店に対する嫌がらせ 偽計業務妨害罪で逮捕 埼玉県和光市の刑事事件弁護士
会社員女性Aさんは、埼玉県和光市のデパートの店員の態度に腹を立て、嫌がらせ目的のため、Aさん宅にあった賞味期限切れの食品を、あたかも店の商品であるかのように陳列棚に置きました。
期限切れした食品を購入した客からのクレームに対して店が調査したところ、防犯カメラの映像からAさんが陳列棚で不審な動きをしていることが判明し、店は埼玉県警朝霞警察署に被害届を出しました。
その後、Aさんは朝霞警察署によって、賞味期限切れの食品を陳列棚に置き店の業務を妨害したとして、偽計業務妨害罪の疑いで逮捕されました。
警察の調べに対し、Aさんは被疑事実を否認しています。
(フィクションです。)
【店に対する嫌がらせと刑事責任の発生】
今年9月8日、千葉県松戸市内にある大型商業施設の食品売り場で、賞味期限切れのチョコレート菓子計7個を陳列棚に置き、店の業務を妨害したとして、偽計業務妨害罪の疑いで松戸市在住の女性が逮捕、検察官送致されました。
上記被疑者は、不審な動きをする人物として防犯カメラの映像から割り出され、実際に店員が確認したところ、陳列が不自然で、賞味期限はいずれも1年以上過ぎていたことが判明しました。
警察の調べに対し、被疑者は「賞味期限切れとは思わなかった」「口に合わなかったので戻した」等と話しており、店に対する嫌がらせ、業務妨害目的は否認しているようです。
刑法第233条によれば、虚偽の風説を流布したり、偽計を用いて、人の信用を毀損したり、または人の業務を妨害した場合、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
この条文の「偽計を用いて人の業務を妨害」する部分を偽計業務妨害罪と呼び、妨害行為の結果、実際に業務が妨害されたことは必要ではなく、業務を妨害する可能性がある行為であれば足りると解されており(判例)、上記事例のように実際には賞味期限切れの食品を購入した客がいない場合でも、店舗に対する業務妨害の抽象的危険は認定されると考えられます。
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