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【事例解説】18歳未満の女性をソープランドで働かせ児童福祉法違反で逮捕
【事例解説】
18歳未満の女性をソープランドで働かせ児童福祉法違反で逮捕 18歳未満の女性をソープランドで雇用して性的なサービスを提供させたとして、児童福祉法違反の疑いで逮捕されたケースを弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【事例紹介】 「ソープランドを経営するAさんは、路上で女性Ⅴさんを誘い、Vさんが生活に困っていることに乗じて、自身が経営するソープランドで働かせようと考えました。 ソープランドで勤務するにあたって、AさんはVさんの年齢を尋ねると、Vさんは本当は17歳でしたが、本当の年齢を言ったら働けなくなると思い、19歳と年齢をごまかしました。 Aさんは、Vさんの年齢を確認するため顔写真付き身分証の提示を求めましたが、Vさんは忘れてきたと言い、結果としてAさんはVさんの年齢を確認することをせず、Vさんを雇用しました。 ソープランド従業員としてVさんを雇っていましたが、ある日突然Aさんのもとに警察が『この店に18歳未満の子いるよね』と訪ねてきて、そのままAさん児童福祉法違反の疑いで逮捕しました。」
(この事例はフィクションです)
【18歳未満の子を風俗店で働かせると…?】
児童福祉法は児童の健全な育成のために定められている法律です。 そこでは、児童の健全な育成に悪い影響を及ぼす行為は禁止されています。 そのため、自身の立場を利用して18歳未満の児童をソープランドやデリヘルなどの風俗店で働かせて、客に性的なサービスを提供させる行為は、児童福祉法34条1項6号で禁止されている「児童に淫行をさせる行為」にあたる行為として禁止されています。 これに違反すると10年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金又はその両方が科される可能性があります(児童福祉法60条1項)。
【18歳未満だと知らなかったという弁解は通るのか?】
児童福祉法60条4項によれば、児童の年齢が18歳未満であることを知らないことを理由として、処罰を免れることができないというのが原則です。 ただし、18歳未満であることを知らなかったことについて過失がないときは、例外的に処罰を免れることができます。 それではどのような場合に、18歳未満であることを知らなかったことについて過失がないといえるかについてですが、これには古い判例で「過失がない」とはいえない、すなわち過失があったとして被告人を児童福祉法違反で有罪とした昭和34年5月11日決定があります。 この判例は、被告人が、18歳未満の女性を接客婦を雇い入れるにあたり、女性の年齢を調査するために女性の実家を訪問して、直接、女性の両親とも接触し、そこで提出された他人の戸籍抄本を女性のものであると簡単に信じた事案について、被告人に「過失がない」とはいえないと判断しました。
この判例を踏まえると、女性の話を漫然と信じたり、女性の身体の発育状況から安易に18歳以上であると判断した場合や、顔写真のない住民票の写しをもって女性を18歳以上であると判断した場合は、「過失がない」とはいえないと判断される可能性が高いでしょう。 また、仮に女性が偽造した顔写真付き証明書を提示したことで18歳以上であると判断した場合も、顔写真付き証明書で年齢を確認したという事実を証明することが出来なければ「過失がない」と判断されることは難しいと考えられます。
【児童福祉法違反の疑いで突然警察に逮捕されてしまったという場合は】
児童福祉法34条1項6号の「児童に淫行をさせる行為」に違反した場合の刑罰は、児童福祉法の中で最も重い刑罰になります。 そのため、ご家族の方が児童福祉法違反の疑いで警察に逮捕された場合はいち早く弁護士に依頼して初回接見を依頼されることをお勧めします。
逮捕直後から、警察による取り調べが開始されますが、そこでは、捜査機関側が思うようなストーリーに沿った調書を作成するため、事実とは異なった供述をするよう誘導される危険性があります。 事実に反する調書が作成されることを防ぎ、不必要な刑事処分を受けることを回避するためには、捜査開始直後に弁護士が事件に介入することが重要になります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。 風俗店で18歳未満の児童を働かせたことにより児童福祉法違反の疑いで警察に逮捕されたという方がご家族の中にいてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。
【報道解説】公然わいせつで風俗店経営者が逮捕
【報道解説】
公然わいせつで風俗店経営者が逮捕 性的行為を他人が見られる状況で行った風俗店に対する刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「東京・蒲田にある風俗店が警視庁に摘発され、経営者の男ら4人が公然わいせつの疑いで逮捕されました。 警視庁によりますと、大田区蒲田の風俗店Xの経営者、A容疑者ら2人は17日、他の客が見られる状態で50代の女性従業員と男性客にわいせつな行為をさせた疑いがもたれています。 女性従業員と男性客も逮捕されましたが、その後、釈放されています。 店は、性的サービスをしたとして去年4月に営業停止処分を受けていましたが、その後も営業を続け、この2年間で約2000万円を売り上げたとみられています。 調べに対し、2人は容疑を認めているということです。」
(令和4年7月19日に日テレNEWSで配信された報道より一部匿名表記にして引用)
【公然わいせつ罪とは】
不特定または多数の人が認識することができるような状態で、性行為や性交に類似した行為といったわいせつな行為を行ってしまうと、刑法176条の公然わいせつ罪が成立する可能性があります。 この不特定または多数の人が認識することができるような状態というのは、路上や公共の場所以外にも、室内であっても、これに当たる場合があります。
今回、女性従業員と男性客のわいせつな行為は、風俗店の店内という室内で行われたとのことですが、風俗店を利用する別の客などが、このわいせつな行為を認識できるような状況であれば、不特定または多数の人が認識できるような状態であるといえるでしょう。 公然わいせつ罪の法定刑は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金、又は拘留若しくは科料となっています。
【実際にわいせつな行為をしていなくても罪に問われる場合がある】
今回、風俗店の経営者であるAさんも公然わいせつの疑いで逮捕されています。 Aさんが実際に公然わいせつに当たる行為をしたかについては報道では明らかではありませんが、風俗店の経営者として、他の客から見えるような場所でわいせつな行為ができるような風俗店をつくり、女性従業員を雇ってそのような行為をさせていたということであれば、公然わいせつ罪の共同正犯(刑法60条、176条)として公然わいせつ罪をした人と一緒に罪に問われることになるでしょう。
なお、このような風俗店の経営者ではなく、単なるスタッフとして働いていた場合であっても、公然わいせつを行いやすくするような仕事をしていた場合には、公然わいせつ罪の幇助犯(刑法62条1項、176条)に問われる可能性があります。
【他の客のわいせつな行為がみえる風俗店を利用してしまった場合は】
他の客と風俗店の従業員とのわいせつな行為がみえるような風俗店を利用して、従業員とわいせつな行為をしてしまったという場合は、公然わいせつ罪に問われる可能性があります。 今回取り上げた報道でも、実際にわいせつな行為をしていた男性客も、公然わいせつ罪の疑いで逮捕されています。
なお、報道では、男性客は逮捕後にすぐ釈放されたということですが、釈放されたからといって無罪放免という訳ではありませんので、今後は、在宅での捜査が続くことが予想されます。 そのため、他の客と風俗店の従業員とのわいせつな行為がみえるような風俗店を利用してしまい、警察の捜査の対象になるかもしれないとご不安な方は、一度弁護士に相談して、今後の対応などについて、弁護士から専門的なアドバイスを貰うことをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です 利用した風俗店の経営者が公然わいせつの疑いで逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。
【報道解説】ストーカー規制法違反の逮捕事案で不起訴処分
【報道解説】
ストーカー規制法違反の逮捕事案で不起訴処分 GPS機器を用いて被害者に無断で被害者の位置情報を複数回取得した行為により、ストーカー規制法違反の疑いで逮捕された後に不起訴となった刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【報道紹介】
「先月、20代の知人女性のリュックサックにGPS機器を入れ、複数回無断で位置情報を取得したとしてストーカー規制法違反の疑いで逮捕された61歳の男性について、東京地検は不起訴としました。 東京地検は不起訴の理由を明らかにしていません。」
(7月28日にTBS NEWS DIGより配信された報道より引用)
【ストーカーはどのような場合に逮捕されるのか?】
ストーカー規制法では、「ストーカー行為」をした場合や、禁止命令に違反した場合に罰則を科すという内容になっていますので、このような行為をした場合にはストーカー行為規制法違反を理由に逮捕されることになるでしょう。 GPS機器を使った場合にどのような理由でストーカー行為規制法違反になるのかといったことについて簡単に説明すると、特定の者に対する恋愛感情といった好意の感情や、そのような好意の感情が満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、特定の者の持ち物にGPS機器を入れて無断で位置情報を取得する行為は「位置情報無承諾取得等」と呼ばれることになります。 そして、「位置情報無承諾取得等」を反復して行うと「ストーカー行為」に当たることになります。 そのため、知人女性のリュックサックにGPS機器を入れて複数回無断で位置情報を取得する行為は「ストーカー行為」にあたる可能性が高いと言えるでしょう。
【どのような場合に不起訴処分となるのか?】
報道では、逮捕された男性が不起訴処分となったとありますが、不起訴処分となる場合として代表的なものには次のような場合があります。
・被疑者が死亡していた場合や時効が完成していた場合など、起訴をするための条件(訴訟条件)が欠けていることが明らかになった場合。
・被疑者がした行為がそもそも犯罪の構成要件に当たらない場合や、正当防衛の成立や犯行時に心神喪失状態であったなどの犯罪の成立を阻害する事実が明らかとなった場合。
・捜査の結果、犯罪となる事実を行った人物が被疑者ではないことが明らかとなったなどの嫌疑なしの場合、犯罪を行った人物が被疑者である疑いがあるものの被疑者が犯人であることの証拠が不足している嫌疑不十分の場合。
・逮捕した被疑者に犯罪の疑いがあって犯人であることの証拠も充足しているものの、「犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により」(刑事訴訟法2248条)検察官が起訴を必要しないと判断する起訴猶予の場合。
今回の事件では不起訴処分の理由が明らかとなっていませんが、一般的にストーカー行為規制法違反のような被害者の方がいる事件の場合では、被害者の方との示談締結は、不起訴処分を獲得のために重要な要素になります。
【ストーカー行為規制法違反について不起訴処分を目指したい方は】
不起訴処分となった場合は刑事裁判が開かれることがないので事件を早期に解決することができますし、また、刑事罰が科されることがありませんので前科が付くことを回避することもできます。 このように不起訴処分には様々なメリットがありますが、不起訴処分の獲得は容易なものではありません。 そのため、不起訴処分を獲得したいとお考えの方は、まずは刑事事件の弁護活動経験が豊富な弁護士にご相談されることをお勧めします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。 ストーカー行為規制法違反で不起訴処分の獲得を目指したい方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。