【報道紹介】死亡事故でひき逃げ 過失運転致死罪と道路交通法違反の弁護活動

【報道紹介】死亡事故でひき逃げ 過失運転致死罪と道路交通法違反の弁護活動

ひき逃げにより、過失運転致傷罪および道路交通法違反となった場合の責任とその弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【事例】

埼玉県警交通捜査課と所沢署は17日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、入間市の建設作業員の男(22)を逮捕した。
逮捕容疑は16日、所沢市の国道463号で乗用車を運転中、軽乗用車に衝突し、運転していた狭山市の男性(71)を死亡させ、そのまま逃走した疑い。
同課によると、男は17日、家族に連れられて所沢警察署に出頭した。
調べに対し、「白い車に追突した。速度を出し過ぎた。逃げてしまった」と供述している。
(令和4年9月19日の埼玉新聞の記事を元に、事実を一部変更したフィクションです。)

【ひき逃げの罪】

交通事故を起こした場合、直ちに車両の運転を停止して、負傷者の救護等を行う義務(救護義務)があります(道路交通法第72条第1項)。
事故を起こし負傷者がいるにも関わらず、救護義務を怠り逃走することを一般的にひき逃げと呼び、ひき逃げ(救護義務違反)で有罪になると、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられます。

上記刑事事件例において、Aは、人身事故の認識はなかったと供述していますが、物との接触であっても交通事故であり、その認識がある以上は、現場を確認せず走り去ったこと(「当て逃げ」と呼ばれることもあります)で救護義務違反と認定される可能性はあります。

また、救護義務違反とは別に、Vの負傷が、Aが運転上必要な注意を怠ったことによるものと立証されれば、過失運転致傷罪(自動車運転死傷行為処罰法第5条)が成立します。
過失運転致傷罪の法定刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金であり、ひき逃げと同程度に重い罪です。

なお、両罪とも有罪となった場合、併合罪として、最大15年以下の懲役又は150万円以下の罰金が科せられる可能性があります。

【ひき逃げの弁護活動】

このようなひき逃げ事案では、被害者の負傷の程度にもよりますが、何の弁護活動も行わなければ、検察官から起訴され、実刑となる可能性があります。

ひき逃げ事案に対する弁護活動としては、被疑者の加入する自動車保険会社とも連携しながら、被害者との円滑な示談交渉に努めます。
保険金で完全な賠償を行える場合でも、謝罪とともに被疑者個人からの見舞金や謝罪金等を申し出る等で誠意を示し、示談書等に「寛大な処罰を求める」「重い処分を求めない」旨の宥恕条項を入れてもらうことで、検察官の処分や裁判官の判断に有利な影響を及ぼす可能性を高めることができます。

刑事弁護活動の一般的傾向を言えば、ひき逃げをした被害者の方の傷害の程度が軽く、示談が成立している場合には、検察官が不起訴処分とする事例が多くみられます。
しかし、傷害の程度が重く後遺症が残ってしまったり、あるいは死亡してしまった場合(過失運転致死罪)には、高い確率で公判請求(起訴)されてしまい、有罪となることが見込まれます。
この場合でも、少なくとも謝罪や被害弁償等の弁護活動を進め、精一杯の情状を酌んでもらうことで、執行猶予付き判決を獲得して実刑を回避する余地が残されています。

【ひき逃げでお悩みの方は】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、交通事故関係の刑事事件を多数取り扱い、ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反の刑事事件で示談成立による不起訴処分を獲得した実績も数多くあります。

ひき逃げによる過失運転致傷罪や道路交通法違反で自身やご家族が警察の取り調べを受け不安を抱える方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部へご相談ください。

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