Author Archive

【事例紹介】埼玉県所沢市で刃物所持の銃刀法違反で逮捕

2024-07-17

【事例紹介】埼玉県所沢市で刃物所持の銃刀法違反で逮捕

刃物を外に持ち出すなどして銃刀法違反で警察沙汰になった場合の、一般的な刑事手続きと刑事責任ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【刑事事件例】

埼玉県所沢市在住の会社員Aさんは、趣味と蒐集しているナイフ3本を同じ趣味の友人に見せるためにバッグに入れて所持していたところ、巡回中の埼玉県警所沢警察署の警察官に呼び止められました。
警察官は、「バッグから刃物のようなものが見えるので中身を見せてください」と要請していますが、Aさんが拒否すると、所沢警察署への同行を求めてきました。
Aさんは自分が銃刀法違反の疑いで逮捕されるのか、刑事事件に発展してしまうのか、とても不安になりました。
(上記いずれもフィクションです。)

【実際の銃刀法違反の刑事事件例】

上記刑事事件例は、令和2年4月28日、包丁2本を携帯していたなどとして、神奈川県警金沢警察署が、横浜市金沢区の会社員男性(59歳)を銃刀法違反の疑いで逮捕した事案をモデルにしています。
警察の調べに対し、被疑者は「包丁は手にしていたが、何でなのかよく覚えていない」と供述しているとのことです。

警察発表の逮捕容疑は、4月27日午後5時15分ごろ、会社の事務所兼自宅の敷地内で、被疑者男性が正当な理由がないまま刃の長さが約17センチと約15センチの包丁2本を携帯したとのことで、目撃した同じ会社の男性社員が身柄を確保し、通報を受けて駆け付けた警察官に引き渡したとのことです。

また、弊所に寄せられた刃物所持の銃刀法違反の相談事例では、例えば、「護身のために刃物を所持していた」「工作のために刃物を所持していた」と主張しつつも、不適切な場所で刃物を所持していたために警察官に事情聴取を求められ、違法は刃物の所持が発覚するケースが見受けられます。

【銃刀法違反の刑事事件化の端緒】

一般に、警察官は「異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある」人を「停止させて質問することができ」ます(警察官職務執行法第2条第1項)。
ただし、同条第3項では、「その意に反して警察署、派出所若しくは駐在所に連行され、若しくは答弁を強要されることはない」とありますので、あくまでも職務質問は任意です。

とはいえ、警察官の職務質問の実効性をあげるうえで、必要性・緊急性等も踏まえ、任意の捜査であっても、具体的状況下では警察官による有形力の行使が認められると解されています(最高裁判例)。

また、正当な理由なく、刃渡り5.5cm以上の剣・あいくち、その他、刃の長さが6センチを超える刃物等を所持していた場合、銃刀法違反で罰則を受ける可能性があります。
例えば、刃の長さが6センチを超える刃物を正当な理由なく所持していた場合、2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます(銃刀法第31条の18)。

上記事例のように、銃刀法違反と疑われる刃物の所持が、外部から見て取れる場合には、「疑うに足りる相当な理由」があるとして警察官の質問を受けることになるでしょう。

いずれにせよ、警察官の任意の捜査であっても、強硬な態度や反抗的な態度はとらず、疑われている事実を聞き、その合理性を判断したうえで捜査協力に応じるべきでしょう。

一般に、何らかの正当な理由で刃物を所持していたのであれば、警察官に対して真摯にその理由を釈明すべきですし、何の理由もなく警察官の任意捜査に応じない場合には、人に言えない不法な理由で刃物を所持していたとの疑いを強めますので、逮捕リスクを高めてしまうことにつながることを自覚しておくべきです。

ですので、基本的には警察官の事情聴取等の任意捜査に応じつつ、その時点では逮捕されるリスクは低いと思われ、家に帰されることが多いと思われますので、捜査を終えた時点で、刑事事件の可能性についてすぐに弁護士に相談することをお勧めします。

埼玉県所沢市で刃物を所持して銃刀法違反で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方またはそのご家族は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

【報道解説】未成年者に対する不同意性交等罪で軽い処分を目指すための弁護活動

2024-07-13

【報道解説】未成年者に対する不同意性交等罪で軽い処分を目指すための弁護活動

令和5年7月13日施行の改正刑法において新設された「不同意性交等罪」の逮捕事案と弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道事例】

女子中学生に性的暴行をした疑いで、不同意性交等の疑いで39歳の男が逮捕されました。
警察によりますと、容疑者の男は8月6日午後0時ごろ、埼玉県内の運動施設で、女子中学生の体を触るなどのみだらな行為をした疑いが持たれています。
容疑者の男は、容疑の一部を否認しています。警察は被害者保護の観点から、犯行場所や関係性を明らかにしていませんが、2人は面識があったということです。
(令和5年8月8日に配信された「ABAニュース(ABA青森朝日放送) 県内ニュース」の記事を基に、一部事実を変更したフィクションです。)

【刑法改定:不同意性交等罪の新設】

令和5年7月13日に「不同意性交等罪」等の性犯罪に関する刑法改正が行われ、旧刑法の「強制わいせつ罪」「準強制わいせつ罪」を統合して「不同意わいせつ罪」、旧刑法の「強制性交等罪」「準強制性交等罪」を統合して「不同意性交等罪」を規定することになりました。

不同意性交等罪の新設の背景には、近年における性犯罪をめぐる状況に鑑み、構成要件の明確化と細分化を進め、以てこの種の性犯罪に適切に対処する必要があるとの理由に基づいています。

【不同意性交等罪とは】

刑法改定後の不同意性交等罪では、「次のような行為」等により、被害者の真の同意を得ることなく性交等を行った場合に、婚姻関係の有無にかかわらず処罰されることになります(刑法第177条第1項)。

「次のような行為」として、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害(おそれも含む)」、「アルコール若しくは薬物の摂取」、「睡眠その他の意識不明瞭状態」、「不同意を形成・表明するいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖・驚愕」「虐待に起因する心理的反応」、「経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」の8項目が列挙されています。

今回の刑法改正では、加害者と被害者との年齢についても変更が規定されています。

【不同意強制性交等罪の刑事弁護】

今回の刑法改正によって不同意性交等罪が新設されましたが、従来の性犯罪に対する刑事弁護の原則どおり、前科が付くことを避けたい場合は、検察官が事件を起訴するか否かの判断前に、被害者の方と示談を締結し、検察官が起訴を猶予するよう方向づけることが最も重要です。

示談交渉は通常、被害者が成人であれば被害者本人と交渉を進めますが、被害者が未成年である場合は、被害者の保護者の方と示談交渉を行うことになります。

性犯罪全般の傾向として、被害者の方は、不安や恐怖に怯え、傷つけられた自尊心から犯人を許せないという処罰感情が強く、示談が難航することは珍しいことではありません。
しかし、刑事弁護の経験豊富な弁護士が、粘り強く謝罪や示談の条件を提示し、二度とこのような犯罪を起こさないと制約すること等を通じて、最終的に示談の締結に至る実績も多数ございます。
示談交渉は必ずしも決まった方法があるわけではなく、被害者の方が何を望んでいるのかを汲み取り、それに対して最適な問題解決案を提示することが最も重要ですので、示談締結の確率を少しでも上げたいと希望する方は、示談交渉の経験が豊富な弁護士に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所で、示談交渉の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
不同意性交等罪の性犯罪で被害者の方との示談を考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談や初回接見サービスをご利用ください。

司法試験受験生アルバイト求人募集2024

2024-07-12

司法試験受験生アルバイト求人募集2024
2024/07/12

アルバイト オフィス 法律事務所弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、2024年(令和6年)度の司法試験受験生又は予備試験受験生を対象に、全国12都市にある各法律事務所の事務アルバイトを求人募集致します。司法試験合格に向けて勉強やモチベーション維持をしたい方や、弁護士・検察官・裁判官を目指していて刑事事件又は少年事件に興味のある司法試験・予備試験受験生は、うってつけの法律事務所アルバイト業務ですので是非ご応募下さい。

司法試験受験生アルバイト求人募集情報
あいち刑事事件総合法律事務所の事務アルバイトに採用されると、専門弁護士による刑事・少年事件の弁護活動を間近に見ることができます。司法試験又は予備試験の勉強で学んだ法律知識が弁護士事務所でどのように使われているのかを見ることで、知識の確認と深化定着につながります。深夜早朝アルバイトであれば、冷暖房完備の快適で静かな環境で、電話対応などの簡単な仕事以外の時間は自由に勉強等をしていただけます(深夜早朝手当も出ます)。司法試験合格者のアルバイトを多数受け入れ、当事務所アルバイト経験者の多くが司法試験に合格しているモチベーションの高い職場です。

【事務所概要】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本では稀有な、刑事事件・少年事件及びその関連事件の弁護をメイン業務とする全国的刑事総合法律事務所です。著名事件から市民生活に密接した事件まで、数多くの刑事事件・少年事件及びその関連業務をほぼ全分野にわたって幅広く取り扱っています。全国12都市に事務所を構えており、経験豊富な弁護士に加え、元裁判官、元検察官、元官僚等の専門領域を持ったエキスパートが集まる専門性の高い職場環境となっています。刑事事件・少年事件のリーディングファームとして、プロフェッショナル養成のための所内研修及び事業部制度を整え、全国に高レベルの弁護サービス普及を目指しています。また、更生支援、犯罪被害者支援や入管事件にも力を入れて取り組んでいますので、当事者の支援や外国人問題に興味のある司法試験・予備試験受験生も歓迎しています。

【募集職種】

・事務アルバイト
・深夜早朝アルバイト

【給与(東京の場合)】

・事務アルバイト:時給1300円+交通費
・深夜早朝アルバイト:時給1300円+深夜早朝割増(25%UP)+交通費
※時給は勤務地によって異なり、1000〜1300円となります。

【勤務時間】

勤務時間:週1日~、1日3時間~
※業務内容や個人の事情に応じて勤務時間は柔軟に対応いたしますのでご相談下さい。

【執務環境】

・交通費支給
・各事務所とも主要駅近く利便性抜群。
・PC、事務処理環境、インターネット等完備
・刑事事件、少年事件の専門性が高い職場

【勤務地】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、JR大宮駅近く(徒歩約7分)に事務所を構え、さいたま市を中心に埼玉県及び関東地方一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
さいたま支部は2017年6月に開設されましたが、毎年おおよそ200件近い法律相談を承り、受任となった事件では、不起訴処分の獲得など多くの実績を挙げております。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部では、弁護士1名・事務員1名の少人数で運営していますが、弁護士と事務員の綿密な情報連携により、きめ細かい弁護活動を行っており、ご依頼者様からご好評いただいております。

https://saitama-keijibengosi.com

司法試験受験生アルバイト求人応募方法

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所のアルバイト求人募集にご興味のある方は、エントリー・説明会参加フォーム又は電子メールnoritakesaiyou@keiji-bengosi.com 宛で事務所までご応募ご質問下さい。5日間程度のうちに採用担当者からメール又は電話でご連絡させていただきます。

http://recruit.keiji-bengosi.com/inquiry/

【事例解説】16歳高校生が特殊詐欺で逮捕

2024-07-09

【事例解説】16歳高校生が特殊詐欺で逮捕

埼玉県行田市で16歳の高校生が特殊詐欺の受け子をした疑いで警察署に逮捕された事件ついて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「16歳の高校生のAさんは大阪府大阪市で両親と一緒に暮らしていますが、SNSで見つけた書類の受け取りのアルバイトに応募して採用されました。
Aさんは、関西地方で数回、書類の受け取りのアルバイトをした後、指示役の人に、埼玉県行田市にある家に書類を受け取りに行くように指示されました。
Aさんは、指示に従って埼玉県行田市にある家に、金融機関の職員を装って書類を受け取りに行ったところ、家で待っていた埼玉県警行田警察署の警察官に現行犯逮捕されました。」
(この事例は、弊所に寄せられた法律相談の内容に基づき、事実を変更したフィクションです)

【特殊詐欺の受け子をするとどのような罪に問われる?】

書類の受け取りのアルバイトと思って応募して採用されてアルバイトが特殊詐欺の受け子だったという場合があります。
このような特殊詐欺の受け子として事件に関わってしまうと、刑法235条の窃盗罪や刑法246条1項の詐欺罪に問われる可能性があります。
仮に窃盗罪で起訴されて有罪となると10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑が科される可能性がありますし、詐欺罪で起訴されて有罪となると10年以下の懲役刑が科される可能性があります。

【16歳の高校生が家から離れた場所で警察に現行犯逮捕されるとどうなる?】

事例のAさんは16歳の高校生ですが、Aさんのように特殊詐欺の受け子をした人が20歳未満の場合は、少年法という法律が適用されることになりますので、こうした事件のことを少年事件と言います。
少年事件の場合は通常の刑事手続きとは異なり、警察や検察による捜査が進められた後は、事件を家庭裁判所に送致することになります。
そして、事件の送致を受けた家庭裁判所でも、少年の調査が進められることになり、家庭裁判所が事件を起こした少年の更生という観点から、少年に刑事罰を科す代わりに、少年の最終的な処遇を決定することになります。

このように少年事件の場合の手続きは、事件が家庭裁判所に送致されるまでの警察や検察による捜査の段階と、事件が家庭裁判所に送致された後の段階で大きく分けることができます。
警察や検察による捜査が行われている場合は、事件を起こした場所を管轄する警察や検察が対応することになりますが、事件を家庭裁判所に送致した後は、事件を起こした少年の住所(基本的には保護者の方がいる場所)を管轄する家庭裁判所が対応することになる場合が多いです。

取り上げた事例でいうと、Aさんは埼玉県久喜市で特殊詐欺の受け子をしていますから、埼玉県久喜市を管轄する久喜警察署やさいたま地方検察庁(さいたま市浦和区)が捜査を進めることになります。
そして、捜査が進み、事件を家庭裁判所に送致するとなった場合、送致先の家庭裁判所は、Aさんが現在両親と暮らしている兵庫県神戸市を管轄する神戸家庭裁判所になり、神戸家庭裁判所がAさんの最終的な処遇を決定することになる可能性が高いと言えるでしょう。

【警察から高校生のお子さんを逮捕したと連絡が来たら?】

事例のように、高校生のお子さんが、現在住んでいる場所とは離れた場所で逮捕されたということを知った場合は、いち早く弁護士に依頼して、弁護士にお子さんが逮捕されて留置されている警察署に接見に行ってもらうことが重要になるでしょう。
その際は、先ほども説明した通り、警察や検察による捜査の段階と事件が家庭裁判所に送致された段階で、事件を担当する警察や検察、家庭裁判所の場所が異なる可能性がありますから、逮捕直後の捜査段階から家庭裁判所による判断がなされるまで一貫した弁護活動をするために、全国に支部がある法律事務所に依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、札幌、仙台、千葉、さいたま、新宿、八王子、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、福岡という全国各都市に事務所がある、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県外に住んでいるお子さんが、埼玉県内の警察に逮捕されたということを知ったものの、何をどうしたら良いか分からずお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

【報道解説】埼玉県川口市で不同意性交等罪と自首の検討

2024-07-05

【報道解説】埼玉県川口市で不同意性交等罪と自首の検討

「不同意性交等罪」の逮捕事案に伴う弁護活動と自首について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道事例】

埼玉県川口市内の公園で16歳未満の少女に性的暴行をしたとして19歳のアルバイト店員が逮捕されました。
警察によりますと令和5年7月22日夜、埼玉県川口市内の公園の多目的トイレで、オンラインゲームで知り合った16歳未満の少女に対し、性的暴行をした疑いが持たれています。
当日、少女の帰宅が遅いことを不審に思った親が本人に確認したところ被害が発覚し、その後、男が警察に自首して逮捕されたということです。
(令和5年7月26日に配信された「高知 NEWS WEB」の記事を基に、一部事実を変更したフィクションです。)

【刑法改定:不同意性交等罪の新設】

令和5年7月13日をもって、「不同意性交等罪」が施行されました。

不同意性交等罪の新設の背景には、近年における性犯罪をめぐる状況に鑑み、構成要件の明確化と細分化を進め、以てこの種の性犯罪に適切に対処する必要があるとの理由に基づいています。

このたびの刑法改正により、旧刑法の「強制わいせつ罪」「準強制わいせつ罪」を統合して「不同意わいせつ罪」、旧刑法の「強制性交等罪」「準強制性交等罪」を統合して「不同意性交等罪」を規定することになりました。
あわせて、性犯罪についての公訴時効期間の延長や、被害者等の聴取結果を記録した録音・録画記録媒体に係る証拠能力の特則の新設なども盛り込まれています。

【不同意性交等罪とは】

刑法改定後の不同意性交等罪では、「次のような行為」等により、被害者の真の同意を得ることなく性交等を行った場合に、婚姻関係の有無にかかわらず処罰されることになります(刑法第177条第1項)。

「次のような行為」として、「暴行若しくは脅迫」、「心身の障害(おそれも含む)」、「アルコール若しくは薬物の摂取」、「睡眠その他の意識不明瞭状態」、「不同意を形成・表明するいとまがない」、「予想と異なる事態への恐怖・驚愕」「虐待に起因する心理的反応」、「経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること」の8項目が列挙されています。

上記報道事例の記事によれば、「性的暴行」つまり「暴行・脅迫」による不同意の性交であると思われます。
この点、「暴行・脅迫」による不同意の性交は、事実上は、法改正前の「強制性交等罪」とほぼ同じ犯罪であり、「強制性交等罪」における「暴行・脅迫」は、被害者の犯行を著しく困難にする程度のもので足り、犯行を抑圧する程度に達する必要は無い(最高裁判例)と広く解釈・運用されていました。

このような「暴行・脅迫」による不同意の性交では、被害者との同意の有無を争ったり、同意があったと錯誤したと不同意性の否認を主張することは、非常に難しいと思われます。

【刑事弁護の自首】

自首を定める刑法第42条では、「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したとき」、自首が成立し、その刑を軽減することができるとしています。
つまり、報道記事において、被害者(またはその保護者)が警察に対して被害届を出した後に、被疑者が警察に出頭して犯行を自白したとしても、それは刑法上の「自首」が成立したことにはなりません。
とはいえ、自発的に犯罪事実を申告した場合には、その後の刑事手続きにおいて被疑者の反省や後悔を示す情状資料の一つとして評価され、検察官の起訴・不起訴の判断、そしてどの程度の罪の刑事責任を問うのかの判断材料になる可能性は否定できません。

このように、すべて自分の犯行を供述すれば自首が成立するとは限らず、とはいえ、犯行の自己申告がまったく無意味なものでは無いという事情もあることから、刑法上の「自首」の成立可否に関わらず、広い意味で犯行を自己申告したいとお悩みの方は、刑事事件に詳しい弁護士に事前に法律相談を行い、刑事手続きにおける自分の立ち位置を選択することが非常に重要となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所で、示談交渉の経験が豊富な弁護士が在籍しております。
埼玉県川口市における不同意性交等罪の性犯罪でお悩みの方、自首を考えている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の無料相談や初回接見サービスをご利用ください。

【事例解説】自転車事故ひき逃げ事件で示談解決 自転車交通違反厳罰化の流れ

2024-07-01

【事例解説】自転車事故ひき逃げ事件で示談解決 自転車交通違反厳罰化の流れ

埼玉県川口市で生じた自転車事故の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【事例紹介】

埼玉県川口市に住む、40歳代女性のAさんは、通勤の際に自転車を運転していたところ、歩行者の70歳代男性と接触して、男性は転倒してしまった。
被害者男性は、すぐに起き上がり、無事そうに見えたので、通勤中で急いでいたAさんは、そのまま自転車で走り去った。
実際には、被害者男性は、この事故により腕を骨折しており、後日に埼玉県武南警察署に被害届を提出した。
事故現場周辺の防犯カメラの映像から、自転車事故の加害者がAさんであることが判明し、Aさんは、武南警察署から取調べの呼び出しを受けた。
自転車事故のひき逃げ事件で、どのような刑事処罰を受けるのか不安になったAさんは、刑事事件に強い弁護士に法律相談することにした。
(弊所に寄せられた法律相談を基にしたフィクションです)

【自転車事故の刑事処罰とは】

「自転車事故」を起こした場合と、「自動車事故」を起こした場合とでは、刑事処罰を科すための法律や、刑罰の法定刑が大きく異なります。

自転車事故を起こして、被害者に怪我をさせた場合には、刑法の「過失傷害罪」や「重過失傷害罪」に当たるとして、刑事処罰を受ける可能性があります。
過失傷害罪の法定刑は「30万円以下の罰金又は科料」とされており、重過失傷害罪の法定刑は「5年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金」とされています。

他方で、自動車事故を起こして、被害者に怪我をさせた場合には、自動車運転処罰法の「過失運転致死傷罪」が成立するとして、刑罰の法定刑は「7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金」とされています。

自転車事故を起こして、被害者に怪我をさせ、そのまま現場を立ち去って「自転車ひき逃げ事件」となった場合には、道路交通法に違反するとして、「1年以下の懲役又は10万円以下の罰金刑」という法定刑で、刑事処罰を受けます。

他方で、自動車事故を起こして、被害者に怪我をさせ、そのまま現場を立ち去って「自動車ひき逃げ事件」となった場合には、道路交通法に違反するとして、刑事処罰の法定刑は「10年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります。

【自転車の交通違反は厳罰化傾向へ?】

自転車による交通違反への反則金制度(青切符)の導入を柱とする道路交通法改正案が閣議決定され、改正案は今の通常国会に提出され、成立すれば2026年までに実施されることになりました。

自転車は身近な交通手段ですが、悪質な違反や、死亡事故や重度の傷害事故が報道賑わせており、その防止を目的とした今回の対応は自転車対策の大きな転換点となりえます。

反則金とは、比較的軽微な違反を対象に現場で警察官が青切符を交付し、違反者が反則金を納めれば刑事罰を科されない制度を言います。
自動車による交通違反の多くに適用されているが、現時点では自転車の交通違反は対象外で、刑事手続きに乗る交通切符(赤切符)で対応しているのが現状です。
ただ、交通違反が検察官に送致されても起訴や略式起訴になるのはごく一部で、制裁の実効性が低いことが以前から指摘されていました。

特に、昨今ではスマートフォン等を使用して自転車に乗る「ながら運転」が問題となっており、酒気帯び運転も併せて、新たに禁止されることになります。
罰則はいずれも自動車と同じで、「ながら運転」は6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金、酒気帯び運転が3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

【自転車事故の弁護活動】

自転車事故は、被害者側が被害届を出す前に、示談交渉の話し合いをまとめて、被害者側から許しを得られるような示談が成立すれば、刑事事件化を阻止できるケースが多いです。
警察に被害届を出される前の、事件早期の段階で、弁護士を依頼して、弁護士を仲介させた適切な示談交渉活動を行うことが重要となります。

また、被害届が出されてしまって、警察取調べが開始されてしまったケースにおいては、事故当時の状況をどのように取調べで供述するかを、弁護士に法律相談して、弁護方針を検討することが、刑事処罰軽減のために重要となります。
被害届が出されてしまった後でも、被害者側との円満な示談が成立すれば、不起訴処分を獲得して、前科を回避できる可能性が高まります。

まずは、自転車事故ひき逃げ事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県川口市の自転車事故ひき逃げ事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【報道解説】埼玉県桶川市で他人の車に落書きして器物損壊罪で逮捕

2024-06-27

【報道解説】埼玉県桶川市で他人の車に落書きして器物損壊罪で逮捕

他人の車に落書きしたとして器物損壊罪で逮捕された刑事事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

駐車中の車のボンネットに黒色の油性ペンで文字を書き込んだとして、70歳の整体師の男Aが器物損壊の疑いで逮捕されました。
警察によりますとAは、5月22日早朝、桶川市の住宅敷地内に駐車中の乗用車のボンネットに黒色の油性ペンで文字を書き込んだ器物損壊の疑いがもたれています。
車の所有者である被害者Vが被害に気付き、埼玉県警上尾警察に被害届を提出し、警察が捜査を進めたところ、Aの犯行である疑いが強まり、5月30日器物損壊の疑いで逮捕されました。
AとVは面識があるのことで、Aは「わたしがやったことに間違いはない」と容疑を認めていて、詳しい犯行の経緯や動機についてはひきつづき捜査をすすめています。
(令和6年5月30日のYahooニュース・チューリップテレビの記事を基に、事実を変更したフィクションです。)

【器物損壊罪とは】

上記刑事事件例では、Aは器物損壊罪の疑いで逮捕されています。

器物損壊罪について、刑法第261条では「他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する」と規定しています。

つまり、器物損壊罪が成立するには、 「他人の物」(他人の土地や動物も対象になります)に対して、「損壊」または「傷害」する行為が要件となっています。

器物損壊罪における「損壊」は、物理的な損壊に限らず、心理的に使用できなくするような行為も損壊と解されています。
また、その物が本来持っている価値を低下させるのも損壊とみなされます。
例えば、料理店の食器に放尿した行為について、食器を入念に消毒すれば再使用はできるが、一度尿の付いた食器は心理的に二度と使うことができず、価値が損なわれていると評価して、器物損壊罪の「損壊」とした判例もあります。

器物損壊罪は親告罪とされており、被害者による告訴がなければ公訴を提起(起訴)することができません。

上記刑事事件例では、Aが落書きをした対象は他人の車であって、車の外観に損害を与えております。
所有者は警察に被害届(刑事処罰の意思を表明する「告訴」の一部)を提出しているため、親告罪の要件も満たしています。

【器物損壊罪で逮捕された場合とそのデメリット】

器物損壊罪は比較的法定刑の軽い部類の犯罪ですが、その被害金額の大きさや、被害規模の大きさ等を鑑みれば、捜査機関が逮捕に踏み切る可能性は十分にあります。

器物損壊罪で逮捕された場合、勾留やその勾留延長が決定されてしまうと、最大で20日間身柄が拘束される可能性もあり得ます。

器物損壊罪は、懲役刑のほか、罰金刑などのも規定されていますが、たとえ罰金刑が科されて懲役刑には至らなかった場合でも、前科がつくことに変わりはなく、被疑者の今後の社会生活で不利益が生じる可能性は残ります。

【器物損壊罪の刑事弁護】

ご家族が器物損壊罪の事件を起こして逮捕されているけど早期釈放してほしい、不起訴処分を獲得して前科を避けたい、起訴されても量刑を少しでも軽くしてほしい、といった場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
前述のとおり、器物損壊罪は親告罪であるため、被害者との示談が成立して被害届や刑事告訴などを取り下げることができれば、不起訴処分を獲得することに繋がります。
それゆえ、不起訴処分をより確実に獲得するためにも、刑事事件の示談交渉の経験豊富な刑事事件専門の弁護士に弁護を依頼することを強くお勧めいたします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊罪を含め、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご家族が逮捕されている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
弁護士がご本人から直接事実関係などを確認した上で、現在の状況や今後の見通しについて詳しい説明を受けることができます。

ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

埼玉県桶川市の器物損壊罪で刑事事件化してしまった、またはご家族が逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所までご相談ください。

【報道解説】会社員が16歳未満との不同意性交等事件で逮捕

2024-06-23

【報道解説】会社員が16歳未満との不同意性交等事件で逮捕

16歳未満の者に対する不同意性交等罪事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】

埼玉県川口市在住の男性(36歳、会社員)が、令和5年7月15日に、川口市内のホテルで、16歳未満で自分より5歳以上年下だと知りながら少女と性交したという、不同意性交等罪の疑いで逮捕された。
2人はSNSを通じて知り合ったが、実際に会ったのは、事件があった日が初めてだったとのこと。
埼玉県警川口警察の調べでは、金銭のやりとりはなかったとみられていて、警察取調べに対して、男性は「みだらな行為をしたことに間違いないが、女性は19歳だと聞いていた」と容疑を一部否認している。
(令和5年7月20日に配信された「読売テレビニュース」の記事を基に、場所等の事実の一部を改変したフィクションです。)

【16歳未満の者に対する不同意性交等罪とは】

令和5年7月13日に施行された刑法改正により、「強制わいせつ罪」「強制性交等罪」が、「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」へと罪名が変わり、犯罪が成立する要件などが見直されました。

従来の刑法では、13歳未満の者に対する「わいせつ行為」「性行為」については、性的同意の判断できる年齢に達していないとして、13歳未満の者の同意不同意に関わらず、「強制わいせつ罪」「強制性交等罪」が成立するとされていました。
今回の刑法改正により、13歳未満の者が性的同意の判断できる年齢に達していないとする要件はそのままですが、新たに、16歳未満の者については、「加害者」と「16歳未満の被害者」との間に5歳以上の年齢差がある場合には、16歳未満の者の同意不同意に関わらず、「不同意わいせつ罪」「不同意性交等罪」が成立する、という規定が追加されました。

・刑法 177条3項
「十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。」

他方で、18歳未満の者との「わいせつ行為」「性行為」については、その者との関係が彼氏彼女といった真摯が恋愛関係に無い場合には、各都道府県の制定する「青少年健全育成条例」に違反するとして、刑事処罰を受ける可能性があるため、注意が必要です。

【不同意性交等罪の弁護活動】

不同意性交等事件を起こして、逮捕や警察取調べを受けた場合には、まずは弁護士に法律相談をして、事件当日の経緯などの事情を整理することで、警察取調べの供述対応を、弁護士とともに検討することが重要となります。

また、被害者やその保護者との示談交渉を、弁護士が仲介して進めることで、被害者側の許しが得られるような示談が成立すれば、刑事処罰の軽減や、不起訴処分の獲得に繋がることが期待されます。

まずは、不同意性交等事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県川口市の不同意性交等事件でお困りの方は、性犯罪等の刑事事件を専門とする弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の刑事事件に経験豊富な弁護士にご相談ください。

【報道解説】埼玉県寄居町の駅で盗撮 性的撮影処罰法違反で逮捕

2024-06-19

【報道解説】埼玉県寄居町の駅で盗撮 性的撮影処罰法違反で逮捕

埼玉県大里郡寄居町で生じた性的撮影処罰法違反の刑事処罰について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

スマートフォンを使って女性のスカートの中を撮影した、「性的姿態撮影等処罰法違反の疑い」で埼玉県寄居町の無職の男が逮捕されました。
性的姿態撮影等処罰法は今年7月13日から新たに施行された法律で、この法律による逮捕は県内初です。

警察によりますと、埼玉県大里郡寄居町在住の20歳の無職の男は、8月16日午後ごろ、寄居駅構内でスマートフォンを使い後ろから20代女性のスカート内を盗撮した「性的姿態撮影等処罰法違反の疑い」が持たれています。
被害者本人が盗撮に気づき、駅員に警察への通報を依頼。駆けつけた警察官により現行犯逮捕されました。
男は「スカート内を撮ったことは間違いありません」と容疑を認めていて、警察は余罪を含め、常習的に犯行に及んでいたかなど、詳しい調べを進めています。
(令和5年8月17日に配信された「UX新潟テレビ21」の記事を基に、事実を一部改変したフィクションです。)

【性的撮影処罰法違反の刑事処罰】

性的姿態撮影等処罰法は、令和5年7月13日に、刑法の不同意性交等罪の改定に合わせて、新しく施行された法律です。
従来、盗撮に関しては、各都道府県の定める迷惑行為防止条例違反の中で処罰されていましたが、処罰の適用範囲に相違や不十分な点があると従前してきされており、このたびの改正により、全国一律に適用される盗撮を処罰する法令として施行されるに至りました。

性的姿態撮影等処罰法では、大まかに以下の行為が処罰されることになります。

1.正当な理由がないのに、ひそかに、対象性的姿態等を撮影する行為
2.同意なく人の対象性的姿態等を撮影する行為
3.行為の性質が性的なものではないと誤信させたり、特定の者以外の者が閲覧しないと誤信させ、人の対象性的姿態等を撮影する行
4.正当な理由がないのに、13歳未満の者の性的姿態等を撮影し、または13歳以上16歳未満の者に対して、当該者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者が、その性的姿態等を撮影する行為

性的姿態撮影等処罰法の罰則は、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金となります。
法改正前(7月13日以前)は各都道府県の迷惑行為防止条例で罰則が定められており、埼玉県では「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、上記報道の盗撮が発生した新潟県では「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」であったため、大幅な厳罰化と言えるでしょう。 

【性的撮影処罰法違反の弁護活動】

上記の事例のように、性的姿態撮影について容疑を認めるケースでは、警察取調べの供述対応を検討するとともに、被害者やその親族との示談交渉活動を、弁護士を仲介して行うことで、被害者側からの許しを得られるような示談成立を目指すことが、刑罰軽減に向けた重要な弁護活動となります。

まずは、盗撮によって性的撮影処罰法違反事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。

埼玉県寄居町の盗撮による性的撮影処罰法違反事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

【事例解説】ブラックバイトに参加 特殊詐欺未遂で逮捕 

2024-06-15

【事例解説】ブラックバイトに参加 特殊詐欺未遂で逮捕 

埼玉県加須市でブラックバイトに参加して詐欺未遂の疑いで逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「Aさんは、手軽にできて時給の高いアルバイトをしようと思いSNSで検索したところ、書類の配達のバイトを見つけたので、応募して採用されました。
Aさんは、早速、電話で埼玉県加須市にある家に行って偽名を名乗って書類を受け取り、受け取った書類を所定の場所にいる担当者に渡すように指示されました。
Aさんは、この仕事はいわゆる「ブラックバイト」という違法な仕事ではないかと不安になりましたが、仕事を指示者から強く圧力をかけられました。
Aさんは、埼玉県加須市にある家に向かい、呼び鈴を押して偽名を名乗ったところ、家から出てきた埼玉県警加須警察署の警察官に詐欺未遂の現行犯で逮捕されました。
(この事例はフィクションです)

【気づかない内に特殊詐欺に関わってしまうことがある!】

事例のAさんのように書類の配送・配達のアルバイトだと思ってバイトを始めたころ、書類の受け取りが特殊詐欺などの違法行為(いわゆるブラックバイト)であったため、書類を受け取りに行ったら突然警察に逮捕されたという事件が珍しくありません。
このような特殊詐欺では、被害者の方から書類を受け取る場面が、被害者の方と実際に対面することもあって、警察に逮捕されるリスクが一番高い場面であるといえます。

そのため、特殊詐欺を計画している大元の犯行グループは、書類の受け取り役をグループとは全く関係ないSNSでアルバイトとして募集してきた人物に担わせて、仮に書類の受け取り役が警察に逮捕されても、警察が大元の犯行グループまでたどり着かないように対策を立てています。
こうしたことに気が付かず、簡単にお金を稼ぐことができるアルバイトだと思って書類の受け取りをしてしまうと、詐欺の疑いで警察に逮捕されてしまう場合があります。

【書類を受け取っただけだから罪は軽い?】

刑法60条には「2人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。」という規定があります。
これは、2人以上の人が共同して犯罪を実行した人を共同正犯として、他の人が行った行為についても、自分が行ったものとしてその責任を負うということを意味しています。
そのため、詐欺罪の共同正犯になってしまうと、たとえ書類の受け取りしかやっていなくても、他の人が行った嘘の電話をかける行為や最終的に金目の物を受け取る行為といった行為についても自分がやったものとして責任を負うことになります。

書類を受け取ったことで詐欺罪の共同正犯が成立するかは、実際にそのときにどういった認識があったかといった事情も非常に重要になりますので、書類の受け取り役が必ずしも詐欺罪の共同正犯になるという訳ではありません。
ただ、自宅訪問時に偽名を名乗るよう指示されたりと「これってもしかして詐欺じゃないのかな」と思うような事情があれば、詐欺罪の共同正犯が認められやすくなってしまうでしょう。
詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役刑となっていますので、詐欺罪の共同正犯になると、書類の受け取りしかしていなくても、10年以下の懲役刑が科される場合があります。

なお、事例のAさんは書類を受け取る前に埼玉県警朝霞署の警察官に現行犯逮捕されていますから、実際に書類を受け取ってはいません。
そのため、Aさんには詐欺罪の既遂の共同正犯が成立する可能性はなく、詐欺罪の未遂の共同正犯が成立する可能性があるのみですが、詐欺罪の未遂といっても、法定刑は詐欺罪の既遂の場合と同じで10年以下の懲役刑となっています(ただし、刑法43条によって刑を減軽することができます)。

【ご家族が特殊詐欺で警察に捕まってお困りの方は】

ご家族の中に、特殊詐欺に関わってしまったことで警察に詐欺の疑いで逮捕されてしまった方がいる場合には、弁護士に依頼して初回接見に行ってもらうことをお勧めします。
初回接見によって、弁護士が警察の留置場で拘束されているご家族の方から直接事件についてお話を聞くことができますので、事件の見通しや今後の手続の流れ、弁護士が取ることができる刑事弁護活動などについて知ることができるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県加須市でご家族が特殊詐欺で警察に捕まってお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

« Older Entries Newer Entries »

keyboard_arrow_up

0120631881 無料相談予約はこちら LINE予約はこちら