【報道解説】酒を浴びせる暴行罪で現行犯逮捕

【報道解説】酒を浴びせる暴行罪で現行犯逮捕

他人に酒を浴びせかけた暴行罪現行犯逮捕されたケースの刑事手続と法的責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】
 
「同棲している女性の頭に酒をかけたとして令和4年4月5日、48歳の男が逮捕されました。
暴行罪現行犯逮捕されたのは、札幌市白石区に住む建築業の48歳の男です。
警察によりますと、男は5日午後9時10分ごろ、白石区の自宅で同棲している内縁関係の女性の頭に酒をかけました。
女性が『一緒に暮らしている男に酒をかけられた』などと警察に通報し、事件が発覚。
駆け付けた警察官が状況を確認し、現行犯逮捕しました。
酒は、2リットルの紙パックに入った焼酎で、半分くらい女性にかけていたということです。」
(令和4年4月6日に北海道ニュースUHBより引用)

【裁判例の紹介】
 
ニュースを読んで、お酒をかけただけで暴行罪の疑いで現行犯逮捕されるのかと思われた方がいらっしゃるかもしれません。
確かに、暴行罪が成立する典型的な例としては、人を殴ったり、蹴ったりするような相手方に対して怪我を負わせるような行為があります。
このような典型的な暴力行為にとどまらず、相手方に身体的な接触がなく、怪我をさせる危険性がない行為であっても、暴行罪は成立する可能性があります。
 
例えば、福岡高等裁判所昭和46年10月11日判決では、被告人が、職場で対立する女性に対して、お清めの塩だと称して、女性の頭、顔、胸および大腿部に、塩を数回振りかけた行為によって暴行罪が成立するかが問題になりました。
裁判所は、暴行罪について、「必ずしもその性質上傷害の結果発生に至ることを要するものではなく、相手方において受任すべきいわれのない、単に不快嫌悪の情を催させる行為といえどもこれに該当する」とし、塩を数回振りかける行為は、「相手方をして不快嫌悪の情を催させるに足りるものであ」って、相手方が塩を振りかけられたことについて「受忍すべきいわれのない」ことであるとして、塩を数回振りかけた行為が暴行罪に当たると判断しました。

このように、裁判例では、暴行罪が成立するにあたって相手方を怪我をさせる危険性がある行為であるか否かは問われていません。塩や酒を相手にかけることでも暴行となりえるのです。

【刑事事件の解決のために】

ご自身が暴行罪の疑いで警察から捜査を受けている、あるいはご家族の中で暴行罪の疑いで逮捕された方がいらっしゃるという場合には、いち早く弁護士にご相談あるいは初回接見をご依頼されることをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所には、暴行罪をはじめとした刑事弁護の経験が豊富な弁護士が所属しております。

暴行罪でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所に一度ご連絡ください。

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