【事例解説】中学生によるひったくり窃盗事件

【事例解説】中学生によるひったくり窃盗事件

埼玉県草加市の中学生によるひったくり事件ついて弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例紹介】

「15歳の中学3年生のAさんは、後輩の13歳の中学1年生のBさんと一緒に、埼玉県草加市内で、自転車に乗りながら歩行者に近付いて、歩行者が持っているカバンを奪い去るというひったくり行為を繰り返し行っていました。
ある日、AさんとBさんは、これまでと同じようにひったくりをしようと、自転車に乗りながらVさんが持っているバッグをひったくろうとしましたが、失敗してしまい、そのままVさんに取り押さえられて、草加署に通報されてしました。
Aさんは、現場に駆け付けた草加署の警察官に逮捕されました。」
(この事例はフィクションです)

【ひったくりをするとどのような罪に問われる?】

路上を歩いている被害者の方の財布やカバンを追い抜きざまに奪い去る行為を一般的に「ひったくり」と呼びますが、このような「ひったくり」行為をした場合、具体的な事実関係によって成立する犯罪が異なります。
被害者の方に暴力を加えることなく、単に隙をついて財布やカバンを奪い去ったという場合は刑法235条が規定する窃盗罪が成立することになるでしょう。

また、窃盗罪については、刑法243条によって未遂の場合でも処罰の対象になっています。
そのため、ひったくりをしようとして相手のバックに手をかけたものの、被害者の方の抵抗にあってバックを奪い去ることができなかったという場合でも、窃盗罪の未遂として刑罰の対象になります。

【15歳の中学生がひったくりをすると逮捕される?】

15歳の中学生であるAさんが、このような窃盗罪(や窃盗罪の未遂)に該当するひったくり行為をした場合は、少年法という法律が適用されます。
そのため、Aさんは「罪を犯した少年」(少年法3条1項1号)として、その処遇を家庭裁判所が判断することになりますので、大人の場合と異なって刑事罰が科されることはありません。

ただ、15歳の中学生であっても、ひったくり行為をした場合には、警察に逮捕されて身柄が拘束される可能性は十分にあり得ますし、逮捕後も、勾留や観護措置といったかたちで警察署の留置施設や少年鑑別所で身柄が拘束され続ける場合もあり得ます。

中学生の方が身柄を長期間にわたって拘束されると、その間学校に登校できなくなりますから、中学生の日常生活・学校生活に与える影響は非常に大きなものと言えるでしょう。

【13歳の中学生がひったくりをすると逮捕される?】

上に挙げた事例では、13歳の中学生のBさんも一緒にひったくり行為をしています。
AさんとBさんは、一緒にひったくり行為をしていた点や、ふたりとも中学生という点で共通していますので、Aさんが逮捕されたことからBさんも逮捕されるのではないかと思われる方がいらっしゃるかもしれません。

しかし、刑法41条では、14歳未満の人を刑事未成年として、そのような刑事未成年の人の行為は罰しないと定めていますので、14歳未満の人が犯罪に当たる行為をした場合は、警察によって逮捕されることはありません。
こうした14歳未満の事件を起こした少年のことを触法少年と言いますが、触法少年の場合、警察によって逮捕されることは無くても、警察から保護者と一緒に呼び出しを受けて事件について話を聞かれる可能性がありますし、また、警察から児童相談所に事件が送致された場合、児童相談所が一時保護という形で、触法少年の身柄が児童相談所に拘束される可能性はあります。

【中学生のお子さんがひったくりをして警察の捜査を受けてお困りの方は】

このように中学生の方が一緒にひったくり事件を起こしたという場合でも、事件を起こした中学生の方の年齢がいくつなのかということでその後の手続きの流れが異なる場合があります。
そのため、中学生のお子さんがひったくり事件を起こして警察の捜査や調査を受けて、今後について何をどうしたら良いか分からずお困りの方は、弁護士に相談して、今後の流れや事件の見通しについてアドバイスをもらうことをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
埼玉県草加市で中学生のお子さんがひったくり事件を起こして警察の捜査や調査を受けてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部まで一度ご相談ください。

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