埼玉県川口市で少年による住居侵入・窃盗罪
埼玉県川口市在住の高校生男子Aさん(18歳)は、普段から非行の傾向があり、地元の友人とつるんで深夜徘徊をすることが日常的でしたが、ある日、同じ非行少年グループの先輩から金が稼げるから空き巣をやろうと誘われました。
Aさんは内心ではやりたくなかったものの、仲間内の同調圧力で断ることができず、他の少年4名と共謀して、市内にある住宅に侵入し、現金や高級腕時計等を盗みました。
その後のある朝、埼玉県警川口警察署の警察官が突然Aさん宅を訪れ、Aさんを住居侵入罪および窃盗罪の疑いで逮捕しました。
(フィクションです。)
上記刑事事件例は、愛知県春日井市の被害者宅に侵入し、現金約92万円と貴金属など計約4200万円相当を盗んだなどとして、愛知県警が今年8月22日までに、少年3人を含む5人の男を住居侵入罪および窃盗罪の疑いで逮捕した事案をモデルにしています。
愛知県警は今年2月から、主犯格の被疑者とつながりのある少年ら計14人を県内外での窃盗罪の疑いなどで逮捕しており、主犯格の被疑者が当該窃盗グループを取り仕切って窃盗を繰り返していたとみて捜査を続けていました。
警察の発表によると、逮捕事実は、昨年10月19から21日の間、5人で共謀の上、春日井市の男性会社役員宅に侵入し、現金と高級腕時計など約40点を盗んだというもので、主犯格被疑者は事実を否認、一人が認否を留保し、少年3人は事実を認めているとのことです。
主犯格被疑者以外の4人は同じ暴走族の元メンバーで、被害者は旅行中で、県警は被疑者ら5人がこの家に高額品があることなどを事前に把握して窃盗に及んだ可能性が高いとみて調べています。
原則として、少年(20歳未満の者)が起こした犯罪については、刑事責任が追及される刑事事件とは異なり、刑事責任が問われることはありません。
ただし、少年事件では少年に対して刑事責任が問われる代わりに、犯罪の証拠収集を行った警察や検察官が事件を管轄の家庭裁判所に送致し、家庭裁判所の調査官による調査等を経て、審判を通じて少年の更生に向けてどのような適切な処置が必要とされるのかを判断してく手続が進行することになります。
少年の行った犯罪の法定刑の重さやその態様の悪質性、被害の軽重、犯罪を犯したことに対する反省の念や態度、今後の更生に向けた姿勢など、児童心理学等を修めた専門家によって様々な観点から少年の非行の程度や性質が分析され、少年の更生に向けてどのような処置が必要か綿密に判断されていくことになり、審判不開始や不処分などの判断がされることがある一方で、少年の日常生活では更生が困難と判断された場合には、その程度に応じて保護観察や少年院送致などの決定が下されることがあります。
また、少年であれば逮捕や勾留などの身体拘束がされないという訳ではなく、犯罪発生後から家庭裁判所に送致されるまでのいわゆる「捜査段階」において、犯罪の嫌疑が明白であったり、または、少年の逃亡や罪証(証拠)隠滅の可能性があり、在宅のままでは捜査活動に悪影響が生じると判断された場合には、たとえ少年であっても逮捕されるだけでなく、その後最大20日間の勾留が決定する可能性もあります。
成人に比べ、少年が社会に対して負っている責任は少ないのは事実ですが、しかし、逮捕・勾留によって1か月近くも学校などの日常生活から切り離されることで、進学や進級等の社会的ダメージを受けることも十分考えられるため、少年事件で身柄を拘束されてしまった場合でも、刑事弁護に長けた弁護士による早期の身柄解放をしてもらうニーズは依然として強くあると言えるでしょう。
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