【報道解説】女子高校生への淫行で準強制わいせつ罪で逮捕

【報道解説】

女子高校生への淫行で準強制わいせつ罪で逮捕 女子高校生に対してわいせつな行為をしたとして準強制わいせつ罪の疑いで外国人男性が逮捕された刑事事件例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【報道紹介】

「英会話塾を経営するイギリス人の男が教え子の女子高校生にわいせつな行為をしたとして逮捕されました。 準強制わいせつの疑いで逮捕されたのは群馬県伊勢崎市の英会話塾経営者でイギリス人のA容疑者(56)です。 警察によりますと、A容疑者は去年11月、自宅で開いていた英会話塾で教え子の女子高校生(10代)に、体をさわるなどのわいせつな行為をした疑いがもたれています。 警察は女子高校生がA容疑者から1対1で授業を受けていて、抵抗できる心理状態ではなかったとしています。 調べに対し、A容疑者は『間違っている』などと容疑を否認しています。」

(9月29日にTBSNEWSDIGで配信された報道より一部匿名にして引用)

【準強制わいせつ罪とは】

女子高校生に対してわいせつな行為をした場合、各都道府県が定めるいわゆる淫行条例に違反したとして警察に逮捕されるニュースをよく目にすることがあるかと思います。 淫行条例は、18歳未満の青少年に対してみだらな行為をした場合に刑事罰を科す規定ですが、この淫行条例が適用される場合というのは、みだらな行為を行うことについて18歳未満の青少年が同意している場合です。 18歳未満の青少年が、みだらな行為やわいせつな行為を行うことについて同意していない場合には、刑法に規定されている強制わいせつ罪・準強制わいせつ罪や強制性交等罪・準強制性交等罪という犯罪が適用される可能性があります。

準強制わいせつ罪とは刑法178条1項に規定されている犯罪で、「人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした」場合に成立する犯罪です。 具体的にどのような場合に準強制わいせつ罪が成立するかというと、熟睡や泥酔している人にわいせつな行為をした場合や、医師が治療行為と称してわいせつな行為をした場合が考えられます。

今回取り上げた報道では、英会話塾経営者のイギリス人男性が教え子の女子高校生に対して体を触るなどのわいせつな行為をした疑いがあるとのことですが、過去の裁判例には、被告人が、英語の個人レッスンを受けていた女子高校生に対して、英語上達のためのリラックス法のために必要であると称して女子高校生に対して下着まで脱がせて着替えさせた行為に準強制わいせつ罪の成立を認めたものがあります(東京高等裁判所平成15年9月29日判決)。

そのため、逮捕されたイギリス人男性は否認しているようですが、仮に、英会話塾の経営者であるという立場を利用して教え子である女子高校生が抵抗することを心理的に困難な状態に陥らせた上で、わいせつな行為をしたのであれば、準強制わいせつ罪に当たることになるでしょう。 ちなみに準強制わいせつ罪の法定刑は、6月以上10年以下の懲役となっています。

【ご家族の外国籍の方が警察に逮捕されてお困りの方は】

外国籍のご家族の方が警察に逮捕されてお困りの方は、弁護士に依頼して初回接見に言ってもらうことをお勧めします。 弁護士が初回接見に向かうことで、事件の全体像を把握して今後の見通しを立てることができますし、その後も予定されているであろう警察の取り調べに対するアドバイスを行うこともできます。 また、今回取り上げた報道のように外国籍の方が逮捕された場合には、弁護士の初回接見に通訳の方も一緒に派遣することもできます。

逮捕された後の手続きについては日本人であっても詳しく知っているという方は多くありませんし、また刑事手続きについて理解するためには難しい専門用語を使う場合があります。 そのため、外国籍の方が逮捕された場合は、その方が日本に在住していて日常生活には困らない程度の日本語をマスターしていても、刑事手続についてしっかり説明するために通訳の方を一緒に派遣した方が良い場合もあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所で、これまで外国籍の方に対する刑事弁護活動の経験が豊富な弁護士が在籍しております。 外国籍のご家族の方が準強制わいせつ罪の疑いで警察に逮捕されてお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所まで一度ご相談ください。

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