【報道紹介】埼玉県草加市で金融機関を騙る振り込め詐欺
金融機関による規制が厳しくなった振り込め詐欺グループについて、金融機関等を装って手数料等の名目で金銭を請求する新たな手口やその刑事責任の見込みについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。
【刑事事件例】
埼玉県草加市在住の年金受給者Vさん(68歳)は、ある日、普段利用している銀行からメールを受信しました。
メールには「あなたの口座が犯罪組織に不正利用されています。あなたが犯罪組織に加担している疑いがあるので、速やかに信用会社へ信託金額を支払わない場合、刑事告訴と管轄裁判所への民事訴訟を提起します」と書かれており、手数料の振込先口座が案内されました。
Vさんは、万が一にも自分が犯罪者であると疑われたくないと思い、指定の口座に現金500万円を振り込んだところ、さらに数回追加で振込の指示があったため、合計1500万円を振り込みました。
後日、当該金融機関に振込の事実を確認したところ、金融機関では利用者に対してそのような請求をすることはないと言われました。
Vさんは埼玉県警草加警察署に相談し、警察は詐欺罪の疑いで捜査を開始しました。
(※フィクションです。)
【架空請求の特殊詐欺】
特殊詐欺とは、不特定多数の人に対して電話やインターネットなどの通信手段を用いてお金を振り込ませたり、現金などを直接受け取ったり、といったさまざまな方法で金品をだまし取る詐欺のことです。
被害者の子どものふりをして指定の銀行口座に現金を振り込ませる「オレオレ詐欺」や、電子メールで架空の高額請求のメッセージを送る「架空請求詐欺」なども、特殊詐欺の一種です。
警察庁の「特殊詐欺認知・検挙状況等について」によると、近年の被害状況では、警察の継続的な取り組みによって検挙件数・検挙人数ともに過去最高となっていることもあり、発生件数は減少傾向にありますが、発生件数の水準は依然として高く、中でも架空請求詐欺とオレオレ詐欺は、全体の85%を占めています。
そのため、架空請求だと気づくためには、どのような事例があるかを知識として身に付けておくことが有効です。
架空請求とは、実際には支払う必要がない金銭等を要求し「支払わないと提訴する、利息も増える」などの脅し文句で、お金をだまし取ろうとする詐欺の一種です。
身に覚えのない請求や、契約した覚えのない会社からの請求であっても、請求を見ただけですぐに架空請求と判断するのは難しいです。
仮に「なぜ払わないといけないのか」と不信感や警戒心を持っていても、脅し文句が巧妙な場合、焦って正常な判断がしにくくなり、被害に遭うという流れも多く見られます。
【詐欺罪】
詐欺罪(刑法第246条)の法定刑は10年以下の懲役であるところ、量刑相場の観点からは、特殊詐欺における主犯格的人物やより悪質な手口に携わった者については懲役刑の実刑判決が下されています。
他方、特殊詐欺グループの末端の実行役に過ぎない者で、かつ詐欺の事実を認めており、被害者に対する謝罪や被害弁償、その他情状面で効果的な主張をしている者については、執行猶予付きの判決が下されているケースも見受けられます。
そのため、今後も新たに生まれる様々な特殊特殊詐欺のケースに対応するためにも、刑事事件に詳しい弁護士に弁護を依頼し、ベストな解決策を模索していくことが大切です。
埼玉県草加市で金融機関等の架空業者による振り込め詐欺で刑事事件化または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。