【報道解説】埼玉県志木市のひき逃げ 過失運転致傷罪と道路交通法違反

【報道解説】埼玉県志木市のひき逃げ 過失運転致傷罪と道路交通法違反

ひき逃げにより、過失運転致傷罪および道路交通法違反となった場合の責任とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例】

9月11日夕方、埼玉県志木市の市道で「人がうつぶせで倒れている」と110番通報があり、原付バイクに乗っていた男性が車に追突され重傷を負いました。
車は現場から逃走していて、朝霞警察署はひき逃げ事件として調べています。
警察によりますと、さいたま市に住む44歳の男性が原付バイクで帰宅途中に、後ろから来た車に追突されたということです。
この事故で男性は転倒し、左肩や右腕を骨折する重傷で、男性をはねた車は西の方に逃走したとみられるということです。
警察は周辺の防犯カメラを調べるなどして、逃げた車の行方を追っています。
(令和7年9月12日の「東海テレビ」の記事を元に、場所等の事実を一部変更したフィクションです。)

【ひき逃げの罪】

交通事故を起こした場合、直ちに車両の運転を停止して、負傷者の救護等を行う義務(救護義務)があります(道路交通法第72条第1項)。
事故を起こし負傷者がいるにも関わらず、救護義務を怠り逃走することを一般的にひき逃げと呼び、ひき逃げ(救護義務違反)で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。

上記刑事事件例において、Aは、人身事故の認識はなかったと供述していますが、物との接触であっても交通事故であり、その認識がある以上は、現場を確認せず走り去ったこと(「当て逃げ」と呼ばれることもあります)で救護義務違反と認定される可能性はあります。

また、救護義務違反とは別に、Vの負傷が、Aが運転上必要な注意を怠ったことによるものと立証されれば、過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)が成立します。
過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の拘禁刑若しくは禁錮又は100万円以下の罰金であり、ひき逃げと同程度に重い罪です。

なお、両罪とも有罪となった場合、併合罪として、最大15年以下の拘禁刑又は150万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

【ひき逃げの弁護活動】

このようなひき逃げ事案では、被害者の負傷の程度にもよりますが、何の弁護活動も行わなければ、検察官から起訴され、実刑となる可能性があります。

ひき逃げ事案に対する弁護活動としては、被疑者の加入する自動車保険会社とも連携しながら、被害者との円滑な示談交渉に努めます。
保険金で完全な賠償を行える場合でも、謝罪とともに被疑者個人からの見舞金や謝罪金等を申し出る等で誠意を示し、示談書等に「寛大な処罰を求める」「重い処分を求めない」旨の宥恕条項を入れてもらうことで、検察官の処分や裁判官の判断に有利な影響を及ぼす可能性を高めることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故関係の刑事事件を多数取り扱い、ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反の刑事事件で示談成立による不起訴処分を獲得した実績も数多くあります。

ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反で自身やご家族が警察の取り調べを受け不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部へご相談ください。

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