 示談交渉に強い弁護士

埼玉県で業務上横領の疑いで逮捕されたケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「会社の口座から自身の口座に振り込み入金し、現金を着服したとして、埼玉県警捜査2課と深谷署は1日、業務上横領の疑いで、麺類製造・販売会社元経理担当で自称パート従業員の男(48)=熊谷市拾六間=を逮捕した。」
(令和5年2月2日に埼玉新聞で配信された報道より一部抜粋して引用)

【意外に罪が重い業務上横領罪】

今回取り上げた報道では、男性が業務上横領罪の疑いで逮捕されています。

業務上横領罪は刑法253条に規定する犯罪で、「業務上自己の占有する他人の物を横領した」場合に成立する犯罪です。
業務上横領罪が成立する場合としては、会社から割り当てられた業務として会社の備品を管理する業務を担っていた人が管理している会社の備品を転売した場合や、経理として会社の口座を管理している人が会社の口座から自分の口座へと送金して会社の資金を着服した場合などが考えられます。

このような業務上横領罪の法定刑は10年以下の懲役刑となっています。
法定刑に罰金が定められていませんので、仮に検察官が業務上横領罪で起訴するという判断をした場合は、略式起訴することができず正式な裁判が開かれることになります。

【業務上横領罪が会社に発覚したら?】

会社の資金を着服してしまったなどの業務上横領罪に当たる行為をしてしまった場合は、弁護士に今後の対応についてご相談されることをお勧めします。
業務上横領罪については、まず最初に会社内部で調査が行われて、調査の結果、会社が業務上横領罪について刑事告訴をしたところで警察などの捜査機関が捜査に乗り出すという流れで刑事事件化することが多いです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部に寄せられる業務上横領の相談事例についても、まず会社側が業務上横領の事実を認識し、横領が疑われている方と会社側で話し合いを行い、横領した金額を返せば、会社側は被害届や刑事告訴を行わないと申し入れるケースが見受けられます。

そのため、業務上横領罪について会社が被害届や刑事告訴する前に、弁護士を通して会社に対して謝罪や横領金額の返金などの示談交渉をして、会社が謝罪と被害の弁済を受け入れてくれるといった形で会社と示談を締結することができれば、警察が業務上横領罪について捜査に乗り出す前に当事者間で事件を解決することができる場合があります。

また、被害を受けた会社側も、少しでも横領された金額が返金されることを望むことが多いので、横領を疑われている方の段階的な財産処分を通じて被害弁償をすることで、事実上の示談が成立することもあり得ます。

このように業務上横領罪を刑事事件化する前に当事者間で示談ができれば業務上横領罪の前科を付けずに事件を解決することができるでしょう。
そのような解決を目指すには、業務上横領罪が会社に発覚してから、少しでも早く弁護士に相談することが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県で業務上横領罪が会社に発覚してお困りの方や、業務上横領罪の前科を付けたくないとお考えの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】公然わいせつ罪の誤認逮捕事件

2024-04-16

【報道解説】公然わいせつ罪の誤認逮捕事件

公然わいせつ罪の誤認逮捕事件の報道を例に、刑事手続きと弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道事例】

埼玉県大宮警察署は、令和6年2月17日に、公然わいせつの疑いで逮捕したさいたま市の自営業の男性(45歳)が誤認逮捕だったと発表した。
大宮警察署によると、今月11日に、さいたま市大宮区の大宮駅付近の商業施設で保安員から「男が下半身を露出しているのを目撃した」と通報があった。
防犯カメラの映像や車の特徴などから45歳の自営業の男性が浮上し、警察は17日朝、公然わいせつの疑いでこの男性を逮捕した。
その後の捜査で、当時男性は埼玉県内の別の場所で仕事をしていて誤認逮捕だったことが分かり、男性は逮捕から約9時間後に釈放された。

(令和6年2月17日に配信された「FBS福岡放送」の記事を元に、犯行場所や管轄捜査機関等の事実を変更したフィクションです。)
(上記日付において埼玉県大宮警察署で誤認逮捕事件は発生しておりませんのでご留意ください。)

【公然わいせつ罪の刑事処罰とは】

公衆の場で裸になる等の露出行為をした場合には、公然わいせつ罪に当たるとして、刑事処罰を受けます。
公然わいせつ罪の法定刑は、「6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」とされています。

・刑法 174条(公然わいせつ)
「公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」

【誤認逮捕事件の弁護活動】

通常の逮捕手続きでは、あらかじめ捜査機関側が、被疑者や被疑事実が書かれた逮捕状を、令状裁判官に請求します。
そして、実際に逮捕する際に必要な手続きとして、逮捕される者に対して、その逮捕状を示さなければなりません。
逮捕される当人は、逮捕状が提示されたときに、自分にどのような容疑がかけられているかを知ることができます。

自分の身に覚えのない容疑で、誤認逮捕されてしまった場合には、逮捕されて取調べを受けている警察署に弁護士を呼び、弁護士に無実であることを伝えて、今後の警察取調べ対応を相談しましょう。
あるいは、逮捕を知ったご家族の方が、弁護士事務所に相談電話をして、逮捕されている警察署での弁護士接見(面会)を依頼することもできます。

弁護士に無実の誤認逮捕である事情を伝えた上で、刑事弁護活動を依頼した場合には、弁護士は被疑者の釈放に向けて、すみやかに裁判所や検察官に対して働きかけるなど、無実主張と早期釈放に向けた適切な弁護活動を行うことになります。

警察の捜査員は取調べのプロであり、被疑者が自分は無実であると主張しても、厳しい取調べの過程において、精神的に追い詰められていく可能性が考えられます。
取調べ中の被疑者が、「一時的に楽になれるなら」と、つい投げやりな気持ちになって、嘘の自白をしてしまわないとも限りません。
そうなる前に、少しでも早く弁護士に依頼をして、警察署での弁護士接見(面会)をご依頼ください。
警察取調べの対処方法や、釈放に向けた事件の見通しなどを、刑事事件に強い弁護士が誠心誠意アドバイスいたします。

まずは、公然わいせつ誤認逮捕事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県内での公然わいせつ等の性犯罪の誤認逮捕事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【事例解説】窃盗罪を複数回行った場合、窃盗の前科・前歴が複数ある場合

2024-04-12

【事例解説】窃盗罪を複数回行った場合、窃盗の前科・前歴が複数ある場合

埼玉県越谷市の窃盗事件を例に、複数回窃盗罪行ったことがあったり、窃盗罪の前科がある場合における刑事手続きの見込みについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「埼玉県越谷市に住むAさん(50代)は、近所のスーパーマーケットで数点の食料品を商品棚から直接自分のカバンに入れ、商品をレジに通さないで店の外に出たところ、店員に見つかって、警察に通報されました。
Aさんは、通報により駆けつけた埼玉県警越谷警察署の警察官によって、窃盗罪で現行犯逮捕されました。
Aさんの母Bさんが身元引受人となることで、Aさんは勾留されることなく釈放されました。
事件がさいたま地方検察庁越谷支部に送致され、検察官調べに出頭した際、Aさんは「過去に複数回の窃盗罪の前科があり、今回は実刑の可能性もある」と言われました。
Aさんは今回の窃盗罪で刑務所行きになる可能性があると聞いて大変不安になり、刑事弁護に強い弁護士に依頼することを検討することにしました。」
(この事例はフィクションです)

【度重なる万引きや前科の有無による窃盗罪の量刑】

万引きは、刑法235条に規定されている窃盗罪に該当します。
仮に、スーパーでの万引き行為が窃盗罪として起訴されて有罪となってしまうと、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性があります。

窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑」と非常に幅の広く設定されており、窃盗罪で起訴されて有罪が認められた場合、その犯罪行為の様々な側面を考慮して、その事件に対する刑罰の程度(量刑)が決定することになります。

一概に、万引きという窃盗行為をしたからといって、定型的な量刑が決定される訳ではなく、実際の事件の内容によって大きく変わります。
その犯罪行為の違法性が悪質と判断されれば、罰金刑では済まされず懲役刑が科せられ、場合によっては執行猶予がつくこともなく実刑判決がくだされる可能性もあるでしょう。

そこで考慮される事情としては、窃盗の被害金額の大きさ(被害が大きいほど違法性が高い)、犯行態様の計画性(プロの窃盗団など、組織的計画的な犯行である方が違法性が高い)などが考慮されます。

他方、1つの万引き行為自体が大した被害金額でなくとも、日常的・常習的に万引きを行っていたり、過去数年にわたって複数回の罰金刑が科された前科多数の者による再犯(累犯)の場合も、かつて度重なる刑罰が科されたにも関わらず社会に対する反省や更生の意図が見られないとして、より重い法定刑で処罰されていく傾向があります。

必ずしも前科の数に応じて累進的に決定されるものではありませんが、例えば過去2回程度、窃盗罪で数十万円の罰金刑を科された者が更に窃盗罪を犯した場合、その次からは懲役刑による実刑判決が下される可能性を考慮する必要があります。

【万引きによる窃盗罪の刑事弁護】

万引きによる窃盗罪で刑事事件化した場合、被害者に対する謝罪や被害弁償を行い、被害者と示談を取り付け、被害者の処罰感情を和らげることが最も重要です。

前述のとおり、過去に何度も窃盗罪の前科や前歴がある場合、罪を重ねるほどに情状面での処罰の必要性が重く考慮されてしまう傾向があるため、特に被害者との示談締結によって、客観的な違法性を少しでも和らげることが最も効果的です。

過去に万引き等による窃盗罪で複数の前科や前歴をお持ちの方は、刑事事件の示談交渉の経験豊富な弁護士に弁護を依頼して、少しでも示談締結の可能性を高めることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所、窃盗罪などの示談交渉を多数経験しております。
埼玉県越谷市で複数の万引きによる窃盗罪の疑いでお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県春日部市の学習塾盗撮事件で執行猶予判決

2024-04-08

【報道解説】埼玉県春日部市の学習塾盗撮事件で執行猶予判決

盗撮事件に関する刑事罰とその弁護活動を通じて執行猶予判決を得ることについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

大手学習塾の埼玉県内の教室で生徒10人を盗撮したなどとして、性的姿態等撮影と児童買春・ポルノ禁止法違反の罪に問われた、当時同塾の教室長だった男性(38歳)の判決公判が27日、さいたま地裁で開かれ、裁判官は被告人に懲役3年、保護観察付き執行猶予4年(求刑懲役3年)を言い渡した。
裁判官は判決理由で、被告人が過去に盗撮をしようとした際に声をかけられた男性を振り払いけがを負わせたとして、罰金刑に処されたにもかかわらず犯行を繰り返したと指摘。
被害を受けた生徒の多くが日頃から信頼していた被告人から盗撮されたと知って心理的ショックを受けたとし「動機に酌むべき点は全くない」と非難した。
一方で「全ての罪を認め反省も深まっている」として、保護観察付きの執行猶予判決とした。
判決などによると、被告人は2022年1月ごろから昨年8月ごろまでにかけて、自身のスマートフォンで塾内の女子トイレや授業中に女子生徒10人を盗撮した。
(令和6年3月29日に配信された「埼玉新聞」より抜粋)

【盗撮事件の刑事処罰とは】

女子トイレ等で盗撮行為をした場合には、「性的姿態撮影等処罰法違反」に当たる、あるいは、各都道府県の「迷惑防止条例違反」に当たるとして、刑事処罰を受けます。

性的姿態撮影等処罰法は令和5年7月に施行され、盗撮行為を禁止する新たな処罰法令となっています。
性的姿態等撮影罪の法定刑は、「3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金」とされています。
他方で、迷惑防止条例違反の盗撮罪の法定刑は、各都道府県の条例により異なりますが、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされていることが多いです。

また、盗撮行為の被害者が、18歳未満の児童だった場合には、児童ポルノ禁止法違反の「児童ポルノ製造罪」に当たるとして、「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」という法定刑で、刑事処罰を受ける可能性も考えられます。

【執行猶予付きの判決とは】

刑事裁判で判決された罪の量刑が、「3年以下の懲役または禁錮、もしくは50万円以下の罰金」であるときには、被告人の情状等を考慮した上で、執行猶予が付されることがあります。
執行猶予が付されると、1年以上5年以下の指定された期間中は刑罰の執行が猶予され、その間は刑務所に入ることはありません。

その執行猶予期間中に、被告人が再犯を起こす等により執行猶予を取り消されるような事情がなければ、執行猶予の期間の経過とともに刑の言い渡しは効力を失います。
例えば懲役刑の執行猶予であれば、執行猶予期間の経過とともに、懲役刑を受けることはなくなります。
ただし、執行猶予期間中に被告人が再犯を起こす等の事情があれば、執行猶予は取り消され、以前に判決を受けて執行を猶予されている刑罰が執行されることになります。

刑法26条には、執行猶予の必要的取消しについての規定があり、「猶予の期間内に更に罪を犯して禁錮以上の刑に処せられ、その刑について執行猶予の言渡しがないとき」等の事情があれば、執行猶予は必ず取り消されるとされています。
他方で、刑法26条の2には、執行猶予の裁量的取消しについての規定があり、「猶予の期間内に更に罪を犯し、罰金に処せられたとき」等の事情がある場合には、裁判官の裁量で、執行猶予が取り消される可能性があります。

まずは、盗撮事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県春日部市の学習塾盗撮事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】ひったくりの窃盗事件で逮捕

2024-04-04

【報道解説】ひったくりの窃盗事件で逮捕

埼玉県川越市で起きたひったくり事件について弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

「埼玉県警川越署は11日、窃盗の疑いで住居不定無職の男(48)を逮捕した。
逮捕容疑は8日午後4時11分ごろ、川越市宮町の路上で、徒歩で通行中の女性(54)の後方から自転車で近づき、追い抜きざまに現金2万円などが入った女性の手提げバッグを奪った疑い。
女性にけがはなかった。」
(令和5年2月15日で埼玉新聞で配信された報道より、事実を一部変更したフィクションです)

【ひったくりはどのような罪に問われる?】

隙をついて被害者の方が持っているバッグや財布と言った金目の物を奪い去る行為を「ひったくり」と言います。

ひったくりをすると、基本的に刑法235条の窃盗罪が成立ますが、被害者の方からバッグなどを持ち去る際に、暴力を用いたり、被害者の方に怪我を負わせてしまったりした場合は、窃盗罪に加えて刑法208条の暴行罪や刑法204条の傷害罪が併せて成立する場合もあります。
窃盗罪の法定刑は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金で、暴行罪の法定刑は2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料、傷害罪の法定刑は15年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。

ただ、具体的な状況によっては、ひったくり行為が更に重い罪が成立する場合があります。
例えば、路上にいた被害者の方が持っていたバッグを後ろからスクーターで近付いて奪い去るというひったくり行為の際に、被害者の方がバッグを奪われまいと抵抗した場合にバッグごと被害者の肩を引きずった上でバッグを奪い去ったというようなひったくりの場合は、相手方の反抗を抑圧する程度の暴行を加えてバッグを奪ったとして刑法236条1項の強盗罪が成立する可能性が高いです。

また、強盗の際に相手に怪我を負わせた場合には刑法240条の強盗致傷罪が、死亡させた場合には同じく刑法240条の強盗致死罪が成立することになります。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役で、強盗致傷罪の法定刑は無期又は6年以上の懲役で、強盗致死罪の法定刑は死刑又は無期懲役となっています。

【ひったくりの疑いでご家族が警察に逮捕されてお困りの方は】

ご家族がひったくり事件の容疑者として警察署に逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
ひったくり事件の場合、先ほど説明したように、具体的にどのようなひったくり行為をしたのかということで成立する犯罪が異なります。

また、仮に、ひったくり行為が強盗致傷罪や強盗致死罪として起訴された場合は、その裁判は裁判員裁判の対象になりますし、裁判員裁判の公判が開かれる前には公判前整理手続という手続が開かれることになりますので、通常の刑事裁判とは異なる流れで裁判が開かれることになります。

初回接見を依頼されることで、初回接見に向かった弁護士から直接、警察署に逮捕されたご家族がどのような罪に問われる可能性があるのか、今後どのような手続きで事件が処理されていくのかといったことについて説明を受けることができますので、今後の見通しを立てることができるようになります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県川越市で、ご家族がひったくり事件を起こして刑事事件化、または逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【事例紹介】ひき逃げで過失運転致傷罪と道路交通法違反

2024-03-31

【事例紹介】ひき逃げで過失運転致傷罪と道路交通法違反

ひき逃げにより、過失運転致傷罪および道路交通法違反となった場合の責任とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例】

埼玉県在住の会社員男性A(28歳)が、埼玉県三郷市のジャンクションを乗用車で走行中、自動車側方に軽い衝撃を感じましたがガードレールに接触しただけだと思い、そのまま走り去りました。
後日、埼玉県警吉川警察署からAに呼び出しがあり、「人を轢いた」容疑で取り調べを受けました。
警察によれば、Aの乗用車が接触したのは自転車に乗った埼玉県内在住の女性Vであり、Vは転倒し全治3週間の打撲を負ったとのことです。
警察の調べに対し、Aは、人身事故の認識はなかったが、何かと接触したことは感じながらも現場を確認せず走り去ったことは供述しました。
警察から次回取り調べ日時を予告されたAは、今後の対応について刑事事件に強い弁護士に相談しました。
(事例は弊所に寄せられた法律相談をもとに事実を一部変更したフィクションです。)

【ひき逃げの罪】

交通事故を起こした場合、直ちに車両の運転を停止して、負傷者の救護等を行う義務(救護義務)があります(道路交通法第72条第1項)。
事故を起こし負傷者がいるにも関わらず、救護義務を怠り逃走することを一般的にひき逃げと呼び、ひき逃げ(救護義務違反)で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。

上記刑事事件例において、Aは、人身事故の認識はなかったと供述していますが、物との接触であっても交通事故であり、その認識がある以上は、現場を確認せず走り去ったこと(「当て逃げ」と呼ばれることもあります)で救護義務違反と認定される可能性はあります。

また、救護義務違反とは別に、Vの負傷が、Aが運転上必要な注意を怠ったことによるものと立証されれば、過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)が成立します。
過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金であり、ひき逃げと同程度に重い罪です。

なお、両罪とも有罪となった場合、併合罪として、最大15年以下の懲役又は150万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

【ひき逃げの弁護活動】

このようなひき逃げ事案では、被害者の負傷の程度にもよりますが、何の弁護活動も行わなければ、検察官から起訴され、実刑となる可能性があります。

ひき逃げ事案に対する弁護活動としては、被疑者の加入する自動車保険会社とも連携しながら、被害者との円滑な示談交渉に努めます。
保険金で完全な賠償を行える場合でも、謝罪とともに被疑者個人からの見舞金や謝罪金等を申し出る等で誠意を示し、示談書等に「寛大な処罰を求める」「重い処分を求めない」旨の宥恕条項を入れてもらうことで、検察官の処分や裁判官の判断に有利な影響を及ぼす可能性を高めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故関係の刑事事件を多数取り扱い、ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反の刑事事件で示談成立による不起訴処分を獲得した実績も数多くあります。

ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反で自身やご家族が警察の取り調べを受け不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部へご相談ください。

【事例解説】酒気帯び運転で道路交通法違反で逮捕 その他付随する交通犯罪

2024-03-27

【事例解説】酒気帯び運転で道路交通法違反で逮捕 その他付随する交通犯罪

酒気帯びの状態で自動車を運転したことによって道路交通法違反で刑事事件化した事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

3月21日未明、富山市で酒を飲んで車を運転した疑いで42歳の会社員の男が逮捕されました。
男は女性をはねたということで、はねられた女性は死亡しました。
警察によりますと、酒気帯び運転の疑いで逮捕されたのは、富山市町村の会社員男性(42)で、被疑者は21日午前1時20分ごろ、車を運転し、富山市総曲輪1丁目の国道41号線の交差点を左折したところ、道路を歩いて渡っていた富山市西中野本町の女性(62)をはねたということです。
この事故で、被害者女性は腰などを強く打って救急搬送されましたが、外傷性ショックでおよそ12時間後に死亡しました。
警察は、事故後、被疑者の呼気から基準を超えるアルコールが検出されたため、酒気帯び運転の疑いで現行犯逮捕しました。
調べに対し、被疑者は「飲酒運転になると分かって運転した」と容疑を認めているという事です。
(令和6年3月21日の「富山テレビ」の記事をもとに、事実を一部変更したフィクションです。)

【酒に酔って自動車運転をする罪】

お酒を飲んだにも関わらずアルコールの影響が残っている状態で自動車等を運転して、道路交通法違反などの法令違反で刑事事件化する事案が後を絶ちません。
明らかにアルコールの酩酊状態によって通常の判断ができない状態で自動車等を運転する、いわゆる「危険運転」だけでなく、運転者の呼気に基準値以上のアルコールが検出される「酒気帯び運転」の状態でも道路交通法違反に問われる可能性があります。

酒気帯び運転罪は、酒気を帯びている状態で車両等の運転をした場合において、身体に血液1ミリットルにつき0.3ミリグラム又は呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上にアルコールを保有する状態にあった場合に成立することになります(道路交通法65条、同117条の2の2第3号、道路交通法施行令44条の3)。
そして、酒気帯び運転罪の法定刑は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金となっています。

次に、酒酔い運転罪についてですが、酒酔い運転罪は、酒気を帯びている状態で車両等の運転をした場合において、酒に酔った状態すなわち、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態にあった場合に成立することになります(道路交通法65条、同117条の2第1号)。

酒酔い運転罪の成立にあたっては、酒気帯び運転とは異なり、身体に残っていたアルコールの数値について具体的な数値は定められていません。
あくまで「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」にあったかどうかによりますので、例えば、お酒に極端に弱い人であれば、呼気検査の数値が酒気帯び運転の成立に必要な数値より低い場合でもあっても、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態といえるのであれば、酒酔い運転罪が成立することになると考えられます。
こうした酒酔い運転罪の法定刑は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金となっています。

酒気帯び運転罪と酒酔い運転罪の法定刑を見比べてみると分かりますが、道路交通法では酒酔い運転罪の方が重く処罰されています。

【酒酔い運転に伴う他の交通犯罪~過失運転致死傷罪~】

上記のとおり、酒に酔った状態で自動車等を運転するだけでも道路交通法上の罪に問われますが、さらにその状態で人を傷つけてしまった場合には、過失運転致死傷罪の罪に問われる可能性もあり得ます。

まず、通常の過失運転致死傷罪は、「自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた」場合に成立し、7年以下の懲役・禁錮または100万円以下の罰金が科されます。

また、過失運転致死傷罪を犯した者が犯行時無免許運転だった場合、罪が重くなり、10年以下の懲役が科されます。

他方、過失運転致死傷罪とは別に、危険運転致死傷罪という罪もあり、「アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行」している状態で、人を負傷させた者は15年以下の懲役が科され、人を死亡させた者は1年以上の有期懲役が科されます。

さらに、アルコール等の影響下にあって本来適切に運転できない状態であるにも関わらず自動車を運転し、人を致死傷させた者が、その発覚を恐れて飲酒等の事実を隠滅したり免脱することを処罰するための「過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪」があり、12年以下の懲役刑が科されます。

【酒酔い運転で刑事事件化したときは】

お酒を飲んで自動車運転をして道路交通法違反などで警察から呼び出しの連絡が来たという方は、弁護士に相談して今後についてアドバイスを貰われることをお勧めします。
また、事件を起こしたことを認める場合は、弁護士を通して反省を示したり、再発防止のための取り組みを主張する等の情状主張をすることが重要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
酒酔い運転による道路交通法違反の疑い、およびそれに付随する交通犯罪で逮捕されたり、警察の捜査を受けてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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