埼玉県所沢市で家族の死亡を隠蔽した年金不正受給の詐欺罪

埼玉県所沢市で家族の死亡を隠蔽した年金不正受給の詐欺罪

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親や配偶者等が死亡したにも関わらず、年金受給停止などの公的手続きを取らず、不正に年金などの社会福祉的な利益を得る詐欺罪の刑事事件の概要とその刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所さいたま支部が解説します。

【刑事事件例1】

死亡した妻の年金をだまし取ったとして、埼玉県警所沢警察署は1日、所沢市の無職の男(74)を詐欺の疑いで再逮捕した。
被疑者は容疑を認めているという。
発表では、男は妻が、2019年頃に亡くなったにもかかわらず、死亡届を出さずに厚生労働省担当者を欺き、23年4月支給の老齢厚生年金約16万円を妻の口座に振り込ませ、不正に受給した疑い。
男は6月28日、道交法違反(無免許運転)容疑で逮捕された際の警察による自宅の捜索で部屋から白骨化した遺体が見つかり、妻と判明した。
同署は、妻の死亡の経緯を捜査するとともに、過去の年金についても不正受給の有無を調べる。

(令和5年7月2日の読売新聞オンラインの記事を基に、事実を変更したフィクションです。)

【刑事事件例2】

父親の死亡を届け出ず、その間の年金計約130万円を不正に受給したとして、埼玉県警所沢警察署は28日、詐欺の疑いで、長男の会社員A(47)と妻の無職B(49)の両容疑者を再逮捕した。
いずれも容疑を否認している。
再逮捕容疑は、別居していた父親(当時推定69)が遅くとも令和3年12月ごろに死亡したのに届け出をせず、4年2~10月、5回にわたり、父親名義の口座に振り込まれた年金をだまし取ったとしている。
両容疑者は8日、遺体を父親の自宅に放置したとして、死体遺棄容疑で逮捕されていた。

(令和6年5月28日の産経WESTの記事を基に、事実を変更したフィクションです。)

【経済停滞や貧困家庭増加による不正受給の刑事事件】

厚生労働省の人口動態統計によると、平成30年において死亡した推計数は約137万人であり、平成29年に比べて約3万人増加しています。
日本は未曽有の少子高齢化という人口モデルに突入しつつあり、今後も高齢者の死亡数は増加の一途をたどり、それに伴って高齢者の介護や死後の扱いについて刑事事件化するケースも増えることが予想されます。

また、人口動態において60代以上の高齢者に比べて労働人口の中心を担う若者層の人口総数が少ないため、年金負担の段階的増加が検討されつつある現在、今後、年金支給額が減額される可能性や、70歳あるいはそれ以上の年齢に年金支給開始年齢が引き上げられる可能性も言われています。

このような中、経済的に困窮した高齢者の方がより一層増加するであろうと指摘されている中、配偶者等が死亡したにも関わらず、あたかも生存しているかのように装って年金を不正受給しようとする者が今後増加することも懸念されます。

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、年金制度のように国民の信頼によって成立している福祉制度を悪用して詐欺行為を行う場合は、態様が悪質と考えられており、実務上、被疑者の認否に関わらず、逮捕や勾留による身体拘束へ踏み切ることが多いように見受けられます。

また、詐欺行為を否認している場合はほぼ確実に、たとえ詐欺行為を認めている場合であっても、高い確率で起訴され、公開の刑事裁判になることが予想されるため、捜査段階で不合理な弁解や一部否認と受け取られかねない供述をしてしまい、その供述が調書として残っている場合には、今後の刑事裁判において、被告人の供述の証明力に不利な問題が生じる可能性も懸念されるため、このような事案は、刑事事件を専門とする刑事事件弁護士にお任せしていただくことを強くお勧め致します。

埼玉県所沢市で親や配偶者等の死亡を隠蔽した年金不正受給の詐欺罪で刑事事件または逮捕されてお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回無料相談や初回接見サービスをご検討ください。

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