埼玉県東松山市で年始の喧嘩騒動で逮捕

埼玉県東松山市で年始の喧嘩騒動で逮捕

年始の長期休暇明けで、お酒の席が増え、酔って外を歩く方が触れるこの季節に、喧嘩騒動を起こし刑事事件化したり逮捕された場合の刑事手続きについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事件例】

埼玉県在住の会社員Aさんは、年始の取引先への挨拶周りを行い、大口取引先の担当者と懇談会を楽しみ、かなり酔っ払った状態でJR東松山駅へ向かっていたところ、同じく酔っ払って対向からやってきた男性Vと肩がぶつかり、口論につづいて殴り合いの喧嘩騒動になりました。
これによりVは頬を殴られて前歯が折れる負傷を負ったとして警察に助けを求め、駆けつけた埼玉県警東松山警察署によってAさんは傷害罪の疑いで逮捕されました。
Aさんが逮捕されたことにショックを受けたAさんの妻は、どうにかしてAさんの身柄拘束を解くことができないか、どうすれば刑事責任が軽くなるか不安になり、刑事事件を専門とする弁護士に事件を依頼するつもりで相談に行くことにしました。
(※フィクションです)

上記刑事事件例は、今年12月21日午後11時15分ごろ、飲食店の立ち並ぶ北九州市小倉北区神岳の路上で、「喧嘩をして、1人が倒れている」と110番があった事実をモデルにしています。
福岡県警小倉北警察署の警察官が駆け付けると、住所・職業不詳の男性が腹部を刃物で刺されており、搬送先の病院で死亡が確認されました。
刺したとみられる男が現場から逃走したものの、男性から22日午前、警察に「迎えに来てほしい」と連絡があり、いったん関与を認める趣旨の話をしていたため、警察は男性の身柄を確保し、殺人罪の疑いで逮捕しました。
被疑者男性は、「突き刺したことは覚えていません」と事実を否認している模様で、事件当時、現場には被疑者と被害者の他に3人がいたとみられ、警察が詳しい状況を調べています。

【逮捕リスクの高い路上での喧嘩騒動】

一般的に、喧嘩によって双方が互いに暴行を行った場合は、双方それぞれについて暴行罪が成立し、その暴行によって相手を負傷させた場合には傷害罪が成立します。

喧嘩といっても、友人や知人同士の喧嘩であれば、お互いが刑事事件化することを回避すべく、自然と当事者間の話し合い(和解)で法律上の責任を問わないことが考えられますが、上記刑事事件のように、相手が見知らぬ人で刑事事件化することに抵抗が少なく、むしろ自分の正当性を主張すべく相手の法的責任を問いたい場合には、双方が相手に対して暴行罪ないし傷害罪の被害を訴えたり、自分には正当防衛が主張するはずだと主張するケースも多く見られます。

なお、発生した暴行について、事後的にその違法性が阻却される法律上の理論として、正当防衛(刑法第36条)や緊急避難(刑法第37条)が挙げられます。

ただし、正当防衛も緊急避難も、その成立にあたっては厳格な要件が規定されており、特に「やむを得ずにした行為(補充性の原則)」については判例は非常に厳格に解しており、正当防衛の場合、急迫不正に対する反撃行為が権利防衛の手段として必要最小限のものであることが必要と判示されており、また、緊急避難の場合、当該避難行為をする以外には他に現在の危難を避ける方法がなく、このような行為に出ることが条理上肯定される場合でなければならない、と判示されています(いずれも最高裁判例)。

一方的な加害行為や侵害行為に対する反撃の場合であれば別にして、上記のような当事者が正当な理由もなく相互に暴行を行う「喧嘩」の場合では、正当防衛や緊急避難が成立することは事実上ほとんどあり得ないのが実情であり、また、一方の暴行が過剰に行われ、相手方が大きな負傷を負った場合には、なおさら違法性が高くなると見られています。

そのため、現実的な刑事弁護としては、適切な知識と経験を持った弁護士が仲介し、当事者間の責任の落としどころを探って和解(お互いが示談すること)を目指すことになるでしょう。

特に示談の成立は、逮捕された被疑者が釈放されるために非常に有効となりますので、早期に刑事事件に強い弁護士に話をつけてもらうことを強くお勧め致します。

埼玉県東松山市年始明けの酔った状態での喧嘩騒動暴行罪傷害罪などで刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所への初回無料の法律相談または初回接見サービスをご検討ください。

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