【報道解説】埼玉県川越市の不同意わいせつ事件 逮捕・勾留後の刑事弁護活動
埼玉県川越市の不同意わいせつ事件を例に、逮捕後の勾留(身柄拘束)の要件とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【報道紹介】
路上を歩いていた女性の尻をつかんだとして、埼玉県警捜査1課と川越警察署は5日、不同意わいせつの疑いで、XX市の介護士の男(24)を逮捕した。
逮捕容疑は、7月25日午後11時10分ごろ、川越市内の路上で、徒歩の女性(22)に後ろから自転車で近づき、追い抜きざまに女性の尻をつかんだ疑い。
同署の調べに「間違いありません」と容疑を認めているという。
同署によると、周辺では1カ月以内に同様の被害が数件あり、同被疑者に対してさいたま地方裁判所川越支部は勾留を決定した。
(令和7年8月5日に配信された「神戸新聞NEXT」の記事を参考に、場所等の一部事実を変更したフィクションです。)
【不同意わいせつ罪の刑事処罰とは】
刑法第176条に定められている「不同意わいせつ罪」は、以下に掲げる行為や状態によって、被害者の同意が無い状態や、不同意を表明することができない状態を利用してわいせつな行為をした場合に成立するとされています。
・暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
・心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
・アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
・睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
・同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
・予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
・虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
・経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
不同意わいせつ罪は、上記の不同意状態に乗じたわいせつ行為であれば、婚姻関係の有無にかかわらず成立します。
不同意わいせつ罪の法定刑は、6月以上10年以下の拘禁刑とされています。
【勾留(身柄拘束)の要件とは】
刑事犯罪を起こして逮捕された場合には、逮捕から2、3日の間に、さらに身柄拘束が10日間続くのか、あるいは釈放されるか、という勾留判断がなされます。
勾留する(身柄拘束を続ける)ために必要とされる要件として、「犯罪の嫌疑があること」「勾留の理由があること」「勾留の必要性があること」があります。
・刑事訴訟法 第60条第1項
「裁判所は、被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で、左の各号の一にあたるときは、これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。」
上記の条文の「住所不定」「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」という3つの事由を、「勾留の理由」といいます。
実際の場面で、逮捕勾留するかどうかを判断する際に考慮される事情としては、「容疑を否認しているか」「証拠隠滅の可能性があるか」「他にも共犯者がいるか」「逮捕しなかった場合に、再犯の可能性があるか」等といった事情が、特に重視される傾向にあります。
【不同意わいせつ罪と勾留の有無】
不同意わいせつ罪は、6月以上10年以下の拘禁刑と比較的法定刑が重く、加害者による被害者への再犯の可能性を防止する必要があること、一般に性犯罪は再犯可能性が高い傾向にあること等から、数ある刑罰の中でも勾留が決定されやすい部類の犯罪と言えます。
また、上記刑事事件例のように、他にも余罪が複数あると疑われている被疑者に対しては、証拠隠滅の防止や再犯防止の必要がより一層高いと判断されるため、より勾留が決定される可能性が高いと言えます。
【勾留された被疑者に対する刑事弁護】
接見依頼を受けて、逮捕者との接見(面会)に向かった弁護士は、逮捕者本人から具体的な事件の詳細を聞いた上で、警察取調べ対応のアドバイスを行うとともに、今後の弁護方針を検討します。
逮捕者の身柄拘束(勾留)が続くか、釈放されるかについての判断は、逮捕後72時間以内の検察官による勾留請求によって手続きが進みます。
弁護士接見(面会)の後、弁護依頼を受けた弁護士は、すぐさま検察官や裁判所に働きかけること等を通じて、勾留決定が出ることのないよう、一日も早い釈放に向けて、弁護活動に尽力いたします。
まずは、不同意わいせつ罪等の犯罪事件が発生してから、できるだけ早期の段階で、刑事事件に強い弁護士に法律相談することが重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、逮捕当日に、逮捕されている留置場に弁護士を派遣する、弁護士初回接見サービスのご依頼も承っております。
埼玉県川越市の不同意わいせつ罪等の性犯罪の刑事事件でお困りの方は、刑事事件を専門に扱っている、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の評判のいい弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、日本で数少ない刑事事件・少年事件を全国規模で取り扱う弁護士事務所であり、当法律事務所さいたま支部は、大宮駅近くに事務所を構え、さいたま市を中心に埼玉県及び関東地方一円の刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
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