【事例解説】スーパーで窃盗罪の疑い レジの通し忘れを主張したい

【事例解説】スーパーで窃盗罪の疑い レジの通し忘れを主張したい

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スーパーマーケットで商品をセルフレジに通さず店を出たことで、窃盗の疑いで刑事事件化または逮捕されたケースで、レジの通し忘れ等の主張をすることについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

高齢者や認知症の人などが、スーパーなどで代金の支払いを忘れたまま商品を持ち帰ることがある。
埼玉県の支援団体などが、そうした行為を「未払い行動」と位置づけ、理解と支援を呼びかけている。
悪意がなくても万引きと見なされる恐れがあり、本人や家族の悩みは深い。
店側でも未払い行動への対応が始まっている。

「知らないうちに物を取って、レジを通さずに店を出ていた」。
埼玉県和光市で6月にあった、未払い行動を考える県主催のシンポジウムで、男性(56)が体験を語った。
男性は行動障害が特徴の「前頭側頭型」の認知症を患う。
埼玉県和光市所在のスーパーを出た瞬間、警備員に制止されて未払い行動に気づき、埼玉県警朝霞警察署の警察官を呼ばれたことも。
それ以来、買い物には必ず付き添いを頼む。

(令和4年9月14日づけの読売新聞オンラインの記事をを参考に、場所等の事実を一部変更のうえ、架空の事実を追加したフィクションです。)

【うっかり商品をレジに通さずに店の外に出てしまうと?】

最初から商品をレジを通さずに未精算のまま持ち出そうという意思で、スーパー等の棚から商品を手持ちの鞄にいれて精算せずに店の外にでるという万引き行為は、刑法235条に規定されている窃盗罪に当たる行為です。
窃盗罪の法定刑は、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金刑となっています。

事例のAさんの行為も、精算せずに商品を店外に持ち出しているという点で上記万引き行為と違いがありませんので、事例のAさんの行為は客観的には窃盗罪に当たることになります。
ただ、Aさんには商品をレジに通さずに未精算のまま持ち出そうという意思はないという主張です。

レジに商品を通し忘れることについては、事例のように高齢者の認知症や行動障害のように、法的責任の追及が難しいケースもあり得ます。

基本的に、このような状況で外形的にレジを通し忘れてしまったAさんにはついては、窃盗罪を犯す意思がないということができます。
刑法38条1項の本文が「罪を犯す意思がない行為は、罰しない。」と定めていますので、窃盗罪を犯す意思(窃盗罪の故意)がない事例のAさんには、理屈の上では窃盗罪が成立しないことになります。

【うっかり商品をレジに通さなかったことで刑事事件化した方は】

このように、理屈上は、うっかり商品をレジに通さなかった場合は窃盗罪が成立しないことになるのですが、意図的にレジを通さなかったのか、レジを通すのをうっかり忘れだけなのかは自分自身にしか分からない事柄です。
そのため、現実問題として、うっかり商品をレジに通さずに店の外に出たことで警察から窃盗の疑いで捜査を受けているという場合に、「電話に気を取られて、うっかり一部商品をレジに通すのを忘れました」という弁解をしたとしても、その弁解がすんなり受け入れられる可能性は低いといえるでしょう。

多くの警察官は、そのような「うっかり忘れただけ」という弁解を聞いた時は、意図的にレジを通さなかったのに言い訳をして窃盗の成立を免れようとしていると疑ってかかってくることが予想されます。
このような場合でも、真実がうっかりレジを通すのを忘れただけであるならば、警察官に臆することなく「うっかり忘れただけ」と供述する必要があるのですが、捜査のプロである警察官に窃盗を疑われている状況で「うっかり忘れただけ」と供述し続けることは、精神的負担が非常に大きいです。

こうした捜査によるストレスで、途中で警察官の誘導に負けて「意図的にレジを通しませんでした」と供述を変えてしまうことのないよう、窃盗の疑いで警察の捜査を受けている場合は、いちはやく弁護士に事件を依頼されることをお勧めします。
事件の依頼を受けた弁護士は、依頼人の「うっかり忘れただけ」という言い分が認められるよう最善の努力を尽くすことになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は、窃盗事件などの刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県和光市で、警察から万引きや窃盗罪の疑いをかけられてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

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